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日本語の動詞:「ら抜き/さ入れ」言葉の考察

2016/12/13(火):改訂

 当ブログの考察が進展して、下記本文の記述に矛盾を感じる部分が出ています。
本文を書き直す代わりに表題の「ら抜き/さ入れ」言葉について解釈し直します。
・「ら抜き:られるのら抜き」の名称自体が間違いで、正しくは「rareruの[ar抜き]:r()eru」とでも名付けると、
 「意味の見抜き」ができます。「ある:aru」は存在を表す接辞で、古語、文語体で「書かる、見らる」と受動態を表した
 から、現代の「書かれる、見られる」から「ar抜き:」すると、(動作結果がでる前の状態)「書ける、見れる」という
 (動作前の意気込み明示)表現になるのです。すべての原動詞(子音語幹、母音語幹[+r]にeru付加)で成立します。
・「さ入れ:あ(さ)せるの(さ)余分」は二重使役態に相当しますから、「読ませる、食べさせる」でよい場合に、「読まさ
 せる、食べささせる」というと「さ入れ言葉」になってしまう。
 「読m・as(as)eru、食べ[s]as(as)eru」の(as)が余分になっているからです。
 二重使役態の正しい使い方:医師が母親に子どもを安静に休まさせるように診断・指示した。
 (子どもを休ますように母親を通して指示する)
・原沢本の受動態、使役態の考え方は学校文法の範囲に留まり、正誤の判断が不問です。

*新記事参照:2013/01/19(土)
日本語の動詞「さ入れ言葉」の正しい理解法

2012/10/17(水)
 下記の内容を再考して、わたしの文法認識が思考実験の段階である点を明示しておくべきと反省しました。
本文の図表を削除して、思考実験図表と差し替えしました。(本文も少々修正)

2012/10/12(金)
 今回参考にした書籍:
『日本人のための日本語文法入門』原沢伊都夫:講談社現代新書:2012年9月20日
です。
平明な解説で、日本語表現の全体像を説明してあり、特に動詞に関する文法説明は素晴らしいですね。

(1)「ら抜き言葉」と「さ入れ言葉」
 まず、原沢本により触発されて考察したことを述べます。
○「ら抜き言葉」も「さ入れ言葉」も日本語の正しい表現であるはずだと気がつきました。
○原沢本では、動詞の受身形「~られる」を可能の意味に流用し、場合により「~れる」と「ら抜き」で「可能形」表現されると考えているわけですね:

○そうではなく、正しくは動詞能動形の語幹に「~(r/s)eru」接辞を活用させて、「可能形」を派生させるのが規則と考えれば、五段活用(子音語幹)/上・下一段活用(母音語幹)の動詞についても統一化できます。(子音語幹には~eru、母音語幹には~reruかseruを付加して可能形を派生できます)「ら無し言葉」が正しい可能表現と考える根拠となります。
○読める(可能形)/読まれる(受動態)では意味が違うように、食べれる(可能態)/食べられる(受動態)では意味が違います。学校文法で間違えて、母音語幹の動詞には「られる」で可能を表すとしたことが、長く混乱をひきおこしている原因です。

○ただし、「可能形」をさらに「可能形+可能形」にしてしまう用法:「れ入れ言葉」は間違いですね。
 例:「歩いても行け(れ)ます」はダメ。「行ける」がすでに可能形ですから。

○つぎに、「さ入れ言葉」の考察でも「使役動詞」の正しい表現の把握に関わることに気づきました。
○「使役形態」には3種類あると提案しました。(後述の図表)
①「強要・介助動詞」=話者(主格)が相手(対格)に動作をさせる。
②「使役動詞」=話者は第3者(共格)に指示して相手を動かすよう行動させる。
③「介助使役動詞」=話者は第3者に指示して相手が動作するのを介助させる。
 (高齢化社会に必要になる表現ですね)
○「強要・介助動詞」=(~せる/~させる)で表現する。
○「使役動詞」=(~させる)で表現する。
○「介助使役動詞」=(~[さ]せさせる?)連結で表現する。

 原沢本の例では、
・:書く/書かせる/書かさせる、:読む/読ませる/読まさせる :「さ入れ型」は記載して、
・:見る/(見せる)/見させる、:寝る/(寝せる)/寝させる :「さ抜き型」の指摘がない。
 不規則動詞では、なじみがうすいけれども
・:来る/(来せる?)/来させる :「さ抜き型」の指摘がない。
・:する/させる/(ささせる?) :「さ入れ型」の指摘がない。
(指摘していない部分は、文法に反則しているからですが)という比較をしている。

○しかし、形式上の比較をするならば、
 書かせる:見せる、書かさせる:見させる
 読ませる:寝せる、読まさせる:寝させる
と完全な双対表現ができます。 相互に的確に対応している。
また、「使役の言葉」を使う場面では、
○登場人物が、話者/相手の二者間のほか、話者/使者/相手の三者関係となるから、
 「使役形」としても、「二者間用の強要・介助形」、「三者間用の使役形」がほしいという潜在的な要望があると考える。

提案:日本語の動詞:受動形・使役形:思考実験 図表にして記述しました。

Photo

○書かせる/書かさせる、読ませる/読まさせる、という二段重ねの「使役形態」を使いたい会話の場が存在するわけです。
○二者間での対話で、「明日、休ま(さ)せていただきます」という「さ入れ表現」(使役動詞)はダメですね。(この場合、強要・介助動詞:「休ませて」の表現がよい)
○使役表現は三者間を想定するものだから、
 母親が我子を休ませるために学校へ「明日、○○を休まさせてください」と連絡する
 場面でなら的確な表現でしょう。
(この文:「ください表現」があるので、「学校=指示・容認者」、「母親=受命・申告者」、「子=対格者」という構造にさせてくださいという意味になるのでしょう)
*新記事参照:
日本語の動詞「さ入れ言葉」の正しい理解法

○今回、図表では使役形態の2段階までで力尽きて停止しています。2段階でも定着するには長期間の淘汰が必要です。「~ささせる/~させさせる」構造では使役形態3つ目は全く遠い話でしょうね。

(2)日本語の自動詞/他動詞
 原沢本によりもう一つ触発されたのは、自動詞/他動詞の把握の仕方が明快だということです。
○日本語の動詞は
①自/他双対動詞=開く/開ける 等
②無対自動詞=茂る/(代用他動詞:茂らせる:強要・介助動詞) 等
③無対他動詞=(代用自動詞:読まれる)/読む 等
④自他両用動詞=(~が)実現する/(~を)実現する 等
の4種類に区分けできる。

○動詞4区分の明快さに感銘を受けたのと、代用他動詞と代用自動詞を使うという知恵がおもしろい。
○代用他動詞:能動使役形を流用するが、おそらく優先順位は「強要・介助動詞」>「使役動詞」>「介助使役動詞」で活用されるのだろうか?
(元来、他動詞不要の動詞だから用例比べは意味がないか!)
○代用自動詞:受身形を流用するが、すべての動詞が受身形になれるから、優先順位の実態は調べてみないとわからない。
(元来、自動詞不要の動詞だから用例比べは意味がないか!)

 現在、原沢本の半分程度を通読したところなので、後半を楽しみに読了したい。

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