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日本語の動詞:「さ入れ言葉」は階層化社会を映し出す

2013/10/29(火)
 日本語の自・他動詞ともに態(ボイス)は「自発能動系統/動作強制系統」が鏡像関係、双対性があるとの考察に思い至りました。
どうぞ、日本語文法:ら抜き・さ入れ言葉の存在証明日本語動詞:態の双対図表(後半)日本語動詞:態の双対図表 をご参照してください。

○「動詞の態双対環」模式表記:(思考実験の結論として追記挿入)

    能動態   ・・・・・   強制態     ・・・・・・・   二重強制態
   /   \         /   \(使役態)   二重 /   \二重
 結果態  可能態  強制結果態 強制可能態    強制結果態 強制可能態
   \   /         \   /             \   /
    受動態   ・・・・・  強制受動態   ・・・・・・   二重強制受動態

2013/02/01(金)
(1)話者+聞手+第三者の事態

 日本語の動詞「さ入れ言葉」の正しい理解法
で私考を記述したように、
○「さ入れ言葉」が使われる「事態:シチュエーション」を考察すると、話者と聞手の他に第三者が存在します。
○その「第三者の存在」を見抜く必要がありそうです。

文例:「休まさせてください」
○「休ます」使役文+「(さ)せ~て」使役形+「ください」話者再帰もらい形。
○「(さ)せて+ください」話者再帰使役形。
○全部を結合させると、
 「休まさ+(さ)せ~て+ください」
 となります。
○「さ抜きで=~せてください」言葉として「休まさせてください」を発言しているのです。
○現在、「さ入れ言葉」だと騒がれているのは、ほとんどこの形でしょう。

 「さ」は入っていないのです。
おそらく、使役動詞(辞書形そのものが使役表現)を使うケースが増えたから目立つのでしょう。
文法則としては正しい活用法です。

(2)使役受身形には慣れている

 通常、使役動詞(辞書形)をもとにした受身活用形には慣れているはすですね。
○休まされる/立たされる/書かされる/読まされる/食べさされる/作らされる/歌わされる/任される/働かされる/歩かされる/驚かされる/担がされる/出さされる/待たされる/

 では、上例の言葉から「さ抜き」すると
○休まれる/立たれる/書かれる/読まれる/食べ(ささ)れる/作られる/歌われる/任(さ)れる/働かれる/歩かれる/驚かれる/担がれる/出される/待たれる/
○(さ抜き)できない動詞は、本来意味的に根っからの使役型動詞、もしくは「自動詞なし」なのでしょう。
○(さ)なし形は、意志行為動詞(自動詞/他動詞)の受身活用です。
○使役動詞をもとにした活用が表現する意味とは大きな違いがあります。
○この意味の違いを無視できません。

(3)使役動詞を更に使役形で活用する

 「休ます」「立たす」などを使役活用すると
○休まさ+せる/立たさ+せる
○書かさ+せる/読まさ+せる/食べささせる/作らさせる/歌わさせる/任させる/働かさせる/歩かさせる/驚かさせる/担がさせる/出ささせる/待たさせる/
と表現できます。
○この表現が描き出す事態、情景、人間関係を理解してほしいものです。
○話者として「休ませる」と言うときと、「休まさせる」と言うときの意味の違いをどう感じますか?
○話者として「休ませてください」と言うときと、「休まさせてください」と言うときの差をどう感じますか?
○聞手として「休ませてください」/「休まさせてください」を聞いたときの差はどうですか?

(4)使役の使役は、行為の下請出し

 一段の使役行為ならば、話者が自分から行う動作です。
○話者が自分から指示するなり、再帰的に自分に行為させる動作。

 二段の使役使役行為ならば、話者が他者から指示・行為を受ける動作です。
○話者が聞手または第三者(上役など)からの指示(許容)を受けて、自分が代理指示するなり、再帰的に自分に行為させる動作。
 つまり、「二段使役が表す情景は行為の下請出し」という類推ができる。

○聞手には「行為の下請出し」を感じにくいかもしれない。
○話者の心理では、まさに「行為の下請状態」を実感しているから、「二段使役の表現」をするわけですね。
 話者が「行為下請けの弱い立場にいる」と感じているから、「自分の意思表現:一段の使役」ではハードルが高すぎて、自然と「二段使役の表現」が出てしまうのです。
○「二段使役の表現」は文法則に従ったもので、これが悪いわけではありません。

(5)階層化社会が必然的に陽を当てさせた「さ有り言葉」文法則

 非正規労働や派遣労働の増加風潮が社会全体を階層化してきて、働き方や行為の表現にも影響を与えているのか。
○「さ入れ言葉」文法則が理解されることを願うと同時に、「行為の下請出し」側=「行為の元請人」側の対応を改善してほしいものです。
○話者に「信頼と責任」を持たせ、「下請心理」を払拭させ、「共同作業」と位置づける、
 元請側が気配りする。それが大事だろう。
○その気配りが「大国病」から抜け出す鍵になるはずです。

 社会現象に類推を求めて記述しているのですが、当人は大いにまじめに思考実験しています。

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