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日本語文の構図:文型記号を再考する

2013/03/15(金)

(1)文の要素を記号で表示する
日本語文の構図:盆栽型から熊手型へ
日本語文の構図:盆栽型から熊手型へ
で記述した「文型記号:文要素の識別記号」について再考しました。
 今回あらたに提案し直したい。
日本語の動詞述語は、能動形と受動形が双対性を持っているので、能動/受動を区別できる双対記号を割当てます。
①主題記号「~は」: *:
②補語記号「~格助詞」: -:
③述語完結記号:
  能動 ): 受動 (:
④述語修飾記号:
  能動 >: 受動 <:
⑤述語連節記号:
  能動 }: 受動 {:

 述語には、能動/受動の態(ボイス)が裏・表の対関係で必ず存在するというのが、日本語の構造です。

 参考文例に文型記号を書き入れて示します。
・警官が-:必死で-:逃げる>:犯人を-:追いかけた。):
・太郎は*:かめが-:こどもたちに-:いじめられている<:のを-:みて}:いそいで}:救けました。):
・きのう-:図書館から-:借りて}:来た>:この本は*:タイトルに-:惹かれた<:んだよ。): すぐ-:読んだが}:面白かった。):
・「北海道から-:母が-:出て}:来た>:んです。):」

(2)文型記号で態様(ボイス)を見極める

中島本文例:
◎①女が-:なぐられた<:男に-:復讐する。):
△②なぐられた<:男に-:女が-:復讐する。):
×③女が-:なぐった>:男を-:復讐する。):
◎④男が-:なぐった>:女に-:復讐される(:
△⑤なぐった>:男が-:女に-:復讐される。(:
×⑥なぐった>:男を-:女が-:復讐する。):

 思考実験で、①~⑥の例文に評価点をつけました。
文法的には間違いと言えないが、紛らわしさが起きやすい文に×印をつけました。
一つの評価尺度は、視点の固定状態が定まっているか。
○女からの態:なぐられた/復讐する。
○男からの態:なぐった/復讐される。
という述語の態が一定の立場を明確に表現しているかです。
もう一つの尺度は
○従属節+主節の構造が、時間順もしくは原因・結果を現す場合、
従属節の修飾強度を弱くして、述語連節形に変更して文意を確認する。
×③女が-:なぐって}:男を-:復讐する。):
×⑥なぐって}:男を-:女が-:復讐する。):
述語連節形に変換して従属させると意味が変ってしまう。
それ以外の各文は述語連節形にしても意味が変らない。安定した表現と言える。

高橋本の文例:『すっきり!わかりやすい!文章が書ける』:すばる舎:高橋俊一(訂正追記)
△・警官が-:必死で-:逃げる>:犯人を-:追いかけた。):
◎・警官は*:犯人が-:必死で-:逃げる>:の):を-:追いかけた。):

○警官の態:追いかける/逃げられる。
○犯人の態:逃げる/追いかけられる。
述語が追いかける/逃げるの能動/受動がたすき掛けになるので、
両方とも能動述語で表現している。
○両者能動の場合、
・~①は*:、~②が-:~②する>:の(>:)を-:~①する。
という構文が好まれるのかもしれない。
それが◎印をつけた理由です。

(3)連体修飾節が日本語の「関係節」

 「連体修飾節」が印欧語系の「関係(代名詞)節」に相当する機能を持つと思っているが、
○日本語では「(人称)代名詞」を使わないから、「関係節」と呼ぶほうが実態に合っている。
○代名詞を文中に振りまかないから、文中の視点位置を一定にした「態の使い方」が求められる。
○「関係節」を時々「述語連節形」に変換して意味が通じるかの確認をする。
○「述語連節形」は時間順に並ぶ事象の説明に適するので、そういう構文ならばわかりやすい文章だろう。

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