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日本語動詞:態の双対図表(後半)

2013/10/18(金)
 追記:最後尾に⑩表:強制結果態もあり!を載せました。

2013/10/16(水)

(1)日本語の全動詞に対応する態の双対図表

 前回の態双対図表に追加するため、多数の動詞に対する態双対図表数を小分けして載せます。
(⑤表参照)
5

○⑤表の2つは再掲です。動詞語幹が子音終りなので、態接辞R/Sが現れません。
○3つ目の(あがる/あげる)では、母音語幹ですからR/S接辞が現れます。
○他動詞:あげる:能動態で(R)から始まり、強制態で(S)に変ります。
 表枠上に(他:R/S)と略記しました。
(⑥表参照)
6

○⑥表1つ目:無対他動詞(見る:食べる)これも(他:R/S)。
2つ目:(落ちる/落す)これは自動詞能動態(R)接辞が強制態で(S)接辞に変ります。
(自:R/S)と略記。
3つ目:(煮える/煮る)自動詞煮える:の強制態(煮えさす)もあり得るとは思いますが、無意志物に煮える動作を強制するのはかわいそうで。でも強いて言えば(自、他:R/S)かもしれません。
(⑦表参照)
7

○⑦表の1、2:(自:R/S)
 他動詞能動態が「す音」である場合、強制態でも「S」が継続します。
○3つ目:(他:R/S)
 自動詞固まる:は水でも人でも物でも固定する意味で、強制態「R」接辞が違和感なしなのですね。
(⑧表参照)
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○⑧表の1つ目:(見る:聞く)
 「R」音能動態の見るは強制態で「S」接辞に変ります。
 「見える、見せる、聞える」が派生してきません。古語「見ゆ、聞こゆ」などからなのか、分りません。
○3つ目:(蒸す)自他両用の動詞なのでしょうか?
 他動詞能動態「す」音語尾で始まって、強制態では「S」接辞と「R」接辞の両方が成立するようです。(他:S/S・R)なのか?、または(自:(R?)/R、他:S/S)なのか?

(2)日本語動詞:「ある」と「する」の二重らせん

 動詞の態双対図表をよく見ると、態を表す接辞には「ある-aR-」と「する-aS-」が組み込まれています。
(⑨表参照)
9

 ⑨表で「立たされる」「飲まされる」の文法的な裏づけ説明ができたつもりですが、どうでしょうか。
○今回の前半、後半「態の双対図表」の多数の図表により、
○自動詞/他動詞ともに態が
○能動態→結果態→可能態→受動態→強制態→使役態→強制受動態→強制使役態→二重強制態の順で、
○双対関係に組み上がっている。のを見ていただきました。
○受動態は結果態(+aru)と可能態(+eru)の接辞合成でできている。
○使役態は強制態(+asu)と可能態(+eru)の接辞合成でできている。
・今回の思考実験は、これまでの考察内容を分りやすく再構成するのに大いに役立ちました。

○「動詞の態双対環」模式表記:(思考実験の結論として追記挿入)

    能動態   ・・・・・   強制態     ・・・・・・・   二重強制態
   /   \         /   \(使役態)   二重 /   \二重
 結果態  可能態  強制結果態 強制可能態    強制結果態 強制可能態
   \   /         \   /             \   /
    受動態   ・・・・・  強制受動態   ・・・・・・   二重強制受動態

 英語文法の影響がつよいのか、動詞を能動/受動/使役の三態でしか見ないのは間違いの元です。
結果態:単独には新聞の見出しなどで見ることがある。
可能態:「ら抜き」ではなく、立派な独立態として使いましょう。
受動態:結果態+可能態の合成=(動作の結果に到達可能になる)。
強制態:相手の傍らに立ち、相手に動作を強制する意味です。重要な態です。
    正しい「さ入れ」の言語運用をしたいものです。
使役態:強制態+可能態=(強制行為を可能にさせる)。人を介して強制させることを含みます。
 これらの態を日本語話者は使いこなしています。先人の智恵に感謝です。
しかし、日本語文法上では明確な態構成が示されていないか、明確な教育指導に組み込まれていない。
だから、「ら抜き言葉」とか「さ入れ言葉」とかの誤解が生じます。
秀才はだれも「立たされ坊主」になったことがないのかもしれない。

(3)追記:強制結果態もあり!

 思考実験でうっかり忘れていましたが、日本語の動詞は自動詞/他動詞の態双対というだけでなく、態の能動系統と強制系統が基本的に鏡像関係:双対関係になる。ということも図表に入れておくべきでした。
(⑩表参照)
10

⑩表のように、能動態→結果態→可能態→受動態/強制態→強制結果態→強制可能態(使役態)→強制受動態という重なり合う構成になっています。
このことは、日本語文法(なるべく最少の規則)を教えるときの鍵の一つになりますね。

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