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日本語動詞:動詞を生み出す「態の双対性」3

2013/11/15(金)

(1)「歩かす」と「乾かす」、「鳴らす」は同じ文法則から生み出される

 学校文法では、「受動形」や「使役形」の生成方法を説明するのに、一般の助動詞と同様にあつかいます。特段の別格なあつかいはありません。
国語辞典の付録文法でも助動詞一般と同じあつかいです。
つまり、
・「動詞の未然形に接続する助動詞」:の一種であり、
・「受動」は「+れる(五段・サ変)/+られる(それ以外)」。
・「使役」は「+せる(五段・サ変)/+させる(それ以外)」。
・文語助動詞として
 「受動」は「+る/+らる」、
 「使役」は「+す/+さす」。
という説明です。
 この説明では、日本語動詞の「態・ボイスの全体像」がつかめません。
また、口語文での文法:「休ます→休ませる」、「歩かす→歩かせる」などと言換えを強要しながら、「乾かす」、「鳴らす」などの「強制態形式」は「自動詞から他動詞へ転換する仕組」として暗黙のうちに残している。
(動詞辞書形として辞典見出し語になっている)
○一方、「休ます」、「歩かす」などは、辞書形見出し語にもならずに日陰物あつかいです。
○本来ならばどちらも「強制態の仕組」として残し、整然とした「態の全体像」を説明することが新時代の文法でしょう。
○(参照:態の双対性3)一般の助動詞とは違う視点で図表を見直してください。
3

・動詞の「未然形」に接続するのではなく、「動詞の語幹に接続する態接辞」になっています。
(結果的には未然形接続と同様ですが)
○学校文法が「ひらがな解析」に固執している状態では到達できないが、一歩踏み出して「音素解析:ローマ字解析」すれば、「語幹に接続する助動詞接辞」として図表のように万能定義できます。
○前2回にも述べたように、「態・ボイス」を作り出す機能が、そもそも「動詞を生み出す能力」にもなっています。

(2)動詞語幹の見つけ方

 図表の②例の後尾の「寝る」、「浮べる」の語幹は、少し見つけにくい?かもしれない。
3_2

○国語辞典では「寝る」の語幹が定かでないとのあつかいです。
不思議。(「寝る:n・eru」との区切か?)
○「浮べる:ukab・eru」も語幹が微妙です。 浮く/浮ぶ/浮べる/浮かれる/浮かす/浮かされる など多くの動詞が辞書形見出し語になっている。
○厳密な語幹でなくても、おおよその区切で、態の双対図表に語幹をおいて「態の双対一覧表」を作り上げてみよう。
○寝るの強制態:「寝らす/寝さす」のどちらに軍配が上るかは、実際の行動・動作(の意味)が決める。言語世間の軍配は第三の「寝かす」(辞書形見出し語)に流れたのかもしれない。
(新種の強制態接辞:+(R/S/K)asu もあるのか!?
態の双対性が動詞を生み出す力を発揮して、第三の道:「寝かす」を呼び出したのだろう)
○自分自身で「態の双対一覧表」に適用してみると、第三の造語登場がとても自然な道筋なのだと納得できますね。

(3)受動態、使役態は動詞語幹から考える

 態の考察には参考書籍:
『日本語に主語はいらない』金谷武洋:講談社選書メチエ:2002年1月10日第1刷
に啓発された。
・金谷本:日本語の態を示す連続線 の項で、態の分析には「音素解析」が必要であり、そのためには「動詞の語根」にどんな態の接辞がつくのかを調べる必要がある
との指摘があります。
○大いに参考になりましたが、「態の連続線」を「自然の勢い←→人為的意図的行為」(自動詞←→他動詞)という軸で考えることになじめません。
○思考実験でたどりついた「連続線」は自・他動詞共通に「能動系統←→強制系統」(両系統の態接辞には双対性がある)という「動作の自発性と強制性」が軸になるものです。
○この「態の連続線」によれば、世間で問題視されている「ら抜き/さ入れ」などの受動/使役用法を論理的に説明できると思います。

○「動詞の態双対環」模式表記:(思考実験の結論として追記挿入)

    能動態   ・・・・・   強制態     ・・・・・・・   二重強制態
   /   \         /   \(使役態)   二重 /   \二重
 結果態  可能態  強制結果態 強制可能態    強制結果態 強制可能態
   \   /         \   /             \   /
    受動態   ・・・・・  強制受動態   ・・・・・・   二重強制受動態

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