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日本語動詞:関西語の動詞態と比較

2013/12/09(月)

(1)関西人の智恵:

 関西語の知識をネット上の
<典Bのホームページ> 私の母語関西語 
の文法編を閲覧して獲得できました。
詳細な関西語の語感の理解はできていませんが、助動詞:動詞の態にしぼりこんで読みました。
 典B氏の関西語の文法解説は、簡潔ながら共通語(東京語)との的確な比較をおこなって、関西語の特徴を記述してあります。
当方が理解したところを図解してみます。

図1:関西語の動詞態(実験作図)
図2:東京語(共通語)の動詞態(実験作図)
図3:態双対環の世界(思考実験)
の3つを比較して図解しました。
(図挿入)
3

○図1:関西語の動詞態
・関西語のほうが強制態「す/さす」を常用する。(東京語が「す/さす」を古語扱いしているとの指摘あり)
・関西語では受動態「れる/られる」に尊敬の意味はほとんどない。「なはる/はる/~てはる」という融通の利く「尊敬の助動詞」があるから。
・可能態の「ら抜きことば」は認めてもよい。
・逆に可能否定表現には「ら抜き態」を避けるようです。
例:関西語「熱うて飲まれへん」では、飲めへん/飲まへんを避けて、受動態「飲まれる」の否定形「飲まれへん」を使います。
(自分の意志行為で飲まないのではなく、自然条件が厳しいから結果的に飲めないのだという言語感覚なのでしょう)
・受動態の生成には複数の順路があります。
例:能動態→受動態/強制態→強制受動態/使役態→使役受動態/(可能派生能動態?→可能受動態?)
・強制受動態と使役受動態の貸し借りが関西語と東京語の間で起きているという図解をしてみました。
(使役受動態には、「飲ませ(:強制含意)+られる(:能動含意)」という相反含意が一語のなかに混合しています。日本語文法の深階層では法則違反となるものでしょう)

(2)東京人の智恵:

○図2:東京語の動詞態
・動詞態の文法概念として、能動態/受動態/使役態の3つが中心。
・可能態の認知度や支持率が低目なのが意外です。学校文法をかたくなに守る姿勢がマスメディアに目立ちます。
(「ら抜き言葉」と間違った形容表現をしていること自体が否文明的です。正しい「ら抜き」は正しい)
・学校文法寄りの立場は、受動態や使役態の使い方にも現れています。生成遺伝子である「組み合せ接辞」の可能態・結果態・強制態をほとんど注目していません。
孤立的な扱いですから応用力が利きません。
(生成遺伝子を手掛りにしないと、思考実験も始まらない)
・強制受動態と使役受動態の貸し借りが関西語と東京語の間で起きているという認識も薄いようです。
(文法学者の認識も低いです)
(東京語の使役受動態には、「飲ませ(:強制含意)+られる(:能動含意)」という相反含意が一語のなかに混合しています。日本語文法の深階層では法則違反となるものでしょう)

・強制受動態を容認できる人がどれほどいるのでしょうか。
・さらに二重強制態への理解度はどのくらいあるのでしょうか?

(3)態双対環の世界:

○図3:動詞態の双対環方式
・関西語には、行為意志を目立たせる「強制態」を重用する反面、「飲まれへん」のように行為意志を目立たせないように「受動態」表現を使うという配慮も自然に根づいています。
・東京語は共通語役割が強く、文法制約があって、なかなか智恵が働きません。
・文法の制約を文法的に切り開くためには、動詞を生成する遺伝子を確実に働かせてみるのが一番です。
・それが図3の態双対環の構造です。双対環の構造の意味合いは、
①能動態と受動態は必ず双対で存在します。
②能動動作は動作可能状態と動作結果状態を生み出します。
③つまり、結果態と可能態もまた必ず双対で存在します。
④結果態(←文語受動態)と可能態が合成されて「受動態接辞」ができ上がります。
⑤強制態、二重強制態も相似の態の双対環で表現できます。
⑥つまり、能動態双対環/強制態双対環/二重強制態双対環はひとつの動詞語幹からの派生ですが、それぞれ独立した多重環のようなものです。
この考え方を適用すれば、どんな動詞に対してもその語幹を双対環に挿入して「態の生成」を試せます。

・もちろん、態双対環の修得ですべてが解決するわけではありませんが、「ら抜き/さ入れ」言葉の正しい派生由来が理解できるでしょう。
・東京人には「熱くて飲まれない」と表現するのには、まだまだハードルがあります。
 ただ、幼い頃には「行かない/行けない/行かれない」などと区別して気持を表していたかもしれません。
・万能の「尊敬態」:なはる/はる/~てはる とか
「行為否定の助動詞」:(せん→へん)の持っている独特の機能とか、解明できれば応用したいもの。

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