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日本語動詞:「態の双対環」で蘇る伝承文法1

2014/02/17(月)

(1)「学校文法」が失ったもの

 「学校文法」で失ってしまったものを「態の双対環」で取り戻せたらなあと思いめぐらしています。
「態の双対環」方式には、動詞の自・他対応の形態を生成するための接辞:可能態、結果態、強制態などを盛り込んで、受動態(結果+可能)、使役態(強制+可能)を解説できるようにしました。
「学校文法」で受動態、使役態しか習っていない世代が「態の双対環」方式になじむのに時間がかかりますね。
 そこで、今回のシリーズでは、可能態、結果態、強制態に焦点をあてて、「学校文法」の落し物を拾い直してみたい。

(2)可能動詞の怪

 中学参考教材、国語辞典に可能動詞の説明がある。
・例:書く→書ける:書k・eru/読む→読める:読m・eru/立つ→立てる:立t・eru
 (動詞・子音語幹:五段活用に+eruを付けた動詞形態を可能動詞という)
・それ以外(母音語幹の)動詞には「られる」をつけて可能の意味を表す。 とある。
 (+(r)ar・eruをつけるとは、受動態になってしまいます!)

 この可能動詞の説明には、間違いが3つあります。文法家も間違いを指摘しませんから、大いに困ります。
①子音語幹の動詞に接辞:+eruをつけて可能動詞とするが、
 なぜ一般化しないのですか?(動詞の態の一つ)
②母音語幹の動詞にも接辞:+(r/s)eruの形態にして可能態として一般化できるはずです。
 (母音語幹動詞には接辞「れる(せる)」を付ければよいのに、「られる」を付加するという間違いを続けている)
・「れる」ならば、双対環方式と同形態になるのに、、、
・例:開ける→開けれる:開け・(r)eru/食べる→食べれる:食べ・(r)eru/起きる→起きれる:起き・(r)eru
③可能態の意味と受動態可能の意味では大きな差があり、違いを峻別すべきなのに、許容してしまうとは!
・書ける/書かれるの違いを感得できない?/・読める/読まれる の違い/・食べれる/食べられる の違い
・起きれる/起きられる の違い
 (夜「起きれますように」、翌朝「起きられたぁ」と言う)
・「受動態の可能表現」が、行動した結果の表現ですから、行動する前の「可能態」とは基本的に峻別すべきで、それぞれ異なる動詞態表現です。
○寺村秀夫本でも、受動態と同じく可能態も文法の態の一つととらえるべきものだろうと記したが、3つの間違いを踏襲する範囲から抜け出していない。
・そもそも、子音語幹の動詞だけが「可能動詞」になれて、母音語幹の動詞は受動態で可能を表す。という発想自身が非文法的なことです。

(3)「態の双対環」可能態接辞:+(r/s)eru

 「態の双対環」方式では、可能態を(法則として)明示します。
・子音語幹、母音語幹を問わずにすべての動詞を可能態にできます。
・例:能動:書k・u/可能:書k・eru/結果:書k・aru/受動:書k・ar・eru (子音語幹には(r/s)不要)
・能動:食べ・ru/可能:食べ・reru/結果:食べ・raru/受動:食べ・rar・eru (母音語幹には(r/s)が必要)
○可能態接辞:+(r/s)eru を設定して子音・母音語幹に接続すれば、可能態を生成できます。
・例:立つ→立てる(可能態のほか、自動詞→他動詞転換された能動の意味もあり)では、もう一度可能態接辞を付加して、
 他動詞能動:立てる/可能:立て(r)eru:立てれる と2回目で他動詞・可能態を作り出せます。
○このように、「態の双対環」方式では、すべての動詞が同一の態接辞で文法的な「可能態」を持てることを示しました。(小さな文法で、幅広く活用できるわけです)

(4)可能態の意味

 すべての動詞が「可能態」になれます。
・基本的な意味は「その動詞の動作ができる」、「できる状態にある、その能力がある」です。
・動詞語幹(子音・母音とも)+可能態接辞:(r/s)eru による可能態、(読める、食べれる、生きれる)
 自他変換動詞(動詞語幹+可能態接辞)語幹+可能態接辞:(r/s)eru による可能態、(開けれる)
 共に可能態として機能します。
・単独の可能態の意味はすべて上記の基本意味で解釈できるでしょう。

○「態の双対環」方式で可能態に注目した理由は、もう一つ別にあります。
・「受動態」は、「結果態+可能態」の直接合成だと思考したので、「結果態」との組み合せでの意味をも考察する必要があります。(結果態を次回解説してから、可能態の合成時の意味を考察しましょう)
・「結果態」=文語体受動態と同じ形態ですから、文法的「態」としては「受動態」の意味合いが含まれますが、まず語彙的「態」としては、「動作の結果に到達した状態を表す」ものですから、「結果態」と名付けました。
・「学校文法」や文法書のなかで見かけないもので、独創的な概念・命名なのでしょうか。これは残念なことです。

 次回、結果態を解説します。

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