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日本語文法:『曲がり角の日本語』水谷静夫

2014/05/06(火)
(1)水谷静夫『曲がり角の日本語』を読んで

 『曲がり角の日本語』水谷静夫:岩波新書:2011年4月20日第一刷
をほぼ通読したところです。術語が盛りだくさんです。
少ない解説ではなかなか理解ができません。2回目の通読でおもしろさがわかりかけてきました。
 書評を書けるほどの読解領域に達していないので、本の章立て、項立てを記載しておきます。

第1章 辞典になぜ改訂が必要か
 1.言葉は移ろうのが当たり前 2.辞書の語義記述法 3.言葉の意味がすり切れると
第2章 日本語が曲がり角に、今?
 1.七五調に崩れあり 2.奉り損ないの<敬語> 3.責任回避の「とか」
 4.表現態度の緩み
第3章 文法論を作り直せ
 1.なぜ文法を問うのか 2.学校文法がダメなわけ 3.文の構造を探る
 4.述態文-私の文法論その1 5.喚態文ほか-私の文法論その2
第4章 日本語未来図
 1.変化を測る物差し 2.ゆらぐ格助詞 3.<ら抜き>言葉にも合理性-活用語の未来
 4.予測を統合してみると

(2)「可能態」<ら抜き>言葉のこと

 水谷本でも<ら抜き>言葉については、その生成に合理性を認めている。可能の意味より自発(自然発生)の意味合いからの発展だという。
・「~かもしれない」=かも知れない→知れる:「自発・可能」。
・「~知られず」の「らる」=可能の中間形態。(???)
・「~で知られる」:受動態受け身。
○接辞についての説明がゆるい。
・接辞の区分:
 -(r)eru:可能/-(r)aru:結果/-(r)ar・eru:受動 が明確でない。
(「態の双対環」方式での区分法が意味を明確に説明できる)
○「ら抜き言葉」の合理性を説くならば、「受動態による可能との違い」や「自発可能と結果との違い」を意識して説明する必要があるだろう。
○使役態の「さ入れ言葉」に触れた説明では、動詞未然形に「させる」をつけると見かけ上統一形式になるという風潮になびいていくと予測している。
・ここも接辞の説明が不足です。
・接辞の区分:
 -(s)asu:強制態/-(s)as・eru:使役態 の分析・言及がまったくない。
・このローマ字分析の接辞を説明すれば、接辞自体が十分に統一形式なのがわかるはず。(「態の双対環」方式)
○二重使役:(親が)子供に犬に散歩をさせさせる。(通常方式)
・親が子供に犬に散歩をささせる。(「態の双対環」方式)
という情景が水谷本には存在しないらしい。二重使役の概念がないらしい。

(3)格助詞の重なり

 3章4述態文、4章2ゆらぐ格助詞で、「~が~が~述部」、「~を~を~述部」、「~に~に~述部」などに触れている。
○引用文:「何を気をつけるんだ」
○引用文:「上流を写した写真に、ダム完成のあかつきには貯まるであろう水の高さに白線を入れ、」
○「象が鼻が長い」などを含めて、主要な格助詞(が、を、に)が同時に二つの補語に付いて文を作ることがある。
○また、補語の格助詞が変わって同じ述語につながることがある。
・英語(が/を/に/で)読める。
・英語(副助詞:は/も/なら/とか/・)読める。
・コンニャク(が/*を/*に/で/は/なら)太らない。
・仕事(が/を/に/は/も)変わる。
○水谷本の「作り直しの文法」の詳細像が説明されてないので、上記の例文に即答がむずかしい。
・ただ、言えることは、日本語文を「主語+述語」で解釈する文法では役に立たない。
・補述演算型の文法論が必要なのだろう。(詳細規則はいまだ手つかずか)

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