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日本語文法:動詞語幹と態接辞の接合法4

2014/07/20(日)

(4)態接辞の接合子音:多様な試み(辞書形でも接合法原理あり)

 態の接辞がすべて母音始まりなので、動詞母音語幹(VⅡ)に対しては(r/s)接合子音を介して態の接辞を接合します。 
○その点では、子音語幹(VⅠ)の動詞には直接に態の接辞が接合するだけなので画一的です。
○母音語幹(VⅡ)の動詞には、(r)か(s)の子音を前置して態の接辞を接合するので、選択肢が増えます。
○この接合の基本原理は、動詞の辞書形でも適用されます。
・(VⅠ)切る:kir-u/飲む:nom-u (直接接合)
・(VⅡ)着る:ki-(r)u/食べる:tabe-(r)u (子音rをはさむ)
・(VⅡ)食べさす:tabe-(s)asu (強制態辞書形:子音sをはさむ)
 接合子音(r/s)にも意味があります。
○態接辞の接合子音の意味(1)
①(r):動詞の行為者自身の意図による動作を示唆する。
②(s):行為者が相手に動作を強制し意図に従わせる。相手が無情の場合は他動詞、有情なら強制態。
 さらに別の意味を持たせるために接合子音を替える場合があります。
○態接辞の接合子音の意味(2)
③(k):寝かす:ne-(k)asu /笑かす:wara-(k)asu :相手の意向を構わず行為を押し付ける。(用例少なし?)
②(s):寝さす:ne-(s)asu /見さす:mi-(s)asu :相手に動作を強制し意図にしたがわす。(再掲)
④(h)関西語:なはる:na(h)-aru :(なさる:nas-aru:「為す」の結果態から転じた尊敬態)
(接合子音でなく、s→h交替現象です)
⑤(y):見ゆ: mi-(y)u/聞こゆ:kiko-(y)u :古語(自発動詞:見える/聞こえる:意図でなく自然に感覚する)
などの例があります。

 少し思考実験をしてみたい。
・◎寝る:ne-(r)u
・?寝す:ne-(s)u/◎寝せる:ne-(s)eru/◎寝かす:ne-(k)asu
・△寝らす:ne-(r)asu/◎寝さす:ne-(s)asu
・見ゆ:mi-(y)u/見いぇる:mi-(y)eru/◎見える:mie-(r)u
・◎見る:mi-(r)u/◎見れる:mi-(r)eru
・?見す:mi-(s)u/◎見せる:mi-(s)eru/◎見さす:mi-(s)asu
こうして考察していると、文法的な態の接辞が、そもそも動詞の新しい語彙を創り出す接辞であったことが分かります。
○また、創り出された動詞の意味の違いも試行錯誤しながら考えていると徐々に分かってきます。
・見せる/見さす の意味の違い、
・寝せる/寝かす/寝さす/寝らす の意味の違いが感じとれる時代が続くといいですね。
○VⅠ、VⅡ動詞に「態の双対環」方式で態活用の練習をしてみるのもおすすめしたい。
○「ら抜き言葉」や「さ入れ言葉:二重強制態」の動詞を疑問に感じたら、「態の双対環」に適用して態活用を確認してみるのが一番ですね。

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