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日本語文法:動詞態の暗唱図:う~えるあるあれる

2014/07/27(日)

(1)日本語の動詞態を暗唱してみよう

 学校文法にも日本語文法者にも唐突な提案かもしれませんが、暗唱して「態の双対環」を覚えてもらうのが手っ取り早いかと思います。
 能動系の「双対環」を暗唱すると、
①「う~、える、ある、あれる」:u、eru、aru、ar・eru
②「る~、れる、らる、られる」:(r)u、(r)eru、(r)aru、(r)ar・eru
③「す~、せる、さる、される」」:(s)u、(s)eru、(s)aru、(s)ar・eru
 強制系の「双対環」を暗唱すると、
④「あす、あせる、あさる、あされる」:asu、as・eru、as・aru、as・ar・eru
⑤「らす、らせる、らさる、らされる」:(r)asu、(r)as・eru、(r)as・ar・eru
⑥「さす、させる、ささる、さされる」:(s)asu、(s)as・eru、(s)as・aru、(s)as・ar・eru

 簡略化して表記すると、(図参照)
Photo

能動系「態の双対環」は
①「う~、える、ある、あれる」:(r/s)u、(r/s)eru、(r/s)aru、(r/s)ar・eru
 (注:r/s表記の意味は別に教える)
強制系「態の双対環」は
④「あす、あせる、あさる、あされる」:(r/s)asu、(r/s)as・eru、(r/s)as・aru、(r/s)as・ar・eru
 (注:r/s表記の意味は別に教える。能動系と同様です)

 学校文法や日本語学者が教える「動詞態の説明」では、受動態、使役態の2つが中心です。不足部分が多すぎます。
○(重大な欠落です)「態の接辞」は(接合子音:r/s)を付けたり/外したりにより、どちらの動詞語幹(母音:一段活用/子音:五段活用)に対しても連結できる構造をしています。これが十分教え込まれていません。
○(重大な欠落です)「結果態」に対する文法則を教えていません。
 (文語受動態の概念/造語応用力を無視しています)
○(重大な欠落です)「強制態」に対する文法則を教えていません。
 (文語使役態の概念/造語応用力を無視しています)
○(重大な欠落です)なぜか「可能態」を子音語幹動詞だけに接続して可能動詞と呼び、母音語幹動詞に対しては、「受動態で可能を表現する」との不正解なことを教えています。
 「可能態」は子音語幹動詞だけでなく、すべての動詞(子音/母音)語幹に対して派生可能です。
○(重大な欠落です)「受動態」:「動作の結果の状態、影響」を表出するもの。
 受動態接辞は「結果態」と「可能態」の合成によるものです。(単なる「可能態」と等価ではありません)
 「受動態の可能表現」と「可能態の可能表現」との根本的な違いが見過ごされています。
○(重大な欠落です)「可能態」の打消し形:「どうしても行けません」は自己の意図による不可能を表します。
 「受動態」の打消し形:「どうしても行かれません」は不本意な、意図を超えた事由による不可能を表します。
 この違いを説明する視点が欠落しています。


(2)「強制態」接辞構造の意味

今気づいたこと:
「強制態」の接辞:asu の根拠に思い至りました。
○第一思考(従来思考):動詞の未然形に「+す」を付加する構造です。
未然形に「+ない」でなく、文語使役の意味の「+す」を付けて、自分でなく相手に動作をさせる意味を創造したのですね。
例:読ま・す、書か・す、休ま・す から、語幹つなぎの解析をすれば、強制態の接辞:a+su
→→asuが歴史のある時点で新しく作り出されたのですね。
やはり文法的態と語彙的態は密接に関連しているのです。
(国語辞典の後部付録で文語助動詞「す」=使役とあるが、音素つづりの接辞:asuへ思考を進めていないと気づかないものです)
○第二思考:語幹つづり解析では、未然形との関連で接辞構造を考察しません。安易に「a+su」の合成と考えません。
・成る/成す:naru/nasu の自他動詞対応の深層構造が根本にあるのだろうと考察します。
・強制接辞「+asu」=「結果態aruに為すように人為的にsuru」→「結果到達状態でaruように動作suruことを意図する」→「aruの(r)をsに交替させて、asuが誕生する」
・古来、成る/為すの自他相関と同じ感覚で、「ある/あす」の自律/他律の感覚があったのではないだろうか。文語での使役は尊敬表現も含んでいるので、「あす」の響き自体も好印象だったかも。
・文語受動「aru:ある」/文語使役「asu:あす」の対応関係をことさらに強調するのは思考実験子のみですが、動詞態を確実に理解して応用が利くような下地を作るために「対応関係」を知ることも大事です。

○読ます:相手に読むことを強制する(ちょっと読むだけでなく、しっかり読むことを強制しているように感じる)
○任す、乾かす:任務完遂を託す、乾き切るように干す(完遂までを目標に動作を促す)
(語彙:任す・乾かす・促す:すでに「+あす」が組み込まれています)

(3)「です/ます」の元は「あす」?

○第三思考:助動詞の敬体「です/ます」が誕生した原初の接辞要素が「あす」だったかも。
 まず、「ある」のほうは、
・「~である:de・aru→~だ:d・a」
○「あす」のほうは、
・「~であす:de・asu→~です:de・su」
・「~mあす:m・asu→~ます:m・asu」
これは、まったくの思いつきです。
もっと長い慣用句からの短縮化だったが、最後の形態が「m・asu」だったと推測する。
・「~であす:de・asu→~だす:d・asu」
・「~でがす:de・g・asu」
と言う「です」の言い換えがあるから、近代文法の中で「asu」というかたまりで、接辞の構造をもっていたのでしょう。
○つまり、強制態接辞は「asu」のように一体の構造であり、「a+su」区切りをしなくても良いということですね。
(接辞が未然形に付くのではなく、動詞語幹に付いて機能するのだということを明確にしたい)


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