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日本語動詞:態の双対環で蘇る伝承文法7

2014/08/31(日)
 この連載のまとめを記述します。

日本語動詞:態の双対環で蘇る伝承文法1
(1)「学校文法」が失ったもの
(まとめ用に追記)
 20代の青年が「学校文法」により受動態、使役態しか習っていない、記憶に残っていないという状態では本当の言語感覚が育たない。
〇日本語の動詞は、一つの動詞語幹から自動詞・他動詞に変換して「対応する自他ペア動詞」を作り出すための態の接辞があります。
(語彙的態の例:渡る/渡す、閉まる/閉める、立つ/立てる、切れる/切る、動く/動かす)
〇語彙的態の接辞は、文章構文内での文法的態:の接辞としても機能しています。
(文法的態の例:可能態:eru→休める、食べれる、結果態:aru→休まる、食べらる、強制態:asu→休ます、食べさす)
〇思考実験で得た「態の双対環」方式では、可能態、結果態、強制態などを盛り込んで、受動態(結果+可能)、使役態(強制+可能)を解説できるようにしました。
(2)可能動詞の怪
 中学参考教材、国語辞典に可能動詞の説明がある。(間違いが残留)
・例:書く→書ける/読む→読める/立つ→立てる
 (子音語幹の動詞:五段活用:に+eruを付けた動詞形態を可能動詞という)
・間違い→それ以外(母音語幹の)動詞には「られる」をつけて可能の意味を表す。
 (+(r)ar・eruをつけるとは、受動態になってしまいます!)
 (可能態に「ら入れ:受動態化」を推奨するなんて信じ難いことです)
〇正しい(文法的)→母音語幹動詞でも+r・eru接辞をつけて(ら抜きで)可能態を表現すること。
・子音語幹・母音語幹両方に適用できる文法則ですから、可能動詞を作るだけでなく、「文章構文上の可能態」として扱えるものです。
〇学校文法・ひらがな解析:では限界あり。語幹の検出や接辞の構造を示すには音素解析(ローマ字つづり)が必須です。
〇広く大衆のなかにある伝承文法は「可能態:食べれる」を受け入れているし、「受動態:食べられる」との意味の違いを感得しているはずです。
(3)「態の双対環」可能態接辞:+(r/s)eru
〇語幹と接辞の接合原則:子音・子音、母音・母音の接合は避ける。
〇子音語幹動詞:母音始まりの接辞:+eruを直結OK。
〇母音語幹動詞:接合用の子音挿入:+(r/s)eruで接合する。
 この(r/s)付きの一般化表記はすべての態接辞が母音始まりですから、態の接辞の基本表記と言えるものです。
〇接辞を正しく学ぶためにローマ字つづり(訓令式でよい)が必須なのです。
(文法学者でもローマ字つづりを嫌う方が多いから、伝承文法が見えないようです)
(4)可能態の意味
〇可能態の基本的な意味は「その動詞の動作ができる」、「できる状態にある、その能力がある」です。
〇無情物が主格補語の場合、「ナイフが切れる」などは自発態と見なされる。
・すべての動詞が「可能態」になれます。(例:読める、食べれる、生きれる)
〇可能態:生きれる:今、生きることが可能だという意味です。
 受動態:生きられる:生き抜くことが可能だ、結果として生存できるという意味です。
〇可能態否定形:行けない:(自分の意思などで)行くことができないの意味。
 受動態否定形:行かれない:(不本意、不可抗力で、結果・規則で)行くことができないの意味。
 (これほど意味が違うものを同一視してはいけません)

日本語動詞:態の双対環で蘇る伝承文法2
(1)「学校文法」が失ったもの
(2)「結果動詞」の怪
 中学参考教材、国語辞典には「結果動詞」や「結果態」に関する説明がありません。
○日本語の文法界ではまったく着目していない動詞態のようです。
〇しかし、思考実験で気づいたことは、文語体の受動接辞:(r/s)aruが動詞語彙の自他対応化(使役交替)への機能を発揮していると同時に、文法的にも強力な法則性を発揮していることに気がつきました。
(3)「態の双対環」結果態接辞:+(r/s)aru
〇口語体では「結果態」を語彙形態で見るとすれば、閉まる、つかまる、休まる、重なる、なる などの語尾にaruがつく単語です。
〇動詞語幹+(r/s)aru:結果態接辞ですべての動詞を結果態に変換できます。
・通常、結果態単独で使うよりも受動態(=結果態+可能態)を生成するために活用されています。
(4)結果態の意味
〇基本的な意味は「その動詞の動作が行われた結果の状態」を表すことです。
・「態の双対環」方式で、結果態、可能態を明示する理由は、受動態への合成生成のほかに、動詞の「動作の開始」、「動作の結果」を表現すべきだと考えたからです。
・動作の開始:可能態で表現する。
・動作の結果:結果態で表現する。
〇すべての動作の開始と結果が対ペアで表せるとなれば、「態の双対環」がダイナミックな形式になります。

日本語動詞:態の双対環で蘇る伝承文法3
(1)「学校文法」が失ったもの
(2)「受動態」の怪
 中学参考教材、国語辞典には「受動態」という括りではなく、「受身・可能・自発・尊敬」の多用途に使われる助動詞としての説明があります。
なぜ他用途なのかを説明しきれていません。
(3)「態の双対環」受動態接辞:+(r/s)ar・eru
〇受動態は2つの接辞が合成されたものです。
〇「態の双対環」方式では「結果態+可能態」で受動態が生成されたと見なします。
(4)受動態の意味
〇受動態の基本的な意味は、
・自分や他人が行った行為での「動作結果に到達した状態であること」を表現します。
・または、「くり返し実行される動作の結果状態」を表現します。
〇受動態の意味も形態も1つですが、「受身・可能・自発・尊敬」と多用途に解釈されます。
・受動態は「結果状態を表す」のが本業ですから、先行する補語との関わりで多様に解釈されると言うことです。
〇この意味解釈は、結果態・可能態・受動態の個々の態接辞を深く確実に理解しておくことで得心できるだろうと思います。
(可能態と受動態の可能表現とは意味が違います。受動態は動作結果の状態による影響を表現するものです)

日本語動詞:態の双対環で蘇る伝承文法4
(1)「学校文法」が失ったもの
(2)「強制態」の怪
〇「強制態」:相手に動作させることを表現する動詞態を言います。
〇文語体での使役形が「強制態」そのものです。
(3)「態の双対環」強制態接辞:+(r/s)asu
〇強制系「態の双対環」を独立に設定。ただし、構造は、能動系「態の双対環」と相似形です。さらに二重強制系「態の双対環」を想定してもよい。
(4)強制態の意味
〇強制態:相手に動作をやらせるという行為を意味します。
・相手が「物・無情物」の場合、他動詞となります。(乾く→乾かす)
・相手が「人・有情物」で動作をやらせる場合、「強制」の動詞になります。(読む→読ます)

○強制受動態と使役受動態の違い
・強制態:泣かす/泣かせる/泣かさる/泣かされる←強制受動態(すっきり)
・使役態:泣かせる/泣かせれる/泣かせらる/泣かせられる←使役受動態(ぎくしゃく)
否定形にして比べてみる。
・強制受動態の否定形:泣かされない←被強制者(受身者)の負けん気が見える。
・使役受動態の否定形:泣かせられない←強制者の不達成感がうかがえる。

日本語動詞:態の双対環で蘇る伝承文法5
(1)「学校文法」が失ったもの
(2)「使役態」の怪
〇使役態=「強制態」+「可能態」の接辞合成と解釈できます。
(3)「態の双対環」使役態接辞:+(r/s)as・eru
(4)使役態の意味
〇使役態:強制態と同様に動作を相手にやらせるという行為を意味しますが、「強制行為者」が仲介・受命者に対して「強制を代行させる」場合も含みます。
・動作の強制・使役、動作の許可、動作の放任なども含みます。
(5)強制受動態と使役受動態の違い(補足)
・強制受動態:強制態+(受動態:結果態+可能態)の合成
・使役受動態:強制態+可能態+(受動態:結果態+可能態)の合成、可能態が途中に入っているために、直接結果態に結びつかないもどかしさが現れる。

日本語動詞:態の双対環で蘇る伝承文法6
(1)使役受動態をもう一度見直す
(2)動詞語彙の態から見直す
(3)可能受動態と使役受動態も相似性あり
〇可能受動態:可能態+(受動態:結果態+可能態)の合成、先頭の可能態が能動性を持たない場合、合成した受動態が意味不明になります。
〇使役受動態:強制態+可能態+(受動態:結果態+可能態)の合成なので、先頭の強制態+可能態が辛うじて能動性を保つことが多いから、合成して意味不明になることは少ない。しかし、ぎくしゃく感は残ります。
(4)使役受動態のぎくしゃく語感
(5)「態の双対環」の種類が増えましたが、それぞれ相似の「双対環」です

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