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日本語文法:動詞語幹と態接辞の接合法5

2014/08/20(水)

 今回のシリーズ:語幹と態接辞の接合法を総仕上げしておきたい。
急がば回れで、まず、いままでの(1)~(4)までを要約してみます。
(1)「動詞態の接辞」を深く理解する:日本語文法:動詞語幹と態接辞の接合法
〇要点:「態の接辞」の重要事項は、①動詞語幹の種類、②態の接辞の種類、③動詞語幹と態接辞との接合法則
 の3つ。
(2)「動詞態の接辞」最初のヒントは金谷本から:日本語文法:動詞語幹と態接辞の接合法2
〇要点:前節の基本は金谷本がヒントで考察したもの。
・だが、自他対応の「対関係」を「動詞の連続一本線:人為を超えた事態・受動態←・→意図的な使役状態」という考え方には共感できなかった。
使役にも使役受動態があるから、連続一本線では説明しきれないと思い、新しい「態の双対環」へ向かった。
(3)「動詞態の接辞接合法」の原理を貫く:日本語文法:動詞語幹と態接辞の接合法3
〇要点:可能態生成の基本原理は、動詞語幹に可能態接辞:+(r/s)eruを付加することです。
・VⅠ子音語幹:書ける・読める・飲める:語幹+eru(原理:子音語幹には接合子音がいらない) 
・VⅡ母音語幹:着れる・食べれる・伸びれる:語幹+(r)eru(原理:母音語幹には接合子音をはさむ)
(4)態接辞の接合子音:多様な試み(能動態・辞書形でも接合法原理あり):日本語文法:動詞語幹と態接辞の接合法4
〇要点:態の接合子音には、rまたはsがつきますが、場合によりkまたはy(古語)も使われる。
・寝さす/寝かす、笑わす/笑かす。(k・asu:相手の意思を考えに入れずに動作させるとの意味)
・見ゆ/見える、聞こゆ/聞こえる。

(5)未然形、連用形でなく動詞語幹に接辞を接合させる

 さて、いよいよ総仕上げにはいります。
〇外国人留学生などに日本語を教える場面での教材は、実地に役立つ基本文型を優先します。
〇動詞文では、五段活用、一段活用などの形態で教えません。
・食べます/食べません/食べました/食べませんでした
・行きます/行きません/行きました/行きませんでした
 を教えながら共通の活用語尾に気づかせていきます。
・動詞辞書形、ます形、た形、て形、ない形 などを初期から教えたほうが後々の伸びがよいらしい。

 日本人も文法を学び直すとしたら、五段活用表から離れる覚悟でやるべきでしょう。
〇接辞:ます、ない を考察しましょう。
・masu、naiともに子音始まりの接辞(助動詞と言わないことにします)ですから、接合には母音が必要です。
〇否定接辞:+(a)nai
〇ます接辞:+(i)masu
これで未然形、連用形から開放され、語幹接合が解決します。
〇食べ・nai、いk・a・nai
〇食べ・masu、いk・i・masu
(日本青年に教える日本語文法としてこの領域まで理解させると応用力がつくはずだと思います)

 ついでながら、終止・連体形、仮定形、命令形に対応する接辞と形態も示しておきましょう。
〇終止・連体接辞:+(r/s)u→ 食べ・r・u/いk・u
〇仮定接辞:+(r/s)eba→ 食べ・r・eba/いk・eba
〇命令接辞:+(r/s)e、+(y)oo→ 食べ・r・e、食べ・y・oo/いk・e、いk・oo

 動詞文のほかに、
〇形容詞文、名詞文も です形、だ、で形、く・ない形での
文型で始まるようですが、動詞文での接合よりゆるい結合のようですね。
(考察未完なので省略します)

以上でシリーズ完了します。

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