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日本語文法:日本語をどう見るか3

2014/11/30(日)

(5)日本語の動詞活用をどう評価するか

 助動詞の扱い方のなかで特に、動詞活用と動詞の態変化の文法則については重要です。
〇日本語の動詞活用は複雑そうに見えても、文法則を覚えると確実に繰り返して真似ができるようになります。
・前回の最後に記した:書ける/食べれるの例や<結果態の謎4>の「態の一覧表」の例で示したように、態活用の法則はまさに規則的で合理的に派生できるものです。
(文法学者が見抜けていないのが謎ですね)
〇日本人自身が動詞活用・使い方にもっと高い評価を与えてもよいはずだと感じますが、どうでしょう。

(6)膠着語の結合度を見極める

 日本語の動詞は同一語根から自動詞と他動詞に派生対応(自他対応)する語彙形態が多く、その派生のための接辞の対立関係も従来から解明が進んでいます。
例:(結合度が深い)
・休む/休める/休まる/休ます、など自他対応、強制化の機能を持った接辞は、その構造解析にローマ字つづりに書き直してみればよく分かります。
〇動詞(子音/母音)語幹+(接合用挿入母音/子音)・(頭部子音/母音)接辞 が接合一般法則になります。
・休m+(r/s)u/休m+(r/s)eru/休m+(r/s)aru/休m+(r/s)asu
・食べ+r(/s)u/食べ+r(/s)eru/食べ+r(/s)aru/食べ+(r/)s・asu
(2016年追記:能動系(r)、強制・使役系(s)を一括で(r/s)と表記したが、近年は別表記に変更)

〇自他対応の語彙段階の接辞が、文法的態の接辞にそっくり再利用されているのです。
 動詞活用形も深い結合です。
〇未然形(正規表記:語幹+(a)φ←零記号)
・休m+a・nai/食べ+(a)nai/
〇連用形(正規表記:語幹+(i)φ←零記号)
・休m+i・masu/食べ(i)masu/
〇終止・連体形(正規表記:語幹+(r/s)u・φ←零記号)
・休m+(r/s)u/食べ+r(/s)u
〇仮定形・可能形(正規表記:語幹+(r/s)e・φ←零記号)
・休m+(r/s)eba/食べ+r(/s)eba/仮定形
・休m+(r/s)eru/食べ+r(/s)eru/可能形
〇命令形(正規表記:語幹+(r/s)e・φ←零記号)/・決意形(正規表記:語幹+(y)oo・φ←零記号)
・休m+(r/s)e/休m+(y)oo/
・食べ+r(/s)e←o/食べ+y・oo/

 結合度がいくぶん浅くなった例:
〇連用形の正規表記の形態は動作の概念を表す名詞として「動名詞」の扱いもできます。
・相撲の決まり手の名称:寄り・切り/寄り・倒し/押し・出し/押し・倒し/すくい・投げ/はたき・込み/突き・出し/などは2種類の動作を連用形で直接接合して表現しています。
 この種類の結合方法も日本語の得意分野なのでしょう。
・見込み/見積り/見通し/見晴し/見合い/見舞い/見落とし/見つけ/見送り/見返し/見直し/見当たり/見初め/見掛け/見栄え/見納め/見過ごし/見つめ/見抜き/見間違い/見回し/見渡し/見切り/見極め/見殺し/見捨て/見逃し/見放し/見ごたえ/見違え/見限り/見定め/見届け/見聞き/見下ろし/見上げ/見下げ/見比べ/見劣り/など基本的な単語一つから関連動詞を産み出すことができる。
〇連体形は直接体言(名詞、形式名詞)に接合できる。

(7)動詞活用で接合できない例

 文語体での条件仮定法に、
・住まば都:これから住むならば都会で(未然形+ば)
・住めば都:住んでいればそこが自分の都になる(已然形+ば)
の二種類の表現があったが、
・母音語幹の動詞では、「未然形+ば」ではさまにならない。
・食べば育つ?(未然形は使われず)
・食べれば育つ(已然形+ば、でOK)
〇ところが打消し表現では、
・休まなば倒れる/休まねば倒れる
・食べなば倒れる/食べねば倒れる
打消しで「食べn+」と子音語幹になったので「未然形+ば」仮定法も使えるのですね。
〇日本語の動詞活用は簡単な法則で合理的に機能語彙を派生「させれる」のですが、「食べば育つ」などの耳障りな表現には誰も使わないという方法で淘汰してきているわけです。
〇逆に「ら抜き言葉」などは合理的な法則を守る意味でももっと表舞台で使われるといいですね。

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