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日本語文法:自他対応接辞と動詞態8

2015/01/28(水)

(9)動詞の未然形に態接辞を付加するのではない

〇なぜ学校文法では受動態の助動詞を「れる、られる」と表現するのか?
・一見すると、公平な表現のように見える。
 学校文法:動詞の未然形に「れる、られる」を接続する。
 ・五段(子音語幹)動詞:読ま・れる、書か・れる、打た・れる
 ・一段(母音語幹)動詞:食べ・られる、考え・られる、見・られる 
しかし、よく考えてほしいのは、動詞の未然形で接合するならば「子音終わり」になるものはなく、すべて動詞側が母音になっているはずです。
・ですから、受動態接辞には「れる」一本やりで、
 ・読ま・れる、書か・れる、と同様に、食べ・れる、考え・れるが受動態でよいはずです。

・あるいは、「られる」一本やりで、
 ・受動態:読ま・られる、書か・られる と同様に、食べ・られる、考え・られる と統一すればよいはずです。
〇しかしながら、こんな統一にはだれも賛成しないでしょう。
 動詞態の派生を考えるとき、
〇学校文法で態の助動詞・接辞を結合する際の説明が間違いなのです。
「動詞活用の未然形につなぐ」という視点が間違いです。
・未然形の条件で足りずに、五段活用と一段活用の区別も付け加えている。本来は子音語幹か母音語幹かの区別だけでよいのです。
・日本語文法が早く「ローマ字つづり解析」を採り入れ、あるいは、問題発生したときの研究者の道具としての「ローマ字つづり解析」と限定してもかまわないですから、なんとか改善してほしい。

 以下、思考実験に入ります。
「態の双対環」演習図改でも示すように、動詞語幹に接辞をつなぐことを基本にします。
〇態の接辞はすべて、各態ごとに「一本やり」表現ができます。
 ・可能態接辞:(r/s)eru
 ・結果態接辞:(r/s)aru
 ・受動態接辞:(r/s)areru
〇子音語幹につなぐ場合、(r/s)が不要です。
 ・受動態なら「+aれる」を接合します。
〇母音語幹につなぐ場合、rかsを付加してつなぎます。
 ・受動態なら「+られる」か「+される」を接合します。

(10)未然形の落とし穴

〇学校文法は、動詞の未然形に受動:「れる、られる」をつなぐと説明する。これは大きな間違いです。
・受動態で思考実験してみましょう。
 ・読ま・れる=読ma+reru (読ma:未然形のaだと思い込まされます)
 ・書かれる=書ka+reru (書ka:未然形のaだと思い込まされます)
 が学校文法のやり方です。
〇受動態接辞の大事な構造:「ar・eru」が見失われています。
「態の双対環」では、動詞語幹との接合と規定していますから、
 ・読m+areru、
 ・書k+areru と解釈します。
 ・食べ+r・areru
 ・考え+r・areru と解釈します。
〇受動態は「結果:aru+可能:eru」であり、「態の双対環」によれば構造がきちんと保存されます。
〇逆に、学校文法の未然形接合では、「結果+可能」の構造が壊されています。
・学校文法に頼る人には受動態が内包する「結果」要素が見えないのです。
・文法学者の多くも受動態の「結果」内包を感じているかもしれませんが、構造として「結果」を見抜ける人は少ないはずです。残念ながら、、、
〇すでに、打消の助動詞:+(a)nai、敬体助動詞:(i)masuなど、未然形や連用形につながずに、語幹に接合できる助動詞を記述しました。
・ない、ます、は子音始まりの接辞ですから、動詞が子音語幹の時、+a・ない、+i・ます、でつながります。
(読m+a・nai、書k+i・masu、食べ+nai、考え+masu)

(11)態接辞は辞書形語幹に接合する

〇打消しや敬体助動詞は動詞活用につながると見なしてもよいかもしれませんが、態の接辞については動詞語幹に接合すると法則化したほうがよい。
 思考実験のたどり着くところ、はじめて記述します。
〇動詞語幹+(r/s)とは、いったい何かと考え詰めると、思い当たるのは、これで動詞辞書形の語幹を作り出しているのですね。
・動詞辞書形の語幹=動詞語幹+(r/s)ということなのです。
 ・読m、書k、休m、歩k、
 ・食べr、考えr、見r、
〇「辞書形語幹に接合する」と教えられれば、だれも間違えない。
〇「強制態」への派生は、辞書形が辞書にないので困りますが、
 ・読まs、書かs、休まs、歩かs、
 ・食べさs、考えさs、見さs、として辞書形語幹にできます。
〇「辞書形に接合する」との定義なら本当に「一本やりの接辞」ができます。
・辞書形語幹+eru:可能態
・辞書形語幹+aru:結果態
・辞書形語幹+areru:受動態
という美しい形態になります。
すごいですね。

日本語文法:辞書形語幹+態接辞が正しい使い方
2015/01/28(水)

 目から鱗の「態の双対環」操作です。
ブログを書きながらの思考実験中でしたが驚きの発想にたどり着きましたね。
日本語の動詞態の真実の姿を見つけることができました。
〇動詞態=動詞辞書形語幹+態の接辞。(未然形につなぐのは間違い)
 ・辞書形語幹:読m、書k、歩k、さがs、たよr、食べr、考えr、見r、
  辞書形語幹であれば、すべて語尾は子音終わりになっている。
①態の接辞:基本接辞4つ
 ・辞書態:+u:読m+u、食べr+u
 ・可能態:+eru:読m+eru、食べr+eru
 ・結果態:+aru:読m+aru、食べr+aru
 ・受動態:+areru:読m+areru、食べr+areru
 (読む、食べる/読める、食べれる/読まる、食べらる/読まれる、食べられる)
②強制系生成接辞:(r/s)asu
 ・強制系辞書形語幹:読m+as、書k+as、食べs+as、見s+as、
 (読まs、書かs、食べさs、見さs、)
 〇これに基本態接辞を付けると
 ・読ます、食べさす/読ませる、食べさせる/読まさる、食べささる/読まされる、食べさされる
③使役系生成接辞:(r/s)aseru
 ・使役系辞書形語幹:読m+aser、書k+aser、食べs+aser、見s+aser、
 (読ませr、書かせr、たべさせr、見させr)
 〇これに基本態接辞を付けると
 ・読ませる、食べさせる/読ませれる、食べさせれる/読ませらる、食べさせらる/読ませられる、食べさせられる

 態の助動詞は、動詞の未然形に接続すると言う間違った教えを捨てきれずに心の隅に残っていたんですね。今回、本当に「未然形に付けるのは間違いだ」と言いきったから、思考実験が先に進んだのでしょう。
〇日本語文法の宝箱にたどり着き、
・動詞態は辞書形語幹につなぐもの
 を「態の双対環」操作で確認しました。
(読める、食べれるが正に併行していること、読まれる、食べられるが併行していること、すべてが併行していると明示できたと思います)
〇やはり、文法則は簡潔で美しいものですね。

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