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2015年5月

日本語構造伝達文法を学習する3

2015/05/19(火)

 『日本語態構造の研究-日本語構造伝達文法 発展B-』今泉喜一:晃洋書房:2009年11月20日第一刷発行
を通読しました。
〇態の接辞、構造、造語派生力(態拡張)に対して、日本語の原動詞の歴史的変化を正確に調査し、解明された研究書です。
・一回目の通読ですから、まだ身につくまでの知識になりませんが、現代語の姿から推測していた:見(る)→(mi-as-e-)→(mi;s;e-)→見せる、見(る)→(mi-ay-)→(mi;y-)→(mi;y;e-)→(mi;e-)→見える、などについて、今泉本で正確に変遷を解明なされた研究成果の部分には感動しました。

(3)「態の双対環」の成り立ち:思考実験

 思考実験中の「態の双対環」の考え方を整理しておきましょう。
〇日本語の動詞態には独特の感性、感覚が内包されているように感じます。
・それを見える構造にしたものが、「態の双対環」なのだと思っています。
〇「態の双対環」は、
①動作概念-→動詞原形態:語尾子音+(u)-
②動作意向-→動作可能態:+er-
③動作結果-→動作結果態:+ar-
④動作終息-→動作受動態:+ar・er-
 の4つの態の連鎖を想定します。
〇対向概念①能動と④受動、に加えて、新たに対向概念②意向と③結果を組み合わせて双対構成にしたものです。
まさに「態の起承転結」構成のように見えます。
〇強制系、使役系に対しては、
①動詞概念-→動詞原形態:子音語尾(r/s交替の有無)+as-:強制態接辞、または+as・er-:使役態接辞、により原形態を構成しておけば、後続して②可能態接辞、③結果接辞、④受動接辞を付け替えて相似的な「強制態の双対環」、「使役態の双対環」を構成できます。
〇「態の双対環」で態を変えてみるということは、動詞文の主格実体が変わるわけですから、それもあわせて考察する練習も同時にできるといいですが。
(実体と動詞属性との構造把握は日本語構造伝達文法の肝心かなめのところですね)

 以前の記事:日本語文法:日本語をどう見るか5で、態の使い方と実体の格表現の問題を記述したことがあります。
今回の連載では、今泉先生に直接お会いしてからの思考実験を書いています。敬語表現にも気合いが入ります。
〇する/される:「される」は受身と尊敬の二義がありますが、日常使いされているせいか、受身の意味合いがすぐに浮かびます。
・なす/なされる:そこで「なされる」を使って尊敬表現にすることを選びました。「なされる」:尊敬・能動性の意味合いが濃いように思われます。
(関西語の「なはる、~はる」と同じ流儀ですね)
「なさる・なされる」の主格実体として動作者が想定される慣習がまだ根強いのでしょう。

 『主語と時相と活用と-日本語構造伝達文法・発展C-』今泉喜一:揺藍社:2014年2月5日発行 を読み始めました。
〇動詞活用と時相活用が分かると、態の活用と揃ってようやく動詞活用の全体理解になるわけですね。
〇活用段階:これは「文の起承転結」に相当するもので、文章の論理構造を作るものでしょう。
まず、期待をこめて通読します。

日本語構造伝達文法を学習する2

2015/05/09(土)

 5月5日、初対面での研究会前の対話で、「態の双対環」を簡単に説明してから、
小人:「原形語尾子音に揃うので、態接辞が共通形態になります」
先生:「原動詞はほとんど子音語幹で、そこからたくさんの動詞が派生しているね」とつぶやかれた。
その場ではこのことばの意味を十分理解できなかった。

(2)動詞の原形語尾と態接辞:思考実験

 先生の「原動詞」とは、古語、文語時代の原始動詞を含めた範囲からの派生、変遷を考慮されたものです。態の接辞などを使って関連動詞を派生する方法が研究されて、24方式もあると分類なさっている。
(先生から御著書4部作を賜り、勉強中ですが、まだ始めたばかりです)
〇当方の知識は浅いので、自動詞・他動詞対応での態派生しか分かっていません。自他対応の組み合わせでも10~12組ありますから、基本的な範囲は共通すると思います。
・語源まで問題にしない現代語の動詞範囲なら、「態の双対環」で派生させられるのではないでしょうか。(「態の双対環」は無対自動詞や無対他動詞にも適用できる)

★今泉本(改訂12年版)
・態の基本:3種
①使役態:-(s)as-
②受動態:-(r)ar-
③許容態:-e-
・態の(合成)基:6種+
①使役基:-(s)as-e-
②受動基A:-(r)ar-e-
③受動基B:-(r)ar-e-
④使役受動基:-(s)as-ar-e-/-(s)as-e-rar-e-
⑤二重使役基:-(s)as-as-e-/-(s)as-e-sas-e-
⑥二重使役受動基:-(s)as-e-sas-e-rar-e-
と記述があります。
〇今泉文法が最も優れていると判断する根拠は、二重使役、二重使役受動に対する考察があること、いわゆる可能態の「ら抜き」を「ar抜き」と見抜いていること、動詞や形容詞が活用で膠着・結合するので解析手法に音素解析(ロ-マ字つづり)を徹底的に用いていることなどの点にある。

 ただし、思考実験子としては、
★態の基本双対環:態接辞4種
①原形態:-(u)-
②可能態:-er-
③結果態:-ar-
④受動態:-ar・er-
★態の相似系:2種+α
⑤強制系:-as-
⑥使役系:-as・er-
⑦二重強制系:-as・as-
⑧二重使役系:-as・as・er-
です。
★今泉本の、許容態は:-e-で記述されてあり、-(r)e-と定義されていない。
 これは、許容態の機能を過小評価していることになり、単独で可能態や許容態になることに制限があり(つまり、読めるを認めるが、食べれる、見れるを認めない)、使役態、受動態に後付けするだけに限定してしまうことになる。
・態の双対環では、積極的に可能態を推進し、読める、食べれる、見れる、来れる、を当然認めます。
 動詞語幹の子音/母音の区別は「動詞原形語尾子音の形態」で統一され、態接辞も区別がありませんから、可能態を過小評価する必要はなくなります。
 (仮説の段階です:平等公平に可能態を認める新しい文法ができるでしょう)
★今泉本の、態接辞の頭部には(r)、(s)が付けられています。
・態の双対環では、(r)、(s)を動詞原形語尾の子音であると見做しますから、態の接辞には付けません。(r→s)交替や(s→r、r→k)交替は動詞語尾側で行います。
・また、可能態:-er-は、-e(r→s)-交替があり得ますから、態操作の段階では-er-形態により子音語尾を保存・明記します。
・動詞の原形語尾とは、休m、書k、探s、消s、燃やs、食べr、考えr、調べr、忘れr、捨てr、、、食べ(r→s)、考え(r→s)、打たれ(r→s)、などの子音語尾の形態を想定します。
〇「態の双対環」方式でも、昨年までは「動詞原形語尾子音」に思い至りませんでしたから、
・可能態:+(r/s)er-、結果態:+(r/s)ar-、受動態:+(r/s)ar・er-、強制態:+(r/s)as-、などと表記していました。
 そのときでも、-er-を「-e-として一段活用形:已然形、仮定形かと思わせる」を示唆することには気乗りがしませんでした。
今にしてその深層心理の因ってくるところが納得できました。

日本語構造伝達文法を学習する

2015/05/07(木)

 5月5日、今泉氏ホームページに案内がある研究会に初参加してみました。
〇予定の講話時間の前後で、このブログの「態の双対環」について対話させていただきました。
・先生からご指摘をいただいたのは、「仮説を立てたなら、それを通時的に論証、立証する必要がある」ということです。
・素人学問には立証が一番むずかしいところです。
・昨日お礼メールして返信をいただき、研究会への参加を勧められました。光栄です。

 以下、仮説の論証に向けた思考実験をはじめてみましょう。
〇最近到達した「態の双対環」実験では、「動詞原形語幹(休m、食べr)の形態に態接辞が接続する」と仮説を立てた。仮説がはなはだ特異なものだと自覚していないことを先生が指摘なされたのですね。

(1)動詞+助動詞の接続方法:思考実験

 日本語の動詞は膠着語なので、
①動詞+態接辞の接続(態動詞)から次へ進み、
②動詞+活用接辞の接続(活用動詞)から次へ進み、
③動詞+時相接辞の接続(時相動詞)という順で段階を通って
必要な述語機能が付加されていくと概観する。
厳密に表現し直すと、①~③の各段階の動詞は同じものではなく、一段ごとに膨らんでいきます。
①原形動詞+態接辞→態動詞となり、つぎへ渡す。
②態動詞+活用接辞→活用動詞となり、つぎへ渡す。
③活用動詞+時相接辞→時相動詞(テンス・アスペクト)となる、
という段階をへて必要な動詞述語の機能を果たすことになります。
〇原形動詞とは、子音語幹、母音語幹の動詞区別ではなく、切r、着r、帰r、変えr、のように辞書形語尾子音までの形態を原形語幹と見做すもの。態接辞を接続する①段階の動詞はすべてが原形子音語尾で扱うと規定するほうが論理的です。
〇なぜなら、切る・切れる・切らる・切られる/着る・着れる・着らる・着られる、帰る・帰れる・帰らる・帰られる/変える・変えれる・変えらる・変えられる、のように態動詞は同じ構造になるからです。
〇切らす・切らせる・切らさる・切らされる/着さす・着させる・着ささる・着さされる、帰らす・帰らせる・帰らさる・帰らされる/変えさす・変えさせる・変えささる・変えさされる、強制系態接辞には(as接辞)が前置追加され、同時に母音語幹の動詞語尾に対して(r→s)交替が起きます。(態接辞の頭:(r→s)asuではない)
〇このように派生した態動詞は、次の段階へ移ります。
・態の変化がなかった動詞は、
 切r、着(r)、帰r、変え(r)という態動詞として次の活用段階へ移ります。
・態の変化があった動詞は、
 切れ(r)、切られ(r)、着れ(r)、着られ(r)、帰れ(r)、帰られ(r)、変えれ(r)、変えられ(r)という態動詞として次の活用段階へ移ります。
〇仮説1:①態接続の段階では動詞原形語尾子音の形態で統一されて接続される。
 なお強制系・使役系では(r)付き動詞で(r→s)交替が起き、「着らす」でなく「着さす」となります。
 (r→k:寝かす)交替、(s→r:蒸す→蒸らす)交替などの例もあります。
〇仮説2:②活用接続の段階では動詞の子音語幹、母音語幹で区別した扱いが必要になる。それが個別の動詞活用の宿命?です。(文法が助けてくれるはず:今は個別法則については省略)
〇③時相接続の段階でも子音語幹・母音語幹の区別が必要と思われる(拍を合わせるため)。

 やはり、①態接続の段階で子音語尾に統一する想定方法は、特異で珍しい仮説かもしれませんが、論理的です。
・態の接辞の出自が自動詞・他動詞対応派生の機能接辞:aru、asu、eruであり、自他交替では、すべて子音語尾に接続するので、態接辞の形態がすっきり母音始まりに統一されています。
・ですから、態の助動詞の接続方法としては原点回帰して「原形動詞に接合する規則」を推奨したい。
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〇今回の思考実験の糸口は、研究会で「受動態は動詞原形+ある(存在)だと思います」と説明したとき、
 先生:「動詞+ある(動詞)、なら動詞連用形+ある、になるのでは?」との逆質問があったからです。
 小人:「いや、活用形でなく、態表現は動詞原形+ある(助動詞)、です・・・」と応えたものの、
 それ以上の説明ができなかった。
・受動態(結果態:aru)接辞は単なる存在でなく、「動作そのもの、動作の結果がそこに在る状態」という意味なのだが、説明しきれなかった。
(連用形+ある=進行形、可能形の意味? さて原形・辞書形+ある、のイメージを的確に伝えるにはどうする?)
・「さあさあ、くるあるよ、みるあるよ、きくあるよ、買うあるよ、食べるあるよ~」 みたいなものだが・・・


日本語構造伝達文法12年版を独習する7

2015/05/03(日)

 文法の論理性を求めて思考実験を続けている。
〇動詞態に関しての考察まとめを行った。
動詞態の基本接辞表:原形語幹
 (内容改訂したもの)
②考察要旨を新規にまとめたもの。
動詞態の相関図表:原形語幹
Photo

 一方、今泉本:「日本語構造伝達文法」の全体像をなかなか掴みきれずにいます。


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