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日本語構造伝達文法を学習する7

2015/06/06(土)

★「態の双対環」質問箱(4):
(4)動詞原形方式で語尾子音形に揃えると、態の接辞が純粋に同一に見えるようになるが、「ら抜き言葉」を正当化する狙いがあるのではないか?

〇質問文を二つに分けて思考する。
・動詞原形語幹にすると態接辞が純粋に同一形態で明示できる。
・それを根拠に、「ら抜き言葉:食べれるなど」の可能形を正当化する狙いがあるのか?

★動詞語幹と態の接辞:
質問の前段部分は、日本語構造伝達文法を学習する4
の中で述べたが、再度、子音語幹動詞、母音語幹動詞と態接辞の組み合わせを記述しておこう。
・子音語幹動詞の場合: 例:休m-、書k-、立t-、
・母音語幹動詞の場合: 未然形、連用形では、例:食べ-、考え-、忘れ-、
 終止形~命令形では、例:食べr-、考えr-忘れr-、が共通語幹となる。
 二通りの語幹形態を仮に、例:食べ.r-、考え.r-、忘れ.r-、で表現する。
(観察眼を無視せずに、二通り語幹を法則化するほうが論理的です)
・態接辞は動詞原形・辞書形に接続するから、食べr-、考えr-(原形語幹:語尾子音)を選択するほうが合理的です。
・態の接辞:語幹表示で記述。
 結果態:+ar-(文語体受動接辞)
 強制態:+as-(文語体使役接辞)
 可能態:+e.r-
 受動態:+ar・e.r-
 使役態:+as・e.r-
で統一して表されます。
・強制態、使役態の場合、
例:食べ(r→s)asu、考え(r→s)asu、
 食べ(r→s)as・e.ru、考え(r→s)as・e.ru、
 打t・ar・e(r→s)as・e.r・ar・e.ta、
のような接続で(r→s)交替があります。

 質問の後段に移ります。
★可能態の用法拡大で「ら抜き言葉」を正当化する狙いがあるのか?
〇「態の双対環」方式に到達前の思考実験段階で、「ら抜き言葉」を認める立場にいましたから、可能態の不当な非難には気分がふさがる気持ちでした。
・可能態の意味するところと、受動態の意味する結果可能とは全く表現範囲が違っています。
①だから、母音語幹動詞が受動態で全範囲の可能を表せるはずがないにもかかわらず、痛痒を感じないことに残念な思いがありました。
・母音語幹動詞でも可能態と受動態を持つことが当然なのです。
②また、子音語幹動詞でも、
・「あなたの言うことは信じれない」:可能態と
・「あなたの言うことは信じられない」:受動態との
違いを感得し、説明できる人がどれだけいるでしょうか?
〇可能態と受動態の意味する可能状態の違いを深層から理解すれば、①、②の解答になります。
★可能態と受動態の可能との違い
既述ブログ記事では、日本語文法:「ら抜き言葉」推進派の見方
に既述説明しています。
引用>
可能態の「~できる」の意味は、目前の動作ができる、できる意思がある、です。
(言わば、「個の可能」です)
・受動態の可能は、結果可能:「~やり抜くことができる、だれでも繰り返しできる、習慣的にできる、規則としてできる」という意味です。
(言わば、「多の可能」です)(また、結果可能の他にも、受身、尊敬、自発などの意味がある)
〇これだけ意味が違いますから、すべての動詞で可能態と受動態の両方を派生する必要があり、本来の日本語は対応できるように進化してきたのです。
〇学校文法、多くの文法学者は「個と多の可能の違い」に無頓着です。意味の違いを解説していません。
<引用終り
・可能態「信じれない」:目前の個別の案件に対して話者個人として信じることができないと言う。
・受動態の(結果)可能「信じられない」:一般論としても信じることはできないと言う。
(信じる結果になることはない、結果的に信じることに到達しないと言う意味です)
〇このように、可能態による表現は「目前の個別事例に対する行為可能/不可能を個人的見解として陳述する」ものです。
・ですから、公の場では個人見解でなく、客観形式に近づけて受動態可能形式で意見表明するのは普通の出来事なわけです。
・個人見解を求めた取材応答に対して、可能態で応えてくれた内容を受動態可能形式にすり替えるのは逆に問題なのです。

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