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日本語構造伝達文法を学習する4

2015/06/01(月)

 1昨日、今泉先生の文法研究会に参加させていただきました。
元ゼミ生で卒業後、日本語教育に携わっている方、在籍中の研究実績を先生の発展文法の著作に採録されたことのある方、アフリカ援助関係での言語を調査されている方、東京外語大留学生でドクター級の方などに交ぜていただたことになります。
3番手の話し手として「態の双対環」方式について発表しました。
予想以上に時間をいただけたので用意した資料ページのほとんどを述べることができました。

 さて、発表後に受けた質問を要約すると次のようになります。
①日本語教育の現場では、動詞語幹を区別する方法として「う-動詞:子音語幹」、「る-動詞:母音語幹」を目安にしている。
・それを全部、子音語尾扱いで教えるのは混乱する。
・態の場合だけ、子音語幹揃えにする合理的な根拠が必要だ。
②「能動形と受動形の対向関係」は理解できるし、説明しやすいが、もう一方の「可能態と結果態の対向関係」については得心できない。意味のある対向関係なのだろうか?
③「双対環」という形状なら、態と態の途中の部分に何か意味があるのか?
・双対軸の相互関係を説明できるのか。
・態の起承転結に似たアスペクト的な意味であると説明しきれるだろうか?
④動詞原形方式で語尾子音形に揃えると、態の接辞が純粋に同一に見えるようになるが、「ら抜き」を正当化する狙いがあるのではないか?
 なお、質問・指摘に上がらなかったのが、
⑤可能態、結果態、強制態の用語、意味、位置付けについて、
⑥可能態と受動態の結果可能の意味の違いについて、
の項目であり、感心が集まらないことが分かった。

★「態の双対環」質問箱:
 歳のせいだけでもなく、口頭での質疑応答に脳みそが追いつかない性質なので、記述式で応答したい。
(1)動詞原形語幹で「態」を形成する理由は?
〇態の接辞が「未然形に接続する→学校文法の間違い」でなく、「動詞の語幹に接続する」のだという法則を採用し、さらに飛躍して「動詞原形語幹に接続する」と提起しました。
〇飛躍しないで「態の接辞は動詞語幹(う-動詞語幹:子音語幹、る-動詞語幹:母音語幹)に接続する」を採用する選択肢もあります。「態の接辞を一般の助動詞と同じ」と見なせば、飛躍しない法則で間に合います。
〇しかし、態の接辞の原点は「自他対応する動詞を生成させるための機能接辞」ですから、その動詞原形から新しい態動詞を生み出す接辞です。
・動詞の態(動作主体)を替えるためだけにでも使われますが、その瞬間の動詞が原形の形で接続されると考えます。
・通常の助動詞とは性質が違います。
★動詞語幹:
〇動詞活用で形態が変化しない部分を語幹という。
・子音語幹動詞:休m-、読m-、歩k-、など。
・母音語幹動詞:食べ-、考え-、忘れ-など、だが、終止形~命令形の範囲に限定すれば、食べr-、考えr-、忘れr-、を語幹として採用してもいいはずです。
・飛躍した法則では、母音語幹動詞に対しては、母音語幹と子音語幹の2本立て方式を採用する。
(元来、母音語幹動詞は二重語幹動詞なのです。子音語幹の様相も持っている)
・これを「日本語構造伝達文法風に表現する」と
 「食べ.r-、考え.r-、忘れ.r-、」のような動詞属性を定義することになるのだろうか。
(記述中に発想が湧いてきました)
★態の接辞:
当ブログでの既述記事を拾い上げると、
・時枝誠記の考え方が「態動詞の派生合成を認めて、述語文節の区切り方にも反映させている」ものだと共感します。
日本語文法:日本語をどう見るか6
日本語文法:動詞原形語幹+態の接辞2
 第一問についてはここまでにします。

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