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日本語動詞:「態の双対環」質問箱2

追記はじめ-
★★→投稿本人注:2015/11/16:動詞基幹の名称概念を廃止します。態接辞にしか通用せず、動詞活用接辞、助動詞接辞などを含めて通用する概念としては、「動詞語幹+挿入音素+機能接辞」の全体構成から「動詞語幹+挿入音素」の部分を「機能接辞」と接続するという解釈がよい。(一般化した「動詞語幹+挿入音素」は子音終わりの基幹形態にならない場合もあるから)
追記終わり-

2015/09/24(木)

(2)「可能態」に起きた不都合な言い訳:

Q-2 なぜ子音語幹の動詞だけに可能態、可能動詞が認められたのですか?
 口語文法でも『母音語幹の動詞は(可能態を生成しないで)受動態で可能表現する』に呪縛されっぱなしなのはなぜですか?

A-2 学校文法の「可能動詞」説明では、子音語幹動詞にしか可能態を認めていませんね。
〇最近その理由に気が付きました。(推測ですが、「こすい」理由で可能態の使用を狭めてきたようです)

★「子音語幹の動詞:本当は「す」語尾の動詞」は「受動態による可能表現」では「動作主の可能」を感じ取れない場合が多く、専用に「可能形態」を開発すべきだという要請が江戸時代に起きてきたのでしょう。
昭和時代になっても、「可能態」の要請は続きますから、「本来ならば、母音語幹の動詞にも同様の可能形態を認めるべきだった」のです。
★まず「受動態で言っても可能表現だと感じれない」実例を検証します。(図中の赤字受動態)
(図参照:「す」語尾動詞の可能表現)
Photo

 図の受動態赤字表記に示すように、「す」語尾動詞の場合、受動態で可能を表せないのだと急に気づいたら言い淀んでしまいます。江戸時代の知恵に感謝すべきですね。
★江戸人は受動態で可能を「表されない」から、受動態では「表せない」という明確な判断をしていたのです。
 非常に素直な言語感覚です。(可能を感じれないから、当然感じられるわけがない)
・学校文法では「す」語尾の動詞に対処するという肝心の視点が欠落しています。
 日本語学全体でも「す」語尾の動詞の影響を深くは研究対象にしていないのでしょう。
・各種の国語辞典には可能動詞の例に「す」語尾動詞があるだろうか。どうやら見つかりませんね。
・「態の双対環」を提唱してきましたから、「す」語尾の動詞への対処方法が可能動詞の始まりだと直感できました。
★「す」語尾動詞は、他動詞性:対象へ向かう動作性を深層意義に持っている。その他動詞性を含んだ動作を「結果まで進んだ事態」として表現する受動態では、動作主の自力動作心理としての「可能」を表現できないのです。
だから、結果以前の動作意図、意思としての「可能」を表す「可能態」によって「す」を中和、緩和する必要があるのでしょう。
(「す」語尾以外の動詞の受動態では、受身、尊敬、結果可能が感得できますから、可能態を必須としないはずですが、実利には勝てなかったのでしょう)

★なぜ、「す」語尾動詞の可能動詞を積極的に例示しないのでしょうか? 推測ですが、「す」の可能態は「せる」になり、「せる、させる」の使役態に形態が似てくるから、意識的に説明を避けたのではないでしょうか。
その代わり、「書ける、読める、走れる、歩ける」などを可能動詞として積極的に例示してきたのでしょう。
〇なんだか「こすい」言い訳で、はぐらかされて来たわけですね。
★「書ける、読める、走れる、歩ける」が可能動詞なら、「見れる、着れる、食べれる、来れる、考えれる、覚えれる」なども立派な可能態動詞として認めてもよいはずです。
・もちろん可能態と受動態の結果可能との意味の違いを十分踏まえて併存使用することが条件です。
(可能態:e.r-接辞、受動態:are.r-接辞です。受動態は結果:ar-と可能:e.r-の合成です。つまり、受動態は結果を受けての状態、結果を見通しての可能を表現するものです)

2015/09/26(土)
 追記:「す」語尾の動詞を拾い出して、可能態と受動態を並置しました。
可能表現に適するのは、どちらの態か、語感を自己診断してみましょう。
①群:自律、自力動作が身近にとどまる感じの動詞:
★濡らす:濡らせる/濡らされる、よごす:汚せる/汚される、減らす:減らせる/減らされる、のばす:伸せる/伸される、直す:直せる/直される、生かす:生かせる/生かされる。
②群:自律、自力動作が離れていく感じの動詞:
★落す:落せる/落される、動かす:動かせる/動かされる、移す:移せる/移される、倒す:倒せる/倒される、逃す:逃せる/逃される、滅ぼす:滅ぼせる/滅ぼされる。
③群:想像で古語では「す」語尾動詞だったか、「す」を飛び越えて「せる」になり終えた動詞:
★見せる:(見す→)見せる:見せれる/見せられる、浴びせる(浴びす→)浴びせる:浴びせれる/浴びせられる、乗せる:(乗す→)乗せる:乗せれる/乗せられる、任す:任せる(使役形?):任せれる/任せられる。
 このように、「す」語尾動詞の可能態は「せる:~s+e.r-」形式になる。①群、②群の受動態は「される:~s+are.r-」形式になる。
学校文法や国語辞典では、可能態で誕生する「せる」形式についてはまったく説明がない。使役の「せる:ase.r-」を説明するだけです。
★やはり、可能態には動作可能の意思、意図が感じられるが、受動態だけでは可能表現にならないですね。
 時代の流れが「可能をはっきり表現したい」と強く要請してきたわけで、本来なら一番に「す」語尾動詞で可能態を採用する動きがあったのではないだろうか。
〇可能の「せる:s+e.r-」を説明するには、学校文法でも正式に「可能助動詞」を定義するところからの準備が必要です。

 なお、蛇足ですが、可能態接辞:e.r-、受動態の接辞:are.r-ですから、可能態動詞、受動態動詞ともに「.r/s-」付きの動詞基幹になります。

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