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日本語動詞:「態の双対環」質問箱5

2015/10/12(月)
(5)「態の接続文法」に対する疑問・続き:

Q-3-2、質問④:
④可能態と受動態可能表現との意味の違いに対して合理的な文法説明をしていないこと。
・書ける:kak・eruは、書かれる:kak(ar)eruから「ar」抜き落したもの。
・食べれる:tabe.r・eruは、tabe.r(ar)eruから「ar」抜き落したもの。
 もちろん可能態は直接生成できますし、子音・母音両語幹で差はなく生成できるのです。
・ただし、「ar」の有無による「可能状態の意味の違い」を確実に説明すべきだと思う。

A-3-2:
〇可能態の由来が、受動態から「ar」抜きして発生したという見方は間違いだろう。文語体時代からつづく自他交替接辞の進化にともなって別個に形成されてきたのだろう。
〇「態の双対環」方式では、原形態-受動態、可能態-結果態の対向関係を「環状配置」して態構成を把握することを提起している。
・受動態は結果態:ar-と可能態:e.r-の合成接辞により成立っている。結果態は文語体文法での「受動」接辞であり、口語体文法になり可能態接辞が付加された。
・単純に可能態で表現するのと、受動態で可能表現するのでは意味に違いがあると「双対環」では見ている。

★まず、「態」の定義をする。
〇「動詞態」とは事態や出来事に関与する「登場人・物」が相互に主体的観点で事態を叙述する動詞形態をいう。
・何が、誰が主体となる文構造かが重要だが、発話で主体補語を表さない場合も多いので、以下に「主体ヒントだけの態動詞」で演習してみよう。
★可能態接辞:e.r-の意味:~ようになる、~ようにする、~ようにできる。
・無情物主体で「割れる~自発変化・~ようになる、自発」
・有情主体で「立てる~自・ようになる、他・縦にする、~ようにする、自他交替・両義」
・動作主体で「割れる~割るように意思、意図をもってすることができる、可能」
・動作主体で「食べれる~食べる意思、意図をもってすることができる、可能」

★受動態接辞:ar・e.r-の意味:~動作結果がある、~の結果になれる。
・事象主体で「待たれる~待つがある、自然に気持が湧く、自発」
・事態主体で「行われる~行うがある、行う予定を広報する、既定行事・予定把握」
・尊敬主体で「言われる~言うがある、自然に起きた行為のように表現する、尊敬的表現」
・被動主体で「言われる~言うがある、起きた行為の結果を身に受ける、受身」
・対象主体で「盗まれる~盗むがある、行為の結果が的中する、受身」
・被動主体で「盗まれる~盗むがある、行為の結果の影響が及ぶ、受身」
・動作主体で「食べられる~食べるがある、動作の結果を出せる、結果可能」
・対象主体で「食べられる~食べるがある、動作の結果を受ける、受身」
・事態主体で「食べられる~食べるがある、結果無事が常識化している、既定許容、習慣可能」
・対象主体で「通される~通すがある、動作結果を受ける、受身」
・動作主体で「通される~通すがある、?動作結果が主体にあるようには感じれない、結果可能に不向き:「す」語尾動詞の特長」
・尊敬主体で「通される~通すがある、尊敬表現で動作結果を叙述に適する、尊敬」
・動作主体で「行かれる~行くがある、行く結果になれる予測を表現、結果可能」

★日本語の受動態は2つの原理的特長をもっている。
〇受動態は「動作の結果や変化の結果」を表現する形態なので、自他動詞、使役動詞などほとんどの動詞から生成できる。(構文主体には登場人・物なら誰でも立てる)
〇受動態は「動詞原形+ある・あれる」の形態なので、時制に自由度がある。将来の動作結果を洞察する表現にも使える。(西欧語の受動態はbe動詞+動詞過去分詞の形態が多い)
・行くよ/行けるよ/行かれるよ:
 この3表現の意味の差を感得できるとすばらしい。

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