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日本語文法の論理6

2016/04/14(木)

★時枝誠記:『国語学原論』1941年:上・下巻を通して読後感想を述べる。
【1】言語の存在条件:
:主体(話し手)とその主観判断が素材(客観的語彙、概念)と場面(話の場、聴き手、話の内容・前後関係)に志向作用すること。
【1:思考実験】原意は優れている。が、俗人の当方としては、主体-素材-場面(三角図形を想定)の一般化を進めて考察実験したい。
★「素材-場面」を垂直辺、垂直軸として立てる。左側横に「主体」があり、そこから発する「志向作用」が素材、場面へ向かう辺線をなすという三角図形を基本に思い描いてください。
★主体1:話し手-素材-場面、
 主体2:聴手1-素材-場面、
 主体3:聴手2-素材-場面、
 この3つの三角図形を、素材-場面の軸を共通の中心軸にして、立体的に配置してみよう。
主体1、2、3が対話する立体的な場面を想定できる構造図形になります。
Photo

〇実際の対話の場では、主体1、2、3が随時に発言役、聞き役にと入れ替ります。
〇それぞれの「素材-場面」がいつでも完全一致しているわけではありません。修正しつつ影響されつつ話が続くのでしょう。
〇主体相互間での「伝達」の重要性は「素材-場面」の一致だけではなく、主体の「志向作用」も受け止める必要があります。
(時枝原案「場面」には聴き手を含めていましたが、これを聴手主体に取り出すことで、一般化、立体化ができると思う)

【2】[詞]辞)入れ子型:
:辞より除外すべき受身可能使役敬譲の助動詞。
【2:思考実験】入れ子型を提唱したからには、詞辞の区分けに厳密性を示したわけです。
「態の助動詞」を「辞:主観表現」でなく「詞:客観表現」の範疇に入れた点は優れた判断だと共感します。
★態接辞を「接尾語」と命名し、「動詞原形に接合」して新たな態動詞を生みだすと解釈すればよい。
〇「態接辞を動詞原形に接合する」の意味は、動詞の子音語幹、母音語幹につなぐのではありません。
(「動詞を活用させて」態動詞を作り出すのではありません。自動詞から他動詞を作り出す/他動詞から自動詞を作り出すための機能接辞と同じ性質を態接辞が持っています)

【例】読m・areru:読まれる(受動態)
 読m・aseru:読ませる(使役態)
 読m・eru:読める(可能態)
 書k・areru:書かれる(受動態)
 書k・aseru:書かせる(使役態)
 書k・eru:書ける(可能態)
 食べr・areru:食べられる(受動態)
 食べs・aseru:食べさせる(使役態)
 食べr・eru:食べれる(可能態)
 見r・areru:見られる(受動態)
 見s・aseru:見させる(使役態)
 見r・eru:見れる(可能態)
★母音語幹動詞:食べる、見る、に対しては、動詞原形として、食べr、見r、のように「r」を補います。
・使役態、強制態の接辞と結合する際には、食べs、見s、のように「s」に置き換えます。
これは、原形末尾「r:自律動作/s:他を律する動作との交替」という文法的操作です。

【3:思考実験】動詞原形を採用する利点:
①上例のように、子音語幹、母音語幹の動詞に対しても態接辞は同一形態で定義できます。
・受動態接辞:areru/あれる
・使役態接辞:aseru/あせる
・可能態接辞:eru/える
と憶えれば、動詞原形の語末子音に対して迷わずに使えるでしょう。
②間違い文法:態接辞を「動詞の未然形に接続する」を廃止できます。
(態は動詞活用で生成するのではありません。まず動詞原形から態動詞を生成します。
 態生成後に態動詞として活用すればよいのです)
③可能態接辞:eruをすべての動詞原形に接続でき、「ら抜き:ar抜き」を正式文法則に認定できます。
〇時枝本では、可能態に触れていませんが、受動態「ar付き可能:ar・eru」の「ar:ある」については、「ある、在る、有る」に通じる意義を感得していたらしい。(聞きかじりで不詳事項)
〇残念ながら、いまだ受動態と可能態の機能を明快に明解に説明する者なし。
〇また、文語体の受動、使役:
・受動接辞:aru/ある:動作結果が:ある、在る、有る。
・使役接辞:asu/あす:他律動作を:さす。
つまり、これも原形末尾「r/s交替」により、接辞自体も「ある/あす」が生成されたのでしょう。
〇歴史的な日本語文法の論理なのでしょう。(類推事項)


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