« 2017年6月 | トップページ

2017年7月

主要見出し一覧:

webnote主要見出し一覧:
webnote:主要記事一覧表
★★◇2017年主要記事一覧表
(ネット注文、書店取寄せ注文可能→)~書籍広告◆日本語動詞 態文法を再生する
 →2016年主要記事一覧表2015年主要記事一覧表2014年主要記事一覧表
 →2013年主要記事一覧表2012年主要記事一覧表
webnote:日本語文法
★図表:
 →★態・用言派生流れ図(完成版)
 →態接辞の由来図態接辞の深層語感「態の双対環」鏡像図
 →自他対応接辞:態の双対環演習図新日本語動詞:自他交替・態交替図
 →日本語動詞:旧・新態文法比較図日本語動詞「態の双対環」基本図「態の双対環」演習台紙
★主要記事:
 →態文法:動詞派生の一般法則
 →態文法:動作を律する法則、 態文法:已然の-e-と可能の-e[r]u
 →★態文法:態・用言の派生を流れ図で一覧する
 →態文法:発見!挿入音素と機能接辞の同源性
 →態文法:[挿入音素]が語幹・接辞の連結役、 態文法:動詞形(未然/已然)と挿入音素
 →態文法:動詞派生と挿入音素の働き、 態文法:形状動詞の派生と挿入音素
 →★態文法:派生文法と「態の双対環」文法
 →文化庁「国語に関する世論調査」を読む2「ら抜き言葉」は「ar抜き結果抜き」可能
 →名詞述語文で「基本文型を二階建て」に日本語動詞:可能態と受動態の可能表現の差
webnote:SD手帳 × SD手帳06
★→SD手帳:リング綴じ具で薄型手帳へ工作
 →自作SDダイアグラム:新型SD手帳:B22バインダに好感触!
 →SD手帳:案件一覧:「件名リフィル」応用書見台改修-上下反転、拡大工作
 →SD幅広金具付バインダー改修法をまねるmicroSDホルダー工作
webnote:くもの巣ノートに × くもの巣ノートくもの巣日誌
 →人・組織を導く:万有資源が育つ万有資源=人・物・金・組織(再編集)
 →ノートArkivo超漢字マンダラート:歩道支柱に未来はない
webnote:BTRON × BTRON:06
★→「こざねツール」で短文推敲短文推敲:プレゼンツールの活用
webnote:万有資源活用
★→万有資源活用への道筋2万有資源活用への道筋万有資源4理法則
 →人類哲学への道筋権利や義務は責任で包むもの
★→二分合体思考法考察=思考実験(PDCA高速回転)へ
 →組織の力の働かせ方組織の力の働かせ方:2実践哲学「生き方」稲盛和夫
 →ドラッカ:計画と実行は1つの仕事の2側面経営資源=「万有資源」と「創造資源」
★→超高速回転PDCAサイクル:万有資源活用万有資源=人・物・金・組織(再編集)
webnote:Eseo × 収納箱シート
 →論理回路(正論理・負論理)
Ceteraj Kategorioj:
ハイドロ栽培ウェブログ・ココログ関連日記・コラム・つぶやき


態文法:動詞派生の一般法則

2017/07/22(土)

 当ブログで提唱する「動詞派生の一般法則」の概要を解説する。
まず、派生の流れ図→ >態・用言派生流れ図(完成版)、を確認してから、
以下の説明を御覧ください。

1.基本法則
 国語文法、学校文法の「ひらがな解釈」でなく、「ローマ字表記による音素解釈」
を採用して、「動詞語幹や機能接尾辞などの形態素」を正確に識別する方法を用
いる。 膠着語である日本語の構文解析には、連続する文字列から機能ごとの形
態素を切り出すことが第一に重要なことだからだ。
(説明文でのローマ字表記は単語解釈部分に限定する)

2.派生法則と複合(修飾)法則
 従来文法では「動詞活用、助動詞(機能接辞)活用」などと表現するが、膠着語は
活用で変化するのではなく、動詞に機能接辞が密結合することで「意味が派生し
ていく」のが本来の姿である。
★派生法則:動詞語幹+[挿入音素]+機能接辞語幹+[挿入音素]+統語接辞→新
 機能を持った動詞の造語である。(実際に多段の接辞が続く派生操作もある)
〇動詞、形状動詞での造語派生は、例外なしに[挿入音素]を伴って接辞と連結す
 る。(従来文法では、命令形派生、可能態派生、形状動詞派生などに対しては[挿入
 音素]概念が見落されていた。挿入音素が浸透すれば、言語運用が安定する)
★複合法則:派生動詞が統語機能、いわゆる連用形や連体形の機能を持つとき、
 [挿入音素]が不必要な結合、緩やかな結合が認められる。
 その場合の挿入音素を表記するために、[+]、[+no+]、[+nano+]などを用い
 て複合法則の存在を示す。
・特に連用・連体の複合結合は文法的な修飾関係節を構成するので、[挿入音素]
 が[~連用形/連体形+後続語句]と、がっちり前後の連結を果すのだと理解し
 たい。

3.[挿入音素]の表記:一般法則化を目指す
 本来、膠着語形式の言語は、動詞の語幹末が子音/母音の両方に対応できる派
生方法を備えているはずだから、それを新形式の[挿入音素]で表現する。
★[挿入音素]→[子音末への連結音素:母音/母音末への連結音素:子音]の両面
 表現を採用する。
 実際には、接尾辞側の語頭音が母音始まりならば、[無音・/連結子音]であり、
 接尾辞側が子音始まりならば、[連結母音/・無音]で両面表現ができる。
〇動詞派生の一般式表現(動詞語幹の一般表現を「D」とする)
例:可能態動詞の派生:D[・/r]e[r]u。(子音母音両語幹動詞が可能態になる)
 書ける:KAK[・/r]e[r]u→KAK[・]e[r]u、
 食べれる:TABE[・/r]e[r]u→TABE[r]e[r]u。(必然の派生である)
例:命令形の派生:D[・/r]e/o。(両語幹動詞が一般式で命令形を派生する)
 書け:KAK[・/r]e→KAK[・]e、
 食べろ:TABE[・/r]e/o→TABE[r]e、TABE[r]o。
例:強制態動詞の派生:D[・/s]as[・]u。(両語幹動詞が一般式で強制態に派生)
 書かす:KAK[・/s]as[・]u→KAK[・]as[・]u、
 食べさす:TABE[・/s]as[・]u→TABE[s]as[・]u。

4.[挿入音素]の種類と機能接辞の種類
★[挿入音素]:一般式形態で示す。動作の律仕方も付記する。
①[・/r]:自律動作(自・他とも)を意味する態接辞など連結するときに選ぶ。
②[・/s]:律他動作(他に自律動作をやらせる)を意味する態接辞に連結する。
③[・/y]:互律動作(自他に動作を勧奨誘導する)を促す前望形に連結する。
④[・/k]:無律化(動作意図を無効化)する。形容詞に付加し形状動詞化する。
 口語体では、形容詞はすべて母音末語幹なので挿入音素:[k]で表示可能。
★態接辞の種類:-接辞語幹-で示す。接辞の意味も略記する。
①-e-:可能態接辞:動作が既に始まっている(已然概念)、互律動作(主・客が
 動作による変化、状態になる/なす)の意味を併せ持つ。
②-ar-:結果態接辞:動作が完遂した状態、結果を意味する。(文語:受動態)
③-are-:受動態接辞:動作結果が在る、有る状態(已然概念)。
④-as-:強制態接辞:律他指示し他に自律動作をやらす。(文語:使役態)
⑤-ase-:使役態接辞:他に自律動作をやらせる。(互律、已然概念、が加わる)
〇強制系態④、使役系態⑤には、態接辞①~③が連結して強制受動態や使役受動
 態などが派生できる。(二重連結で意味が破綻しないように注意すること)
★動詞文派生の[挿入音素]と助動詞接辞の連結:一般式形態で示す。
①D[a/・]na[k=0]i:動作打消し表現:
 :書かない→KAK[a]na[]i、食べない→TABE[・]na[]i。
②D[i/・]ta[k=0]i:動作願望の表現:
 :書きたい→KAK[i]ta[]i、食べたい→TABE[・]ta[]i。
③D[i/・]Ø、-te/de、:連用形、テ形/デ形:(イ音便規則あり)
 :KAK[i]Ø、KA(K=0[I])te、TABE[・]Ø、TABE[・]te[+]na[]i。
④D[i/・]soo[+]da、D[・/r]u[+]soo[+]da:動作推量、事象伝聞。
 :KAK[i]soo-、KAK[・]u[+]soo-、TABE[・]soo-、TABE[r]u[+]soo-。
⑤D[・/r]ak[]u、D[・/r]ak[・]as[]u、D[・/r]ak[・]ar[]u:無律接辞-ak-
 (古語ク語法の接辞で、動詞を無律名詞化へ派生する、それを無意図の他動詞や
 自動詞に再派生するのに使われる)
例:散る→:TIR[・]ak[・]as-、TIR[・]ak[・]ar-、散らかす、散らかる。
 :笑わすは律他動作。他が無意識で笑うようにする→:WARAW[・]ak[・]as-、
 笑わかす→笑かす:WARA([k]←W[・]ak)[・]as-:WARA[・/k]as-。
 :寝さす→:無意図化して、赤児の自律動作でなく主体の単純他動詞とするため
 寝かす:NE[・/k]as-→NE[k]as-と派生する。さらにNE[k]ase[r]uと互律
 化すれば、発話主体の忖度程度が高くなる。
★形状動詞文派生の[挿入音素]と機能接辞:一般形式で示す。
 口語体での形容詞語幹:Kは、すべて母音末だから、挿入音素:[・/k]を[k]で
 一般化しても支障がない。([k]は無律接辞-ak-を短縮化したk音を挿入音素
 に採用したもので、従来ならば、k音を活用語尾に含めていた)
①K[k=0]i:終止・連体形、K[k]u/K[k]ute:連用形/テ形、K[k]ereba:仮定
例:URESI[k=0]i、URESI[k]u[+]na[k]ereba、
②K[k]a(r=0):九州弁、K[k]a(r=0[Q])ta:完了形、K[k]ar[・/y]oo:前望
例:URESI[k]a、URESI[k]a[Q]ta、URESI[k]ar[・]oo.([Q]促音記号)

 動詞派生、形状動詞派生までの流れ図の詳細説明が済みました。
(動詞での[k]音を不思議に感じていましたが、無律接辞-ak-、挿入音素[k]の
 意味、役割に気づいたのは、今年の春です。動詞・形容詞の両方に機能発揮して
 います。無律の説明部分は前回投稿の記事と重なりました)
残りの名詞文・形容名詞文の派生一般式については説明を割愛します。

以上。

態文法:動作を律する法則

2017/07/14(金)

 (態文法:発見!挿入音素と機能接辞の同源性で記述した肝心点を詳述する)
 動作事象をどのように把握して態動詞を派生するのか、考え方を整理した。
1. 態動詞の派生一般式=動詞語幹:D+[挿入音素]+態接辞(+[r]u)
〇能動系「態の双対環」での律仕方:
①原形態:D[r]u    :挿入音素:[r]:自律動作の意(自・他動詞での自律動作)
②可能態:D[r]e[r]u :可能接辞:-e-:互律動作の意(なる/なす両義、已然)
③結果態:D[r]ar[]u :結果接辞:-ar-自律・受動の両義(動作結果ありの意)
④受動態:D[r]are[r]u:受動接辞:-are-自律・受動・互律の意(已然感あり)
〇強制系「態の双対環」での律仕方:
⑤強制態:D[s]as[]u:挿入音素:[s]:律他動作の意(他動詞:[S]uruに由来)
 →強制接辞:-as-動作を他者にやらすの意(他者の自律動作としてやらす)
・強制可能態:D[s]ase[r]u、強制結果態:D[s]as[]ar[]u、強制受動態:D[s]as
 []are[r]u、:律他動作に互律、受動、の意が連結される。
〇使役系「態の双対環」での律仕方:
⑥使役態:D[s]ase[r]u:使役接辞:-are-律他・互律(自律)の意(他者にやらせ
 、気も使う。介助的互律なら、律他・自律の意となる)
・使役可能態:D[s]ase[r]e[r]u、使役結果態:D[s]ase[r]ar[]u、
 使役受動態:D[s]ase[r]ar[]e[r]u、:律他・互律・受動の意が連結される。

★互律動作の概念を整理する。
〇互律動作(自律動作との連結:複主語構文ができる)
 已然の概念を持つ可能接辞:-e-は、自律動作が進行する状態を呼び起こす
 から、主体の動作進行と同時に事象の進行(客体の進行)の両面を描写すること
 になる。(複主語構文は動作の互律だけでなく、対象の属性、状態の説明のため
 の形式「~は~が~だ構文」として多種類のものがある)
例:彼は英語が話せる。彼は旅行が行けるようになった。
  (互律動作だから、複主語構文が可能になる)
例:彼は納豆が食べれない。(彼は納豆が食べない、とは言えない)
〇互律動作(律他動作との連結:自律動作の付加と見なす)
 律他動作に已然が連結しても他者の已然でなく、主体自身の已然に見立てられる。
例:彼は生徒に英語を話させれる。
 (可能なのは彼であり、生徒にも英語にも態表現を変えるほどの手助けが届か
 ない)

2. その他の態接辞や[挿入音素]から派生する動詞
〇互律動作に近い意味を持つ:
・前望態:D[y]oo :挿入音素:[y]:あえて互律動作に立てる(呼掛け誘導効果)
 →古語可能接辞:-ay-の名残り(行こう、見よう、など相互に自律呼掛けでき
 る。動詞活用枠を拡大して「未然形」と捉える立場もある)

〇無律化するための接辞、挿入音素を導入する動詞
①形状動詞の一般式=形容詞語幹:K+[挿入音素:k]+ar形式接辞で派生する。
・終止形:K[k=0]i:haya[k=0]i/tanosi[k=0]i:無律の性状陳述。
 →挿入音素[k]は当ブログで提起した。律する動作でなく性状・事象の概念化。
・未然、連用形:K[k]u、K[k]ute、:haya[k]u・na[k=0]i(速く・ない)
・仮定形:K[k]ereba:haya[k]ereba、tanosi[k]ereba、
・現在形(九州弁):K[k]a(r=0):早かぁ、楽しかぁ、(共通語:終止形)
・完了形:K[k]a(r=0[Q])ta:早かった、楽しかった、
・前望形:K[k]ar[・/y]oo:早かろう、楽しかろう。
②動詞の無律化名詞の一般式=D[r]ak[]u。(古語から廃れて久しいが、、、)
・曰く:iw[]ak[]u、老いらく:oyu[r]ak[]u、
③動作を無律化したのち再動詞化して律仕方を変化させる。
・無律他動詞化の一般式=D[r]ak[]as[]u(現在でも使われる)
・無律事象動詞化の一般式=D[r]ak[]ar[]u(現在でも使われる)
・散る→ちらく→散らかす:tir[]ak[]as[]u、(無律の他動詞化→自律他動詞)
・→散らかる:tir[]ak[]ar[]u、(無律の出来事陳述化)
・笑う→わらわく→笑わかす:waraw[]ak[]as[]、
・→笑かす:wara(w[]ak[])as[]→wara[k]as[]u、
 (省略が働き、-ak-が[k]に転換した)
・寝さす→寝かす:ne[k]as[]u(赤児には無律他動詞で寝かせるのが妥当だ)。

以上。

態文法:「ずる・ずらく・ずらかる」の派生

2017/07/07(金)

 次の投稿に構想していた『「ある」と「なる」、「する」と「なす」』を考察中に、ふと、
4年前に投稿済みの日本語文法:「する」と「やる」の区別のことを思い出した。
「aru/naru」と、「suru/nasu」と、「suru/yaru」と、ローマ字つづりで見てい
ると、妄想が浮んできた。 [y]aruであれば、互律[y]の意味合いがぴったり適
合するかもしれないと思ってにんまり。しかし、これは無茶な論理ですね。

 まじめな話にもどすと、国語辞典で「する」から「ずる:zuru」に目を移して気が
ついた。「ずらかる」もある。
ずる:(名)ずるいこと、人。
ずるい:(形)おうちゃくだ。こすい。
ずるける:(下一自)なまける。おうちゃくする。(古語辞典:怠ける、ものが腐る)
ずらかる:(五段自)(俗)さぼって、にげ出す。悪者が高飛びする。
(ずらす):(五段他)ずり動かす。すべらす。
・「ずらかる:zur[・/r]ak[]ar[]u」という派生流れがあるのではと感じた。
 ずらく:ずるをすること。ずるの概念。これは辞典に載ってない。
★「ずる」のク語法で「ずらかる」が生まれたのなら、ちゃっかり、ずるして、さぼ
 って、姿を消してしまう、抜け出すの意味にぴったりの造語です。
 
〇古語辞典では、「ずる」自体が載っておらず、
・「す」のク語法として「すらく:su[r]aku:すること、なすこと」で載っている。
 しかし、「ずる、ずらく、ずらかる」はない。

〇国語辞典に「ずる」があると言うことは、
・明治期に俗語として「ずらかる:zur[・]ak[]ar[]u」が造語されて姿を現した
 らしい。そのころまでは「ク語法」も少しは実用の範囲にあったのだろう。
 やはり、無律接辞:-ak-、無律[挿入音素:k]は思わぬところで機能するもの。
・「ずらく:zur[・]ak[]u」の意味は、動作意図からの「ずる」ではなく、ずるの概念
 だけを示すわけです。
・「ずらかる:zur[・]ak[]ar[]u」、ずるの概念・出来事が「ある」「あらす」と言っ
 ておいて、自分は姿を消してしまうとは、なかなか明治人もしゃれている。
 明治の善童、悪童は「ずらく」な行為を見極めていたのかな。
〇現代国語辞典で、こんなふうに「ずらかる」を解明してくれる日がくるとよい
 ですね。

 機能接辞と[挿入音素]の関係については、次回の投稿内容にも関わりますが、
背景説明は態文法:発見!挿入音素と機能接辞の同源性に示したことが
導入になります。

今回はここまでにします。

態文法:已然の-e-と可能の-e[r]u-

2017/07/03(月)

 文語文法で動詞の已然形と呼ばれた形態が、口語文法では仮定形と命名されて
残っている。
平安期~江戸期に日本語の変化がひろがり、動詞活用も大きく変化して、
・下二段から下一段化へ、
・終止形、連体形の一体化、
などが多発連動的に変化が起り、文法の簡略化にもつながるものであった。
 ただ、「已然形」の概念が弱まり、仮定条件の概念も強化にはなっていない?
あえて欲目で仮定条件を整理してみると、
・未然仮定:D[r]aba:書かば/食べらば/帰らば/変えらば、
  打消未然仮定:D[a]na[k]eraba:書かなけらば/食べなけらば
  /帰らなけらば/変えなけらば、
・已然仮定:D[r]eba:書けば/食べれば/帰れば/変えれば、
  打消已然仮定:D[a]na[k]ereba:書かなければ/食べなければ
  /帰らなければ/変えなければ、
  已然打消仮定:D[r]e[]na[k]ereba:書けなければ/食べれなければ
  /帰れなければ/変えれなければ、のようになります。
★しかし、未然の仮定形は文法化されず、現在ではなじみがない。
 さいわい、已然の方は、仮定形の名称・形態で口語文法、学校文法にも残りました。

 せっかく残った「已然の仮定形」ですから、「已然」の概念をじっくり考えてみた
い。 そもそもの始まりは?
〇已然形の特長は-e-音にあります。
・子音語幹動詞から已然形が発生した? 推定で一つの発生源を述べると、
 書き・あり:kak[i]・ari→kak・eri:書けり(書きつつあり:進行形)
 書く→書けり(進行相、すでに書いている:已然)の意味があります。
・こんな言い方は母音語幹:「食べる」ではできません。
 食べ・あり:tabe[?]ari→tabe[r]ari:食べらり?(事象:食べるがあり)。
 無茶な比較です。 kak[i/?]ari/tabe[?/r]ari、こんな[挿入音素]での派生
 比較は、他の機能接辞ではあり得ません。 間違いです。
・しかし、書ける:可能動詞と平衡するのは、食べらる:受動動詞で釣り合うはず
 だと、長い間思われてきました。ところが、本当は別の考察通路があります。
〇実際には、已然形は母音語幹動詞にもあり、もう一つの共通の発生源です。
・已然仮定形では、書けば/食べれば/帰れば/変えれば のように、子音・母音
 ともに共通接辞がつながり、已然形を形成します。
・つまり、仮定接辞:ebaにより、共通一般式:D[r]ebaで派生できます。
★だから、接辞:ebaを已然動詞化接辞:e[r]uに替えれば、共通した已然態動詞
 が誕生します。(D[r]e[r]u:書ける/食べれる/帰れる/変えれる、が誕生)
〇下二段の動詞:受け・受け・受く・受くる・受くれ・受けよ、の未然・連用の-e-音
 は、深層の意味が已然に通じるものだが、下一段化と終止・連体一体化の変化で
 受け・受け・受ける・受ける・受けれ・受けろ、となった。
・已然概念の1本軸が通った「受ける」動詞の誕生で、「受ければ」の-eba-を
 -e[r]u-に替えて「受けれる」と派生させる流れも起きたのだろう。
★書ける/食べれる/帰れる/変えれる、已然概念を持つ態動詞で、一般式は
 :D[r]e[r]uです。つまり、子音/母音語幹に共通で派生できるのです。
・派生の結果は、已然態動詞語幹:D[r]e+[挿入音素:r]+原形接辞:u、なので、
 (D[r]e)は新しい語幹になり(D[r]e)→Dですから、母音語幹系のD[r]uの動
 詞系を生み出します。つまり、
★(書け)る/(食べれ)る/(帰れ)る/(変えれ)る の( )内が新母音語幹動詞の
 扱いとなります。(已然態動詞が誕生しました)

〇なぜ、已然形の態動詞が「可能、できる」を意味するのでしょうか。
 それは、動詞基本形、動詞終止形の語尾:[r]uの力によるものです。
・動詞基本形、動詞終止形は、時制としては「現在、未来」の動作を意味します。
 已然形は「すでにやりかかった動作、進行中の動作」を意味しますから、連結・合
 成すると、「現在・未来に、やりはじめている、または、進行中となる動作である」こと
 を表出する。これが、已然態動詞が可能表現になる必然的な理由です。

 文語文法から口語文法の変化(大衆の言語活用行動がひきおこした歴史的変遷)
です。 動詞活用の方法が大きく変化する中で、可能態が已然形だけから誕生したとい
う説明は独断的な考察になるでしょうが、
・ただ、口語文法にわずかに引き継がれた已然形の概念:仮定形に残る已然概念
 の目に見える小片-e-を考察に活かしたいと思っています。
 学校文法則のなかで、已然の-e-を両語幹共通に示せるのは、仮定形しかない
 のですから。
・また、可能接辞-e[r]u-については、その素性を特定の単語に求める方法もあ
 ります。たとえば、「書き得る」のように可能を「得る」と提起する人もあります
 が、あまりにも「的を射すぎた」接辞となり、応用範囲が狭くなりすぎて同意は
 できません。
・応用範囲の広さ(自他交替接辞として自他両用されたり、受動、使役の後段接辞
 になったり、)が特徴的だが、(可能動詞が動詞活用の変化移行期の試行錯誤か
 ら生まれたがゆえに、)可能態そのものにしぼった検証が遅れたのではないか。
 已然概念で包み込まれた可能態接辞であるから、自・他動詞にも、使役・受動動
 詞にも、どんな動作動詞にも連結して意味を発揮できるのであろう。
・子音語幹の「書ける」には、前述したように、已然誕生の道が2つ(「書き・あり/
 書けば」)あり、残念ながら「書けり」の新道に迷い込み、母音語幹の仮定已然と
 出会えない状態が続いています。(迷い込んだ人は「ら抜き」に憤慨します)
・いまや現代口語文法やローマ字音素解析が進んだ日本語文法で、早く迷路から
 日本語自体を引き上げてほしいですね。

 蛇足を一つ、
・「書ける」は(書け)を母音語幹とする態動詞に派生したものだが、この動詞を
 再度、可能態派生してはいけません。二重可能態となり意味を混乱させます。
 だから、「書ける」、「行ける」、「歩ける」、「読める」、「飲める」などは、再派生に
 向かない所動性(性能、状態だけの描写)の動詞です。一回性の態動詞です。
・通常、どの態動詞も一回性の扱いですが、特に已然仮定形は正しい使い方に
 なっているから、仮定形に乗りすぎて二回可能態にしてしまうことが、誤用に
 おちいりやすい理由です。
・「書ければ」はOKで、「書けれる」は二回可能態へ飛んだことで、ダメ判定です。
・「かけれる」をPCで漢字変換すると、掛けれる、賭けれる、架けれる、駆けれる、
 懸けれる、などが出てきます。
同様に、「食べれれば」はOKですが、「食べれれる」は二重可能態でダメ判定。
・理由を思考実験すると、仮定形は:書け(るとす)れば、:書け(るのであ)れば、
 のように、仮定には隠れた「する」、「ある」が意味を支えていると思う。
・二重可能:「書け(るをするとす)」れば」→「書け(るをするとす)る」=「書けれる」?
 はダメでしょ。 (事象が存在しない) 単純に「書ける」で十分です。
 同様に「書けれた」「行けれた」「飲めれた」「食べれれた」はダメ判定です。
(二段階に強制指示する二段強制、二段使役などは事象としてありえますから、
 事象に即した使い方をしてよいわけです)

« 2017年6月 | トップページ

最近のトラックバック

無料ブログはココログ