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態文法:動詞派生の一般法則

2017/07/22(土)

 当ブログで提唱する「動詞派生の一般法則」の概要を解説する。
まず、派生の流れ図→ >態・用言派生流れ図(完成版)、を確認してから、
以下の説明を御覧ください。

1.基本法則
 国語文法、学校文法の「ひらがな解釈」でなく、「ローマ字表記による音素解釈」
を採用して、「動詞語幹や機能接尾辞などの形態素」を正確に識別する方法を用
いる。 膠着語である日本語の構文解析には、連続する文字列から機能ごとの形
態素を切り出すことが第一に重要なことだからだ。
(説明文でのローマ字表記は単語解釈部分に限定する)

2.派生法則と複合(修飾)法則
 従来文法では「動詞活用、助動詞(機能接辞)活用」などと表現するが、膠着語は
活用で変化するのではなく、動詞に機能接辞が密結合することで「意味が派生し
ていく」のが本来の姿である。
★派生法則:動詞語幹+[挿入音素]+機能接辞語幹+[挿入音素]+統語接辞→新
 機能を持った動詞の造語である。(実際に多段の接辞が続く派生操作もある)
〇動詞、形状動詞での造語派生は、例外なしに[挿入音素]を伴って接辞と連結す
 る。(従来文法では、命令形派生、可能態派生、形状動詞派生などに対しては[挿入
 音素]概念が見落されていた。挿入音素が浸透すれば、言語運用が安定する)
★複合法則:派生動詞が統語機能、いわゆる連用形や連体形の機能を持つとき、
 [挿入音素]が不必要な結合、緩やかな結合が認められる。
 その場合の挿入音素を表記するために、[+]、[+no+]、[+nano+]などを用い
 て複合法則の存在を示す。
・特に連用・連体の複合結合は文法的な修飾関係節を構成するので、[挿入音素]
 が[~連用形/連体形+後続語句]と、がっちり前後の連結を果すのだと理解し
 たい。

3.[挿入音素]の表記:一般法則化を目指す
 本来、膠着語形式の言語は、動詞の語幹末が子音/母音の両方に対応できる派
生方法を備えているはずだから、それを新形式の[挿入音素]で表現する。
★[挿入音素]→[子音末への連結音素:母音/母音末への連結音素:子音]の両面
 表現を採用する。
 実際には、接尾辞側の語頭音が母音始まりならば、[無音・/連結子音]であり、
 接尾辞側が子音始まりならば、[連結母音/・無音]で両面表現ができる。
〇動詞派生の一般式表現(動詞語幹の一般表現を「D」とする)
例:可能態動詞の派生:D[・/r]e[r]u。(子音母音両語幹動詞が可能態になる)
 書ける:KAK[・/r]e[r]u→KAK[・]e[r]u、
 食べれる:TABE[・/r]e[r]u→TABE[r]e[r]u。(必然の派生である)
例:命令形の派生:D[・/r]e/o。(両語幹動詞が一般式で命令形を派生する)
 書け:KAK[・/r]e→KAK[・]e、
 食べろ:TABE[・/r]e/o→TABE[r]e、TABE[r]o。
例:強制態動詞の派生:D[・/s]as[・]u。(両語幹動詞が一般式で強制態に派生)
 書かす:KAK[・/s]as[・]u→KAK[・]as[・]u、
 食べさす:TABE[・/s]as[・]u→TABE[s]as[・]u。

4.[挿入音素]の種類と機能接辞の種類
★[挿入音素]:一般式形態で示す。動作の律仕方も付記する。
①[・/r]:自律動作(自・他とも)を意味する態接辞など連結するときに選ぶ。
②[・/s]:律他動作(他に自律動作をやらせる)を意味する態接辞に連結する。
③[・/y]:互自律動作(自他に動作を勧奨誘導する)を促す前望形に連結する。
④[・/k]:無律化(動作意図を無効化)する。形容詞に付加し形状動詞化する。
 口語体では、形容詞はすべて母音末語幹なので挿入音素:[k]で表示可能。
★態接辞の種類:-接辞語幹-で示す。接辞の意味も略記する。
①-e-:可能態接辞:動作が既に始まっている(已然概念)、互律動作(主・客が
 動作による変化、状態になる/なす)の意味を併せ持つ。
②-ar-:結果態接辞:動作が完遂した状態、結果が律する叙述法。(文語:受動態)
→追記:結果態の律仕方を果律動作と命名する。
③-are-:受動態接辞:動作結果が在る、有る状態(已然概念)が律する叙述法。
→追記:受動態の律仕方を果互律動作と命名する。
④-as-:強制態接辞:律他指示し他に自律動作をやらす。(文語:使役態)
→追記:強制態の律仕方を律他動作と命名する。
⑤-ase-:使役態接辞:他に自律動作をやらせる。(互律、已然概念、が加わる)
→追記:使役態の律仕方を律他互律動作と命名する。
〇強制系態④、使役系態⑤には、態接辞①~③が連結して強制受動態や使役受動
 態などが派生できる。(二重連結で意味が破綻しないように注意すること)
★動詞文派生の[挿入音素]と助動詞接辞の連結:一般式形態で示す。
①D[a/・]na[k=0]i:動作打消し表現:
 :書かない→KAK[a]na[]i、食べない→TABE[・]na[]i。
②D[i/・]ta[k=0]i:動作願望の表現:
 :書きたい→KAK[i]ta[]i、食べたい→TABE[・]ta[]i。
③D[i/・]Ø、-te/de、:連用形、テ形/デ形:(イ音便規則あり)
 :KAK[i]Ø、KA(K=0[I])te、TABE[・]Ø、TABE[・]te[+]na[]i。
④D[i/・]soo[+]da、D[・/r]u[+]soo[+]da:動作推量、事象伝聞。
 :KAK[i]soo-、KAK[・]u[+]soo-、TABE[・]soo-、TABE[r]u[+]soo-。
⑤D[・/r]ak[]u、D[・/r]ak[・]as[]u、D[・/r]ak[・]ar[]u:無律接辞-ak-
 (古語ク語法の接辞で、動詞を無律名詞化へ派生する、それを無意図の他動詞や
 自動詞に再派生するのに使われる)
例:散る→:TIR[・]ak[・]as-、TIR[・]ak[・]ar-、散らかす、散らかる。
 :笑わすは律他動作。他が無意識で笑うようにする→:WARAW[・]ak[・]as-、
 笑わかす→笑かす:WARA([k]←W[・]ak)[・]as-:WARA[・/k]as-。
 :寝さす→:無意図化して、赤児の自律動作でなく主体の単純他動詞とするため
 寝かす:NE[・/k]as-→NE[k]as-と派生する。さらにNE[k]ase[r]uと互律
 化すれば、発話主体の忖度程度が高くなる。
★形状動詞文派生の[挿入音素]と機能接辞:一般形式で示す。
 口語体での形容詞語幹:Kは、すべて母音末だから、挿入音素:[・/k]を[k]で
 一般化しても支障がない。([k]は無律接辞-ak-を短縮化したk音を挿入音素
 に採用したもので、従来ならば、k音を活用語尾に含めていた)
①K[k=0]i:終止・連体形、K[k]u/K[k]ute:連用形/テ形、K[k]ereba:仮定
例:URESI[k=0]i、URESI[k]u[+]na[k]ereba、
②K[k]a(r=0):九州弁、K[k]a(r=0[Q])ta:完了形、K[k]ar[・/y]oo:前望
例:URESI[k]a、URESI[k]a[Q]ta、URESI[k]ar[・]oo.([Q]促音記号)

 動詞派生、形状動詞派生までの流れ図の詳細説明が済みました。
(動詞での[k]音を不思議に感じていましたが、無律接辞-ak-、挿入音素[k]の
 意味、役割に気づいたのは、今年の春です。動詞・形容詞の両方に機能発揮して
 います。無律の説明部分は前回投稿の記事と重なりました)
残りの名詞文・形容名詞文の派生一般式については説明を割愛します。

以上。

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