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2018年1月

態文法:態文法を組み上げる8

2018/01/29(月)

5. 態動詞の「動作の律し方:律仕方」とは:
 事象や事態が起きるとき、どんな要因、法則に従って動作が為されるのか。
動詞派生、動詞活用による動作表現全般にわたり、動詞語幹に付加した機能接辞
や助動詞の意味により「動作の律仕方」が決るのである、と考える。
・つまり、一つの態機能接辞を付加すれば「~態」となり、「~律」も付加される。
 2、3の実例(動詞派生の一般形式)で説明すると、
・能動態:D[・/r]u=自律動作(主体の意思、意図で動作する)、
・可能態:D[・/r]e[r]u=互律動作(自律動作を摂理に従い成し遂げる。主体と対
 象がお互に自然法則に則った動作を為す状態を表現する)
・使役態:D[・/s]as[・]e[r]u=律他・互律動作(主体の「意図を他者に命じ」て、
 他者の自律動作としてやらせる。相手を手助け・介助することも含む)
★強制、使役での「-as-:律他」は、「動作主体の自律命令と相手・被命令者の服従
 自律」の2つの律が複合された概念を表す。(命令・服従の表現は大げさだが)
→「律他」が言葉として国語文法や国語辞典の意識に上がらないのは残念だが、
 この律他概念は古代・上代からあったものだろう。
〇古語辞典:あそばかす:遊ばかす(「若君をあそばかし奉るほどに」<今昔>)
 本来の(強制)遊ばすの意味で記述するところを、asob[・/r]ak[]as[]u、
 のように[・/r]ak:(古代ク語法:動名詞概念化:無律化)を付加して単純他動詞
 化の細工をしている。つまり「若君の服従自律」の表現にならないように、「若君
 の無邪気な遊び」を奉る、と意味するように記した。(通用する単語だった)
・この「無律」、「無律化」の概念は大切なことで、「律他」を深く思考実験していく
 と、機能接辞:as-は、動かす→対物なら他動詞、対他者なら強制態・律他(人事
 異動させて何かの任務をさせる)という意味合いの差を敏感に感じる。
・赤児に対して寝さす:ne[s]as[]uと言うと、服従自律を赤児に求める意味合い
 になる。律他性を避けたいための工夫で、赤児を寝かす:ne[k]as[]uと言うの
 が普通である。(今も通用する単語だが、意味合いが理解されているかしら)
 寝せる:nes[]e[r]uなら、命令感覚がないし互律(添寝する)感覚もあるので、
 悪くないのだが、寝す:nes[]uの原意が「物を横にする」なので寝姿が限定され
 てしまうように感じるから、「赤児を寝かす、寝かせる」のほうがぴったりする。
 (ne[・/r]ak[]as→ne【[r]a】k[]as→ne[k]as[]uと変化した?)
・服従自律の動作が十分できる大の大人に対しても、配慮する表現がある。
〇だます、だまされる:(服従)自律のできる大の大人ならば、「だまし」かけられ
 ても見破って自律で思考して「だまされる」ことはないはずだ。
 それでも、だまされた人は「だまかされた:dama[k]as[]ar[]e[]ta」のだと、
 単純他動詞の受動態化に言い換えて、自律欠損の痛手を軽減しようとする。
→古代ク語法の用法:[・/r]ak-接辞は、上代以降には使われなくなったが、
 曰く:iw[・/r]ak[]u、願わく:negaw[・/r]ak[]u、すべからく(するべきで
 あること):subek・ar[・/r]ak[]u、老いらく:oyi[・/r]ak[]u、などの単語に
 残ってある。(~てある、と意識的に記述した。残ったる、残ってる、も合理的)

5-1. 態の三系四態の律仕方:
 態の三系四態のそれぞれの態は、独自の律仕方を持っているが、学校文法では
意味解釈を掘り下げて明確にしていないので、だれも律仕方の詳細を知らない。
★能動系四態の律:(自動詞・他動詞ともに適用する)
特に「能動系態動詞」は律仕方の概念が明確に現れ、使用頻度も高いので深く理
解してほしい。(「態の双対環」図や「態のマトリクス」図を参照、参考に)
①能動態:D[・/r]u:自律←自らの意図、意思で動作する。
②可能態:D[・/r]e[r]u:互律←対自・他・物に対し合理的動作を成し遂げる。
③結果態:D[・/r]ar[]u:果律←事象の(収束)結果が事態を律する状態を表す。
④受動態:D[・/r]ar[]e[r]u:果互律←事象結果に対して合理的態応を表現。
・律の規範:一般的な物理法則、自然法則、倫理法則、事理法則を想定する。
・自律:国語辞典に「自律」→自分の意思を理性的に(自分の立てた法則に従い)
 決める、との解釈がある。その「理性的に決める」部分を上記「律の規範に基づき
 決める」と変更すれば整合するし、法則に合致する合理的な意思動作の基本と
 考える。(大げさに厳密な表現で物理法則、自然法則と並べたが、世間常識の下
 敷になる法則を想像してもらいたい。個々人で多様な常識があり得るが)
・互律、果律、果互律:すべて新造語なので後でまとめて解説する。

★強制系四態の律:
⑤強制態:D[・/s]as[]u:律他←(相手に動作をやらすこと:相手は服従自律で
 やる)
⑥強制可能態:D[・/s]as[]e[r]u:律他互律←(相手に動作をやらせる:手助け
 あり)
⑦強制結果態:D[・/s]as[]ar[]u:律他果律←(律他動作の収束結果に対する
 表現:主体・客体・対象が主語になれる)
⑧強制受動態:D[・/s]as[]ar[]e[r]u:律他果互律←(律他動作の結果に反応
 する表現:主体・客体・対象が主語になれる)
★使役系四態の律:
⑨使役態:D[・/s]as[]e[r]u:律他互律(=使役)←(相手に使役させる:手出し、
 手助けあり)
⑩使役可能態:D[・/s]as[]e[r]e[r]u:使役互律←(使役を為し得る)
⑪使役結果態:D[・/s]as[]e[r]ar[]u:使役果律←(使役の結果に対する表現:
 主体・客体・対象が主語になれる)
⑫使役受動態:D[・/s]as[]e[r]ar[]e[r]u:使役果互律←(使役の結果に反応
 する表現:主体・客体・対象が主語になれる)
→強制可能態と使役態は同一形態であり、同一意味である。(律他互律を簡略化
 のため、使役と呼ぶこととする)
・強制態動詞の動作が成就する(已然的)状態のとき、D[・/s]as[]e-となり、
 使役態と同一形態になり、意味も近づく。
・例:やらす:強制態、やらせ~:強制態已然(主体律他・相手の服従自律で動作が
 進行した:事象進展)
 やらせる:使役態(主体律他・相手服従自律で動作進展するように必要なら手助
 けする:互律)
 つまり、使役には互律:e[r]uが始めから付いているという違いだけだ。

5-2. 「自律:自分でする」と「律他:相手にさす」で対になる:
・国語辞典:自律の対語として「他律:他人の意思、命令によって行動する」を記載
 してあるが、強制態、使役態の主体表現には不適当だと考える。
★強制、使役での「律仕方」には、「律他:自律主体が意思、命令によって対他人に
 動作をやらす、やらせる」の意味で新しい言葉:「律他」を定義する。
・主体が自律で対他に命ずる動作を「律他動作」と見なし、対他(相手)が解釈して
 実行する様態を想定する。律他では取りも直さず、まずは、相手の「服従自律」の
 動作として行わす、行わせる。これが通常の強制態、使役態であろう。
 (逆に相手が「他律:言われたことに返事するくらいの行動」では、使役にならな
 い。強制・使役では律他:「主体の自律命令と他者の服従自律」の2律が不可欠)
→ここまでで、「自律」と「律他」について解説した。
・互律、果律、果互律:詳細説明を後回しにしながらも、三系四態の説明に使用し
 てきたが、・・・稿を改め次回にまとめて解説する。

SD手帳:つづりひも活用でSDバインダ化

2018/01/21(日)

 5日前の午後のこと、夕方に歯科の受診予定があり、時間調整に駅前のコー
ヒー店でタブレットやSD記入をしていた。ふと、隣席のご老人の手元を見る
と、SD手帳の茶色革バインダに挟んだ地図コピーを見開いている。
少々詰込み過ぎで膨らみ上っているものの、ポリプロ・ガイド(インデクス)
の区分名称を印字テープ貼付けし、完璧に細分化して整理してある。
見るからに「システム化ダイアリー」を実践している。
脚の間には茶色の杖が立て掛けになっている。80代後半だろうか。

 意を決して話しかけた。(写真のSDリフィルにメモした。2ページ目割愛)
お名前や年齢を尋ねるところまで立ち入らず、手帳のことや暮らしぶりをお
聞きした。
私のほうも、工作写真:つづりひも型SDバインダを使い始めたので説明した。
歯科の時間が迫り、会話を打ち切り止むなく席を辞した。
Sd_binder

 つづりひも型SDバインダは写真のように1本のつづりひもでリフィルを
つづる。上側のSDバインダは開いてうつ伏せに置いた状態。(ひも通しが
見れるように:見る・わかる動作ができるように)
下側のSDバインダは開いた状態。書いたり、見たり、360度開けるように
ゆるめにひもを結ぶ。(本結び)
 結び終ったひもの先を「しおり」代りにページ内側に差し込む技が見れる
でしょうか。
つづりひも型SDバインダの結び方は、(見た目の悪さを厭わなければ)手帳
用途だけでなく、保存バインダ用途にも使える。これも一種のシステム化だ。

 この先、再会できるとしても偶然を待つことになる。

態文法:態文法を組み上げる7

2018/01/07(日)

4.「態のマトリクス図」とは:
 前回、態の「双対環、マトリクス」図、を載せました。「態のマトリクス図」について
その構造や考え方を説明します。
→態のすべてを表現するには、「双対環」図や「マトリクス」図のように座標軸が
 二軸ある平面を用意しておき、各個の「態」が平面のどの位置にあるのかを示す
 という方法が解りやすい。その意味では「マトリクス」図法が汎用的にも使える
 方法である。

4-1.「事象軸」と「事態軸」の二軸とは:
・動作関係を投影する平面として、座標軸は「事象軸」と「事態軸」の二軸を選ぶ。
〇事象の軸(横軸):
 動作による「事象・出来事の生起、収束、結果」を見つめる軸。
 左端が「出来事・事象の結果」←・→右端が「出来事・事象の生起」。
〇事態の軸(縦軸):
 「事象への反応・態応の仕方」を見つめる軸。
 上端が「事象の中心での態応」←・→下端が「事象の周辺を巻き込んでの態応」。
→「事象」と「事態」の単語を思い付いて手持の古語辞典を調べたが、見出し語に
 は載ってないから近代語らしい。今回の図解を制作する段階で「事象と事態の
 意味の差」を調べ直したから、事象と事態が明確に説明できるようになった。
・「事象」とは、出来事の目に見える形象、姿を意味する。現象として見える姿を意
 味する。(動作として見える姿・実体の「生起と結果」に注目する)
・「事態」とは、「事象・出来事」に対応した「反応、なりゆき」を意味する。
 (事態の中心にあるとは:主体・行為者、結果者など直接の関与者の態応)
 (事態の周辺にあるとは:客体・被行為者、対象物、周辺者などの直接・間接の関
  与者(中心との対峙態勢を含めて))
〇「マトリクス」構成の直交二軸の図を象限図法で考察すると、
・第一象限:動作生起(事象)・中心(事態)→動作現象・事態(中心の自律動作)
・第二象限:動作結果(事象)・中心(事態)→動作結果(成果が基で発する果律)
・第三象限:動作結果(事象)・周辺(事態)→結果と周辺の態応(果互律)
・第四象限:動作生起(事象)・周辺(事態)→動作進行と周辺関与(互律)
という動作概念を表している。
→各象限の右端に示す「自律/果律/果互律/互律」とは、事象・事態への態応の
 仕方、つまり「動作の律し方:律仕方」であり、「態の概念」そのものである。

4-2.「態の三系四態」とは:
 動作動詞には、自らの意図で動作を起すことを表す「能動系」のほか、相手に動
作を強制してやらす「強制系」と、やらせることを表す「使役系」の3つの動詞体系
がある。これを「態の三系」とすると、各系には「マトリクス」図で示す「四態」が付
随することになる。
★つまり、「態の三系四態」の「マトリクス」構成であり、簡潔に示すと、
・第一象限:原形態(能動系:自律/強制系:律他/使役系:律他互律→使役律)
・第二象限:結果態(能動系:果律/強制系:律他果律/使役系:使役果律)
・第三象限:受動態(能動系:果互律/強制系:律他果互律/使役系:使役果互律)
・第四象限:可能態(能動系:互律/強制系:律他互律/使役系:使役互律)
となる。(態の三系四態という考え方で、各系の象限平面を重畳して記述した)

→「態の三系四態」の組立て方、派生法を説明する。
〇まず、一般形式で表現するために、
 動詞語幹:D(子音語幹、母音語幹を共通表記)を一般共通化で認識しよう。
 例:D=aruk,kak,yom,tat,mi,tabe,de,
 (歩く、書く、読む、立つ、見る、食べる、出る、の動詞語幹:D)
★態動詞の派生方法を一般形式で表記する。
・能動系・動詞語幹:D[挿入音素]態接辞語幹[挿入音素]統語接辞(-u)、の形式で
 派生する。
・強制系・動詞語幹:D[挿入音素]強制接辞語幹[挿入音素]態接辞語幹+
 [挿入音素]統語接辞(-u)、のように一次派生、2次派生の二段階となる。
・使役系・動詞語幹:D[挿入音素]使役接辞語幹[挿入音素]態接辞語幹+
 [挿入音素]統語接辞(-u)、と二段階の派生となる。(使役は強制・可能態と同形
 なので、三段階の派生とも言える)
〇実際には前掲のマトリクス図を参照しながら一般形式を解釈なされば、直感的
 に理解しやすいだろう。
→「態の双対環」図、「態のマトリクス」図で、動詞語幹に[挿入音素]を付随させる
 という少し独特な表記法を採用した。
・能動系:D[・/r]、を一括りにして、共通原形化した。
・強制系:D[・/s]as[]、を一括りにして、共通原形化した。
・使役系:D[・/s]ase[r]、を一括りにして、共通原形化した。
〇それにより、態接辞がすっきり一本化して「共通四態」図が表現できる。
 各系にそれぞれの「四態」が存在するのであり、一つの「四態」を共有するのでは
 ない。
 (「態のマトリクス」図は四態を重ね合わせて示してあるが、各系ごとに「四態」
 がある)
→「態の三系四態」の概念がもっと広く認識され、理解されていく日を期待したい。
 実際に日本語のなかで日常的言語活動に使われている法則でありながら、
 「態のマトリクス的全体像」が公知・周知になっていないのはとても残念だ。

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態文法:日本語を研究するための道具1、 動詞活用の変遷
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