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態文法:態文法を組み上げる10

2018/02/11(日)

 文語文法での態形態を一般形式の例で表記すると、
動作:D[・/r]u→書く/食べるを中心軸にして、受動・使役が、
受動:D[・/r]ar[]u→書かる/食べらる、
使役:D[・/s]as[]u→書かす/食べさす、となる。
受動と使役で挿入音素が[・/r]と[・/s]に交替し、機能接辞がar[]uとas[]u、
に交替する。まさに、「r」と「s」が律仕方の対語要素になり、動作の反対像が写り
こむ鏡像関係にあたる。
★現代口語文法での受動、使役の形態は、一般形式の例で表記すると、
受動:D[・/r]ar[]e[r]u→D[・/r]ar・e[r]u:書かれる/食べられる、
使役:D[・/s]as[]e[r]u→D[・/s]as・e[r]u:書かせる/食べさせる、となり、
両者ともに、可能態接辞:e[r]uが後続派生した形態で使われる。
→可能態派生というよりも、ar→are:已然形へ、as→ase:已然形へ、移行してか
 ら下一段化し独立語化したのであろうと推測する。
・当ブログ態文法では、結果態:D[・/r]ar[]u、強制態:D[・/s]as[]u、として
 「態の双対環」に機能を残す。両者の接辞は自他交替に機能発揮しており現代語
 の動詞でも重要な構成要素になっているからだ。

5-5. 結果態:果律とは
 ・結果態:D[・/r]ar[]u、は動作:Dが収束し、結果の出た状態が事態全体に及
 ぼす影響を表現するもの。「動作結果」が事態を律する、登場人物に引き起させ
 る対応を律する。つまり、構文の主体は、動作主体に限定せず、客体でも対象で
 も成立する。また、動作結果には、自動詞の場合も他動詞の場合も含まれる。
 (日本語の場合、自動詞にも結果態・受動態があるのは、動作結果による果律が
 自動詞の結果にも適用されるからだ)
・日本人の深層心理に基づく「自他動詞の動作結果が事態を律する」感覚、それを
 「果律」と定義した。西欧語を学習すると「受身だけ」を受動態と勘違いし始める
 ので注意が必要になる。(国語文法も受動を所動だけとする傾向がある)
→結果態:D[・/r]ar[]u、受動態:D[・/r]ar・e[r]uのごとく、動詞語幹に機能
 接辞を付加して派生するので、表現する結果状態は過去、現在、未来にわたり
 自由に想定した構文を作れる。(未来の動作結果を予測・推測する表現も可)
〇書かる、食べらる:Dがaru:→主体:Dの実績が有る(実績可能)、(尊敬表現:
 第三者発話)、客体:Dの結果が在る(直接・間接受身)、対象:Dがなされる(受身
 ・自発・習慣・常用)などの構文要素になる。

★言葉の現場:結果態接辞:ar-の由来
→文語文法の受動態:動詞未然形に助動詞「る」または「らる」が連結する、との
 説明があり、「ar」を正確に説明していない。口語文法でも同様である。
・わずかな文法学者が「ある」と解釈するが、なかでも大野晋:国語辞典の記述と
 して「ある=生まれるの意味の生る:ある」だと説明、下一段「あれる」と活用す
 るから、「生る」の適合性が高いと述べる。
→当ブログ態文法では、「ar」を→「ある=合計(生る、有る、在る、ある)」の全部を
 意味する、と広く解釈するのが最適だと勧める。
 事象・動作の結果(動作受身、成果物、自発、実績、周辺影響、など)が「ある」と
 描写する。
→動詞語幹と連結する機能接辞:ar-には、自他交替の機能と態派生の機能が
 ある。結果態の活用法は下一段(已然概念が基礎にある状態)的動詞になる。
実例:D[・/r]ar[]u
・自他交替で独立した動詞:休まる、始まる、終る、重なる←動作が完了しないで
 打消すと:休まらない、始まらない、終らない、重ならない、で表現する。
・結果態動詞:書かる、食べらる、←四段活用で打ち消すと、書からない、食べらら
 ない。これでは動作結果の打消しに感じられない。
 結果態は已然形で打消しする:書かれない、食べられない、これで結果予測に対
 する打消しに感じる。(文語時代から下二段、下一段活用だった)
 (已然状態の想定をすれば、後追いで「生る」に由来を求めずともよいのでは)
→已然形というと、係り結びを想定する風潮が強いが、動作進行形を意味する動
 作相:アスペクトの意味合いが強いのだと優先解釈するべきだ。
 係り結びをやめた現代ではなおさらのこと、思考停止に陥らず、生きた解釈を
 して「已然=動作進行中・完遂に近い」概念を呼び戻したい。

★言葉の現場:機能接辞:ar-の用法
 「ある:ar-]は、在る、有る、生る、ある、を表すが、自他交替と結果受動の態と
 両方の機能がある。
実例:D[・/r]ar[・]ar[・]u、二重派生の場合
・一次派生:D[・/r]ar[]u:休まる、掴まる、の「ar」は、自他交替の自動詞化の機
 能で、動作の目標完了状態を表す。同時に目標完了への自律努力を含む。
・二次派生:D[・/r]ar[・]ar[・]u:休まらる、掴まらる、二次目の「ar」は結果受
 動の態表現になる。
作例1:  「知らぬ間にジャケットの後すそを小さな子に掴まれていた。」
作例2:  「知らぬ間にジャケットの後すそを小さな子に掴まられていた。」
 めったに使わない表現だろうが、どちらも間違いではない。
・両文の意味の差は、原動詞:「つかむ」と「つかまる」の差であり、
 「つかむ=にぎる:自律動詞」→「つかまる=しっかり(身体が揺らがないよう)
 にぎる:自律動詞/=にぎらる:受身・果律動詞」の二通りの解釈ができるが、
 「つかむの受身の受身」=「二重受身の形態」にすると意味不明になるので、
 「つかまられる=つかまるの受身=しっかりにぎられる」と解釈する。
→「同一態機能の二段重ね」には各種あり得るが、「可能+可能」、「結果+結果」、
 「受動+受動」など基本的に意味不明になる。 ただ、強制系、使役系では律他動
 作性が強いのでいくぶん様相が違っている。
 (次回、受動態・果互律で余力があれば検証する)

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