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2018年4月

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 →態文法:未然形はあるのか?1~・~態文法:未然形はあるのか?5態文法:二段活用から一段活用へ
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 →★態文法:派生文法と「態の双対環」文法
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態文法:日本語を研究するための道具2

2018/04/20(金)

 当ブログは2017年、新たに「態文法カテゴリー」を立てて、動詞活用を一般形式
(ローマ字つづり)で表記し始めた。
(実際は、その2、3年前から[挿入音素]形式を試行してるが)
★日本語研究の道具2:「ローマ字解析」による「派生文法:連結音素」の手法。
〇前回の道具①:ローマ字解析、を上手に使いこなすために、
〇道具②:派生文法(動詞語幹+連結母音/連結子音+機能接辞)を取り入れる。
 動詞語幹と接辞を連結する際の音節調整に「単母音/単子音」を挟み込む方法を
 文法規則化するべきだ、と提起する下記の研究書籍に感銘を受けた。
・清瀬義三郎則府が1969年『連結子音と連結母音と~日本語動詞無活用論~』
 (PDF入手可能か)を講演した。米国。
・『日本語文法新論-派生文法序説』:清瀬義三郎則府:桜楓社:1989年
・『日本語文法体系新論―派生文法の原理と動詞体系の歴史』:清瀬義三郎則府
 :ひつじ書房:2013年12月
→★当ブログでは、清瀬原案を汎用化するため「一般形式化」する工夫を採用し
 た。
・一般形式:語幹末尾音+[挿入音素:連結母音/連結子音]+接辞語頭音の連結状
 態を明確に選択しやすく表示し、汎用的に意味のある派生ができる、という法
 則性を感得できるようにした。
★動詞語幹:D(=子音末、母音末)+[挿入音素(=連結母音/連結子音)]+機能接
 辞(=子音頭接辞/母音頭接辞)、が規則動詞の表記に適用できる。
実例:動詞活用の大部分は規則的で、次の①、②の一般形式で表せる。
 四段・一段を共用の一般形式で示す。 (語例:書く、話す、見る、食べる)
①一般形式:(未然、連用、終止・連体、已然仮定、命令)の表示。
 D[a/・]na‐i、D[i/・]mas‐u、D[・/r]u、D[・/r]u、D[・/r]e+ba、
 D[・/r]e【[y]o】(=四段活用)/D[・/r]【e[y]】o(=一段活用)。
また、古語、文語での二段活用の一般形式(上/下共用)を表記すれば、
(語例:落つ:ot-、投ぐ:nag-を思い浮べて一般形式を確認してください)
②(上/下)二段活用:D[(i/e)]z‐u、D[(i/e)]te、D[(・/・)]u、
 D[・/・]u[r/r]u、D[・/・]u[r/r]e+ba、D[(i/e)]+yo、で示せる。

→★態文法:二段活用から一段活用へで一般形式を二段活用表現に適用して
 大きな発見をしたことに触れた。
〇二段活用の「連体形」は、終止形に「る」を付加して再動詞概念化したもの。
 (例:D[・/・]u+[r/r]u→おつ+る/なぐ+る、で口語動詞的になる)
〇二段活用の「連用形」に「る」を付加して動詞概念化すると一段活用へ移行可。
 (例:D[(i/e)]+[r]u→おち+る/なげ+る、など母音語幹動詞になる)
→★つぎに、今回また発見したことは、
〇古語の完了・過去表現の助動詞「つ」は、口語のおち+た/なげ+た、の「た」語源
 で二段活用すると、「て、て、つ、つる、つれ、てよ」と古語辞典に記述がある。
・現代の学習現場では、「た形、て形の活用」と見なした扱いが行われるが、
〇四段・一段でも使える完了接辞:teを一般形式で示すと、(語例:話す、見る)
 D[i/・]te[+]na‐i、 D[i/・]te[+]mas‐u、D[i/・]te[r]u、D[i/・]te[r]u、
 D[i/・]te[r]e+ba、D[i/・]te[r]【e[y]】o、という形式が一部では使われて
 いる。(二段活用から一段活用への変遷の流れに乗ったと推定した)
〇つまり、完了接辞:teの連用形、D[i/・]teに「る」を付加して動詞概念化する
 という文法則を応用することが論理的で、便利であるし、理屈を言える。
・「二段活用から一段活用へ移行するのに、2、3世紀遅れてきただけです」
 (話してる、見てる、書いてる、読んでる、話してろ、見てろ、書いてれば、
 読んでれば、などを正当化する理屈である) 

★前回の道具1で紹介した
『複数の日本語~方言からはじめる言語学~』:工藤真由美、八亀裕美:講談社
選書メチエ:2008年11月10日
のなかで、動作進行形/完了形の区別表現が西日本の方言では可能だが、標準
語ではできない(進行相と結果相が同形)、という記述がある。

→★当ブログは出来立ての論理によって、標準語の結果相を新提案したい。
実例:方言と標準語のアスペクト相の違い:動作進行形と動作完遂結果。
・愛媛宇和島:--完成----進行相-----------結果相-----
 非過去:----する---しよる:s[i](y)oru----しとる:s[i]t【e】oru
  過去:----した---しよった:s[i](y)otta---しとった:s[i]t【e】otta
標準語:関東:-完成----進行相(結果相)-----★結果相(新提案)--
 非過去:---する----している:s[i]te‐iru---★してる:s[i]te‐ru
  過去:----した---していた:s[i]te‐ita----★してた:s[i]te‐ta

→★標準語の「結果相(新提案)」の中身について説明する。
 (無意識に使う言葉で、動作済の状態を表現する)
〇D[i/・]te[r]u:二段活用の連用形に「る」を付加して独立動詞化する手法で、
 話してる、見てる、書いてる、読んでる、閉ってる、立ってる、開いてる、怒って
 る、笑ってる、落ちてる、曲ってる、食べてる、考えてる、などと汎用的に動作完
 遂の状態を表現できる。(動作が完遂して結果状態にあることを表現)
〇四段・一段活用の已然形:D[・/r]e、に「る」を付加して独立動詞化する手法が
 、話せる、見れる、書ける、読める、閉める、立てる、開ける、怒れる、笑える、落
 ちれる、曲れる、食べれる、考えれる、などの可能動詞(自他交替もある)を生み
 出した。(これと同じ論理で完了接辞:[i/・]teを独立動詞化してるわけだ)
★現代の日本語学者は、上記二項の独立動詞化の手法を認めないか、気づいてい
 ないか、反対するか、の反応を示す。残念ながら賛成者はいないようだ。
 (しかし、多くの人は日常的に使うはずだ。「そんなこと俺だって考えてたよ」、
 「心配ないよ、毎日しっかり食べてるから、」、「何話してたんだい?」)
〇古語から現代語への変遷で、二段活用から一段活用へ移行する重要な転換法則
 を忘れずに、あるいは無頓着にならないように常に思い起したい。
・古語二段活用の連体形は、終止形:D[・]uに[r]uを直結して独立動詞化した。
・古語二段活用の連用形:D[(i/e)]に[r]uを直結して独立動詞化して一段活用
 へ向かった。
・現代でも、短縮語の語尾に「る」を直結して独立動詞化する方法が意識的に使わ
 れるのは、この転換法則に由来するかもしれない。
・いずれにしろ一段活用が二段活用に先祖返りすることはないから、一段活用化
 を済ませた独立動詞に対しては十分な存在権、生存権を認めるべきだろう。

態文法:日本語を研究するための道具1

2018/04/15(日)

 最近通読した本:
『重力とは何か~アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る~』:大栗
博司:幻冬舎新書:2012年5月30日第一刷、6月20日第三刷、に感銘を受けた。
宇宙を創り出す巨大時空の法則と素粒子の振舞いを支配する極小時空の法則が
連続一体の統合理論で説明・解釈できるようにするべきだという方向へ世界の
物理学者が先陣争いをしながら研究を進めている状況が、よく分る。
もちろん正確な方程式理論を自分では十分に理解できないが、重力と加速度、質
量とエネルギー、粒子の粒と波、時空の収縮と膨張など、対向性の対概念が統一
理論で説明できる時代がまもなくやってくるような研究の動きを感じられた。
 さて、物理学の世界で考察の道具として用いられるのは、動作原理を数式で表
現する方法だろう。数式の論理で説明すれば、直接、世界的な理解につながる。
当然ながら、動作原理の探求には、観測道具に望遠鏡(光学、電波)、実験道具に巨
大円形素粒子加速器や巨大重力波検出器などの巨大観測装置が建設され、それを
活用して新しい発見、理論の検証に努力してこそ、数式表現の信憑性が保証される。
一方、日本語の研究に対する考察道具は何だろうか。

 最近図書館で拾い読みした本:
・『複数の日本語~方言からはじめる言語学~』:工藤真由美、八亀裕美:講談社
 選書メチエ:2008年11月10日と、
・『しっくりこない日本語』:北原保雄:小学館新書:2017年8月6日初版、で
共通して気になったことがある。
両著書共に、いわゆる「ら抜き」、「れ足す」、「さ入れ」言葉に関する記述を選んで
読んでみたわけだが、日本語考察の道具に「音節解析:かな解析」を基本にしてい
るから、考察の精度が落ちるので曖昧な説明に終始すると感じた。
 日本語も世界の言語の一つであり、言語解析を行うには「音素:ローマ字解析」
が不可欠であり、特に音素数が1、2音の短い接辞(助動詞)を膠着させて動詞活用
(派生)形態にする言語方式なのだから、機能を正しく解釈するには「ローマ字解
析」が必須道具であるはずだ。
→★「ローマ字解析」を考察道具に用いれば、態接辞など音素の短い接辞を確実に
 切り出せる。(一般形式=動詞語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]統語接辞)
〇文語:受動接辞:ar、使役接辞:as
・書かる:kak[・]ar[・]u、書かす:kak[・]as[・]u (子音末動詞)
・食べらる:tabe[r]ar[・]u、食べさす:tabe[s]as[・]u (母音末動詞)
→結果態一般形式:D[・/r]ar[・]u (口語:結果態と命名する)
→強制態一般形式:D[・/s]as[・]u (口語:強制態と命名する)
〇口語:受動:are、使役:ase
・書かれる:kak[・]ar[・]e[r]u、書かせる:kak[・]as[・]e[r]u (子音末動詞)
・食べられる:tabe[r]ar[・]e[r]u、食べさせる:tabe[s]as[・]e[r]u、(母音末
 動詞)
→受動態一般形式:D[・/r]ar[・]e[r]u (口語:受動態=結果+可能)
→使役態一般形式:D[・/s]as[・]e[r]u (口語:使役態=強制+可能)
〇口語:可能態接辞:e、(可能動詞、自他交替接辞)
・書ける:kak[・]e[r]u、食べれる:tabe[r]e[r]u (子音末、母音末動詞)
→可能態一般形式:D[・/r]e[r]u (口語:可能態と命名する)
★当ブログ提唱の「ローマ字解析法」を用いて、態動詞を派生させれば、態接辞が
 正確に規定できるし、動詞活用表の「未然形」に態接辞を連結させるのではない
 ことが分るはずである。

 一方、「かな解析:音節解析」を考察道具にすると、態接辞のとらえ方が異形態
(五段活用/一段活用の別により)となって正しい接辞を切り出せない。
〇口語:受動:れる/られる、使役:せる/させる (未然形に連結と見なす)
・書か・れる、   書か・せる (子音末動詞)
・食べ・られる、 食べ・させる (母音末動詞)
〇口語:可能:eる/れる([r]eる)、(←★便宜的:已然形に「る」を連結と見なす)
・書け・る(子音末動詞)、食べ・れる(母音末動詞) :(なぜか「れる」を認めない)
→「かな解析」で「ら抜き」と命名したのは、「食べ・ら・れる」から「ら」を抜いたと
 の見立てが由来らしい。 だが、その見立て自体が的外れだろう。
★食べ[r]ar[・]e[r]u、のar[・]を抜いた「ar抜き」と見立てるのが妥当だ。
 「動作+ある」とは、動作結果(状態、成果)があることを端的に表現する。
 つまり「かな解析」では合成する音素を分解表示する性能が低くすぎて、本当の
 姿を切り出せない限界があり、「ar抜き」を感じとれない。
・食べ[r]e[r]u:食べる動作を完遂するという意味で、「動作可能態」である。
・食べ[r]ar[・]e[r]u:食べる「動作の結果」があるという意味で、「実績の行為、
 行為結果物」を意味する。あるいは、未来に「食べれる」動作を想定し、「食べる
 動作の完遂結果を出せる」と予測して「絶対食べられる」ということも可能だ。
・書ける、書かれるの両単語が必要であると同様、本来は、食べれる、食べられる
 の両単語が必要なのだ。

 上記の両書籍には、共通語や方言での「ら抜き、さ入れ、れ足す」言葉を「かな解
析」の立場で専門的な解説をするのだが、学校文法で習う範囲を越える視点がな
い。
・特に文意をこじらせるのは、「文法は守るべき規範ではない」とか、「音節を取り
 出し分析しても意味がない」、「文法は体系的なものであり、文法的な形は他の
 形との関係のなかで存在する」という曖昧な態度記述があることだ。
・また、専門家同志がする対談形式の文法談義で、「読ま・せていただく」を「読ま
 ・さ・せていただく」という「さ入れ」言葉の風潮を取り上げての考察が、
〇「せて」だけでは使役の意味合いが弱いので、へりくだる意味で「させて」にな
 ったのだと思う、と解説する。
→すこぶる情緒的な感覚を元にした考察であり、呆れてしまう。
→★読ませて:yom[・]as[・]e+te、と、読まさせて:yom[・]as[・]as[・]e+te、
 の態構成の違い(二重強制、強制+使役になる)に対する指摘も忠告もなしに、
 単にへりくだりの意味合いだというのには、とても同調できない。
 少なくとも、二重使役の形式で「上司から代読を命じられ、今ここで皆様のお許
 しをいただき、読ま・さ・せていただきます」という二重代読のへりくだりだと
 する解釈説明ならば、なんとか納得できるだろう。
 (ただ、「させていただく」の乱発には少々うんざりします)
→★異形態の態接辞を便宜的な言い方で少しでも改善表記すると、
〇口語:受動:aれる/られる、(便宜的な言い方:未然形に連結)
〇口語:使役:aせる/させる、(便宜的な言い方:未然形に連結)
〇口語:可能:eる/れる([r]eる)、(便宜的な言い方:已然形に「る」を連結)
・五段活用につながる「かな接辞」は、「れる、せる、る」だ。(a/e音が無表示)
・一段活用につながる「かな接辞」は、「られる、させる、れる」であり、この方が
 意味を捉えたり、伝えたりしやすいだろう。だからといって、
〇「られる、させる、れる」の方を重用し、
・「ら入れ重用:ら抜きを嫌う裏返しとして「ら付」を重用する」とか、
・「さ入れ重用」、「れ足す重用」を勧めたり、容認したり、は筋違いだろう。
→★態の一般形式:つぎの3式を基本に据えて考察の道具にしてほしい。
・使役:D[・/s]as[・]e[r]u、
・受動:D[・/r]ar[・]e[r]u、
・可能:D[・/r]e[r]u 。(口語では、3態の語尾は已然動詞化:e[r]uが付く)
★態の語尾を已然動詞化する理由は、一段活用型にする方が意味安定・弱変化に
 できるからだと推測する。

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