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態文法:日本語を研究するための道具3

2018/04/25(水)

 今回は、道具③:態動詞の派生に対する道具を記述したい。
3つ目の道具を加え、すべて並べると次のようになる。
①日本語研究の道具①:音素分析に「ローマ字解析」を用いる。(音素の見える化)
②日本語研究の道具②:動詞派生を[挿入音素:連結母音/連結子音]を用いて
  一般形式表記する。(四段活用・一段活用を共通形式で見える化する)
③日本語研究の道具③:態動詞の派生を[挿入音素]を用いて一般形式表記する。
  (能動系、強制系、使役系の三系四態動詞を相似的共通形式で見える化する)
  (また、三系四態の態接辞がそれぞれ持つ独自の機能、意味を見える化する)

→★まず、道具③の三系四態の態派生を一般形式で一覧してみよう。
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→★態派生の道具③:原動詞と受動態の対向関係と、可能態と結果態の対向関係
 を直交させた「態の双対環」構成で三系四態の態動詞を相似表記できる。
<「態の双対環」表記:三系四態の図>
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〇態派生の一般形式:能動・強制・使役の各系が四態を持つように構成してあるの
 で、系相互間での行って来いの派生連結が少なくなる。 まれではあるが、実際
 に飛び移り例文を見た記憶がある。 例:「滝に打たれ・させられる」では、
〇ut[・]ar‐e:能動受動→→[・/s]as‐e[r]ar‐e[r]u:使役受動へと飛び移って
 でき上がる形態だ。
〇不規則動詞の来る/する、は、古語の終止形:く/す、に直接[r]uを付加して
 連体形:くる/する、の独立動詞化した歴史をそのまま残して、現代の終止形
 になってるのだと再確認した。 ただし、態派生の場合、来る:の語幹=Ko、
 する:の語幹=S、と見なした扱い方が態派生に最適な形態になる。
★態接辞は助動詞の一種であるが、[挿入音素]を挟んで動詞語幹と密結合して
 機能を発揮する。(動詞未然形に連結するのではない)
→★態接辞の基本種別:接辞ごとに特定固有の機能・意味合いがある。
 可能態接辞:‐e‐:「動作の順当な成就、完遂」を表す:自他交替、実行可能、自発。
 結果態接辞:‐ar‐:「動作による結果事象」を表す:文語での結果態、受動態。
 受動態接辞:‐ar‐e‐:「動作による結果事態」を表す:実績、受身、自発、尊敬。
 強制態接辞:‐as‐:「動作を指示し他者にやらす」を表す:強制、許可、放任。
  (文語での使役態、尊敬、などを表す)
 使役態接辞:‐as‐e‐:「動作を他者にやらせ、必要なら介助する」:使役、許容。
〇文語時代での可能接辞:‐e‐:や、結果接辞:‐ar‐:、強制接辞:‐as‐:、は、自他交替
 接辞としても活用された。
例:休む→yasum[]e[r]u、D[]ar[]u、D[]as[]u。
・おわる:ow[]ar[]u、D[]e[r]u、D[]ar[]as[]u、D[]e[s]as[]u。
 (自他交替と態とが交錯するところもあります)
(つづく:接辞ごとの特定固有の機能・意味合いの説明を次回します)

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