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2018年6月

態文法:動詞活用形から巣立つ独立動詞3

2018/06/30(土)

 かな分析を元に文法を組み立てる学校文法や国語学、国語辞典が最も不得意な
説明分野は何だろうか。日常の言語運用でも個人個人が不具合な言回しに困惑し
たり、辞典を引いても意味の違いがはっきりしない経験をするのは、態動詞や態
文法の月並な意味説明に出会うときではなかろうか。

3.音素分析なら、動詞の態派生について正確で清雅な説明をすべきだ。
 ローマ字つづりで音素単位の分析ができると、動詞語幹に連結する機能接辞が
正確に識別・切出しできる。 この正確な切出し効果を生かすべきで、音素分析の
役割であると思う。

★音素分析が果すべき役割と順序:
 学者や辞典編者でなく、一般人としての希望を記述する。
①音素分析で正確な機能接辞を切り出すこと。
 結果態接辞:ar-、(自他交替接辞:ar-との異同を示す)
 強制態接辞:as-、(自他交替接辞:as-との異同を示す)
 可能態接辞:e-、(自他交替接辞:er-との異同を示す)
 受動態接辞:are-、(結果態:arに可能態:eが連結するとの異同を示す)
 使役態接辞:ase-、(強制態:asに可能態:eが連結するとの異同を示す)

②態派生の一般形式を理解し、接辞が汎用的に使えることを確認する。
・態派生の一般形式:動詞語幹:D[挿入音素]態接辞語幹[挿入音素]統語接辞。
例:受動態の一般形式:D[・/r]ar[・/r]e[・/r]u→D[・/r]ar[・]e[r]u
  →D[・/r]are[r]u。(書く:書かれる、考える:考えられる)
 同様に使役態の一般形式:D[・/s]as[・/r]e[・/r]u→D[・/s]as[・]e[r]u
  →D[・/s]ase[r]u。(書く:書かせる、考える:考えさせる)
〇ここまでは、音素分析を提唱する方々がほぼ異議なしで通過できるかと思いき
 や、可能態に異議が飛ぶ。(かな分析・国語学の呪縛から抜け切れないでいる)
・可能態の一般形式:D[・/r]e[・/r]u→D[・/r]e[r]u。(書ける、考えれる)
 書かれる、書けるの両方が必要な可能(意味の差がある)表現だ。
 考えられる、考えれるの両方が必要な可能(意味の差がある)表現だ。
★話が横道にそれるが、一言付け加えておきたい。
 書かれる(態:動作結果が律する)、と同じような表現に、「書けてる」(相:動作
 完遂完了)を当てることができる。同様に書かれてる(態相:動作結果完了相)も
 解釈可能である。
〇しかし、可能(の意味)動詞の仮定形独立やその命令形は意味不明となり、活用
 適用外とする。
 (動作完遂の仮定・仮想に「る」が直結すると、仮想の尽力が現実事象と見做され
 、可能態動作と位置づけられる。 それに再度の仮想を重ねると尽力事象に尽力
 の二段重ね事象という不可思議な事態になる)
 ◎D[・/r]e[r]u:書ける、→再度、可能化するのはダメである。
  →×D[・/r]e[r]e[r]u:×書けれる、×書けれろ、×書けれてる、
 〇D[・/r]are[r]u:書かれる、→再度、可能化するのはダメである。
  →×D[・/r]are[r]e[r]u:×書かれれる、×書かれれろ、×書かれれてる、
 ◎D[・/r]e[r]u:考えれる、→再度、可能化するのはダメである。
  →×D[・/r]e[r]e[r]u:×考えれれる、×考えれれろ、×考えれれてる、
 〇D[・/r]are[r]u:考えられる、→再度、可能化するのはダメである。
  →×D[・/r]are[r]e[r]u:×考えられれる、×考えられれろ、×考えられれてる。
・蛇足ながら、◎D[・/r]e[r]u、と〇D[・/r]are[r]u、を比べて判るように、国
 語文法で◎「ら抜き言葉」という呼び方は見当違いで、本来は〇「ar」を連結して
 結果の視点を表すか、◎e[r]u、により動作完遂の可能を言うのか、の違いなの
 だ。 ◎e[r]u、を四段動詞にだけ認めて、一段動詞で禁止するのは国語学の完
 全な思考停止である。(四段も一段も可能態を認めてよい)
 (考える:語尾のe[r]uは、一段活用の完遂への尽力動作を表す。古語に遡れば
 考ふ:kamuk[]af[]u→kang[]af[]e[r]u→kangae[r]u、と変化してきた
 動作動詞で「考ふ:くり返し問う」の意味で、可能の意味はない。だから、
 考えれる:kang[]af[]e[r]e[r]u、ではじめて、動作完遂可能を表す)

③汎用的に使える機能接辞(自他交替接辞、態接辞、活用形から巣立独立した接
 辞など)の統一的・深層的な意味を探り出す。
★受動態接辞は、受け身、可能、自発、尊敬の意味があると一般的に言われている
 が、一つの接辞は一つの深層意義があり、深層意義は二つ、三つではない。
★可能態接辞は、自他交替の機能(しかも自→他、他→自、の両側交替をする)や
 動作可能、自発、已然形巣立独立動詞、など多義的な機能であるが、一つの接辞
 は一つの深層意義があり、深層意義は二つ、三つではない。
★他の接辞も多義的な機能であるが、一つの接辞は一つの深層意義があり、深層
 意義は二つ、三つではない。
〇現在の国語学、学校文法、国語辞典は、「接辞の切出しができない」、「一つの接
 辞の多義性に注目するが、共通の一つの深層意義」を感じ取れないでいる。
〇音素分析の立場でも「共通の一つの深層意義」を探し求める必要性に気づかな
 ければ、新しい文法は生まれない。
(態接辞の深層意義を解説した図表が、態文法:日本語を研究するための道具3続
にある)
・一般人の希望はこの位置で止り。 夢や仮定想定を語れるが、語らえる時代は
 未だか。

 以上、ここで連載回を打ち止めにする。

態文法:動詞活用形から巣立つ独立動詞2

2018/06/24(日)

 前回では二段活用において派生する独立動詞を説明した。
・終止形+「る」→連体形の派生、(連体・已然・に限定して使用した)
・連用形+「る」→母音語幹動詞、(iru型/eru型母音語幹動詞:巣立てる)
・已然形+「る」→可能態動詞、(eru型母音語幹動詞:巣立てる)
〇巣立てる連用形由来の母音語幹動詞は、一段活用形を生み出す効果を発揮
 した。(二段活用動詞に対する古代人の窮余の初期対処法がすばらしい)
〇また、巣立てる已然形由来の母音語幹動詞は、可能態動詞を生み出す効果を
 発揮するが、二段動詞経由の可能態動詞を「ら抜き」扱いする風潮が100年
 続いてる。
この風潮は日本語の発展を著しく妨げるものだから、中途半端な理解でなく、
意味を完全に体感してから自身の文法に組み入れてほしい。
以上が前回の要旨。

2.「活用形は動作相:アスペクトを表す」と説明すべき
 大多数の動詞活用形を考察するのに都合のよい「規則活用:四段/一段」表を
参照しながら説明する。

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〇当態文法では、「動詞活用形が動作相:アスペクトを表す」と説明する。
 ・連用形:→動作進行相(中止法は進行相の一部)として使用することが多い。
 ・已然仮定形:→動作完遂相(動作成就に尽力)として使用することが多い。
(二段活用では、不活発な動詞終止形を無理やり活用させるために「i音:連用、
 e音:已然」を付加して連用形を作り出した)
〇未然形には、2つの顔があり、正面向き(アスペクト)の顔が、
 ・未然形:→「あ音」は動作相を連想させない唯一の音として古代から扱うが、
  未然の名にふさわしい動作相:→打消:D[a/・]nai、意向推量:D[・/y]oo
  だけを配置する。
  (古語での意向推量は、D[a/・]mu、読まむ、起きむ、「あ」音付きだった)
〇未然形のもう一つの顔は、比喩で言うと舞台向き(態・ボイス)の顔で、
→・未然巣立ち形:舞台上で、演者、道具、観客が動作機能を繰り出し合うように
 「自他交替動詞、態動詞、新造語などを派生させ」原動詞に新しい接辞の機能を
 付加させる、という文法空間の巣箱である。
〇未然巣立ち形:自他交替、態動詞、新造語にも「あ」音を当てる傾向がある。
  (古代より意図も偶然もあって「あ」音を当てたのかもしれない)
★音素分析で「動詞語幹」に接辞を連結すると表現できるが、かな分析国文法で
 は「語幹」の表現ができない。(語幹と活用語尾を区切れず、一体表現する)
例:新造語:一般形式。(古代では未然形を狙い、「あ」音を接辞語頭に置いたが、
 強いて言うなら、未然巣立形である)
 D[・/r]af-:住まふ、語らふ、戦かふ、散らふ、/老い痴らふ、:af-反復、継続
  の接尾語。
 D[・/r]ak-:曰く、願わく、望まく、/老いらく、甘やかす、脅かす、:ak-名詞
  概念化、無律:ak(他動詞:as)化。(ク語法)
例:態動詞:接辞語頭「あ」音なので未然形に勘違い。未然巣立形とすべき。
 D[・/r]ar-:書かる、飲まる、/見らる、食べらる、:ar-動作結果を表す接辞。
 D[・/s]as-:書かす、飲ます、/見さす、食べさす、:as-動作強制を表す接辞。
(D[・/r]e-:書ける、飲める、/見れる、食べれる、 :e-已然巣立・動作完遂の
接辞。完遂のため相互に助け合う、自然が適合するのが条件。可能態である。
可能態だけが「あ」音始まりでないから、国学文法では正当な評価ができない?)
 D[・/r]are-:書かれる、飲まれる/見られる、食べられる:are-受動接辞。
  動作結果との相互・自然の関与態応の状態を表す接辞。
 D[・/s]ase-:書かせる、飲ませる/見させる、食べさせる:ase-使役接辞。
  動作強制し、完遂のため必要なら相互に助け合うことを表す接辞。
例:自他交替:接辞語頭「あ」音以外も加わり、自動詞-他動詞の対向関係が強い。
 日本語の動詞は自他交替を原動詞:Dから接辞交替で行う。12通りの交替形が
 ある。簡略的に「動詞語幹:Dと接辞だけ」で自/他を表示すると、次の通り。
 ①Dar/Du:②Dar/Der:③Du/Der:④Der/Du:
 ⑤Der/Das:⑥Drer/Dsu:⑦Du/Das:⑧Dir/Das:
 ⑨Dir/Dos:⑩Dru/Dsu:⑪Dru/Dser:⑫Der/Day:
・原動詞語根が母音末だと、接辞が子音語頭である。⑥、⑩、⑪、が母音末語根
 動詞だと判る。
・自他交替形で一番多いのが②形式で、始まる/始める、決まる/決める、変わる
 /変える、伝わる/伝える、曲がる/曲げる、など、結果態と可能態の対向配置
 で自他交替を感じてるわけだ。
・国語文法では、未然形、未然巣立形の区別に無関心であり、活用語尾で「あ」音の
 もぎ取り、接辞の異形態(る/らる、す/さす、など)に対する無関心、方便の正
 当化が続いてる。 音素分析ならば、無関心のまま見過すことはない。

 今回のまとめを記述する。
〇動詞活用形の並び方は動作相:アスペクトを反映した構成である。
→現代口語の(四段/一段)規則活用では、已然形が仮定形の名称に変ったから、
 已然形の意味合いを可能態のなかに込めておきたい。
★未然形には、打消、推量勧奨の活用形(通常の未然形)のほかに、未然巣立形が
 ある。音素分析では、「語幹」形と言い表せるが、かな分析の国語学では「語幹」
 を言い表せず、(四段)母音交替前の語根、(一段)接辞添加前の語根、の形態を
 →未然(巣立)形と(仮称)する。自他交替接辞や態派生接辞が連結する形だ。
★禁止事項がある。已然仮定形で、動作成就・完遂を仮定し想像する機能を使っ
 たうえで、「る」音付加して事象化や独立動詞化してはいけない。
例:可能:行ける、の先を仮定し想定する場合:→行けれ・ば、の表現はOKだが、
 ×仮定形+「る」:→行けれ「る」、はダメ。二重可能の「れ足し」間違いになる。
 「行ければ、、、行ける」、「行ければ、行く」でよい。
 (つまり、仮定事項に軽々しく「る」付加して事象化、独立化すると、「できるをで
 かす」ような気がして、解釈が混乱するばかりで、ダメということなのだ。
 可能態では「するを尽力できる」が正直な論理展開なのだから)
〇見れる、食べれる、来れる、などの可能態は、問題なくOKだと、高校生くらい
 なら考えれるはず。「考えれる:尽力動作」と「考えられる:結果対応」の意味の差
 も十分に解釈できるはずだと期待する。
・二重可能の禁止事項と「ら抜き言葉」の関係は、次回の態派生で触れる。
(つづく)


態文法:動詞活用形から巣立つ独立動詞1

2018/06/21(木)

 動詞活用形の概念は、国語文法(学校文法、音節・かな分析)の伝統的な動詞分析
方法であり、簡明な文法法則で動詞構造や意味を説明できる。
だが、動詞構造を「かな単位」でしか分析しない簡易な文法では、動詞語幹の切出
しも便宜的・方便的な工夫により変則的な動詞活用表を編み出すしかなかった。
(問題は便宜的、方便的、変則的な文法に満足するばかりで、不満だと誰も感じ
ない状態に陥ってること)
 正確な音素構造に分解する方法は、動詞活用形を「ローマ字つづり」で書き下せ
ば、最小の「音素単位」で分析できる時代なのだから、それにふさわしい文法則を
工夫して国語文法を補強していくべきだろう。
(問題は「音素分析」による新法則で学校文法の何を補強するのかに懸っている)

<音素分析:当ブログ態文法>
 学校文法に欠落する視点に対して、音素分析で見つけた新法則で補強すべき項
目を列挙する。
①動詞活用形から巣立って独立動詞になる仕組み、機序について説明すべき。
②「活用形は動作相:アスペクトを表す」と正確に説明すべき。
③動詞の態派生について正確で清雅な説明をすべき。
という、抽象的な表現ではあるが、日本語の動詞活用の根幹に関わる法則を提起
したい。
 この3項目については思考実験の形式でブログ記事に投稿してきたが、今後は
きちんと整理した態文法の基本にしたい。古語時代と現代を何度も往復し、文法
を平準化するという感覚で、先行研究の国語文法と音素文法を相互補完させたい
と思う。

1. 動詞活用形から巣立つ独立動詞

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 動詞活用形について記述する。(動詞活用変遷の図表参照)
動詞の活用には、古代より四段活用、(三段活用、)二段活用、一段活用があって、
〇四段活用:動詞語幹が子音末であり、古代から現代まで安定な形式を保つ。
 かな分析:活用語尾音が「あ、い、う、う、え、え」と母音交替する型式という。
 音素分析:「a、i、」は[挿入音素]、「u、e、」は機能接辞である。安定な形式。
・終止形、連体形を中心に連用形(進行相)と已然形(完遂相)が母音交替で実現。
(三段活用:現在では「来る、する」の不規則動詞2つ程度。ここでは省略)
〇二段活用:語幹は子音末だが、特定の母音交替しか通用せず、語幹に、i音また
 は、e音を付加した音節形態にして活用する。
・連体形は終止形に「る」を付加して独立した動詞形を派生し、已然形にも適用さ
 せる。独特な形態だが、古語時代から始まる法則で、簡略動詞:サボ「る」、けち
 「る」、ググ「る」などの生成原理につながるもの。
・近世に近づき終止形が連体形と同一化し始めると、連用形に「る」付加した独立
 動詞形を終止形にする動きが始まる。

〇一段活用:二段動詞の語幹にi音、e音を組み入れた母音語幹動詞が急速に定着
 して一段活用化が進んだ。
・最下段の規則活用表に四段/一段を共通形式で示す。[挿入音素]で段差を吸収
 するから、已然形、命令形(省略音あり)まで、段差なしの同じ接辞形態になる。
・一段活用では、終止形以後に[r]が挿入されるのは母音語幹に「る」付加で独立
 動詞化するからだ。
 (かな分析:終止形以後「る」を付加する並び形式を接辞添加の型式という)
・また、已然形に「る」付加で独立動詞化するのが「可能動詞」であり、四段/一段
 ともに本質的に正当な可能動詞、可能態である。
 (国語文法は四段動詞の可能態しか認めない。100年の遅れ?)
・已然形は、「すでに然る、つまり完遂努力を(想定)すること」が基本の意義だか
 ら、書け「る」、落ちれ「る」、投げれ「る」の意味は「動作を完遂できる」であり、
 何も異議が出るはずがない。一段活用動詞も可能態、可能動詞になる。
(現代口語では已然形を仮定形と呼ぶが、基本原理は何も変っていない。
 古語時代からの已然概念を見失ってはもったいない)

〇規則活用の已然形:D[・/r]e[r]uの接辞:e=可能態接辞:e-である。
 次の動詞はすべて接辞:e-を含み、深層で「動作を完遂する」という共通の意味
 ・機能を持っている。
例:集める、かぶせる、受ける、立てる、割れる、逃げる、倒れる、通れる、通せる
 、見れる、見せる、着れる、着せる、乗れる、乗せる、任せる、果せる、寝れる、寝
 せる、、、
・「立てる、割れる」など自他交替で自→他/他→自の両反転があり不思議に感じ
 る時期を早く通過してほしい。共通の「動作を完遂する」を経由しての自他交替
 があるだけだと強く感じてほしい。
・可能態動詞の動作律仕方を「互律動作」と命名する理由は、動作を完遂する途上
 で主体と他者、対象との相互間で動作共有の瞬間・兆しが生じるからである。
(原形が古語の、集む、受く、逃ぐ、などもあるから、それを考慮に入れると分か
りやすい。古代から日本人は動作共有の瞬間を共感しながら已然形を使ってきた
はずだ。だから、対人他動詞の可能態:見せる、着せる、乗せる、任せる、寝せる、
などをじっくり吟味すると他者との動作共有の感じを体得できるだろう)

(つづく)

態文法:「なぜ日本は強いと思われますか」

2018/06/15(金)

 <引用:スポーツ報知のネット記事:06/08 01:33>
   ロシアW杯に臨むFIFAランク61位の日本は8日、同6位のスイスと
  同国・ルガノで親善試合を行う。7日は試合会場で前日会見が行われ、
  西野朗監督が出席した。
   地元メディアからは「なぜ日本は強いと①思われますか」と珍質問が
  飛びだし、指揮官は「誰に②思われているんですか。質問された方が
  ③思われているのですか」と戸惑いながらも「日本はW杯に連続して出場
  している現実はある。アジアのサッカーを牽引しているので自信を持っ
  てW杯に出場したい。ただ、これがW杯でチャレンジしてもある程度で
  拒まれている歴史も認めないといけない。W杯の中では十分には実力を
  発揮できず、なかなか認めてもらえない現実もあるのも事実」と冷静に
  答えていた。
 <引用おわり:①②③印は当ブログで付記す>

→(感想)
 珍質問ではなく、「日本は強いと思われる理由はなんでしょうか」という
 生な質問を、日本語らしく「なぜ日本は強いと思われますか」と表現した
 のだろう。日本人でなくてこの表現ができたのだからびっくりします。
 (日本チームが調子を上げていれば、西野監督も戸惑うことなく応答でき
 たはずだ)
→まず、記者会見の受動態:「思われる」の使い方、解釈について、文章上
で考察しておきたい。
①思われ(ますか):通常の会見で質問文形式であれば、受動の尊敬表現の
 「あなたが(思考結果として)思われ・て・るのか」を意味します。
 (思われますか:動作事象・基本相で質問する点も正当手順である)
②誰に「思われ・ている・のか」:受け身の表現と解釈すると、誰に思われ
 るのかを詮索し出すか? (~ている:動作進行相で質問を感じたらしい)
③質問者が「思われ・ている・のか」:質問者に対しての尊敬表現では
 なく、質問者を②誰のうちの一人として想定した言い方で、「質問者に
 思われて」という受け身表現も兼ねたものなのだろう。
戸惑いながらも、受動態の意味するところを冷静に分析しながら、正しい
表現・思考結果を披歴する応答を行った。その点は論理的な判断ができる
人だろう。

 では、当ブログ態文法を活用して、受動態の本質を解明してみよう。
<音素分析:構造>
 当ブログ態文法での、受動態生成の方法を説明する。
〇態の派生原理は、動詞語幹:Dに[挿入音素]をはさんで態接辞を連結する。
 語幹の子音末/母音末の差を[挿入音素:連結母音/連結子音]で調音し
 態接辞の子音語頭/母音語頭に順応する構造である。
〇受動態の一般形式:D[・/r]ar[・/r]e[・/r]u→D[・/r]ar[・]e[r]u。
 子音幹 思う→思われる:omow[・]ar[・]e[r]u→omowareru、
 母音幹 考える→考えられる:kangae[r]ar[・]e[r]u→kangaerareru。
〇受動態接辞:are-の構造は、上に示すように結果態:ar、に可能態接辞:e-
 が連結した二段階の派生である。

<音素分析:意味>
 態の接辞を異形態でなく同一形態で示せるので、意味も統一して明示できる。
〇可能態接辞:e-は、動作完遂への動作相を表し、完遂に必要なら相互に助力し
 合うことを意味する。(動作律仕方を「互律動作」と定義する)
〇結果態接辞:ar-は、古語、文語での受動態を意味する接辞であり、文字通り
 動作の「結果がある」という状態を表す。 「ある」→ある、生る、在る、有る、の
 すべてを内包する意味であり、「過去、現在、未来の動作結果」に対しても有効
 である。(動作結果は主体・客体・対象に対し等距離の関係で態応を律するから
 、律仕方を「果律動作」と定義する。動作結果からの視点なのだ)
〇受動態接辞:are-は、古語、文語でも(結果態の)連用形として使い込まれ
 た形態で、意味は動作結果の完遂に必要なら助力することを意味する。
 単純に、動作結果の完遂による誘発事態に振り回されることも意味する。
 (受動態の律仕方は「果互律動作」と定義する。動作結果からの視点なのだ)

→態動詞の動作律仕方の定義を記述した。(態には三系四態がある)
 三系四態=12態動詞の深層核心の意味を正確に覚えるために、「律仕方」の
 概念を考えたものです。参考の補完に三系原形態3つを追加しておこう。
①能動系・能動態:一般形式:D[・/r]u、
 自律動作→自己の意図で動作する。(自他動詞ともに)
②強制系・強制態:一般形式:D[・/s]as[・]u、
 律他動作→動作を指示し、他者に服従・自律動作をやらす。
③使役系・使役態:一般形式:D[・/s]as[・]e[r]u、
 律他互律動作→律他動作を指示し、完遂に必要ならば手助けする。
〇この3律仕方と上段の可能/結果/受動の3律仕方を組み合せれば、
 すべての態動詞の律仕方が区別して完全理解できると思われる。

態文法:派生/複合?:継続助動詞:afu

2018/06/05(火)

 古語辞典に継続の助動詞:あふ、afu←合うの原意、が付録一覧表に載る。
(掲載の助動詞形態は:ふ、であり、未然形に連結するとある)
造語例は上代にあり、住まふ、語らふ、戦ふ(叩く+合う)、散らふ、など、継続し
た動作を意味する単語(四段活用)が見つかる。
動詞:あう(合う、会う、逢う、和う、敢う、饗う、の原意)は、自立動詞(四段活用、
下二段活用)でもあるから、通常の機能接辞とは違いがある。
 では、この助動詞をかな分析/音素分析で詳しく調べてみよう。

<かな分析>
四段動詞:住む、語る、たたく、散る、の動作継続を表現するのか、くり返し動作
の事象としての表現なのかで接続様式が異なる。
・動作継続:連用形(住み、語り、たたき、散り、)[+]あふ、の連結(複合の単語)、
 →連用形「住み合う、語り合う、たたき合う、散り合う、」、動作のくり返し。
・事象継続:終止形(住む、語る、たたく、散る、)[・]あふ、の連結(派生、造語)、
 →終止形との連結では語尾:う音と接辞語頭:あ音が母音直結する結果、調合さ
  れ、う音が落ちて、「住まふ、語らふ、戦ふ、散らふ、」という新概念の動詞にな
  る。
(未然形(住ま、語ら、たたか、散ら、)[・]ふ、と解説する辞典も多いが、この説明
は、二段活用(、一段活用)動詞に適用できないし、その造語例もないから不適当
で、発展性もない。この接辞:afuは特定の動詞語幹と連結して継続意味の新造語
を作るのに使われたもので、接辞の役割は済んでいるようだ)

<音素分析>
 古語辞典に継続・繰り返しの助動詞:ふ、とあるから、普通に検証すると、
〇助動詞:ふ、未然形を認めて連結するならば、
・一般形式=動詞語幹[a/・]機能接辞、で表せる。
 子音幹:D[a]fu→住まふ、語らふ、戦ふ、散らふ、
 →子音幹動詞・未然形の条件なら成立する。新造語である。
 母音幹:D[・]fu→?見ふ、?食べふ、?似ふ、
 →母音幹動詞では意味をなさない。 (接辞形態が「ふ」ではダメ)
〇接辞を:afu、あふ、と見直し、母音語頭の接辞に対応すると、
・一般形式=動詞語幹[・/r]afu、で表すのが通例の派生形式だ。
 子音幹:D[・]afu →住まふ、語らふ、戦ふ、散らふ、
 →子音幹で未然形を考慮しなくても新造語が成り立つ。
 母音幹:D[r]afu →?見らふ、?食べらふ、?似らふ、
 →しかし、母音幹動詞で意味が成立しないので、別の考察が必要だ。
〇接辞:afu、あふ、を、自立語:合う、会う、と見なして、
 (子音幹)派生/(母音幹)複合、の変則的な連結様式と考えると自由度が益す。
・一般形式=動詞語幹[・/+]afu、という文法的無音の[挿入音素]を想定する。
 子音幹:D[・]afu →住まふ、語らふ、戦ふ、散らふ、
 →子音幹で新造語が成り立つ。(未然形を考慮しなくてよい)
 母音幹:D[+]afu →見合ふ、食べ合ふ、似合ふ、
 →動作連用の意味合いで、見合い、食べ合う、似合うなどの複合語を生成した。
(古語での造語用例で助動詞扱いであったが、現代口語では接辞として常用は
していない)
〇念のため、連用形で接辞:afu:(自立動詞)との複合を想定し一般化すると、
・一般形式=D[i/・]Ø[+]afu、で考察できるから、
 子音幹:D[i]Ø[+]afu、→住み合う、語り合う、たたき合う、散り合う、
 →動作状態の継続、交互くり返しの描写ができる。
 母音幹:D[・]Ø[+]afu、→見合ふ、食べ合ふ、似合ふ、
 →同様に動作状態の継続、交互くり返しの描写ができる。
(古語での造語用例で助動詞扱いであったが、現代口語では接辞として常用は
していない)

 以上のように、かな分析と音素分析の比較検証を細かく展開すれば、音素分析
の方法が有利だとわかるはず。 特に、動詞派生の場合には、一般形式の表現を採
用することで子音幹・母音幹の両動詞を一度に検証できるから、接辞の汎用性の
有りか、無しかも自分で確実に感じとれる。
また、古語や現代語に対して一貫した音素分析の方法が適用できるから、文法の
効力も実感できる。

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