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態文法:動詞活用形から巣立つ独立動詞2

2018/06/24(日)

 前回では二段活用において派生する独立動詞を説明した。
・終止形+「る」→連体形の派生、(連体・已然・に限定して使用した)
・連用形+「る」→母音語幹動詞、(iru型/eru型母音語幹動詞:巣立てる)
・已然形+「る」→可能態動詞、(eru型母音語幹動詞:巣立てる)
〇巣立てる連用形由来の母音語幹動詞は、一段活用形を生み出す効果を発揮
 した。(二段活用動詞に対する古代人の窮余の初期対処法がすばらしい)
〇また、巣立てる已然形由来の母音語幹動詞は、可能態動詞を生み出す効果を
 発揮するが、二段動詞経由の可能態動詞を「ら抜き」扱いする風潮が100年
 続いてる。
この風潮は日本語の発展を著しく妨げるものだから、中途半端な理解でなく、
意味を完全に体感してから自身の文法に組み入れてほしい。
以上が前回の要旨。

2.「活用形は動作相:アスペクトを表す」と説明すべき
 大多数の動詞活用形を考察するのに都合のよい「規則活用:四段/一段」表を
参照しながら説明する。

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〇当態文法では、「動詞活用形が動作相:アスペクトを表す」と説明する。
 ・連用形:→動作進行相(中止法は進行相の一部)として使用することが多い。
 ・已然仮定形:→動作完遂相(動作成就に尽力)として使用することが多い。
(二段活用では、不活発な動詞終止形を無理やり活用させるために「i音:連用、
 e音:已然」を付加して連用形を作り出した)
〇未然形には、2つの顔があり、正面向き(アスペクト)の顔が、
 ・未然形:→「あ音」は動作相を連想させない唯一の音として古代から扱うが、
  未然の名にふさわしい動作相:→打消:D[a/・]nai、意向推量:D[・/y]oo
  だけを配置する。
  (古語での意向推量は、D[a/・]mu、読まむ、起きむ、「あ」音付きだった)
〇未然形のもう一つの顔は、比喩で言うと舞台向き(態・ボイス)の顔で、
→・未然巣立ち形:舞台上で、演者、道具、観客が動作機能を繰り出し合うように
 「自他交替動詞、態動詞、新造語などを派生させ」原動詞に新しい接辞の機能を
 付加させる、という文法空間の巣箱である。
〇未然巣立ち形:自他交替、態動詞、新造語にも「あ」音を当てる傾向がある。
  (古代より意図も偶然もあって「あ」音を当てたのかもしれない)
★音素分析で「動詞語幹」に接辞を連結すると表現できるが、かな分析国文法で
 は「語幹」の表現ができない。(語幹と活用語尾を区切れず、一体表現する)
例:新造語:一般形式。(古代では未然形を狙い、「あ」音を接辞語頭に置いたが、
 強いて言うなら、未然巣立形である)
 D[・/r]af-:住まふ、語らふ、戦かふ、散らふ、/老い痴らふ、:af-反復、継続
  の接尾語。
 D[・/r]ak-:曰く、願わく、望まく、/老いらく、甘やかす、脅かす、:ak-名詞
  概念化、無律:ak(他動詞:as)化。(ク語法)
例:態動詞:接辞語頭「あ」音なので未然形に勘違い。未然巣立形とすべき。
 D[・/r]ar-:書かる、飲まる、/見らる、食べらる、:ar-動作結果を表す接辞。
 D[・/s]as-:書かす、飲ます、/見さす、食べさす、:as-動作強制を表す接辞。
(D[・/r]e-:書ける、飲める、/見れる、食べれる、 :e-已然巣立・動作完遂の
接辞。完遂のため相互に助け合う、自然が適合するのが条件。可能態である。
可能態だけが「あ」音始まりでないから、国学文法では正当な評価ができない?)
 D[・/r]are-:書かれる、飲まれる/見られる、食べられる:are-受動接辞。
  動作結果との相互・自然の関与態応の状態を表す接辞。
 D[・/s]ase-:書かせる、飲ませる/見させる、食べさせる:ase-使役接辞。
  動作強制し、完遂のため必要なら相互に助け合うことを表す接辞。
例:自他交替:接辞語頭「あ」音以外も加わり、自動詞-他動詞の対向関係が強い。
 日本語の動詞は自他交替を原動詞:Dから接辞交替で行う。12通りの交替形が
 ある。簡略的に「動詞語幹:Dと接辞だけ」で自/他を表示すると、次の通り。
 ①Dar/Du:②Dar/Der:③Du/Der:④Der/Du:
 ⑤Der/Das:⑥Drer/Dsu:⑦Du/Das:⑧Dir/Das:
 ⑨Dir/Dos:⑩Dru/Dsu:⑪Dru/Dser:⑫Der/Day:
・原動詞語根が母音末だと、接辞が子音語頭である。⑥、⑩、⑪、が母音末語根
 動詞だと判る。
・自他交替形で一番多いのが②形式で、始まる/始める、決まる/決める、変わる
 /変える、伝わる/伝える、曲がる/曲げる、など、結果態と可能態の対向配置
 で自他交替を感じてるわけだ。
・国語文法では、未然形、未然巣立形の区別に無関心であり、活用語尾で「あ」音の
 もぎ取り、接辞の異形態(る/らる、す/さす、など)に対する無関心、方便の正
 当化が続いてる。 音素分析ならば、無関心のまま見過すことはない。

 今回のまとめを記述する。
〇動詞活用形の並び方は動作相:アスペクトを反映した構成である。
→現代口語の(四段/一段)規則活用では、已然形が仮定形の名称に変ったから、
 已然形の意味合いを可能態のなかに込めておきたい。
★未然形には、打消、推量勧奨の活用形(通常の未然形)のほかに、未然巣立形が
 ある。音素分析では、「語幹」形と言い表せるが、かな分析の国語学では「語幹」
 を言い表せず、(四段)母音交替前の語根、(一段)接辞添加前の語根、の形態を
 →未然(巣立)形と(仮称)する。自他交替接辞や態派生接辞が連結する形だ。
★禁止事項がある。已然仮定形で、動作成就・完遂を仮定し想像する機能を使っ
 たうえで、「る」音付加して事象化や独立動詞化してはいけない。
例:可能:行ける、の先を仮定し想定する場合:→行けれ・ば、の表現はOKだが、
 ×仮定形+「る」:→行けれ「る」、はダメ。二重可能の「れ足し」間違いになる。
 「行ければ、、、行ける」、「行ければ、行く」でよい。
 (つまり、仮定事項に軽々しく「る」付加して事象化、独立化すると、「できるをで
 かす」ような気がして、解釈が混乱するばかりで、ダメということなのだ。
 可能態では「するを尽力できる」が正直な論理展開なのだから)
〇見れる、食べれる、来れる、などの可能態は、問題なくOKだと、高校生くらい
 なら考えれるはず。「考えれる:尽力動作」と「考えられる:結果対応」の意味の差
 も十分に解釈できるはずだと期待する。
・二重可能の禁止事項と「ら抜き言葉」の関係は、次回の態派生で触れる。
(つづく)


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