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態文法:動詞活用形から巣立つ独立動詞3

2018/06/30(土)

 かな分析を元に文法を組み立てる学校文法や国語学、国語辞典が最も不得意な
説明分野は何だろうか。日常の言語運用でも個人個人が不具合な言回しに困惑し
たり、辞典を引いても意味の違いがはっきりしない経験をするのは、態動詞や態
文法の月並な意味説明に出会うときではなかろうか。

3.音素分析なら、動詞の態派生について正確で清雅な説明をすべきだ。
 ローマ字つづりで音素単位の分析ができると、動詞語幹に連結する機能接辞が
正確に識別・切出しできる。 この正確な切出し効果を生かすべきで、音素分析の
役割であると思う。

★音素分析が果すべき役割と順序:
 学者や辞典編者でなく、一般人としての希望を記述する。
①音素分析で正確な機能接辞を切り出すこと。
 結果態接辞:ar-、(自他交替接辞:ar-との異同を示す)
 強制態接辞:as-、(自他交替接辞:as-との異同を示す)
 可能態接辞:e-、(自他交替接辞:er-との異同を示す)
 受動態接辞:are-、(結果態:arに可能態:eが連結するとの異同を示す)
 使役態接辞:ase-、(強制態:asに可能態:eが連結するとの異同を示す)

②態派生の一般形式を理解し、接辞が汎用的に使えることを確認する。
・態派生の一般形式:動詞語幹:D[挿入音素]態接辞語幹[挿入音素]統語接辞。
例:受動態の一般形式:D[・/r]ar[・/r]e[・/r]u→D[・/r]ar[・]e[r]u
  →D[・/r]are[r]u。(書く:書かれる、考える:考えられる)
 同様に使役態の一般形式:D[・/s]as[・/r]e[・/r]u→D[・/s]as[・]e[r]u
  →D[・/s]ase[r]u。(書く:書かせる、考える:考えさせる)
〇ここまでは、音素分析を提唱する方々がほぼ異議なしで通過できるかと思いき
 や、可能態に異議が飛ぶ。(かな分析・国語学の呪縛から抜け切れないでいる)
・可能態の一般形式:D[・/r]e[・/r]u→D[・/r]e[r]u。(書ける、考えれる)
 書かれる、書けるの両方が必要な可能(意味の差がある)表現だ。
 考えられる、考えれるの両方が必要な可能(意味の差がある)表現だ。
★話が横道にそれるが、一言付け加えておきたい。
 書かれる(態:動作結果が律する)、と同じような表現に、「書けてる」(相:動作
 完遂完了)を当てることができる。同様に書かれてる(態相:動作結果完了相)も
 解釈可能である。
〇しかし、可能(の意味)動詞の仮定形独立やその命令形は意味不明となり、活用
 適用外とする。
 (動作完遂の仮定・仮想に「る」が直結すると、仮想の尽力が現実事象と見做され
 、可能態動作と位置づけられる。 それに再度の仮想を重ねると尽力事象に尽力
 の二段重ね事象という不可思議な事態になる)
 ◎D[・/r]e[r]u:書ける、→再度、可能化するのはダメである。
  →×D[・/r]e[r]e[r]u:×書けれる、×書けれろ、×書けれてる、
 〇D[・/r]are[r]u:書かれる、→再度、可能化するのはダメである。
  →×D[・/r]are[r]e[r]u:×書かれれる、×書かれれろ、×書かれれてる、
 ◎D[・/r]e[r]u:考えれる、→再度、可能化するのはダメである。
  →×D[・/r]e[r]e[r]u:×考えれれる、×考えれれろ、×考えれれてる、
 〇D[・/r]are[r]u:考えられる、→再度、可能化するのはダメである。
  →×D[・/r]are[r]e[r]u:×考えられれる、×考えられれろ、×考えられれてる。
・蛇足ながら、◎D[・/r]e[r]u、と〇D[・/r]are[r]u、を比べて判るように、国
 語文法で◎「ら抜き言葉」という呼び方は見当違いで、本来は〇「ar」を連結して
 結果の視点を表すか、◎e[r]u、により動作完遂の可能を言うのか、の違いなの
 だ。 ◎e[r]u、を四段動詞にだけ認めて、一段動詞で禁止するのは国語学の完
 全な思考停止である。(四段も一段も可能態を認めてよい)
 (考える:語尾のe[r]uは、一段活用の完遂への尽力動作を表す。古語に遡れば
 考ふ:kamuk[]af[]u→kang[]af[]e[r]u→kangae[r]u、と変化してきた
 動作動詞で「考ふ:くり返し問う」の意味で、可能の意味はない。だから、
 考えれる:kang[]af[]e[r]e[r]u、ではじめて、動作完遂可能を表す)

③汎用的に使える機能接辞(自他交替接辞、態接辞、活用形から巣立独立した接
 辞など)の統一的・深層的な意味を探り出す。
★受動態接辞は、受け身、可能、自発、尊敬の意味があると一般的に言われている
 が、一つの接辞は一つの深層意義があり、深層意義は二つ、三つではない。
★可能態接辞は、自他交替の機能(しかも自→他、他→自、の両側交替をする)や
 動作可能、自発、已然形巣立独立動詞、など多義的な機能であるが、一つの接辞
 は一つの深層意義があり、深層意義は二つ、三つではない。
★他の接辞も多義的な機能であるが、一つの接辞は一つの深層意義があり、深層
 意義は二つ、三つではない。
〇現在の国語学、学校文法、国語辞典は、「接辞の切出しができない」、「一つの接
 辞の多義性に注目するが、共通の一つの深層意義」を感じ取れないでいる。
〇音素分析の立場でも「共通の一つの深層意義」を探し求める必要性に気づかな
 ければ、新しい文法は生まれない。
(態接辞の深層意義を解説した図表が、態文法:日本語を研究するための道具3続
にある)
・一般人の希望はこの位置で止り。 夢や仮定想定を語れるが、語らえる時代は
 未だか。

 以上、ここで連載回を打ち止めにする。

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