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態文法:態動詞の意味の仕組を学ぶ

2018/11/02(金)

 「態の三系四態」の概念を基にすれば、態動詞の全体を見通しやすくなる。
〇三系四態のうち、古語・文語時代の接辞①、②を意図的に組み入れてある。
①強制系:as接辞:文語文法で使役の助動詞だった。
②結果態:ar接辞:文語文法で受動の助動詞だった。
★現代口語文法では、これらに(已然・連用)可能態接辞:e[r]uを付けて、
③使役系:as[]e接辞:を使役(強制可能形態)に充当し、
④受動態:ar[]e接辞:を受動(結果可能形態)に充当している。
⑤可能態:e接辞:を可能(已然・完遂、成就・願望表現)に当て大活躍させて、
 使役・受動を口語的に使えるようになっている。
〇もっとも、文語時代も已然形:ase、areの形態で使用するのが常のはずだろう
 から、①~⑤の接辞を全部揃えて「三系四態」で態全体を示すのは当然のこと。
 と思える時代が早く来ると良いのだが。

     15.態の動作律仕方(律しかた)とは:とても重要な概念です。
     〇能動動詞が12個の「態」動詞に派生展開するのだから、態動詞が果す
      はずの動作の意味をしっかり理解して、識別できるように練習するこ
      とが肝要です。
     ★態の動作律仕方とは:態動詞(の構文主体)が果す動作規律を区分する
      概念である。 第一段階は自己動作での「律仕方:動作を果す規律:自分
      や他者を如何に律するか」と想像して理解してほしい。自己動作が使役
      や受動の場合にも如何に律するのかを想像してほしい。
     〇三系四態の律仕方と言えども、3系+基本4態-原態=6個の律仕方を
      しっかりと理解しておけば、組み合せで12個分の律仕方も推測が十分
      つくはず。
     ・実際の文章では「構文主体」が省略の場合もあり得るから、想像力を働か
      せ、態動詞に対し基本の6個の律仕方を駆使して文意を汲み取れるはず
      だと思う。

     ★態の基本6律(動詞語幹:D:自・他動詞の区別せず)
〇態の三系原形態の基本律:
「自律」 ①能動態:D[・/r]u:主体の「自律」動作と定義する。例:書く、食べる。
「律他」 ②強制態:D[・/s]as[]u:指示命令して他者に自律動作をやらす。
       これを「律他」動作と定義する。
       命令-服従、許可-要請、許容-依願、放任-依存など、主体と他者の
       強制度合は動作内容の軽重による。
       例:書かす、食べさす。:指示だけで、被強制者の動作完遂に関与せず。
「律他  ③使役態:D[・/s]as[]e[r]u:指示命令し他者に自律動作をやらせる
互律」   が、もし、動作完遂に必要なら手助け・配慮をする。
       これを「律他互律」と定義する。ただし、短縮略語で「使役律」も可。
       例:書かせる、食べさせる。:相手の動作完遂に気を配る。 

〇態の四態基本律:(原形態の律は上に掲示済)
「互律」 ④可能態:D[・/r]e[r]u:動作完遂に尽力する律仕方をする。
       主体と対象とが自然・物理法則などに則った相互自律動作をする。
       これを「互律」動作と定義する。(追加説明を後節に記する)
       例:書ける、食べれる。:動作完遂を表出。(尽力の様子を聞きたい感じ
       になる) 已然連用から可能動詞に発展したものと推定する。 
       「ら抜き言葉」と称して排除する概念自体が無用の誤解である。
「果律」 ⑤結果態:D[・/r]ar[]u:動作(の結果・結果物)が「ある」ことを表現。
       結果自体が関与する登場人・物に態応を求めるような律仕方であり、
       これを「果律」と定義する。
「果互律」⑥受動態:D[・/r]ar[]e[r]u:動作成就の結果に各実体が如何に関わ
       るのか、結果との相互自律動作を言う。これを「果互律」と定義する。
       動作結果が誘発する互律動作であるから、自動詞も受動態を持てる。
      ・主体-実績可能、客体-受身、対象体-受身・習慣、対主体へ発話-丁寧
       自然体-自発?回想?互律、など動作結果に対する対応意味を表す。

     ★律仕方の使い方
     〇態動詞の解釈に困ったときに、「基本6律」を思い出して意味を確認する
      ことをお勧めしたい。 態の接辞が一つ一つ意味が違います。なるべく
      違いが際立つような「律仕方の命名」をしてあります。
     〇三系四態の構成ですから、通常は一系四態のどれかの態動詞で表現で
      きるが、二系四態に飛び移る使い方もあります。
     例:「滝に打たれさせられて、、、」:受動・使役受動=果互律・律他互律果互
      律=果互律・使役果互律という構造になる。(あまり例文がない)
     ★なお、「基本6律」のほかに「無律化」接辞:akがあるが、別紹介します。

     ★可能態を「互律」と定義する理由
     〇可能態接辞:e[r]u、または、已然連用接辞:e、を正式に定義した。
     -国語学では「可能動詞」の接辞として認めるものの、正式な態接辞と
      認めていない。 学問の歯車がどこかで止ってるままだ。
     ★接辞:e[r]uの由来例を通時的に辿ってみると、
     ・古語時代人は、已然連用:D[・/r]e:立てて、割れて、見れて、見せて、
      書けて、読めて、などの使い勝手の良さを感じてたと推察する。
     -文語時代での変化:已然連用を已然仮定に重点を移し、連用を独立動詞
      化する道を選択した。 立てる、割れる、見れる、見せる、書ける、読める
      、へ独立化にする際に如何なる文法則を立てたのだろうか。
     ・自他交替:立つ→tat[]e[r]u:他動詞化、割る→war[]e[r]u:自動詞化
      の派生は已然連用が独立化したのだという認識があっただろうか。
     -旧来は、自他交替:e[r]uが自他へ両方向の意味を持つと解釈されて、
      不思議扱いであった。(深層の共通意義を説明できないでいた)
     ★已然連用:D[・/r]e、が「すでに然る」→動作が成就する、完遂する、
      完遂尽力する、完遂を目指すの意味を内包する、と想像力を膨らます。
      それゆえに、「動作ができる」「可能である」=独立動詞化:可能動詞とな
      り得たし、本来、已然連用は一般形式で扱えるから、可能態として汎用
      化できる形態なのだ。 「動作完遂」で自動詞に変化するか、他動詞に変
      化るかは、二の次、三の次で良いのです。

     ★可能態を「互律」と定義する理由は、まさに、「動作完遂」にあり。
     〇動作完遂の状態は主体・客体が同時主役を演じる状態になるから、
     ・可能態に関与する人・物・条件が相互に律し合うという意味を込めた
      命名です。(人も物も条件・法則に適合する動作であるはずの意味)
     例:ガラスを割る→ガラスが割れる:人と物と物理条件の互律です。
     例:ピアノを弾く→ピアノが弾ける:人と物と音楽条件の互律です。
     例:やっとランチが食べれたよ:人と物と周囲条件の互律です。
     例:あの難問がやっと解けました:人と問題と考察条件の互律です。
     〇これらの例文で物が/を動作完遂できると表現しているが、各種条件
      の内容はいろいろなのでしょう。 難問解決ならば是非とも周辺条件を
      聞き出したいのが人情です。 条件に適合しないのに可能態表現しても
      誰も信じてくれないでしょう。
     -国語学、学校文法では、已然形を仮定形(確定条件の提示)と呼ぶばかり
      で、確定条件=動作完遂の状態を想定する、と言う根源の意味を教える
      べきなのに、とっくに忘却しているようです。

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