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2018/12/10

態文法:動詞活用の歴史に真価を活かす2

態文法:動詞活用の歴史に真価を活かす2
2018/12/10(月)
 辞書引きのための「かな書き見出し語」の改善表記法を続けて検討します。
〇前回、新しい見出し語表記法で改善される点と、未解決の問題を述べたので、
 その問題:母音語頭の接辞は、語幹に密に膠着するので、「かな書き」では接辞形
 態素を判別しにくいこと、に対する解決策を検討しよう。
-態の接辞はすべて、母音語頭の接辞:ar[]u、as[]u、e[r]u、の組合せであり、
 態派生=動詞語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]接辞語幹
 ・・・となり、連結音節はa‐sa‐re‐[r]uのように接辞真ん中でかな書き分断され
 ます。 接辞形態を切出しするには「かな書き」を抜け出す勇気が必要です。
     
     31.態接辞の辞書見出し語を工夫する
     →態派生の単語は通常では(原形態以外は)見出し語にならない。
      辞書付録の動詞・助動詞活用表、一覧表形式で説明や表記されるので、
      ローマ字表記の一般形式などで一工夫して記載してほしい。
     ・能動系:D[・/r](u、e[r]u、ar[]u、ar[]e[r]u):(一般形式の表記)
      D’s:書‐く、  書‐ける、 書‐かる、  書‐かれる、
      D’b:食べ‐る、食べ‐れる、食べ‐らる、食べ‐られる。
     (表記:e[r]u=え‐る、ar[]u=あ‐る、ar[]e[r]u=あ‐れ‐る、に対しては、
      通常は効果もないので簡略のためハイフンを省略する。)
     ・強制系:D[・/s](as[](u、e[r]u、ar[]u、ar[]e[r]u)):(一般形式)
      D’s:書‐かす、  書‐かせる、  書‐かさる、  書‐かされる
      D’b:食べ‐さす、食べ‐させる、食べ‐ささる、食べ‐さされる。
      (表記:as[]u=あ‐す、as[]e[r]u=あ‐せ‐る、as[]ar[]u=あ‐さ‐る、
      as[]ar[]e[r]u=あ‐さ‐れ‐る、に対しては、効果もないので簡略のため
      ハイフンを省略する)
     ・使役系:D[・/s](as[](u、e[r]u、ar[]u、ar[]e[r]u)):(一般形式)
      D’s:書‐かせる、  書‐かせれる、 書‐かせらる、  書‐かせられる、
      D’b:食べ‐させる、食べ‐させれる、食べ‐させらる、食べ‐させられる。
      (表記:as[]e[r]u=あ‐せ‐る、as[]e[r]e[r]u=あ‐せ‐れ‐る、as[]e[r]
      ar[]u=あ‐せ‐ら‐る、as[]e[r]ar[]e[r]u=あ‐せ‐ら‐れ‐る、に対しては
      、効果もないので簡略のためハイフンを省略する)
     〇態の三系四態を「かなつづり」したが、まさに「かな音節」では接辞分断
      が文字づらに現れるから、原形切出しや原形想起が困難なことがはっき
      り実感できます。
     
     ★残念ながら、態の接辞に対しては「ハイフン」や「中黒・点」による「暫定
      見出し法」の即効性がなかった。(態接辞を異形態扱いせずに示せるが)
     →そこで、合せ技を工夫しました。ローマ字嫌いの方にも勧めたい「音素
      戻し検証法」を考案しました。(「見出し法」と「音素戻し法」の合せ技)
     〇態接辞の構成に少しでも疑問が湧いたら試してほしい方法です。
     例:一番長めの態派生を検証してみましょう。
     ・使役受動態:書‐かせられる→「見出し法」表記:書‐か‐せ‐ら‐れ‐る、に戻り
      ハイフン付きの音節を検証操作します。
     ①ハイフン直後の音節(子音・母音の2音素)の第一音素(子音音素)をハイ
      フン前へ移動させます。(もし音節が1音素ならば移動させない)
     ②第二音素(母音音素)はそのままにして、次のハイフン直後の第一音素
      をハイフン前へ移動させます。(前の第二音素と次の第一音素が並びま
      す)
     ③最後のハイフン後まで①、②を繰り返します。
     ・すると、書k‐as‐er‐ar‐er‐u、と、態接辞の「音素」表記が得られます。
     ・同様に、食べ‐さ‐せ‐ら‐れ‐る:→食べs‐as‐er‐ar‐er‐u、態接辞の連結を
      確実に目で見られます。
      (先頭のk‐、s‐は、語幹末尾や[挿入音素:連結子音]の1音素です)
     〇態接辞:「音素:‐bs‐」が「かな音節:*b‐s*」へ分断表記されたのを、この
      検証法で「音素:‐bs‐」に戻す操作をしたのです。
      (この検証法を「態音素戻し検証法」とでも名付けておこう)
     ★もちろん、「態音素戻し検証法」は、少し複雑な選択条件を追加すれば
      汎用的な「音素戻し検証法」へ移行できる。
      つまり、「態音素戻し検証法」の①に次の2項の条件を追加する。
     〇子音語頭の接辞:ない、まい、た・て/だ・で形複合連結、などの連結点
      の前後には、中黒・点をつけ、また・点直後の音節は移動させないこと、
     〇主に「イ音便」の音節が、1音素に短縮する場合、i=I、促音=Q、撥音=N
      記号に変換するが、ハイフン前に移動させない。
     ★「汎用型音素戻し検証法」の例題
     例:正然連用形:D[i/・]te・ar[]u:渡‐し・て・あ‐る→渡s‐i・te・ar‐u、
      書‐い・て・あ‐っ・た→書‐I・te・a‐Q・ta、(イ音便:I、Q、)
      読‐ん・で・い‐れ・ば→読‐N・de・ir‐e・ba、(撥音便:N)
      立‐っ・て‐る→立‐Q・ter‐u、(促音便:Q。てる:助動詞扱い)
     例:已然連用形:D[・/r]e[・]te:書‐け・て→書k‐e・te、
      食べ‐れ・て→食べr‐e・te、と「音素戻し」で検証できます。
      
-「音素戻し検証法」を記述し始めた部分からあとは、ローマ字嫌いの方にも読ん
 でいただくために「音素」と表現していますが、日本語に「かな」と「音素」は表裏
 一体、2つで1つ、なのです。この基本原則をないがしろにすると、接辞の個々の
 意味を正確に解釈できなくなります。
     
(つづく)

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