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態文法:「動詞の構造」再発見

態文法:「動詞の構造」再発見
2019/02/20(水)
 日本語の動詞の構造を「ローマ字分析:音素分析」によって見直すと、活用・派生
がどんな規則で発生しているのか明確に発見できます。
現状の学校文法が「かな分析:音節分析」で動詞活用を説明するのは、方便的な解
釈にとどまります。正確な説明を可能にするには、「kana分析:音素分析」が必要
です。なぜなら、日本語は単語・接辞を順次つなげて、意味をつなぐことで文章を
構成する膠着語ですが、子音と子音の連結や、母音と母音の連結を避ける目的で
連結用に「単音素:k,a,n,a,表記が必須」を挟み込む特徴的な法則があるのです。
この法則により、「かな表記」が可能になっているのです。
 古語時代から現代に至るまで日本語の叡智として、「連結音素の法則」を作り上
げてきたはずですが、忘却したかのように「かな表記」にもっぱら依拠した文法
論が流通しています。
日常の文章表記には「かな漢字」を使うとしても、文法説明(特に動詞語幹の密な
連結構造の説明)には、「連結音素の法則」を援用すべきだと思います。
     
 では、ローマ字つづりによる「kana分析:音素分析」で、動詞構造の再発見へ進
みましょう。
 1. 単語の膠着方法:疎結合と密結合
 ①緩やかな疎結合=[複合]:[+]→名詞の連結など:小学校[+]前、バス[+]停
  、小[+]雨=ko[+s]ame、酒[+]屋=sak[e→a+]ya、など(発声容易化のた
 め)の音素挿入や母音交替が起きる場合もあるが、それぞれ自立する単語どう
 しが緩やかに結合して意味を重ね合わせること。
     
 ②語幹と語幹の密結合=[派生]→[挿入音素]を介在させ、密な結合として意味
 を重ね合わせること。 まず、動詞[派生]の概念を一般形式で表記する。
 ・動詞派生=動詞語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]接辞
 語幹・・・のように、接辞(助動詞)を密に連結させて意味を深めていく。
 ・[挿入音素]=[連結母音/無音]、または[無音/連結子音]の構成で、6種あり
  ①[a/・]②[i/・]③[・/r]④[・/s]⑤[・/y]⑥[・/k]が使われる。
 (古語時代の上下二段活用では②[i/・]②’[e/・]が使われたが、江戸期までに
  語幹に組み入れられ一段活用動詞になっている)
 〇派生の概念化をさらに進めるため、単語品詞を略号で表記する。
  動詞語幹=D、接辞語幹=S、形容詞語幹=K、名詞=M、名容詞=My:形容動詞
  で表記すると、
 ・動詞派生=D[挿入音素]S1[挿入音素]S2[挿入音素]S3・・・一般形式、
 例:立たせられる、立たされる、の違いは?:→tat[・/s]as[・/r]e[・/r]ar[・
 /r]e[・/r]u、tat[・/s]as[・/r]ar[・/r]e[・/r]u、→tat[]as[]e[r]ar[]
 e[r]u、tat[]as[]ar[]e[r]u、→tat[]ase[r]are[r]u、tat[]as[]are[r]u、
 (立たせるは誘導して立たす、立たすは口頭指示だけのように感じる)
 例:食べさせられる、食べさされる、の違いは?:→tabe[・/s]as[・/r]e
 [・/r]ar[・/r]e[・/r]u、tabe[・/s]as[・/r]ar[・/r]e[・/r]u、→tabe
 [s]as[]e[r]ar[]e[r]u、tabe[s]as[]ar[]e[r]u、→tabe[s]ase[r]are[r]
 u、tabe[s]as[]are[r]u、(食べさせるは食べれるように手助けする、食べさす
 は口頭指示だけ)
 ★2例を一般形式で示すと、
   D[・/s]as(e[r])are[r]u、の一本で表記できる。
     
 ・動詞派生(連用形)=D1[挿入音素]S1[+]D2[挿入音素]S2・・・補助動詞D2と
 [+]疎結合する。
 例:落していなければ:→otos[i/・]te[+]i[a/・]na[k]ere[+]ba、→otos
 [i]te[+]i[]na[k]ere[+]ba、
 例:おぼえておかなければ:→oboe[i/・]te[+]ok[a/・]na[k]ere[+]ba→
 oboe[]te[+]ok[a]na[k]ere[+]ba、
 ★2例を一般形式で示すと、
   D1[i/・]te[+]D2[a/・]na[k]ere[+]ba、の一本で表記できる。
     
 ・動詞派生(連体形)=D1[挿入音素]S1[+]M[+]S2・・・M、S2は助詞、助動詞な
 どと疎結合する。
 例:壊した玩具に恨まれて:→kowas[i/・]ta[+]omotya[+]ni[+]
 uram[・/r]ar[・/r]e[i/・]te→kowas[i]ta[+]omotya[+]ni[+]
 uram[]ar[]e[]te、
 例:助けた亀に連れられて:→tasuke[i/・]ta[+]kame[+]ni[+]
 ture[・/r]ar[・/r]e[i/・]te→tasuke[]ta[+]kame[+]ni[+]
 ture[r]ar[]e[]te、
 ★2例を一般形式で示すと、
   D1[i/・]ta[+]M[+]ni[+]D2[・/r]ar[]e[]te、の一本で表記できる。
     
以上のように、膠着語の連結の仕方には、疎結合の複合と密結合の派生の2つが
あり、動詞活用と言えども派生の仕組みに従い、動詞語幹[挿入音素]接辞語幹
[挿入音素]接辞語幹・・・と、まるで煉瓦を一つ一つ並べて敷き詰めていき、文章
の意味を組み上げるのです。
     
(次回は[挿入音素]を詳しく解説します)

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