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2019/11/19

述語形式と[挿入音素]5

述語形式と[挿入音素]5
2019/11/19(火)
 国語文法では動詞活用形の活用語尾音、いわゆる「あ、お、
い、う、え」がどんな意味を持つのか、説明していない。
 
 新文法が[挿入音素]を提案する以上、意味を説明したい。
〇[挿入音素]の連結母音、連結子音とは何か。
仮説1:[挿入音素]の連結母音は[a/-]、[i/-]、の2つ。
 連結子音は[-/r]、[-/s]、[-/y]、[-/k]、の4つ。
 連結子音に-a-を付加させると、-ar-、-as-、-ay-、-ak-、と
 なり、古代より馴染み深い重要な接辞・助動詞が出現する。
・-ar-:D-ar-:hazim-ar-,kasan-ar-,ag-ar-,ow-ar-,など自動詞生成
 の接辞に使われる。(-or-,-ir-,-ur-,-er-,などの同音回避の形態
 もある)hazim[]ar,kasan[]ar,と同形だが、古代では直結意識が
 強かっただろう。
・-as-:D-as-:ugok-as-,ok-os-,mak-as-,sag-as-,など他動詞生成
 の接辞に使われる。(-os-,などの同音回避の形態もありえる)
・-ay-:D-ay-:iw-ay-ur-,ar-ay-ur-,kik-oy-ur-,mi-y-ur-,など古代で
 の可能接辞として使われた。(-oy-,-y-,などの縮約もあった)
・-ak-:D-ak-:iw-ak-,tir-ak-ar-,obiy-ak-as-,など事然無意思概念化
 の接辞に使われる。(obie[r]as-,obie[s]as-の使役態では、怯え
 の程度を相手の自律反応に任せてしまうことになる。obiy-ak-
 であれば動作を無律化し、obiy-ak-as-で単純他動詞にできる)
 (-k-,などの縮約もある:寝かす:ne-k-as-)
〇この4つの接辞は動詞の態表現に使う重要な助動詞で、特に
・-ar-,-as-,は受動系、使役系の現役の態接辞である。
・-ay-,は上代以降の使用例がほとんどない。近世では已然の-e-
 接辞が可能態の役目を十分に引き継いでいる。
・-ak-,は平安期以降の使用例は少ないが、動作意図を忖度・隠
 蔽するとか、関連事象へ外延化するとかのために現代でも使
 われる。(waraw-ak-as-,wara-k-as-,yar-ak-as-,zur-ak-ar-)
〇4接辞が単音素の[挿入音素]に使用される際に、縮約用法
 により、[-/r]、[-/s]、[-/y]、[-/k]、になったと推測するのも仮
 説の中で解決すべきこと。おそらく、動き表現の正然連用形
 に事象意味付けをほどこすため、r、s、y、k、を付加し
 たのだろう。子音末語幹の動詞は語幹が一貫して事象にも対
 応できるので変化しない。
 
仮説2:活用語尾「お、う、え」を七然活用形では、接辞とし
 て将然:[-/y]ou、事然:[-/r]u、已然:[-/r]e、の形態で解釈する。
・-u-は、動詞の統語接辞で基本形を示す。
〇古語での将然はD[a/-]m[]u:書かむ、見む、食べむ、から変遷
 して、D[-/y]ah[]u:書かふ、見やふ、食べやふ→D[-/y]au:
 書かう、見やう、食べやう→D[-/y]ou:書こう、見よう、食べ
 よう、になった。
・-ah-も古語では、造語接辞で使われ、原意は「合う」で、動作
 を「継続してやり合う」の意味である。
 叩く+合う=戦う、語る+合う=語らう、などを派生した。
・「敢えて」:-ah[]e[]te、条件に負けない動作をする、やり抜く、
 という原意を持っている。(敢えて=-ah-の已然形態)
〇仮説2の肝要は、将然:-ou-:動作を完遂しよう、已然:-e-
 :動作を完遂成就して、とアスペクト局面が違っているが、
 同じ動作意図を表していると気がついた。以前から無意識的
 に感じていたことが実感覚になった。どうでしょう。
・将然も已然も「敢えて・条件をすり合わせて・尽力して・
 完遂させる」ことを目指すから、相手との相互協力と相互調
 和が必要になる。
〇同じアスペクト局面を表現する場合でも、動作の立ち位置の
 違いで異なる動詞形態を使う例がある。
・来る:ku[r]u、が不規則動詞である理由はこの仮説に似てる。
 動作の出発点から到達点まで距離がある場合、
・出発点からの動き:ki[]na[k0]i,ki[]te,ki[r]u,ki[r]eba,ki[]yo,
・到達点での動き:ko[]na[k0]i,ko[]te,ko[r]u,ko[r]eba,ko[]i,
・混在型動詞:ko[]na[k0]i,ki[]te,ku[r]u,ku[r]eba,ko[]i,
〇江戸後期に将然と已然の類似点に気づいて、已然独立動詞化
 :D[-/r]e[r]u:書ける、読める、知れる、などを可能動詞と
 見なした。当時は[挿入音素]に気付かないから、見れる、
 食べれる、来れる、などを「考えれ」なかった。
〇将然[-/y]の-y-が可能の接辞要素を持っているし、-ou-が勧奨
 の意味でもあり、已然-e-が動作完遂・成就を意味するし、
 両然形の類似性は高いと感じる。(互律:条件に合わせる
 に通じる)
・これで、可能態接辞:-e-(已然接辞と同じ)の誕生を説明
 できる。
 
つづく

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