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2020/10/24

「述語律」が文法の謎を解く -1

「述語律」が文法の謎を解く -1
2020年10月24日(土)
 英語など西欧語では文章の述語は主語による強い規律を受けます。
その西欧語の統語法則を「主語律」と名付けるなら、日本語の文章の
述語は「述語律」と呼ぶべきほどの統語法則で主部文節に関与します。
例えば、受動態のように一つの動詞述語が主語を選ぶ場面を想定する
と、動作主体を選ぶ以外に、客体を主語にしたり、対象物を主語にし
たりができることを日本人なら経験しているはずです。
主語律の西欧語なら対象物を主語にする場合以外には受け身形を使わ
ない。(過去分詞として完了表現に応用しても使うが、日本語の融通
力には適わない)
 
 日本語の研究分野に「述語律」を掲げるところはないようで、名詞
と格助詞の関わりで述語関係を論じるような本末転倒の議論が多い。
また、動詞の分類:自動詞/他動詞、動作動詞/状態動詞、意思動詞
/無意思動詞、なども「述語律」の概念に直接的に寄与しない。
 
 「述語律」の明確な定義には知恵が届かないので、自己流の説明に
止めます。 述語が「主部に対してある種の規律関係を持つ」ことに
着目した文法概念で、
 ①動詞では、活用形態の一種、一種(態の三系四態など12通り)
  の「述語律」がある。述語構造は動詞語幹[/]接辞語幹[/]接辞語
  幹・・・である。([/]=[挿入音素]で6種類ある)
 ②形容詞では、実体とその属性(表現による規)律、主体とその形容
  状態との感情・感覚(的反応の規)律、の2種の「述語律」があり
  両律を持つもの、片律のものなどがある。
  述語構造は形容詞語幹[/]接辞語幹[/]接辞語幹・・・である。
 ③名詞・名容詞述語文では、名詞・名容詞+判定詞と分析し、名
  詞・名容詞は構文中の主部成分とみなす。
  判定詞([+]助詞[x]接辞語幹[/]接辞語幹→[+]d(e[x])a(r[-]u),
  [+]de([x]ar[i/-]ma)s[-]u,:である、だ、であります、です、)
  などを付属語コンビの述語文節とみて「主部に対する」指定律
  (名付け律)、措定律(端折り律)、推量・伝聞律(形式名詞:よう、
  そう、らしい、はず、:連体形は主部成分)の3種類の「述語律」
  があると解釈する。
  ・形容動詞を名容詞と改称。(形容状態の程度を表す名詞だから)
  述語構造は(名詞・名容詞:主部構成要素)[+]助詞[x]接辞語幹
  [/]接辞語幹・・・である。
という概要項目を適用範囲におきます。
 
 ここまでは前回の日本語の述語文法3回分の内容復習ですが、
ここから「述語律」概念がもたらす威力、利点を解説したい。
 まず、「述語律」の立場を明確に説明しておきます。
・膠着語の文章(特に述語文節)を「ローマ字つづり」で解析して正
 確に「語幹」、[挿入音素]を識別する新しい文法則により接辞語幹
 を明確にしました。この「接辞」が述語律を生み出す根源です。
・「かな文字」解析にこだわる国語文法は「接辞語幹」を見つけ出せ
 ません。当然、「述語律」へたどり着けません。
・例えば、動詞基本活用形(未然、連用、終止、連体、已然、命令)
 は、動相:アスペクトの基本並びを示唆するものですが、態:ヴォ
 イスの一端も含まれるのです。
 ところが、文法学の常識では動相や態が混在する解釈には拒絶反応
 して、自ら学問の進路を塞ぐような思考停止の状態です。
・日常会話では、多くの接辞を使いこなして、自他交替や態三系四態、
 不定詞、完了形、進行形などを作り出します。「述語律」をしっか
 り理解することの利益は計りしれません。

 では、次回から「述語律」による謎解きを掲載します。お楽しみに。

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