カテゴリー「日本語文法」の307件の記事

態文法:3×3マトリクスで整理する2

態文法:3×3マトリクスで整理する2
2019/01/10(木)
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  ↑態の基本枠組を「態の双対環」と名付ける。
  ②可能態:e[r]と③結果態:arの対向関係を「態の対向」に加えるのが当態文法
   の特徴です。 (文語文法の使役:as(強制)、受動:ar(結果)とともに、近世の
   已然:e[r](可能)も基本枠組に加えている)
  〇接辞:e[r]は、自他交替の解釈において、「動作完遂して到達する状態」を想
   定すれば、自動詞が他動詞へ交替し、他動詞が自動詞へ交替する両方向機能
   に見えるのです。だから、深層の意味:「動作完遂」機能を表すと解釈する。
  ・また、‐reru:自発的(物理法則に破綻しない)、‐seru:介助的(見せる、着せる
   、乗せる:互律動作)などの意味が完遂動作の途中で付随する。
  〇可能態:e[r]は、動作完遂・合理・互律を一つに丸め込んだ概念なのである。

態文法:3×3マトリクスで整理する1

態文法:3×3マトリクスで整理する1
2019/01/09(水)
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   ↑一般形式:D[挿入音素]の区切であれば、いわゆる語幹・活用語尾が音素
 表示できるし、後続の助動詞接辞も異形態にせず同一形態で示せる。
 つまり、D[挿入音素]の形式で、未然形・連用形・終止形・已然形などと呼称する
 ことが可能であり、「何行何段活用」の方便的な呼称と切り離せるのです。
(つづく)


態文法:動詞活用の歴史に真価を活かす5

態文法:動詞活用の歴史に真価を活かす5
2018/12/20(木)
     
-「ら抜き」言葉の検証は既に何度も取り上げているが、「れ足す」言葉に陥らない
 ように峻別すれば、可能動詞としてどんどん使うべきです。 国語学や学校文法
 、国語辞典などの「ら抜き言葉」禁止には十分な説明がないように思う。
 (表向きの説明は、「ら抜き」は間違いだとせず、ふさわしくないと言うのみ)
〇「ら抜き」言葉がふさわしい時・場所・状況を明示すればいいのです。
 (本来、可能動詞の誕生が「ら抜き」に由来するわけではなく、可能として独自の
  由来で派生したのです)
     
     37.「ら抜き」言葉を「音素戻し法」で検証
-国語学関連で「ら抜き」の用例としてあげる動詞は、受動態が「られる」の動詞が
 「ら抜き」して「れる:可能動詞」となったと錯誤の解釈をしたものです。
〇便宜的に受動態から可能態へ変化する形式で音素戻し検証してみよう。
例:書かれる:書‐ka‐re‐ru→書k‐【ar】‐er‐u→書k‐er‐u:書ける←可能動詞。
  (受動態から結果接辞:【ar】を抜くと可能態動詞となる)
 :食べられる:食べ‐ra‐re‐ru→食べr‐【ar】‐er‐u→食べr‐er‐u:食べれる←可能
  動詞。(受動態から結果接辞:【ar】を抜くと可能態動詞となる)
〇一般形式:D[・/r]ar[]e[r]u→D[・/r]【ar[]】e[r]u→D[・/r]e[r]u:
 のように、受動態から結果接辞:【ar】を抜くと可能態動詞となる。
 例外はありません。 「ら抜き」でなく【ar抜き】であり、母音語幹、子音語幹の両
 方で可能態が成立しますから、「ら抜き」概念自体に大きな錯誤があります。
     
     ★可能態、受動態を使い分けるにふさわしい時・場所・状況を一般論とし
      て明示する。それぞれの可能状態の意味の違いを基準にしてある。
     〇可能態:D[・/r]e[r]u→例:立てる、割れる、書ける、見れる、食べれる
      、渡せる、見せる、浴びせる、などの接辞:e[r]uが共通に果す機能は、
     ・意味:已然形を内包純化→「動作完遂する」が原意。自他交替や動作完遂
      、尽力可能を意味する。(銘記:完遂・互律)
     ・律仕方:動作完遂の条件には、主体・客体・対象・道理の「相互律し合い=
      互律」が必要です。(特に対人他動詞の完遂条件には、互律、手助け、介助
      などが必須になります)
     ・陳述:動作の完遂事態(自他交替)、完遂意思、完遂回想などを表現する。
      完遂可能の周囲条件を揃えた陳述が期待される。
     〇受動態:D[・/r]ar[]e[r]u→例:立たれる、立たせられる、立てられる
      、割られる、?割れられる、書かれる、見られる、食べられる、渡される、
      ?渡せられる、見せられる、浴びせられる、などの接辞:ar[]e[r]uが共
      通に果す機能は、結果:ar[]と可能:e[r]uの合成であり、
     ・意味:「動作結果が生る、有る、在る、ある事態」を表現するのが原意で、
      その事態に登場・関与する人・物が各個の視点で相互関係を陳述する。
      (動作結果の事態は自他動詞にも、強制、使役にも発生するから、受動態
      はすべての動作動詞に派生できます)
     ・律仕方:結果事態(果律)に関与する主体・客体・対象・道理の「相互律し合
      い=互律」をなし、各個の立場で対応する。(銘記:結果・互律)
     ・陳述:結果事態に立場の違う各個が同じ受動態を使って、「結果事態は、
      自分の実体験だ」と表現・陳述する場面が想像できるでしょうか。
      一見して、?割れられる、?渡せられるが想像しにくい使い方でしょう。
      受動態が「受身」専用ではなく、既に成立した結果に対する「果互律」表現
      であるところが、可能態「互律」との相違です。
     
     38.「ら抜き」操作で可能動詞が誕生したのではない
      便宜的に文字通りの「ら抜き」を模擬再現して受動態から「ar抜き」して
      可能態を誘導したが、実際の歴史上の可能態発生は「ら抜き」で誕生した
      わけではない。
→可能態の発達が江戸期以降までに遅れた理由を推測すると、
 ①古語時代から、二段活用動詞の連体形が終止形:D[]uをさらに事象独立化
  する形態:D[]u・[r]u(落つ→落つ[r]u、投ぐ→投ぐ[r]u)で使われた。
 ②独立動詞化を必要とした要因は、已然形が「落て・ば」「投げ・ば」では具合が
  悪く、「落つれ・ば」「投ぐれ・ば」で派生したかったのだろう。
 ③四段活用、二段活用ともに正然連用形、已然連用形の後続接辞には、奉り文や
  たまう・たまわる文、候文、たり・なり文などを付加することが通例だった。
  この奉る文が一段活用化を遅らせた?(現代のやり・もらい授受文に相当)
 ④連用形が事象独立化し、Db[r]u:落ち[r]u、投げ[r]uの形態になるのが、室
  町、江戸期になってしまった。
  (一段活用化移行の大変化と併行して奉る文、賜る文、候文が減少した)
 ⑤已然連用形が事象独立化し、D[・/r]e[r]u:書け[r]u、読め[r]u、見れ[r]u
  来れ[r]u、となるのが江戸後期・明治期のようだ。
 (江戸期には、例:読む[r]u、知る[r]uの形態(終止形+[r]u)で可能表現を試み
 た記録があり、四段活用動詞の終止形を[r]u追加してまでも、可能動詞を探っ
 ていたことになる)
     〇終止形に[r]uを躊躇なく追加したのに比べて、連用形に[r]uを追加す
      るのには何世紀もの時代をかけた躊躇があったし、未だに国語学者のな
      かには可能の成立ちに疑問(ら抜き指摘)を述べる方もいる。
      (本心から信じているのかな、可能動詞は受動態の「ら」を抜き取ってで
      きる動詞派生なのだと?)
     
     39.已然仮定形でなく、「たら・なら」仮定法も使える
     〇前回の「れ足す」言葉で、可能動詞で仮定形を使うときの注意として、
     ・行ければ:D[・/r]e[r]【e[+]ba】→×行けれる:D[・/r]e[r]【e[r]u】
      仮定形【e[+]ba】から事象化【e[r]u】は「れ足す:二重可能でダメ」だか
      ら、【e[+]ba】→【u】と、元の可能動詞に戻すべきだと説明しました。
      (已然接辞:eを残すと完遂の完遂と二重動作となるからです)
     ★そこで古語時代の「たり、なり」文の知恵を見直しました。
     例:正然、已然の連用形に「たら」仮定法(:tar[a/・]Ø[+]ba)
     ・行ったら:行・[Q]tar[a/・]Ø、 行けたら:行k[]e・tar[a/・]Ø、
     ・食べたら:食べ・tar[a/・]Ø、 食べれたら:食べ[r]e・tar[a/・]Ø、
     例:終止・連体形に「なら」仮定法(:[+]nar[a/・]Ø[+]ba)
     ・行くなら:行く[+]nar[a/・]Ø、食べるなら:食べる[+]nar[a/・]Ø、
     例:名詞、名容詞(形容動詞)にも「なら」仮定法([+]nar[a/・]Ø[+]ba)
      が使える。 ・図書館なら、心配なら、元気なら、新聞のことなら、、、
     →「たら」は機能接辞:~te+ari→~tari→~tar[a/・]Ø、開放未然形で
      あるが、動詞語幹に密結合する。
     ・行‐k[i/・]tar[a/・]Ø:→イ音便の特例で「行いたら→行ったら」となり
      :行ったら:行‐[ki=Q]tar[a/・]Ø→行‐[Q]tar[a]Ø:となる。
     ・「たら」、「たらば」ともに意味開放の未然形なので仮定専用の接辞ではな
      いが、「~てある」の原意から動作成立を示唆してはいる。(時制の過去
      を表すのではなく、動作完了状態を意味します)
      (「たら」を使っていたら、「れ足す」二重可能の心配はいりませんね)
     

態文法:動詞活用の歴史に真価を活かす4

態文法:動詞活用の歴史に真価を活かす4
2018/12/17(月)
     
-「れ足す」言葉をネット検索すると、「ら抜き」言葉との対比で取り上げられる
 ことも多いようです。やはり可能表現、可能態に関することで共通しますが、
 接辞が「可能接辞:e[r]」の「e[r]足す」と「結果接辞:ar」の「ar抜き」で、それぞ
 れの根本原意は違うので、違いを正確に識別する検証が必要です。
     
     34.「れ足す」言葉を「音素戻し法」で検証
-「れ足す」言葉の例を一般形式で表記すると:D[・/r]e[r]【e[r]】uのように、
 余分にe[r]を継ぎ足す言い方です。まずは「音素戻し法」検証を使いましょう。
例:書‐け‐れ‐る:書‐ke‐re‐ru(音素戻し→)書k‐er‐【er】‐u、二重可能表現です。
 食‐べ‐れ‐れ‐る:食べ‐re‐re‐ru(音素戻し→)食べr‐er‐【er】‐u、二重可能で不可
・やはり、「れ足す」言葉も正確には「e[r]足す」言葉と捉えるべきでしょう。
     
〇本来、書ける、食べれると「er」一段で言えば、動作可能が表現できます。
     ★なぜ、「れ足す」言葉が起きてしまうのか。
     〇手掛りは動詞活用の已然形、仮定形にあり、説明が少し理屈っぽくなり
      ますが、「れ足す」言葉を完全回避できる方法を次に示します。
    →〇動作動詞での仮定形は:D[・/r]e[+]baで表現する。
     例:書‐け・ば:書‐ke・ba(音素戻し→)書k‐e・ba、完遂するの仮定。
     ★完遂仮定の実現事象は→書k‐e・【ba→[r]u】→書k‐e・[r]u→書ける:
      可能態(完遂尽力する意味の独立動詞となる。一段可能態)
     例:食べ‐れ・ば:食べ‐re・ba(音素戻し→)食べr‐e・ba完遂するの仮定。
     ★完遂仮定の実現事象は→食べr‐e・【ba→[r]u】→食べr‐e・[r]u→
      食べれる:可能態(完遂尽力する意味の独立動詞となる。一段可能態)
     (動作動詞が可能態動詞に転換する仕方の一方法を示した)
     
    →〇可能態動詞での仮定形は:D[・/r]e[r]e[+]ba、で表現する。
     例:書‐け‐れ・ば:書‐ke‐re・ba(音素戻し→)書k‐er‐e・ba、完遂が実現す
      ればの意味で成立する。
     ★完遂の実現仮定の実現は「完遂」と同じ言葉で表現する:書ければ→
      書k‐er‐e・ba→書k‐er‐【e・ba→u】→書k‐er‐u、書ける:可能態。
      (完遂事象の実現想定は完遂力が不要なので、「e・ba=u」:独立化だけに
      とどめる:重要・二重可能を回避)
     例:食べ‐れ‐れ・ば:食べ‐re‐re・ba(音素戻し→)食べr‐er‐e・ba、完遂が
      実現すればの意味で成立する。
     ★完遂の実現仮定の実現は「完遂」と同じ言葉で表現する:食べれれば→
      食べr‐er‐e・ba→食べr‐er‐【e・ba→u】→食べr‐er‐u食べれる:可能態。
      (完遂事象の実現想定は完遂力が不要なので、「e・ba=u」:独立化だけに
      とどめる:重要・二重可能を回避)
     ・一段目の可能動詞(可能を表現する動詞)が活用中の不注意で二重可能
      態にならないように留意したい。
〇本来なら「動作完遂の結果」を表現するのは、結果態、受動態であるから、
     ★結果態:D[・/r]ar[]【e[+]ba】:書かれば、食べられば、
     ★受動態:D[・/r]ar[]e[r]【e[+]ba】:書かれれば、食べられれば、
      のように結果仮定する使い方が明確でよい。
     →もちろん、どちらも独立事象化は【e[+]ba→u】と終止形へ戻る。
      (結果態の已然形が独立して、可能付加された受動態形態になったとも
      言えます)
     ★詳細は次回「ら抜き」言葉の検証で考察したい。
     
-国語学、学校文法では、動詞活用の已然形を正確に実用的に運用できるように
 教えてないから、「完遂の仮定」、「完遂の実現仮定」、「完遂の実現仮定の実現」
 「完遂の実現仮定の実現=完遂」と並べてもまったく判りにくいでしょうね。
〇理解の手掛りは「仮定形は已然・仮定形だから、完遂力がある」と感得し、「完遂
 する仮定」、「完遂を想定する仮定」、「完遂を想定する仮定が実現するとは、結
 局のところ動作完遂があるということ」と論理が働いたのだと、納得していた
 だければ、以下の説明が判りやすくなると期待します。
     
     35.可能動詞が生まれる理由
     〇動詞の基本活用枠組みのなかで既述したように、
      已然形には三種類の機能構成があり、
      ①已然連用形:D[・/r]e[i/・]te:書‐け・て、食べ‐れ・て、
      ②已然仮定形:D[・/r]e[+]ba:書‐け・ば、食べ‐れ・ば、
      ③已然命令形:D[・/r]e【・yo】/【e・y】o:書け!/食べろ!
      (命令形の方言には、食べれ!もあり、已然であると思う)
     ★可能動詞の生まれる由来:
     →共通部分:D[・/r]e、は既に動作完遂に向けて取りかかっていること
      を意味する。
     〇この動作を独立事象化すると:D[・/r]e[r]u→書ける、食べれる、と
      完遂可能の表現になります。すべての動作動詞が可能動詞になります。
      (こんなに単純明解な由来で可能動詞が生まれるのです)
      (国語学、学校文法は半分の認知で済ませ、理由を明確にしていない)
     ★二重可能が発生する由来:
     →逆に、単純明解のつもりで可能動詞にさらに可能化を上乗せすると、
      「れ足す」言葉が生じてしまいます。これが要因です。
     〇通常は、可能動詞に再度の可能接辞を付加して二重可能にすることは
      ないでしょうが、念を入れたい人は、書‐け‐れ‐る、行‐け‐れ‐る、渡‐せ‐れ
      ‐る、など二重可能を許容し、発話するのが問題です。
     ★②已然仮定形:D[・/r]e・ba:の、Dには書k/書け、食べ/食べれ、も
      代入できるので、書‐け‐れ・ば、食べ‐れ‐れ・ば、のように、動作完遂に到
      達することを仮定・想定する論理は論理として成立する。
      ①已然連用:書‐け‐れ・て、行‐け‐れ・て、も辛うじて成立するでしょう。
      ①已然連用:?食べ‐れ‐れ・て、?見‐れ‐れ・て、成立可否は割れそうです。
      ③已然命令形:D[・/r]e【・yo】/【e・y】o:?書けれ!、?書けろ!、?食べ
       れれ!、?食べれろ!、のように到達状態を動作命令するのは不可です。
      (書けろ!、食べれろ!に違和感を強く感じるのに、書けれ!、食べれれ!に
       弱くしか違和感が湧かないのは、已然「e音」の動作性が命令形に反応
       するからだと思います。違和感が弱くても命令意味が判らない。
       動作完遂のさらに完遂を命令されても動けないでしょう)
     
     36.可能動詞に命令形はありません
     →以上を要約すると、「れ足す」・多重可能を防ぐ方法はあります。
     ★可能動詞の已然形:D[・/r]e[r]e~:書けれ、食べれれ、行けれ、来れ
      れ、読めれ、見れれ、渡せれ、などは「可能動作の達成状態」を想定した
      描写や仮定表現に使えるが、動作命令形としては意味不可解となる。
     →・可能動詞に命令形はない、と定義する。(重要です)
     →・可能動詞の已然形を独立動詞化する際に、已然接辞:e、を残さないで
      :D[・/r]e[r]【e・[r]u】ダメ→D[・/r]e[r]【e→】u、のように、終止形
      へ戻ること(元の可能動詞に戻る)が最良の選択です。
      (已然形の動作完遂力を残したまま独立動詞化すると際限なく多重可能
      動詞が生成できてしまうから、ここは厳しく峻別すべきです)
     →・可能動詞の已然仮定形:D[・/r]e[r]e[+]ba:書ければ、読めれば、
      行ければ、来れれば、見れれば、食べれれば、と使い勝手よく発話します
      が、これを独立化する際に、已然接辞:e、を残さないで、
     :D[・/r]e[r]【e・[+]ba=e・[r]u】ダメ→D[・/r]e[r]【e・[+]ba→u】
      のように、終止形へ戻る(元の可能動詞に戻る)のが最良の選択です。
      (已然形の動作完遂力を残したまま独立動詞化すると際限なく多重可能
      動詞が生成できてしまうから、ここは厳しく峻別すべきです)
(つづく)

態文法:動詞活用の歴史に真価を活かす3

態文法:動詞活用の歴史に真価を活かす3
2018/12/14(金)

-日常の言語活動の中で、態派生に関して「ら抜き」言葉や、「さ入れ」、「れ足す」
 言葉などが問題になって久しいようです。
〇これら態派生の問題ですから、「音素戻し検証法」で接辞構成を調べれば、解決
 するはずです。 それでも長い間にわたり完全解決していないのは「かな解釈」
 に頼り、「音素解釈」の役割りを研究して来なかったからだと思う。
★3つの「言葉問題」に関連する共通の態接辞は可能態:e[r]u、です。
・可能態:e[r]uは已然連用形の意味も含めて、「完遂・互律」動作を意味します。
 完全解決しないのは、国語学、学校文法での可能態解釈(完遂・互律)が確立しな
 いということが根本的な原因で、負の連鎖が続いています。
     
     32.「さ入れ」言葉を「音素戻し法」で検証
-例:「さ入れ」:聴衆の前で代読するとき:①「読‐ま‐さ‐せ・て・いただきます」と言
 う例や、①形式を②「読‐ま・さ‐せ・て」形式で解釈するらしい国語学者もあり、
 (「読‐ま」?を「させて」の意味合い?)それが一層丁寧な表現だ、と学者が対談で
 語る市販本がある。(①、②とも変則的な二段階強制の表現だとの示唆もない)
〇代読程度の代行申告なら一段階使役の③「読‐ま‐せ・て・いただきます」が判り
 やすい。(読ませて:と已然連用の形態にするのが判りやすさの要因です)
     
     ・国語学、学校文法は代読状況を斟酌したうえ、直接①、②、③を比較・議
      論することは少ないから、基本説明である③形式が解釈の基礎となる。
     -②解釈は、まったくの論理破綻だが、検討を進めるために順に「音素戻
      し検証」をしておこう。
     ①「読‐ま‐さ‐せ・て・」→読m‐as‐【as】‐e・te・→強制+強制可能の態形態で
      二段階強制、強制+使役の形態であることが判ります。
      ★やはり「さ入れ言葉」も「さ」入れではなく、「as」入れ言葉なのです。
     (★「ら抜き言葉」が実際は「ar」抜き言葉であるのと同根の錯誤名称)
     (★ついでに「れ足す言葉」も実際は「e[r]足す」の錯誤名称でしょう)
     ②「読‐ま・さ‐せ・て」→読m‐a・sas‐e・te・→「よま?」を「させて」とは、何を
      させてほしいのか? 不完全な表現です。
      (未然形:読ま→yom[a/・]は、nai、mai、zu、など打消接辞に密結合
      する形態であり、意味が自立しない「読ま」に疎結合で[+]させる、を並
      べても不完全です)
     ③「読‐ま‐せ・て・」→読m‐as‐e・te・→強制已然・可能=使役態と同一形態
      です。 代読でも自作読みでも「読ませ・て・いただく」でほぼ通用するで
      しょう。「読ませ」:強制已然連用形=使役連用形が律他互律の意味を持
      つので、読ます主体と読まされる客体との相互律動作の表現と把握でき
      、「読ませ」・て・「いただく」なら客体立場からの表現だと確定します。
     ④念のため、正確な二段階の使役形態を調べておこう。
      「読‐ま‐せ‐さ‐せ・て」→読m‐as‐es‐as‐e・te・→yom[・/s]as[]e[・/s]
      as[]e[i/・]te、と「音素戻し」で順当に態接辞が切り出せるし、発言の
      意図が判りやすい表現だと言えるでしょう。
     ・つまり、「読ませ」は発令者と受命者の互律の立場を表し、「させ・て」が
      聴衆に向けた「読む」ことの許容を要請する発言に相当するからです。
     〇以上のように「音素戻し法」を用いることで、態の接辞が正確に復元
      できることと、「かな書きの錯誤名称」が起きる理由も「かな書き」の
      宿命なのだと判っていただけたでしょうか。
     
     〇集約すると、已然(完遂・互律)概念を込めての表現を進めて、
     ③「読‐ま‐せ・て・」→読m‐as‐e・te・が、日常の広い場面で適応すると想定
      します。 ②「読ま?させて」は論外、丁寧さが云々どころではない。
     ・①「読‐ま‐さ‐せ・て」は、二段階強制(強制+使役)の表現が必須な場面で
      許容限ぎりぎりでしょう。その場合、登場する発令者・受命者・要請者・
      対象者・許可者の役割・位置づけが明確に判断できるように補語を立て
      て説明するのが望ましい。(もちろん④「読ませさせて」が最適ですが)
     ・二段階強制を表現したい生活場面に、「子供が高熱なので、今日、学校を
      (子を)休まさせてください」と母親が学校へ連絡する、などがある。
      母親が子を休ますことを学校へ許可するように要請してるのだから、二
      段強制の表現として聞手に誤解は起きないだろう。
     ★今後は、③、④「読ませ(させ)て」、「休ませ(させ)て」のような、已然連
      用形の活用を徹底させること、(二段階の)使役の互律概念がしっかりと
      生活場面で安定して広がる方向にしたいですね。
     
     33.再度、已然連用形、可能態の真価を見る
     ③「読‐ま‐せ・て・」、「休‐ま‐せ・て・」「書‐か‐せ・て・」「食べ‐さ‐せ・て・」は
      強制態の已然連用形ですが、同時に使役態の連用形とも解釈できます。
     ・態派生の一般形式:D[・/s]as[]e[r]u→D[・/s]as[]e[i/・]te、で
      已然形式:D[・/s]as[]eは律他(対他を含めた)完遂・互律の意味です。
     ★已然:既に然るの原意から、動作の成就・完遂に尽力する事態に進ん
      でいる表現であり、また、動作事象の完遂と同時に対他・対物・周囲との
      順調な相互事態の進行(互律動作と定義)を意味しています。
     ・能動系動詞の已然形:D[・/r]e[r]u:、D[・/r]e[i/・]te:なら、自律動
      作での完遂・互律の含意がある。
     例:文字が/を書ける、納豆が/を食べれる、手紙が/を渡せて、20kmが
      /を歩けて、など互律動作を表す已然形だから、「が/を」主格・対格両立
      ができるのです。
     (受動態も果互律動作:納豆が/を食べられる、20kmが/を歩かれる)
     ・強制系已然=使役系動詞なら律他動作:主体は発令指示し、受命者に自
      律動作を行わせる。動作意図が主→客へ方向性が強いので、已然形でも
      客体主格の文は独立せずに、「読ませて・いただく」のやり・もらい授受
      表現が必要となります。(が、已然「読ませて」は客体動作も含意する)
     〇強制・使役の発令者が、させる:s[]as[]e[r]u、受命者が、させられる:
      s[]as[]e[r]ar[]e[r]u(受身)だけでなく、指示に適合する自律動作:
      なされる:n[]as[]【ar[]】e[r]u(結果以前努力中→)なせる:n[]as[]e
      [r]u、という2つの動作(させる・なせる)が同時進行するとの観察が必
      要です。
     〇強制の已然形以外:「さす、さして」の意味合いは律他動作に留まるから
      指示しただけで終ってしまい、客体に対し「なさす、なす、なせる」まで
      到達しない感覚になる。
     〇松下電器松下幸之助の経営者語録に:「任せて任すな」あり、題意に共感
      します。「任せて続けよ、しかし任しっぱなしではダメ」と解釈する。
      「任せる」は完遂を目指した互律動作だから、適宜の状況確認や相互助言
      、介助を行うべきだ、という動詞活用の核心を見抜いた表題だと思う。
      (已然・可能の:e、e[r]uは、動作完遂を表す意味が根源にあります)
(つづく)

態文法:動詞活用の歴史に真価を活かす2

態文法:動詞活用の歴史に真価を活かす2
2018/12/10(月)
 辞書引きのための「かな書き見出し語」の改善表記法を続けて検討します。
〇前回、新しい見出し語表記法で改善される点と、未解決の問題を述べたので、
 その問題:母音語頭の接辞は、語幹に密に膠着するので、「かな書き」では接辞形
 態素を判別しにくいこと、に対する解決策を検討しよう。
-態の接辞はすべて、母音語頭の接辞:ar[]u、as[]u、e[r]u、の組合せであり、
 態派生=動詞語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]接辞語幹
 ・・・となり、連結音節はa‐sa‐re‐[r]uのように接辞真ん中でかな書き分断され
 ます。 接辞形態を切出しするには「かな書き」を抜け出す勇気が必要です。
     
     31.態接辞の辞書見出し語を工夫する
     →態派生の単語は通常では(原形態以外は)見出し語にならない。
      辞書付録の動詞・助動詞活用表、一覧表形式で説明や表記されるので、
      ローマ字表記の一般形式などで一工夫して記載してほしい。
     ・能動系:D[・/r](u、e[r]u、ar[]u、ar[]e[r]u):(一般形式の表記)
      D’s:書‐く、  書‐ける、 書‐かる、  書‐かれる、
      D’b:食べ‐る、食べ‐れる、食べ‐らる、食べ‐られる。
     (表記:e[r]u=え‐る、ar[]u=あ‐る、ar[]e[r]u=あ‐れ‐る、に対しては、
      通常は効果もないので簡略のためハイフンを省略する。)
     ・強制系:D[・/s](as[](u、e[r]u、ar[]u、ar[]e[r]u)):(一般形式)
      D’s:書‐かす、  書‐かせる、  書‐かさる、  書‐かされる
      D’b:食べ‐さす、食べ‐させる、食べ‐ささる、食べ‐さされる。
      (表記:as[]u=あ‐す、as[]e[r]u=あ‐せ‐る、as[]ar[]u=あ‐さ‐る、
      as[]ar[]e[r]u=あ‐さ‐れ‐る、に対しては、効果もないので簡略のため
      ハイフンを省略する)
     ・使役系:D[・/s](as[](u、e[r]u、ar[]u、ar[]e[r]u)):(一般形式)
      D’s:書‐かせる、  書‐かせれる、 書‐かせらる、  書‐かせられる、
      D’b:食べ‐させる、食べ‐させれる、食べ‐させらる、食べ‐させられる。
      (表記:as[]e[r]u=あ‐せ‐る、as[]e[r]e[r]u=あ‐せ‐れ‐る、as[]e[r]
      ar[]u=あ‐せ‐ら‐る、as[]e[r]ar[]e[r]u=あ‐せ‐ら‐れ‐る、に対しては
      、効果もないので簡略のためハイフンを省略する)
     〇態の三系四態を「かなつづり」したが、まさに「かな音節」では接辞分断
      が文字づらに現れるから、原形切出しや原形想起が困難なことがはっき
      り実感できます。
     
     ★残念ながら、態の接辞に対しては「ハイフン」や「中黒・点」による「暫定
      見出し法」の即効性がなかった。(態接辞を異形態扱いせずに示せるが)
     →そこで、合せ技を工夫しました。ローマ字嫌いの方にも勧めたい「音素
      戻し検証法」を考案しました。(「見出し法」と「音素戻し法」の合せ技)
     〇態接辞の構成に少しでも疑問が湧いたら試してほしい方法です。
     例:一番長めの態派生を検証してみましょう。
     ・使役受動態:書‐かせられる→「見出し法」表記:書‐か‐せ‐ら‐れ‐る、に戻り
      ハイフン付きの音節を検証操作します。
     ①ハイフン直後の音節(子音・母音の2音素)の第一音素(子音音素)をハイ
      フン前へ移動させます。(もし音節が1音素ならば移動させない)
     ②第二音素(母音音素)はそのままにして、次のハイフン直後の第一音素
      をハイフン前へ移動させます。(前の第二音素と次の第一音素が並びま
      す)
     ③最後のハイフン後まで①、②を繰り返します。
     ・すると、書k‐as‐er‐ar‐er‐u、と、態接辞の「音素」表記が得られます。
     ・同様に、食べ‐さ‐せ‐ら‐れ‐る:→食べs‐as‐er‐ar‐er‐u、態接辞の連結を
      確実に目で見られます。
      (先頭のk‐、s‐は、語幹末尾や[挿入音素:連結子音]の1音素です)
     〇態接辞:「音素:‐bs‐」が「かな音節:*b‐s*」へ分断表記されたのを、この
      検証法で「音素:‐bs‐」に戻す操作をしたのです。
      (この検証法を「態音素戻し検証法」とでも名付けておこう)
     ★もちろん、「態音素戻し検証法」は、少し複雑な選択条件を追加すれば
      汎用的な「音素戻し検証法」へ移行できる。
      つまり、「態音素戻し検証法」の①に次の2項の条件を追加する。
     〇子音語頭の接辞:ない、まい、た・て/だ・で形複合連結、などの連結点
      の前後には、中黒・点をつけ、また・点直後の音節は移動させないこと、
     〇主に「イ音便」の音節が、1音素に短縮する場合、i=I、促音=Q、撥音=N
      記号に変換するが、ハイフン前に移動させない。
     ★「汎用型音素戻し検証法」の例題
     例:正然連用形:D[i/・]te・ar[]u:渡‐し・て・あ‐る→渡s‐i・te・ar‐u、
      書‐い・て・あ‐っ・た→書‐I・te・a‐Q・ta、(イ音便:I、Q、)
      読‐ん・で・い‐れ・ば→読‐N・de・ir‐e・ba、(撥音便:N)
      立‐っ・て‐る→立‐Q・ter‐u、(促音便:Q。てる:助動詞扱い)
     例:已然連用形:D[・/r]e[・]te:書‐け・て→書k‐e・te、
      食べ‐れ・て→食べr‐e・te、と「音素戻し」で検証できます。
      
-「音素戻し検証法」を記述し始めた部分からあとは、ローマ字嫌いの方にも読ん
 でいただくために「音素」と表現していますが、日本語に「かな」と「音素」は表裏
 一体、2つで1つ、なのです。この基本原則をないがしろにすると、接辞の個々の
 意味を正確に解釈できなくなります。
     
(つづく)

態文法:動詞活用の歴史に真価を活かす1

態文法:動詞活用の歴史に真価を活かす1
2018/12/08(土)
 音素解析の効用・真価を活かす事項に記述したい項目として、動詞派生の歴史
的変遷の意味を現代に引き当ててみたい。 つまり、面倒な「ローマ字解析」をし
て獲得する新しい動詞文法が、「かな解析」で足らない部分を如何にして補うこ
とができるのか、具体方策を考えてみたい。
〇浅学非才の者が為す考え言なので、歴史に対する実証の伴わない仮説です。
 概略的に要点を述べる形式で提起します。

     29.動詞語幹[挿入音素]=活用形に、等価扱いとする
     ・動詞派生=動詞語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]接辞語幹・・・
      の構造で一般化できる。
     ・さらに、動詞語幹=D、接辞語幹=S、と一般化して表記すると、
      動詞派生=D[挿入音素]S[挿入音素]S[挿入音素]S・・・となる。
     ・[挿入音素]=[連結母音/無音]または[無音/連結子音]の構造で
      Dの末尾音(子音/母音)と、Sの語頭音(母音/子音)の連結に合わせて
      連結母音を挿入か連結子音を挿入か、または無音で直結かを選択できる
      ことを示したもの。
      (次項で子音/母音の組み合せを一般形式化して示す)
     ・この[挿入音素]の一般形式化の工夫により、動詞の四段活用/一段活用
      を一行で表現できるようになる。
     例:規則動詞活用表:一般形式表記(未然・連用・終止・連体・已然・命令)
      D([a/・]bS、[i/・]bS、[・/r]u、[・/r]u、[・/r]e、[・/r]e/o)、
     (注:bS=子音語頭の接辞、またu、e、e【yo】/【ey】o=母音語頭の接辞)
     
     ★ローマ字解析による動詞活用の一般形式化の効果・真価は、あるのか、
      ないのか。真価を活かすか、無視するか、学習法の選択に懸ります。
     ①動詞派生=(動詞語幹[挿入音素]接辞語幹)→3項一体化の学習法
      (かな文法より後退:助動詞が目立たない文法学習法)
     ②動詞派生=動詞語幹([挿入音素]接辞語幹)→動詞語幹優先?の学習法
      ([挿入音素]を接辞側に寄せる:接辞の異形態を認めるような概念)
     ③動詞派生=(動詞語幹[挿入音素])接辞語幹→接辞語幹優先の学習法
      (接辞を同一形態で示せる。動詞語幹[挿入音素]の2項が「かな文法」で
      の「活用形:未然形:D[a/・]、連用形:D[i/・]、終止形:D[・/r]、、、」の
      位置づけに相当する)
     ☆真価を活かすには、③の「動詞語幹[挿入音素]=活用形」扱いの学習法
      が優れてると提起したい。
     例:未然形:D[a/・]に接続できる接辞は、ない:na[k0]i、まい:mai、
      ず:zu、などの子音語頭の打消接辞、打消推量接辞である。
     ・なお、将然形:D[・/y]ou(書こう、食べよう)の意向・推量・勧奨接辞:
      おう:ouは、古くは未然形:D[a/・]mu(書かむ、食べむ)だったが、
      母音語頭の接辞に→au→ouへ変化したので、挿入音素[・/y]と連結
      する将然形になった。

     30.辞書見出し語の「新しいかな書き形式」
     ★当態文法では、活用形の構成を「動詞語幹[挿入音素]」と考えようと提
      起する。 かな書きの辞書見出し語では、ハイフンと・点を使い分ける。
     ・未然形:D[a/・]nai:書‐か・ない、食べ・ない、(接辞:ない、が明白)
     ・将然形:D[・/y]ou:書‐こう、食べ‐よう、 (接辞:おう、が密着する)
     ・正然連用形:D[i/・]te:書‐い・て、食べ・て、
     ・事然終止形:D[・/r]u:書‐く、食べ‐る、
     ・事然連体形:D[・/r]u:書‐く・、食べ‐る・、
     ・已然連用形:D[・/r]e[・]te:書‐け・て、食べ‐れ・て、
     ・已然仮定形:D[・/r]e[+]ba:書‐け・ば、食べ‐れ・ば、
     ・已然命令形:D[・/r]e【yo】/【ey】o:書‐け、食べ‐ろ、
     〇語幹と挿入音素の密結合や接辞内の密結合をハイフン区切りで示す。
     〇連結内の接辞が緩やかな疎結合ならば、中黒:・点区切りで明示する。
      こうすれば、かな書辞典の新形式も比較的導入しやすく、貴重な文献財
      産との違和感も少ないと思う。

     →★「かな書き見出し語」への変換方法を一般形式で詳細に検討します。
     〇設定条件:動詞語幹:D=子音語幹:D’s/母音語幹:D’b、
     ・[挿入音素]=連結母音:[b]/連結子音:[s]、無音:[]、
     ・接辞:S=子音語頭:sS’/母音語頭:bS’、と表記して考察する。
     ★動詞派生の一般形式:「かな書き見出し語」の法則
     ・子音語頭の接辞が子音語末動詞に連結:D’s[b]sS’→:D’‐s[b]・sS’、
     ・子音語頭の接辞が母音語末動詞に連結:D’b[]sS’→:D’b・sS’、と変換
      して見出し語を表現する。
     ・母音語頭の接辞が子音語末動詞に連結:D’s[]bS’→:D’‐sbS’、
     ・母音語頭の接辞が母音語末動詞に連結:D’b[s]bS’→:D’b‐[s]bS’、
      と変換して見出し語を表現する。
     〇かな書き見出し語:「暫定見出し法」の要点
     ①子音末動詞は子音末音素の前にハイフンを入れる。
     ②母音末動詞は(語幹の)母音末音素の後にハイフンを入れる。
     ③派生連結内で既知の接辞や助動詞が疎結合するなら、中黒:・点を入れ
      て結合する。(例:~・て・あ‐る、~・らしい:見出し語より長いが)
     〇「暫定見出し法」の利点:
      ・母音語幹動詞では語幹が正確に示せる。
      ・子音語幹動詞はハイフン後の1音素を繰り込めば正確な語幹を示唆で
       きる。
      ・子音語頭の接辞は形態を正確に示唆できる。
     ●「暫定見出し法」の欠点:
      ・母音語頭の接辞は、[挿入音素:連結子音]や語幹子音末と密結合して、
       接辞分断となるので、「かな書き」では示唆できない。
      ・態の接辞がまさに母音語頭の接辞であり、一番の「かな悲劇」を被る。
      ・態接辞を異形態扱いにしては義にもとる、とはおおげさだが、さらに
       接辞分断を回避する工夫が必要になります。
      〇やはり、ローマ字への「音素戻し方法」を検討しよう。
(つづく)

態文法:ら抜き擁護に真価を活かす

態文法:ら抜き擁護に真価を活かす
2018/11/30(金)
      
〇いわゆる「ら抜き言葉」は論理的に必然の動詞派生ですから、動作を完遂でき
 ると表現したいときに心おきなく使いましょう。 なぜなら、
-「られる」の「ら抜き」で「れる」だという見立ての概念自体が間違いで、
〇「rareru」の「r【ar】eru」=【ar】抜き=結果抜き=結果到達前の完遂尽力を表現
 する言葉です。 (書かれる:kak[]【ar[]】e[r]u→kak[]e[r]u:書ける)
     
     28.「ら抜き」偏見の氷解に真価を活かす
     〇動作可能態:D[・/r]e[r]u→書ける、食べれる:動作を完遂するの意。
     〇動作受動態:D[・/r]ar[]e[r]u→書かれる、食べられる:動作結果の
      事象に対応する事態描写の意。 動作主の能動的事態であれば、実績と
      しての可能・習慣動作を意味する。
      (関与する登場人・物の誰が構文主体になるかにより結果の意味合いが
      異なる。客体が構文主体であれば、受身を意味することになる)
     ・同じ可能でも、両者の意味(片や動作、片や実績・習慣)は異なるのです。
      両者とも一般形式で矛盾なく文法則化できる論理的な態の形態です。
     ・両者:動作可能・実績可能は併存でき、意味の差による使い分けをする必
      要がありますが、文化庁の最近の国語世論調査を見ると各世代とも大半
      が使い分けを実行できているように思えます。
     ★接辞構造も「ら抜き」ではなく、動作受動態:D[・/r]【ar[]】e[r]uの
      中間にある結果接辞:ar[]を抜いた→動作完遂を言う構造なのです。
     〇不規則動詞:来る、する、の態派生は、終止形:k[]u[r]、s[]u[r]、では
      なく、ko[r]、s[]、を基本形に据えると判りやすい。
     ・来る:-ko[・/r]e[r]u-ko[・/r]ar[]u-ko[・/r]ar[]e[r]u、
     ・来さす:ko[・/s]as[]u-ko[・/s]as[]e[r]u-ko[・/s]as[]ar[]u
      -ko[・/s]as[]ar[]e[r]u、という一般形式表記に合わせた形態で通用
      する。
     ・する:-s[・/r]e[r]u(文語的)-s[・/r]ar[]u-s[・/r]ar[]e[r]u、
     ・さす:s[・/s]as[]u-s[・/s]as[]e[r]u-s[・/s]as[]ar[]u
      -s[・/s]as[]ar[]e[r]u、という一般形式表記に合わせた形態で通用
      する。(使役態:させる:での利用が多いが、強制系:さす:も使える)
     ★不規則動詞:来る、する、の已然・連用形と已然・仮定形を比べると、
     ・已然連用:これて:ko[r]e[i/・]te、→ko[r]e[r]u:来れる:独立化。
     ・已然仮定:くれば:k[]u[r]e[+]ba、(仮定独立:くれる、ダメ)
     ・已然連用:?すれて、?せて:s【[]u[r]】e[i/・]te、→s[]e[r]u:せる?
     ・已然仮定:すれば、せば:s【[]u[r]】e[+]ba(仮定独立:すれる、ダメ)
     〇来る→来れて→来れる:は已然連用形から独立動詞化して「来れる」の
      可能表現になった。(已然:既に然る、が長い世代を経て独立化した)
      する→して(正然連用)→?せて(?已然連用が生まれなかった)。
      (するの可能表現は、「せる:わずかに」「できる:多く」が使われる)
     
-国語学・学校文法は問題の認識自体に「かな欠陥」を持ち、「ら抜き」的な解釈に
 陥っています。
 (国語学や学校文法では、可能の意味で「書ける」を認めるが、「食べれる」を認め
 ないで「食べられる」を勧める。なぜか理由を丁寧に説明することがない)
-おそらく、国語学では「書ける」の可能動詞(可能態とも説明できていない)とし
 ての説明も満足にできてないが、文献実例が「読む・る、知る・る」などからの発
 展として辿れるから、可能動詞を限定付きで認めただけかもしれない。
-(未然形に接続でない助動詞:e[r]uを国語学の論理では説明できないらしい)
     
     ★本来、態接辞は「動作事象:事象然→事然:D[・/r]、D[・/s]」に対する
      対応・反応をする「事態描写」の機能接辞だから、事然形(終止形):語幹
      に接続する助動詞(機能接辞)なのです。
     ・また、同時に可能接辞:e[r]u→已然・連用形:D[・/r]e、D[・/s]e、が
      独立動詞化の[r]uを後続させた形態と合致します。 已然・連用の独立
      動詞化で生まれる意味も「動作が(可能なら)完遂する事象、事態」と設定
      できるだろう。
     
〇「ら抜き言葉」は論理的に必然の動詞派生ですから、動作を完遂できると表現
 したいときに心おきなく使いましょう。 ただし、その可能表現の意味すること
 は、「動作を完遂できると言う」ことです。(完遂には本来たくさんの条件がある
 はずで、聞き手は話を聞きながら、完遂条件の折り合いを暗算で見積ります)
・可能表現ばかり使っていると、「それならここで、やって見せろ」、「条件が違っ
 たら不可能にならんのか?」とか、動作のやり方に議論が起きることも想定する
 べきです。
・「書けた」、「食べれた」「行けた」「来れた」「果せた」などの動作完遂完了形で語ら
 れると、動作完遂の回想場面を聞かされるような、またはもっと詳しく聞き出
 したいような感覚になります。(可能態表現が周囲との互律動作である所以で
 しょう)
・その点、受動態の可能表現は「動作結果、実績の可能、習慣動作」を語るのだから
 安定した結果状態との関係表現ができます。

態文法:音素解析の効用を今に悟る

態文法:音素解析の効用を今に悟る
2018/11/24(土)
     
 前回の23節:原動詞が古語?ならば、死語?ですか、の設問に回答します。
前回の自他交替の図を見直しながらお読みください。
     問1.自他交替の③形式:立つ-立てる、④形式:割る-割れるのように、
      なぜ、已然連用(可能・完遂)接辞:e[r]u、は、③他動詞化となったり、
      ④自動詞化となったり、と両方向の機能を持つのか?
     問2.②形式:始まる-始める、求まる-求める、など、一番多い自他交替
      形式です。 しかし、②形式:結果(ar)-可能(e[r]u)の対向関係に
      対する認識度が、世間では想像以上に低いのです。 なぜか?
     (当態文法では、②形式を「求む-求める-求まる-求まれる」のように、
      「双対環」に組入れるほどに重要視する自他交替・態派生の構造です)
-国語学、学校文法ともに問1、問2に対して明確な答えを出していないように
 思う。「立てる」が他動詞と自動詞可能の二義、「割れる」が自動詞自発と他動詞
 可能の二義を持つことを説明しても、なぜ二義が生じるのかを説明しない。
     
     24.ローマ字解析の真価を活かす
      文法解釈に音素解析:ローマ字つづりを用いるのは動詞派生の機能接辞
      を正確に切り出すためですが、切出し後の検証方法が多くの場合、旧来
      と変らないから、成果が上りません。
     〇正確な接辞切出しで効果を発揮させるには、接辞の見掛け上の多義的
      事例に惑わされずに、それらを1つに収れんさせる得る深層の共通意義
      を探求・発見することです。
     
     25.可能態の解析に真価を活かす
     〇問1の場合、D[・/r]e:基本活用枠組の「已然形」と同一形態です。
      已然形が独立動詞化して、D[・/r]e[r]uとなるのです。この意味を考
      えることが接辞:e[r]uの真の姿を捉えることになります。
     ★已然=既に然る、が独立動詞化するとは、すなわち「動作がすでに完遂
      の域に達した状態だ」ということを強く表現する意味になる。
     →接辞:e[r]uが「動作を完遂する」の意味だと感得すれば、自動詞にも他
      動詞にも連結して「動作を完遂する」=主体の可能態となり、また、動作
      が対他、対物に向かうなら、対他や対物が受ける「動作が完遂する」こと
      を意味する。
     〇つまり、「ガラスが割れる」は主体の割る動作が完遂したから描写でき
      る事象であり、自発現象ではなく物理条件に適った結果である。
      (可能態の動作原理=動作律仕方を「互律=相互に律し合う」と定義した
      のは、動作完遂には主体・客体・対象物・周囲条件の相互律が不可欠だか
      らで、動作完遂のためなら客体にさせる動作にも手助けをします)
     ・「ピアノが弾ける」→主体もピアノも音楽法則に則る動作が完遂できる
      という互律動作を意味します。
     ・「入場券を見せる」→相手に入場券を見易いように提示する、という互律
      動作を意味します。
      (自他交替⑪形式:古語:見る-見す→見せる。同様例:乗せる、着せる、
       似せる、浴びせる。相互に手助けしながらの動作が描写できます)
     ・「互律」解釈は当態文法の特徴です。
     
     26.結果態(受動態)の解析に真価を活かす
     〇問2の場合、まず、結果接辞:ar、について考察しましょう。
      (前回:結果:arと完遂:e[r]uの意味は近いが交替がある、など短い説明
      をしました)
     〇結果接辞:arは、自他交替では①形式:つかまる-つかむ、②形式:休ま
      る-休める、重なる-重ねる、などの有対自動詞に使われる。
     →接辞:ar[]uは、自他交替ではDs[・]ar[]u、態派生でD[・/r]ar[]uの
      形態で使われる。 (現代口語の受動態では:D[・/r]ar[]e[r]uの形態
      で使われる)
     ★結果接辞:arの意味は「動作(の結果)がある」です。
      文字通り「ある、有る、生る、在る」の意味です。本動詞の「ある:存在」と
      補助動詞「~てある」と分別する必要もなく、結果・結果物あり、です。
     ・当態文法では、「結果がある」→結果が(登場人・物の)事態を律する、と
      解釈します。
     ★結果態(受動態も)の動作原理=動作律仕方を「果律(受動態:果互律)」
      と定義しました。 結果事態が登場人・物の反応を律する構図です。
     〇果律とは「動作結果による事象」が関与する主体・客体・対象物・周囲条
      件に対して「働き掛け:事態への対応を迫る」をする、という意味です。
     ・主体が動作結果を言及→書かる、書かれる、食べらる、食べられる:
      (動作実績の可能、習慣)←動作結果が有る、という意味。
     ・客体が動作結果を言及→立たる、立たれる、立たさる、立たされる:
      (動作結果の受身:間接受身・直接受身)←動作結果が在る、という意味。
     ・対象物が動作結果を言及→盗まる、盗まれる、偲ばる、偲ばれる:
      (動作結果の受身:直接受身・情景受身)←動作結果がある、の意味。
     ・他者が主体へ動作結果を敬語言及→~なさる、~なされる:
      (動作結果の美称化、尊敬表現)←動作結果があらる、あられるの意。
     〇動作結果に態応する意味であるから、自動詞にも他動詞にも結果態、
      受動態の形態が通用する。
     
     27.結果態と可能態の対向性解析に真価を活かす
     〇ローマ字つづりでの音素解析で接辞:ar[]uとe[r]uの「切出し」が正確
      にできた、と上述しました。
     ・次に両接辞の深層の意味をそれぞれ「掘り起す」こともできた。
     〇次に可能態と結果態の有意差が自他交替・態の対向関係を「引き起す」
      ことを解析したい。
     ★可能態:D[・/r]e[r]u:は、「動作を完遂する、成就する」という目標・
      実行行動を表現する。 主体と対象物の相互律で未遂/完遂が決まる。
      (已然形独立動詞:D[・/r]e[r]uも同形態であり、能動性がより強い)
     ★結果態:D[・/r]ar[]u:は、「動作結果が起す事態に直面する」という
      反応行動を表現する。関与する登場人・物がすべて構文主体になれる。
     〇可能・結果ともに「動作の完遂-結果」という近似した動作相:アスペク
      トに焦点が向いているが、実行志向(能動性)-反応志向(受身・所動性)
      という対向関係があり、自他交替の対向関係であると同時に、態構造と
      しても強い対向関係を認識できるのです。
     ★「態の双対環」では、原動詞態-受動態の対向軸に直交させて、可能態-
      結果態の対向軸を追加配置した構造により、態派生を漏れなく盛り込ん
      でいます。
      (当態文法では「態の三系四態」として、能動系・強制系・使役系の三系に
      それぞれ「態の双対環」を想定する。これで態派生の総体を把握するよう
      提起しています)
     
     28.「ら抜き」偏見の氷解に真価を活かす
(つづく)

態文法:動詞古語は死語ではない

2018/11/20(火)
     
 1つの原動詞から機能接辞を連結して自動詞から他動詞を派生したり、逆に
他動詞を自動詞に転換したりすることを自他交替と言います。
・自動詞と他動詞が接辞を介して「対」構成になることを「有対」自他動詞と呼ぶ。
 「無対」動詞や「両用」動詞もあるが、日本語は「有対」が多い動詞構成になってい
 ます。
     
     22.自他交替と「態の双対環」
     〇「有対」化する機能接辞を基本概念に戻って復習しよう。
★動詞の造語派生の方法を示す概念図をご覧いただくと、
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 図では、態にも併用できる機能接辞の意味と対向関係を明示し、最下段には派
生後の動詞語幹の変化を区分けしました。
・現代口語で定着した姿で上一段、下一段活用(母音語幹)を見ると、派生後の動詞語
 幹では、已然連用:e[r]uが多くなり、正然連用:i[r]uは少ないことが一目瞭然
 です。
例:落つ⑨の自他交替形式=落ちる‐落す、立つ③交替形式=立つ‐立てる、砕く④
 交替形式=砕く‐砕ける、見る⑪交替形式=見る‐見せる、離す⑥交替形式=離す‐
 離れる、などを当てはめて見ることができます。
〇自他交替の接辞組み合せは①~⑫(省略⑫)まであり、
 自動詞化の接辞には、r、ar、i[r]u、e[r]u、r‐e[r]u、
 他動詞化の接辞には、s、as、os、e[r]u、s‐e[r]u、が用いられる。
・交替実例では、②形式:結果:ar/已然・完遂・可能:e[r]uの対向形式が
 一番多い。
-国語学、学校文法では、自他交替の概念図を教えていないので動詞派生、
 動詞活用に詳しい説明をしてない状態です。
     
     23.原動詞が古語?ならば、死語?ですか
     〇なぜ、已然連用(可能・完遂)接辞:e[r]u、は自動詞化と他動詞化と両方
      の機能持つのか?(後述:重要な共通意味から交替現象が必然に起きる)
     〇なぜか、②形式の結果:arと已然・完遂・可能:e[r]u、交替型の派生例が
      一番多いのに、インターネット上の問答例:求める‐求まる、の「求まる」
      に対する認識度が世間では想像以上に低いのです。
      (後述:結果と完遂の意味は近いが交替がある)
     〇また、「求まる」を判っても、解釈が問題。 自動詞だから、あたかも
      「解答が(自発で閃いたように)求まる」と気楽に解釈する方もいる。
     ★だが本来は、「主体が懸命に求む動作をした結果により、解答が受身結
      果として(目の前に)ある」という意味なのです。
     ・自他交替は態の交替でもあり、「態の双対環」で解釈できることもある。
     例:求む-求める-求まる-求まれる、たすく-助ける-助かる-助かれる
      抜く-抜ける-抜かる-抜かれる、休む-休める-休まる-休まれる、
      並ぶ-並べる-並ばる-並ばれる、つかむ-つかめる-つかまる-つかま
      れる、など、暗唱する修練が行われる時代はいつか来るでしょうか。
     (「抜けるな!」は脱退ダメ!、「抜かるな!」は受身的凡失がダメ!を喚起)
     ★当態文法で文語体の結果:ar、強制:as、可能:e[r]uを含めた「態の三系
      四態」を提唱する理由は日本語の動詞体系にこれらの接辞が深く浸透し
      ている構造を理解し、意味を感得することが必須だと思うからです。
      
-インターネットで「求まる」を検索すると、質問・応答が上記のように相当数あ
 るのが判った。
 質問者が通常使いの「求める」から原動詞「求む」を思い出せず、次の自動詞・結
 果態:「求まる」に辿り着けない現状は、「求む」が死語になっているということ
 なのか。 「態の双対環」練習の必要性を痛感する。
(つづく:後述分)

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