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態文法:態文法を組み上げる11

2018/02/18(日)

5-6. 受動態:果互律とは
 現代口語文法での受動、使役の形態は、一般形式の例で表記すると、
受動:D[・/r]ar[]e[r]u→D[・/r]ar・e[r]u:書かれる/食べられる、
使役:D[・/s]as[]e[r]u→D[・/s]as・e[r]u:書かせる/食べさせる、
である。 両者とも語尾側に可能態接辞:e[r]uが後続した形態であるが、
もともとの自然感覚で(已然・既然形により結果に到達を)描写すると、
受動:D[・/r]are、:書かれ、/食べられ、
使役:D[・/s]ase、:書かせ、/食べさせ、
の(一段活用の)連用形になり、文語時代にも使われていた。
(下二段活用→下一段活用)
→受動態動詞の律仕方は「果互律」と定義する。(結果接辞と可能接辞の結合)
 (使役態の律仕方は「律他互律」と定義した。使役受動態の律仕方は「律他互律・
  果互律」から短縮して「律他互果互律、または使役果互律」と定義する)
以下、受動態:果互律について説明する。(果律互律を短縮して果互律とする)

★果互律(受動態):とは、動作(の結果)が引き起す事態に登場人物がどんな相互
 反応をするかを描写する。「動作の結果がある」事態になり(果律)、主体、客体
 、対象、物理法則、事理法則、自然法則が何らかの相互反応(互律)をする。
→結果には、目の当りにする動作の収束・完遂そのものだけでなく、動作の結果
 により生じる事態、作成物などのほか、動作の結果実績、業績、また動作の習慣
 、動作の経験などを思い描いて表現する。また、動作目標として予測する結果を
 あらかじめ記述対象にすることもある。
・結果の事態に態応する表現が、受動態:果互律(受身だけではない)であり、他動
 詞だけでなく、自動詞にも受動態が当然に存在する。また、強制系・使役系動詞
 にも可能態、結果態、受動態が当然に存在する。

★言葉の現場:受動態:D[・/r]ar[・]e[r]u:の機能
実例:動作[が]あれる・在れる・有れる、の事態を表す。つまり、動作結果があり、
 それに対する妥当性(経験則、物理法則、事理法則などに反しない)があること
 を暗黙のうちに描写する。(結果に到達するのは理に適っている)
・書かれる:kak[・]ar・e[r]u:→果律:ar[・]互律:e(実績可能・表敬・受身など)
・食べられる:tabe[r]ar・e[r]u:→果律:ar[・]互律:e(実績可能・表敬・受身)
・任される:mak[・]as[・]ar・e[r]u:→律他:as[・]果律:ar[・]互律:e、
 (強制可能・表敬:強制・被強制・強制受身)
・偲ばれる:sinob[・]ar・e[r]u:→果律:ar[・]互律:e(自然発生・表敬・受身)
・降られる:hur[・]ar・e[r]u:→果律:ar[・]互律:e(自然発生・間接受身)

〇態動詞の派生(活用)は、律他:as、果律:ar、互律:e、のような機能接辞を組み
 上げて成立する。それぞれの接辞には固有の意味機能がそなわっているから、
 ときどき意識的に接辞の律仕方を味わいながら解釈するのを勧めたい。
→当ブログ態文法では、「動詞派生を一般形式で表記する方法」を採用してから
 は、[挿入音素]の助けにより接辞の異形態を考えずに、常に一形態で一つの機
 能を表せるようになった。また、逆に「同一機能に同一接辞」の一般形式が成立
 しないと見なされる動詞活用にも、この一般形式を適用してよく調べれば、「同
 一形態の流れ」が見つかることが分ってきた。
実例:可能態と命令形の派生を一般形式で検証する。
 ・可能態の一般形式:D[・/r]e[r]u:kak[・]e[r]u、tabe[r]e[r]u、
 →「書ける」、「食べれる」ともに合理的な派生形態であり、太鼓判を押せる。
  (受動態ならば、「書かれる」と「食べられる」が並行し釣り合う表現である)
 ・命令形の一般形式:D[・/r]e[y]o:kak[・]e【[y]o】、tabe[r]【e[y]】o、
 →「書け」、「食べろ」は一見すると別接辞だが、同一接辞:e[y]oからの省略が
  異なるだけなのだ、とわかる。「書けよ」、「食べれよ」と言うこともある。
  命令の一般形式:D[・/r]e[y]o:として広範囲に試せるはずだ。

・古代、上代から日本語文法の流れには、動詞の何行何段活用方式:「未然形、連用
 形、終止形、連体形、已然・仮定形、命令形」の概念と、態接辞の異形態方式:「る
 /らる」、「す/さす」、「れる/られる」、「せる/させる」の2つが深層にある。
 この2方式は常に「かな音節/ローマ字音素」解析との間で矛盾を露呈する。
→動詞と接辞の連結には、動詞語幹末の子音/母音の差と接辞語頭の子音/母音
 の差に対応した[挿入音素]を挟み込み、「音節の連続性」を確保する連結法があ
 り、原初では日本語文法の深層の深層で「動詞派生の一般形式」がなりたってい
 たのではないか、との思いがある。
〇以下、別連載に進む。

態文法:態文法を組み上げる10

2018/02/11(日)

 文語文法での態形態を一般形式の例で表記すると、
動作:D[・/r]u→書く/食べるを中心軸にして、受動・使役が、
受動:D[・/r]ar[]u→書かる/食べらる、
使役:D[・/s]as[]u→書かす/食べさす、となる。
受動と使役で挿入音素が[・/r]と[・/s]に交替し、機能接辞がar[]uとas[]u、
に交替する。まさに、「r」と「s」が律仕方の対語要素になり、動作の反対像が写り
こむ鏡像関係にあたる。
★現代口語文法での受動、使役の形態は、一般形式の例で表記すると、
受動:D[・/r]ar[]e[r]u→D[・/r]ar・e[r]u:書かれる/食べられる、
使役:D[・/s]as[]e[r]u→D[・/s]as・e[r]u:書かせる/食べさせる、となり、
両者ともに、可能態接辞:e[r]uが後続派生した形態で使われる。
→可能態派生というよりも、ar→are:已然形へ、as→ase:已然形へ、移行してか
 ら下一段化し独立語化したのであろうと推測する。
・当ブログ態文法では、結果態:D[・/r]ar[]u、強制態:D[・/s]as[]u、として
 「態の双対環」に機能を残す。両者の接辞は自他交替に機能発揮しており現代語
 の動詞でも重要な構成要素になっているからだ。

5-5. 結果態:果律とは
 ・結果態:D[・/r]ar[]u、は動作:Dが収束し、結果の出た状態が事態全体に及
 ぼす影響を表現するもの。「動作結果」が事態を律する、登場人物に引き起させ
 る対応を律する。つまり、構文の主体は、動作主体に限定せず、客体でも対象で
 も成立する。また、動作結果には、自動詞の場合も他動詞の場合も含まれる。
 (日本語の場合、自動詞にも結果態・受動態があるのは、動作結果による果律が
 自動詞の結果にも適用されるからだ)
・日本人の深層心理に基づく「自他動詞の動作結果が事態を律する」感覚、それを
 「果律」と定義した。西欧語を学習すると「受身だけ」を受動態と勘違いし始める
 ので注意が必要になる。(国語文法も受動を所動だけとする傾向がある)
→結果態:D[・/r]ar[]u、受動態:D[・/r]ar・e[r]uのごとく、動詞語幹に機能
 接辞を付加して派生するので、表現する結果状態は過去、現在、未来にわたり
 自由に想定した構文を作れる。(未来の動作結果を予測・推測する表現も可)
〇書かる、食べらる:Dがaru:→主体:Dの実績が有る(実績可能)、(尊敬表現:
 第三者発話)、客体:Dの結果が在る(直接・間接受身)、対象:Dがなされる(受身
 ・自発・習慣・常用)などの構文要素になる。

★言葉の現場:結果態接辞:ar-の由来
→文語文法の受動態:動詞未然形に助動詞「る」または「らる」が連結する、との
 説明があり、「ar」を正確に説明していない。口語文法でも同様である。
・わずかな文法学者が「ある」と解釈するが、なかでも大野晋:国語辞典の記述と
 して「ある=生まれるの意味の生る:ある」だと説明、下一段「あれる」と活用す
 るから、「生る」の適合性が高いと述べる。
→当ブログ態文法では、「ar」を→「ある=合計(生る、有る、在る、ある)」の全部を
 意味する、と広く解釈するのが最適だと勧める。
 事象・動作の結果(動作受身、成果物、自発、実績、周辺影響、など)が「ある」と
 描写する。
→動詞語幹と連結する機能接辞:ar-には、自他交替の機能と態派生の機能が
 ある。結果態の活用法は下一段(已然概念が基礎にある状態)的動詞になる。
実例:D[・/r]ar[]u
・自他交替で独立した動詞:休まる、始まる、終る、重なる←動作が完了しないで
 打消すと:休まらない、始まらない、終らない、重ならない、で表現する。
・結果態動詞:書かる、食べらる、←四段活用で打ち消すと、書からない、食べらら
 ない。これでは動作結果の打消しに感じられない。
 結果態は已然形で打消しする:書かれない、食べられない、これで結果予測に対
 する打消しに感じる。(文語時代から下二段、下一段活用だった)
 (已然状態の想定をすれば、後追いで「生る」に由来を求めずともよいのでは)
→已然形というと、係り結びを想定する風潮が強いが、動作進行形を意味する動
 作相:アスペクトの意味合いが強いのだと優先解釈するべきだ。
 係り結びをやめた現代ではなおさらのこと、思考停止に陥らず、生きた解釈を
 して「已然=動作進行中・完遂に近い」概念を呼び戻したい。

★言葉の現場:機能接辞:ar-の用法
 「ある:ar-]は、在る、有る、生る、ある、を表すが、自他交替と結果受動の態と
 両方の機能がある。
実例:D[・/r]ar[・]ar[・]u、二重派生の場合
・一次派生:D[・/r]ar[]u:休まる、掴まる、の「ar」は、自他交替の自動詞化の機
 能で、動作の目標完了状態を表す。同時に目標完了への自律努力を含む。
・二次派生:D[・/r]ar[・]ar[・]u:休まらる、掴まらる、二次目の「ar」は結果受
 動の態表現になる。
作例1:  「知らぬ間にジャケットの後すそを小さな子に掴まれていた。」
作例2:  「知らぬ間にジャケットの後すそを小さな子に掴まられていた。」
 めったに使わない表現だろうが、どちらも間違いではない。
・両文の意味の差は、原動詞:「つかむ」と「つかまる」の差であり、
 「つかむ=にぎる:自律動詞」→「つかまる=しっかり(身体が揺らがないよう)
 にぎる:自律動詞/=にぎらる:受身・果律動詞」の二通りの解釈ができるが、
 「つかむの受身の受身」=「二重受身の形態」にすると意味不明になるので、
 「つかまられる=つかまるの受身=しっかりにぎられる」と解釈する。
→「同一態機能の二段重ね」には各種あり得るが、「可能+可能」、「結果+結果」、
 「受動+受動」など基本的に意味不明になる。 ただ、強制系、使役系では律他動
 作性が強いのでいくぶん様相が違っている。
 (次回、受動態・果互律で余力があれば検証する)

態文法:態文法を組み上げる9

2018/02/04(日)

5-3. 能動系四態の律仕方を検証する:
 能動系での互律、果律、果互律を解説する。(強制系、使役系にも通じる)
①能動態:D[・/r]u:自律←自らの意図、意思で動作する。
②可能態:D[・/r]e[r]u:互律←対自・他・物に対し合理的動作を成し遂げる。
③結果態:D[・/r]ar[]u:果律←事象の(収束)結果が事態を律する状態を表す。
④受動態:D[・/r]ar[]e[r]u:果互律←事象結果に対して合理的態応を表現。
→互律、果律、果互律の言葉は新造語、新定義ですから、詳しく説明したい。
 ただ、動詞を一般形式で表記し、一般形式で動詞の意味を考えることに慣れて
 いない方には少し難解かもしれない。しんぱいです。

5-4. 可能態:互律とは
 ・可能態は、原形態動作が進展し、成就する局面になることを表す。(已然状態)
 ・動作主体の動作と対物・対人の動作が互に合理法則に則って成就する局面で
  あることを表す。(已然状態、自他交替、自発交替を結果的に起す)
→可能態は原形態の進展・已然状態を共通に内包するから、主体(と対象:自然界
 とか)が合理的な相互運動量の法則に則れば成し遂げる動作状態となる。
実例:可能態:D[・/r]e[r]u:可能と自他交替、自発交替へと多義になる例
 ・立つ→立てる:可能/他動詞交替:幼児が立てる/看板を立てる。
 ・割る→割れる:可能/自発交替:厚板を割れる/氷が割れる。
 ・流る→流れる:已然(態は替らないが、合理的な動作様態を想定できる)
実例:可能態:D[・/r]e[r]u:書ける、話せる、休める、食べれる、考えれる、。
 ・彼は字が書ける、英語が話せる、仕事が休める:字形や英語の発音が正しい法
  則に従い、また仕事の段取りに無理がないので、それぞれ動作を成し遂げる。
 ・彼は納豆が食べれる:互いの嗜好、嗜好性能に従い動作を成し遂げる。
 ・回りがうるさくて彼は宿題が考えれなかった:場所が不適当で動作に取りか
  かれなかった。(当然、考えらるに到達しないから、動作結果(成果)がない)
→互律:自動詞動作であっても「主体の動作」と「あるべき基本の動作様態」との相
 互関係が合理的か/不合理かはだれでも判定できる。これも互律という。
 ・他動詞、強制・使役では、2者/3者間の相互関係での合理/不合理に関わる。

★言葉の現場:「ら抜き言葉」という概念自体が間違い
→「見れる、来れる、食べれる」なども、已然形態からの必然の発展だから正当な
 可能態として認める必要がある。「ら抜き言葉」という概念自体が間違いだ。
・可能態の形態は:D[・/r]e[r]u、受動態の形態は:D[・/r]ar[]e[r]u、だから
 「ar[]抜き言葉」が可能態であり、一般形式で示すごとく動詞語幹:Dは子音末
 でも母音末でも両方で成立する態動詞だ。
・「ar抜き」の可能態は、已然概念を内包するから、「書ける、来れる、思える、知れ
 る、考えれる、言える」など、動作の進展に密着した描写であり、過去形の描写
 であっても、その時点の動作を回想するのである。つまり動作に密着した描写
 であり、可能態の意味は「ar抜き=結果抜き」の「結果に到達前の可能中の動作
 、またはその状態」を描写するものだ。
(受動態の肝心かなめは、「ar[]付き」の結果状態を明確に描写することにある)
・テレビ放送では取材発言を簡易に文字列化して画面に載せる際、間違った概念
 のまま「ら抜き言葉」を目の敵にして受動態言葉に直して載せるという見苦し
 い不合理作業を続けている。
(文字変換プログラムが現代文法則の不合理を見逃すから、動作に密着した描写
口調を台無しにしている)
→受動態の可能は、動作の結果(成果、受け身、実績)を元にした表現だから、可能
 態とは意味が違う。「ar抜き」を排除せず、「可能中:arなし/結果済:arつき」を
 確実に区別して使うべきである。
・まさに「可能態:互律/受動態:果互律」との定義を広めたい。
 一つ一つの機能接辞には独自の意味機能があるのだから、接辞の有る/無しを
 正確に認識し感じとれるように備えておきたい。

★言葉の現場:可能態・互律をどうしたら感じるか
→互律という概念にたどり着いた経緯を手短に記述する。
・D[・/r]e[r]uの形態のなかで、次の単語類の意味を思考して発見した。
例:見る→見す→見せる/着る→着す→着せる/乗る→乗す→乗せる/寝る→
 寝す→寝せる/似る→似す→似せる、(寄る→寄す→寄せる)、など、共通する機
 能接辞が共通に意味することは何か。
・D[・/r]u:見る/着る/乗る/寝る/似る/寄る:自律動詞。
・D[・/s]u:見す/着す/乗す/寝す/似す/寄す:対他自律?軽い律他?(古語)
・D[・/s]e[r]u:見せる/着せる/乗せる/寝せる/似せる/寄せる:互律だ。
〇D[・/s]u:見す/着す、、の古語時代も下二段で活用し、D[・/s]e-:見せ/
 着せの形態は使われたから、下一段化のD[・/s]e[r]u:見せる/着せる、に
 移行するのも自然だったろう。(文語の已然形がなくなったのではなく、一段化
 して新しい動詞類型として独立したのだと言える)
・上記3種類の語形は、接辞が異なるから意味機能にも違いがあるはずだ、と思考
 する。検証の方法として、各接辞語から受ける語感を頼りに「登場人物」を想像
 すると、
 D[・/r]u:動作者+対象、D[・/s]u:注目者?+相手動作者?+対象、
 D[・/s]e[r]u:上位者(熟達者)+相手(受け)動作者+対象、のような情景が
 見える。
→そこで、互律とは、
・D[・/s]e[r]u:見せる/着せる、→熟達者が相手方を手助けして対象物への動
 作を加える。お互に動作を補完しながら成し遂げる、つまりこれを互律と定義
 したのだ。 相手方が手助け不要になれば、自立して自分主体で、
・D[・/r]e[r]u:見れる/着れる、→未熟者?が自律動作で対象物への動作を成
 し遂げる。未熟者も対象物もお互に必要な作法・法則に則った事態を成し遂げ
 たから可能と言えること。これを互律と定義したのだ。やはり、世間の法則、
 物理法則、事理法則に違反せず遵守してこその可能態であるはずだからだ。
(単に自動詞、他動詞の差異でなく、成し遂げる動作に「できる」と太鼓判を押せ
るには、何らかの法則に合致している必要がある)
★一般形式の利点は、D[・/s]e[r]u:と、D[・/r]e[r]u:を上記のように自然の
 流れで説明できる。ところが、子音末動詞の場合では、D[・]e[r]u:の形態一つ
 しか派生できない。 書ける/読める/行ける/打てる、に対向して探すと、
・強制可能態・使役態:D[・/s]as[]e[r]u:書かせる/読ませる/行かせる/打た
 せる、が、D[・/s]e[r]u:に近くなるが同一ではない。(見せる/見させる、で
 少しばかり意味の差があるように)
 ちなみに、強制可能態、使役態の律仕方をともに「律他互律」と定義した。

→最後に別の形態の互律にも触れておこう。
・D[・/y]ou:置こう/書こう/見よう/食べよう:意思、推量の意味のほかに、
 呼びかけ・勧奨・誘導など対他の動作を誘導する意味の場合は、互律的用法と見
 なせる。勧奨する以上は互律として動いてほしい。
〇だが、命令形の場合、
・D[・/r]e【[・/y]o】:置け【よ】/書け【よ】、命令形:互律でない。
・D[・/r]【e[・/y]】o:見れよ→見ろ/食べれよ→食べろ、命令形:互律でない。
(命令形も書きなさい、食べよ、食べなさいの連用混在が「已然形」応用になる。
 ただし、書け/食べろの命令形は公式的には使いにくい)
命令形は相手の自律を認めないから互律ではないと感じる。

態文法:態文法を組み上げる8

2018/01/29(月)

5. 態動詞の「動作の律し方:律仕方」とは:
 事象や事態が起きるとき、どんな要因、法則に従って動作が為されるのか。
動詞派生、動詞活用による動作表現全般にわたり、動詞語幹に付加した機能接辞
や助動詞の意味により「動作の律仕方」が決るのである、と考える。
・つまり、一つの態機能接辞を付加すれば「~態」となり、「~律」も付加される。
 2、3の実例(動詞派生の一般形式)で説明すると、
・能動態:D[・/r]u=自律動作(主体の意思、意図で動作する)、
・可能態:D[・/r]e[r]u=互律動作(自律動作を摂理に従い成し遂げる。主体と対
 象がお互に自然法則に則った動作を為す状態を表現する)
・使役態:D[・/s]as[・]e[r]u=律他・互律動作(主体の「意図を他者に命じ」て、
 他者の自律動作としてやらせる。相手を手助け・介助することも含む)
★強制、使役での「-as-:律他」は、「動作主体の自律命令と相手・被命令者の服従
 自律」の2つの律が複合された概念を表す。(命令・服従の表現は大げさだが)
→「律他」が言葉として国語文法や国語辞典の意識に上がらないのは残念だが、
 この律他概念は古代・上代からあったものだろう。
〇古語辞典:あそばかす:遊ばかす(「若君をあそばかし奉るほどに」<今昔>)
 本来の(強制)遊ばすの意味で記述するところを、asob[・/r]ak[]as[]u、
 のように[・/r]ak:(古代ク語法:動名詞概念化:無律化)を付加して単純他動詞
 化の細工をしている。つまり「若君の服従自律」の表現にならないように、「若君
 の無邪気な遊び」を奉る、と意味するように記した。(通用する単語だった)
・この「無律」、「無律化」の概念は大切なことで、「律他」を深く思考実験していく
 と、機能接辞:as-は、動かす→対物なら他動詞、対他者なら強制態・律他(人事
 異動させて何かの任務をさせる)という意味合いの差を敏感に感じる。
・赤児に対して寝さす:ne[s]as[]uと言うと、服従自律を赤児に求める意味合い
 になる。律他性を避けたいための工夫で、赤児を寝かす:ne[k]as[]uと言うの
 が普通である。(今も通用する単語だが、意味合いが理解されているかしら)
 寝せる:nes[]e[r]uなら、命令感覚がないし互律(添寝する)感覚もあるので、
 悪くないのだが、寝す:nes[]uの原意が「物を横にする」なので寝姿が限定され
 てしまうように感じるから、「赤児を寝かす、寝かせる」のほうがぴったりする。
 (ne[・/r]ak[]as→ne【[r]a】k[]as→ne[k]as[]uと変化した?)
・服従自律の動作が十分できる大の大人に対しても、配慮する表現がある。
〇だます、だまされる:(服従)自律のできる大の大人ならば、「だまし」かけられ
 ても見破って自律で思考して「だまされる」ことはないはずだ。
 それでも、だまされた人は「だまかされた:dama[k]as[]ar[]e[]ta」のだと、
 単純他動詞の受動態化に言い換えて、自律欠損の痛手を軽減しようとする。
→古代ク語法の用法:[・/r]ak-接辞は、上代以降には使われなくなったが、
 曰く:iw[・/r]ak[]u、願わく:negaw[・/r]ak[]u、すべからく(するべきで
 あること):subek・ar[・/r]ak[]u、老いらく:oyi[・/r]ak[]u、などの単語に
 残ってある。(~てある、と意識的に記述した。残ったる、残ってる、も合理的)

5-1. 態の三系四態の律仕方:
 態の三系四態のそれぞれの態は、独自の律仕方を持っているが、学校文法では
意味解釈を掘り下げて明確にしていないので、だれも律仕方の詳細を知らない。
★能動系四態の律:(自動詞・他動詞ともに適用する)
特に「能動系態動詞」は律仕方の概念が明確に現れ、使用頻度も高いので深く理
解してほしい。(「態の双対環」図や「態のマトリクス」図を参照、参考に)
①能動態:D[・/r]u:自律←自らの意図、意思で動作する。
②可能態:D[・/r]e[r]u:互律←対自・他・物に対し合理的動作を成し遂げる。
③結果態:D[・/r]ar[]u:果律←事象の(収束)結果が事態を律する状態を表す。
④受動態:D[・/r]ar[]e[r]u:果互律←事象結果に対して合理的態応を表現。
・律の規範:一般的な物理法則、自然法則、倫理法則、事理法則を想定する。
・自律:国語辞典に「自律」→自分の意思を理性的に(自分の立てた法則に従い)
 決める、との解釈がある。その「理性的に決める」部分を上記「律の規範に基づき
 決める」と変更すれば整合するし、法則に合致する合理的な意思動作の基本と
 考える。(大げさに厳密な表現で物理法則、自然法則と並べたが、世間常識の下
 敷になる法則を想像してもらいたい。個々人で多様な常識があり得るが)
・互律、果律、果互律:すべて新造語なので後でまとめて解説する。

★強制系四態の律:
⑤強制態:D[・/s]as[]u:律他←(相手に動作をやらすこと:相手は服従自律で
 やる)
⑥強制可能態:D[・/s]as[]e[r]u:律他互律←(相手に動作をやらせる:手助け
 あり)
⑦強制結果態:D[・/s]as[]ar[]u:律他果律←(律他動作の収束結果に対する
 表現:主体・客体・対象が主語になれる)
⑧強制受動態:D[・/s]as[]ar[]e[r]u:律他果互律←(律他動作の結果に反応
 する表現:主体・客体・対象が主語になれる)
★使役系四態の律:
⑨使役態:D[・/s]as[]e[r]u:律他互律(=使役)←(相手に使役させる:手出し、
 手助けあり)
⑩使役可能態:D[・/s]as[]e[r]e[r]u:使役互律←(使役を為し得る)
⑪使役結果態:D[・/s]as[]e[r]ar[]u:使役果律←(使役の結果に対する表現:
 主体・客体・対象が主語になれる)
⑫使役受動態:D[・/s]as[]e[r]ar[]e[r]u:使役果互律←(使役の結果に反応
 する表現:主体・客体・対象が主語になれる)
→強制可能態と使役態は同一形態であり、同一意味である。(律他互律を簡略化
 のため、使役と呼ぶこととする)
・強制態動詞の動作が成就する(已然的)状態のとき、D[・/s]as[]e-となり、
 使役態と同一形態になり、意味も近づく。
・例:やらす:強制態、やらせ~:強制態已然(主体律他・相手の服従自律で動作が
 進行した:事象進展)
 やらせる:使役態(主体律他・相手服従自律で動作進展するように必要なら手助
 けする:互律)
 つまり、使役には互律:e[r]uが始めから付いているという違いだけだ。

5-2. 「自律:自分でする」と「律他:相手にさす」で対になる:
・国語辞典:自律の対語として「他律:他人の意思、命令によって行動する」を記載
 してあるが、強制態、使役態の主体表現には不適当だと考える。
★強制、使役での「律仕方」には、「律他:自律主体が意思、命令によって対他人に
 動作をやらす、やらせる」の意味で新しい言葉:「律他」を定義する。
・主体が自律で対他に命ずる動作を「律他動作」と見なし、対他(相手)が解釈して
 実行する様態を想定する。律他では取りも直さず、まずは、相手の「服従自律」の
 動作として行わす、行わせる。これが通常の強制態、使役態であろう。
 (逆に相手が「他律:言われたことに返事するくらいの行動」では、使役にならな
 い。強制・使役では律他:「主体の自律命令と他者の服従自律」の2律が不可欠)
→ここまでで、「自律」と「律他」について解説した。
・互律、果律、果互律:詳細説明を後回しにしながらも、三系四態の説明に使用し
 てきたが、・・・稿を改め次回にまとめて解説する。

態文法:態文法を組み上げる7

2018/01/07(日)

4.「態のマトリクス図」とは:
 前回、態の「双対環、マトリクス」図、を載せました。「態のマトリクス図」について
その構造や考え方を説明します。
→態のすべてを表現するには、「双対環」図や「マトリクス」図のように座標軸が
 二軸ある平面を用意しておき、各個の「態」が平面のどの位置にあるのかを示す
 という方法が解りやすい。その意味では「マトリクス」図法が汎用的にも使える
 方法である。

4-1.「事象軸」と「事態軸」の二軸とは:
・動作関係を投影する平面として、座標軸は「事象軸」と「事態軸」の二軸を選ぶ。
〇事象の軸(横軸):
 動作による「事象・出来事の生起、収束、結果」を見つめる軸。
 左端が「出来事・事象の結果」←・→右端が「出来事・事象の生起」。
〇事態の軸(縦軸):
 「事象への反応・態応の仕方」を見つめる軸。
 上端が「事象の中心での態応」←・→下端が「事象の周辺を巻き込んでの態応」。
→「事象」と「事態」の単語を思い付いて手持の古語辞典を調べたが、見出し語に
 は載ってないから近代語らしい。今回の図解を制作する段階で「事象と事態の
 意味の差」を調べ直したから、事象と事態が明確に説明できるようになった。
・「事象」とは、出来事の目に見える形象、姿を意味する。現象として見える姿を意
 味する。(動作として見える姿・実体の「生起と結果」に注目する)
・「事態」とは、「事象・出来事」に対応した「反応、なりゆき」を意味する。
 (事態の中心にあるとは:主体・行為者、結果者など直接の関与者の態応)
 (事態の周辺にあるとは:客体・被行為者、対象物、周辺者などの直接・間接の関
  与者(中心との対峙態勢を含めて))
〇「マトリクス」構成の直交二軸の図を象限図法で考察すると、
・第一象限:動作生起(事象)・中心(事態)→動作現象・事態(中心の自律動作)
・第二象限:動作結果(事象)・中心(事態)→動作結果(成果が基で発する果律)
・第三象限:動作結果(事象)・周辺(事態)→結果と周辺の態応(果互律)
・第四象限:動作生起(事象)・周辺(事態)→動作進行と周辺関与(互律)
という動作概念を表している。
→各象限の右端に示す「自律/果律/果互律/互律」とは、事象・事態への態応の
 仕方、つまり「動作の律し方:律仕方」であり、「態の概念」そのものである。

4-2.「態の三系四態」とは:
 動作動詞には、自らの意図で動作を起すことを表す「能動系」のほか、相手に動
作を強制してやらす「強制系」と、やらせることを表す「使役系」の3つの動詞体系
がある。これを「態の三系」とすると、各系には「マトリクス」図で示す「四態」が付
随することになる。
★つまり、「態の三系四態」の「マトリクス」構成であり、簡潔に示すと、
・第一象限:原形態(能動系:自律/強制系:律他/使役系:律他互律→使役律)
・第二象限:結果態(能動系:果律/強制系:律他果律/使役系:使役果律)
・第三象限:受動態(能動系:果互律/強制系:律他果互律/使役系:使役果互律)
・第四象限:可能態(能動系:互律/強制系:律他互律/使役系:使役互律)
となる。(態の三系四態という考え方で、各系の象限平面を重畳して記述した)

→「態の三系四態」の組立て方、派生法を説明する。
〇まず、一般形式で表現するために、
 動詞語幹:D(子音語幹、母音語幹を共通表記)を一般共通化で認識しよう。
 例:D=aruk,kak,yom,tat,mi,tabe,de,
 (歩く、書く、読む、立つ、見る、食べる、出る、の動詞語幹:D)
★態動詞の派生方法を一般形式で表記する。
・能動系・動詞語幹:D[挿入音素]態接辞語幹[挿入音素]統語接辞(-u)、の形式で
 派生する。
・強制系・動詞語幹:D[挿入音素]強制接辞語幹[挿入音素]態接辞語幹+
 [挿入音素]統語接辞(-u)、のように一次派生、2次派生の二段階となる。
・使役系・動詞語幹:D[挿入音素]使役接辞語幹[挿入音素]態接辞語幹+
 [挿入音素]統語接辞(-u)、と二段階の派生となる。(使役は強制・可能態と同形
 なので、三段階の派生とも言える)
〇実際には前掲のマトリクス図を参照しながら一般形式を解釈なされば、直感的
 に理解しやすいだろう。
→「態の双対環」図、「態のマトリクス」図で、動詞語幹に[挿入音素]を付随させる
 という少し独特な表記法を採用した。
・能動系:D[・/r]、を一括りにして、共通原形化した。
・強制系:D[・/s]as[]、を一括りにして、共通原形化した。
・使役系:D[・/s]ase[r]、を一括りにして、共通原形化した。
〇それにより、態接辞がすっきり一本化して「共通四態」図が表現できる。
 各系にそれぞれの「四態」が存在するのであり、一つの「四態」を共有するのでは
 ない。
 (「態のマトリクス」図は四態を重ね合わせて示してあるが、各系ごとに「四態」
 がある)
→「態の三系四態」の概念がもっと広く認識され、理解されていく日を期待したい。
 実際に日本語のなかで日常的言語活動に使われている法則でありながら、
 「態のマトリクス的全体像」が公知・周知になっていないのはとても残念だ。

態文法:態接辞「ある/あす/え」考

2017/12/24(日)

 態文法を調べてきてようやくこの一年で全部の態接辞を見つけ出せた。
〇態接辞一覧:
①-ar-:結果態接辞(文語受動態接辞):[・/r]ar-(ある/らる)
②-as-:強制態接辞(文語使役態接辞):[・/s]as-(あす/さす)
③-e-:可能態接辞(文語已然・自発):[・/r]e-(え/れ)
④-are-:受動態接辞(文語受動態連用形):[・/r]are-(あれ/られ)
⑤-ase-:使役態接辞(文語使役態連用形):[・/s]ase-(あせ/させ)
⑥-ay-:現代例希少・(上代可能接辞):[・/r]ay-(あゆ/らゆ)
⑦-ak-:例希少・動名詞化(上代ク語法接辞):[・/r]ak-(あく/らく)

〇態接辞のローマ字つづりとかな文字つづり:
 上記の一覧を調べてください。
・左端:ローマ字つづりの接辞。(動詞語幹+[挿入音素]に同一形態で連結する)
・右端:かな文字つづりの接辞。(動詞語幹の子音/母音に合わせ異形態で示す)
だが通常、国語辞典表記は(る/らる)、(す/さす)のように最初の「あ」音がない。
(現状の学校文法では、五段活用の動詞は未然形活用語尾として「あ」音をもぎ取
る、という「かな文字」文法に則っているからだ)
→かな文字解釈をしている限り、「あ」音のあるなしにかかわらず(ある/らる)
 、(る/らる)のように異形態で表記するしかない。
 ローマ字つづり解釈を採れば、接辞を音素的に同一形態で表記できるし、説明
 も理解も簡単になる。
→文字がなかった「音素」の古代から、漢字の到来を受けてかな文字を作り出し
 た「音節」の上代時代になり、音素言葉からの離脱が始まったかもしれない。
 歴史的には記録に残る「かな文字」の影響が優勢になってしまうのは当然だろ
 う。

→口語文法の研究著作書のなかに、①~⑦のローマ字つづりの態接辞形態を個別
 的に指摘するものが存在しますから、当方にも見つけれた。(見つけられたと言
 えるほど実績がないので、見つけれたとしておきます)
〇かな文字/ローマ字での研究を市販本により概観して分ってきたのは、
・時枝誠記:態接辞は動詞直結の接尾語(詞に相当)とするべきもの。
・大野晋:文語受動「ある」は「生る(ある)」の意味で、活用形も「あれ、あれ、ある、
 あるる、・・」と古語辞典で記述する。
・→文語連用形が「あれ」だから、口語受動接辞「-are-」には馴染みやすいはず。
 使役接辞も文語(あせ、あせ、あす、あする、・・)で、口語接辞「-ase-」へ馴染や
 すい移行だったはず。
 (二段活用の広がった後の一段活用への収束だから、移行しやすかった)
・寺村秀夫:可能態接辞「-e-」を明確にしたが、母音語幹に連結する「-(r)e-」を
 許容していない。(可能・受動の意味が重なり合い、境界は曖昧だと記述あり)
・金谷武洋:動詞の自・他、態の受動・使役の意味を「自然の勢い←→人為的意図的
 行為」という直線軸に並べて(自他交替接辞や態接辞の機能を)解説した。
 自・他の対や態の対が鏡像関係にあるとの示唆あり。
 さらに、厄介な自他交替の事実として「可能態(と断定してないが)の振舞い」が
 自・他の直線軸に交差する様子を解説している。
 〇例:立つ(自)→立てる(他)、(自・可能):自動詞に可能態接辞を連結で対物・他
  動詞と自動詞の可能表現の2つの意味を持つことになる。
 〇例:割る(他)→割れる(自・自発)、(他・可能):他動詞に可能態接辞を連結で対
  物・自動詞・自発と他動詞の可能表現の2つの意味を持つことになる。
 (上例で、接辞-e-は可能態表現で自他交替への捻れがないのに、動作表現では
 他・自交替が起きている。接辞-e-は自動詞にも他動詞にも変えてしまう)

→金谷本:『日本語に主語はいらない』では、自・他動詞と受動・使役を一直線上の
 対向関係で考察開始しても、可能態が軸に交差し捻れた自他交替の姿が見えて
 しまうことを教えてくれる。
〇態接辞:①~⑦のうち、③可能態だけが「あ」音を持たない接辞であり、出自も
 今となっては特定しにくい。
★仮説を述べれば、接辞:-e-は「已然の概念」を表すだけの機能を持つ。
 自・他動詞の「動作が進んで已然状態になる」ことを表す。
 (いわゆる動詞活用の已然形(二段活用では連用形に相当)に[r]uがついて、新
 しい態動詞に生長した。態となる一方、已然概念は一段活用の流れに吸収され
 仮定形へ様変りすることになった)
→不思議なもので、かな文字解釈の立場にあっても「ある/あす」を他の助動詞か
 ら優先して扱う学者もいるし、ローマ字解釈の立場でも、「-e-」接辞を可能態
 と見抜きながら、出自が已然の必然にあるとの言及がない状況もある。
・可能態動作の律仕方を「互律」と見立てた。行為者が「動作できる」とき、対物が
 「動作の已然状態を受ける(それが自他交替動作に相当する場合もある)」とい
 う相互関係にあり、相互の動作関係が「物理、事理、人理、自然の理」に合うこと
 なら動作成立となる。

★「ある(受動)/あす(使役)/え(可能)」三態を考察するとき、
 (現代口語での三態は「え」がつき、「あれ(受動)/あせ(使役)/え(可能)」だ)
〇日本語の態機能の使い方は、西欧語などに比べてはるかに複雑だが、接辞の構
 造自体は単純だ。それに惑わされて、西欧語風の文法に習う思考に陥ると、「一
 本線に並んでいる」ように錯覚してしまう。
→態機能を正しく理解するための自習方法がある。
①一つの原動詞を書出し、能動系の態派生をすべて書き出す。
②その原動詞を使役系原形態に派生して、さらに使役態でのすべての態を派生さ
 せる。
③これで、能動系四態(原形態-可能態-結果態-受動態)、使役系四態(原形態-
 可能態-結果態-受動態)ができたでしょうか?
④おそらく(←osor[]ak[]u:⑦無律接辞の例)、1、2回の自習では二系四態に届
 かないでしょう。それは、
⑤日常的に使いこなしている動詞の基本構造のなかに結果態接辞や強制態接辞
 が含まれてあり、それを組み込まないと完全な理解に到達しないと気づくのに
 相当な自習時間がかかります。
・自習で完成した成果が、前回態の「双対環、マトリクス」図に図示したもので、
★三系四態の構成で、「態の双対環」もしくは「態のマトリクス」で把握するのが
 確実だと思う。
①自動詞・他動詞は行為者の「自律動作による事象の発生表現」であり、態として
 区別する必要がない。自・他動詞は能動系原形態と見なせばよい。
②強制・使役動詞は第一行為者が「自律意図により対他(人物)に命じ・指示して
 対他(第二行為者)の自律動作をさす(強制)、させる(使役)表現」であり、態とし
 て、強制系原形態と使役系原形態の二系別立てにする。
③能動系、強制系、使役系の三系はそれぞれ四態(二軸「双対環」、二軸「マトリク
 ス」)の態機能を持つ。つまり、原形態-可能態-結果態-受動態の四態がそれぞ
 れの系に付随する構成であり、「三平面の各面に四態が並ぶ」構造なのだ。
④各系が四態を含むので相互への「乗り移り」は少ないのだが、例はある。
・例:滝に打たれさせられる→ut[]are[s]ase[r]are[r]u:受動→使役受動への
 乗り移り。

 この「三系四態の態構造」の説明は随時追加を載せたい。

態文法:態文法を組み上げる6

2017/12/16(土)

3.「態の双対環」とは:
 日本語動詞の「態の表現」も動詞派生の方法を用いて、動詞語幹に態接辞を付け
替えて使役・受動などを表現する。
西欧語では他動詞に限り「受け身文型」を作るが、日本語では自動詞でも他動詞
でも受動態を構成するし、その他の態派生にも制限はない。
(制限は、状態動詞(所動性)を態派生させて意味不明となる場合だけ)
〇なぜ自動詞、他動詞ともに受動態が派生できるかといえば、
 ・受動態は「動作の結果」に対応する事態(行為者、被行為者、対象物)を表現する
  形式であり、動作結果は必ずあり得るから自・他動詞の制限は生じない。
 ・つまり、受動態は受け身だけを表現するのではなく、動作結果への対応表現だ
  ということを理解しておきたい。
→従来の学校文法の概念を離れて、新しい設計図を眺めるつもりで見てほしい。
 態接辞の付け替え法則を図形的な態配列で示したのが「態の双対環」である。
(参照図2種:「態の双対環」図と「態のマトリクス」図) 
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★「態の双対環」図は、態のすべてを組み合せることを目標に
 ・原形態-受動態の:能(動)-受(動作結果への対応)の対向関係、と
 ・可能態-結果態の:動(手掛け)-静(動作結果)の対向関係、の「2つの対」を
  直交配置させて環状に「双対で環」を創作した図形である。
〇簡略的に文字列で表記する場合は、原形態-可能態-結果態-受動態の並び方
 にすれば、動作発意-着手態勢-結果状態-受動態勢を表現する構文の流れに
 合致する気分になる。
★「態のマトリクス」図は、態表現使用の局面を事象軸(出来事)と事態軸(態勢)
 の2つの尺度で区分けしたものです。
 ・原形態:事象の生起・事態の中心:自律/律他:動作の起点であり、「能動性」。
 ・可能態:事象の生起・事態の周辺を含む:互律:対他と協調動作、「所動性」。
 ・結果態:事象の結果・事態の中心:果律:動作の結果を表現、「所動性」。
 ・受動態:事象の結果・事態の周辺を含む:果互律:動作結果に対応、「所動性」。
〇両方の図で示す一般形式とは、原動詞が自動詞/他動詞の両方を対象にでき、
 また、動詞語幹が子音末/母音末のどちらでも処理できるということ。
〇両図で示すように可能態を正式な態動詞として扱うのが正道だといえる。
 (ら抜き言葉を排除する概念は賢くない)

つづく

態文法:態文法を組み上げる5

2017/12/10(日)

2.自他交替派生と態派生
 動詞を生み出す法則のなかで重要なものは、まず、動作表現の種類を十分に増
やすことだ。動詞を生み出すには、「自他交替派生」と「態派生」という2つの派生
法則がある。

2-1.「自他交替派生」とは:
 一つの原動詞から「有対」になる自動詞/他動詞の対を生み出すために、特定の
 機能接辞を連結して派生する法則をいう。
〇有対動詞の例:休む→休める(自律)/休まる(自発・果律)、動く(自律)→動か
 す(自律・律他)、割る(自律)→割れる(自発・互律)、移る(自律)→移す(自律)、
 見る(自律)→見せる(互律)、
 (日本語では自他交替派生で有対動詞が多く、機能接辞にもなじみが深い)
→有対自動詞/有対他動詞:動詞語幹に特定の機能接辞を連結して対応する自動
 詞もしくは他動詞を派生する。(自動詞化接辞/他動詞化接辞、変化接辞などの
 機能接辞がある)

 なお、動詞のなかで有対でない「無対動詞」や「両用動詞」もある。
〇無対自動詞/無対他動詞:意味の上で対となる他動詞や自動詞が不必要な動詞
 で、「無対動詞」として扱われる。 もし、どうしても必要ならば、使役・受動の態
 動詞を援用して表現する。
例:歩く(自律)→歩かす(強制態・律他)、読む(自律)→読まれる(受動態・果互律)、
 (態の機能接辞も自他交替接辞に由来する)
〇両用動詞:それ自身が自動詞、他動詞どちらにも使われる。
例:ひらく(自律)、とじる(自律)、わらう(自律)、

2-2.「態派生」とは:
 動詞の行為者が自己の意思で自ら行う動作を「自律動作」とすれば、自動詞・他
動詞ともに一括して「自律」動詞と見なせる。
一方、行為者が自己の意思で他者に行わせる動作を「律他動作」と名付けるとし
て、たとえば、「強制的(命令、指示、許可)に相手に動作をやらせる」事態は日常
生活で起りうるし、多くの動詞を「律他:強制・使役」的に造語派生したい。
つまり、行為態度(意図識別:自律/律他など)を明示するための文法則として、
原動詞の語幹に「態」機能接辞を連結して態動詞を派生させる方法を用いる。
→態の接辞には、行為態度(自律/律他)のほか、各種の機能があり、動作可能(互
 律/自発)、動作結果(果律/果互律:受動)などの識別に利用される。

★行為者の視点で動作態度を語るとき、
→「自律動作」には、自ら実行する自動詞と他動詞が含まれる。
 「律他動作」には、他者に実行させる強制動詞と使役動詞が含まれる。
 (行為者が律他の意図を発し、被強制者はそれを受けて「自律」動作をする)
 の3つの態:能動態/強制態/使役態に区別できる。
〇「動く」の他動詞/強制態動詞:「動かす」などは、動作に関与する登場人物の役
 割により「自律/律他」が交差する。
・机を動かす(意図者=行為者:自律・他動詞/対象物:動作受容)、
・担当者を動かす(意図者:律他/担当者:自律・自他動詞)
 (担当者は命じられた事柄を解釈して自律動作をする)
〇もちろん、担当者を動かす:担務替え、配置替えの場合ならば、意図者の自律・
 他動詞の動作であるかもしれない。
→「自律か/律他か」解釈が交錯するのは、被動作者が対象物(無情)なら他動詞
 に解釈されるから問題ない。ところが、上記のように対象が担当者(有情)だと
 他動詞(自律)か、強制態動詞(律他)か、事例ごとに検証が必要になる。
★上代の動詞造語の知恵を顧みるとき、
 「律他」動詞を単純な「対他(有情)他動詞」へ変換させる機能を持った接辞を使
 っている。その機能接辞は「無律接辞:ak-」であり、古語での「ク語法」という用
 法だ。残念ながら現代口語では文法的な説明がほとんどないが、単語としては
 現役ばりばりなのだ。
・「甘えさせる」:amae[s]as[]e[r]u(律他)を推奨せずに、
 「あまゆ」:amayu(自律)→「あまやく」:amay[]ak[]u(甘えるの無律化)→
 「あまやかす」:amayak[]as[]u(無律対他・他動詞化)が意味明瞭である。
・「おびえさせる」:obie[s]as[]e[r]u(律他)を推奨せずに、
 「おびやかす」:obiy[]ak[]as[]u(無律対他・他動詞化)が意味明瞭である。
・「わらわす」:waraw[]as[]u(律他)よりも「強烈・強引な笑い取り」を表現する
 には、「笑わかす」:wara【w[]a】k[]as[]u(次第に【w[]a】が省略されて)→
 「笑かす」:wara[k]as[]u(無律対他・他動詞化)が使われる。
 (対他が自律で笑うのではなく、対他に有無を言わさず笑う動作を行わせる)
・「寝さす」:ne[s]as[]u(律他)は対他の寝る(自律)をさせること。
 「寝かす」:ne[k]as[]u(無律対他・他動詞化)は対他(無情の赤児)・対物を横た
 わらせること。
・「だます」:damas[]u(自律・他動詞)だが、相手は(自律)で自己思案するうちに
 間違った判断へ到達する(ように誘導する)。
 「だまかす」:dama[k]as[]u(無律対他・他動詞化)は、相手に(自律)冷静な判
 断をさせないように大げさに話しを盛って間違わせること。
 「だまくらかす」:dam[]ak[]u[r]ak[]as[]u:余程の複雑なだまし手口だ。
・「散る」自動詞の事象をふくらませて、「散り積む概念=散らく」:tir[]ak[]u→
 「散らかる」:tir[]ak[]ar[]u(結果動詞・果律)、「散らかす」:tir[]ak[]as[]u
 (無律・対物他動詞)が生み出された。
・「ずる、ずるい、ずるける」→「ずらく=ずる行為の概念化」:zur[]ak[]u→
 「ずらかる」:zur[]ak[]ar[]u:サボって逃げ出す、姿を隠す(自律)が現代国語
 辞典に載ってある。(だが当然、紛らわしい「ずらかす」:zur[]ak[]as[]u:は通
 用しない。無律・他動詞(自律)の「ずらかす」が意味するところは、行為者自身が
 「ずらかす」動作を全部やり遂げなければならないからだ。つまり「ずらかる」と
 同じことをやり遂げなければならないからだ。どうしても言いたいなら「ずらかる」
 を「ずらからす」(律他)と言えば通じる)
〇無律接辞:ak-は、汎用的に使い回せる機能接辞ではないので、自ら造語派生
 する機会はないでしょうが、文章、単語の中で見つけ出したらこの解説を思い
 出してください。

つづく

態文法:「やる」と「やらかす」の差は?

2017/12/03(日)

 本屋の立読みでノウハウ新刊本に1冊、目に留り手に取った。
 『「売れる営業」がやっていること。「売れない営業」がやらかしていること』
:松橋良紀:大和書房:2017/6/25第一刷、2017/11/25第五刷。
なかなか内容は役立ちそうだ。目次を走り見した程度であるが、売れる/売れな
いの対比で構成されているようだ。
 たまたま、新書判の棚で『富士そば~(経営者)』の本を立読みした後だったので
営業の話し内容で繰返しになる感じがして、奥付の発行日だけ確認した。短期間
で第5刷まで到達しているから、評判を得ているのですね。

 ここで気に入った言葉の対比:「やる/やらかす」を整理しておこう。
→動詞「やる」と「やらかす」の意味の差については、当ブログでも思考対象にし
 てきたので、今年に入ってようやく説明できる段階にある。
 やらかすには、無律接辞:ak-、が組み込まれて単純他動詞化した動詞です。

まず、順番に動詞派生の状況をみよう。
①やる(律他):yar[]u:行かせる/与える(原則的な動作の構図)
 →主体(律他)が客体(自律)に共有の課題(対象物)を実行するよう仕向ける。
 (あるいは主体が律他・自律の二役をやるという想定も可能だ)
②やらす(強制・律他):yar[]as[]u:主体(律他)が客体(自律)に(課題)をさす。
③やらせる(使役・律他互律):yar[]as[]e[r]u:主体(律他)が客体(自律)に
  (課題)をさせる(互律:主体が補助してもよい)。
④やらかす(律他無律化・単純他動詞化):yar[]ak[]as[]u:主体(自律)が企図し
 た課題を動作・実行する。(やらく:やろうとすることの概念化・名詞化)
→「何をやらかしたのだ?」と詰問するのは、何を意図しどんなやり方で実行した
 のか、を聞き出すためだろう。 ついでに、「仕出かす」自律他動詞:sidekas[]u
 :(ak接辞なし)ならば、「やってしまった結果状態」に描写の重点がある。
→本来、④やらかす:という動詞は、「やらす」と言うべき相手が自律動作をやれ
 ない状態・条件にある場合に「やってやる」という理屈が通る機能でもあるが、
 「宿題や調査を本人に代ってやらかしました」は通用しにくい。「やる:遣る」の
 原意が恣意的な代行や共有性のない意図行為を許さないのだろう。
(無律接辞:ak-の例:D[・/r]ak[]u→曰く、願わく、望まく:nozom[]ak[]u、
 散らかる/散らかす:tir[]ak[]ar[]u/tir[]ak[]as[]u、ずらかる:zur[]ak
 []ar[]u、など。古い上代語に使われたク語法:無律:ak-だが、ずる→ずらかる
 が出現したのは明治期になってかららしい。古語辞典には載っていない)

「やる」が描き出す現場:
①原動詞:yar[]uの語幹:yarに、接辞:as(強制)がついて②yar[]as[]u、さらに
接辞:e(可能)がついて③yar[]as[]e[r]u、となり、強制+可能は現代口語では
使役態として使われている。
〇原動詞:やる、は主体・客体が同一化すると単純他動詞のように課題を実行す
 る意味にも使われることがある。(主体:律他を胸に秘めての)客体自律の動作
 と見なせる。それでも、やる動作に第3者が絡んだ局面では、主体が客体の意図
 を誘導して賛意(自律)を得なければ課題実行を果せない。
つまり、①やる、②やらす、③やらせる、には主体(律他)客体(自律)が共通意図
での動作をするという原則が存在する。
→「売れる営業」がやる:営業職(律他)が顧客職(自律)に企図する販売・購買(課
 題)を納得させる。つまり顧客が自律で購買を判断するように誘導する。
 顧客の自律が優先なので、営業が勝手に命じて待つものではない。
①やると②やらす、は動作の律仕方が主体(律他)客体(自律)で似ている。元来の
 意味が「やる=遣る、遣わす」であり、主客の力関係がはっきりしており、かつ、
 「やり遂げる課題」も明確に共有している前提だ。

「やらかす」が描き出す現場:
④やらかす:(単純な他動詞(自律)として)意図する計画を実行する。
 やらく:やる意図のもの:計画、戦術。(公式でなく、自己発想でのやる気計画)
→「売れない営業」がやらかす:営業職(自律)が自身の企図・計画(課題)を客筋に
 勧誘する。客筋の反応を顧みずに営業戦略に走るだけでは結果が成らない。

以上、新刊書の立読みで見つけた言葉の対比:「やる」と「やらかす」、の視点を解
釈してみました。

態文法:態文法を組み上げる4

2017/11/28(火)

1-3.動詞の「複合:修飾語付加」の法則:
 前節で示した「ブロック活用表」を寺村本でも採用して寺村自身の活用表を公
表している。ブロックも寺村も活用表の中で「用言の派生と複合」の違いを明確
に説明していないが、当ブログでは派生:[挿入音素]、複合:[+]を付加して区別
する。
・派生は先行語と接辞が密結合する。(先行語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]
 接辞、、、)
・複合は先行語と助動詞が疎結合する。(先行語[+]助詞・助動詞、、、)
また、後続助動詞がそれ自身で活用するために派生を起すことがある。
同様に派生した用言が連用形・連体形の修飾機能を果す場合、複合[+]機能が働
いたと想定すると分かりやすい。
 日本語の態動詞の連体修飾と連用修飾の使い分けに関しては、特に工夫が必要
になる。
例:女は殴られた[+]男に復讐した。(連体修飾:男から殴られた)
別例:女は、殴った[+]男に/を復讐した。(連体修飾:男が殴った)
〇構文中に能動/受動の主・客が同居して、相互に修飾表現をすることが日本語
 としては可能なのだが、間違いなく理解するには慣れが必要だ。
工夫例:女は男に殴られて[+]、復讐した。(連用修飾:殴られたのは女)
別例:殴られて[+]、男に復讐した[+]女は、、、(連用修飾+連体修飾)
〇会話では、連用修飾:分詞形で表現することに違和感が少ないが、文章では連
 体修飾の構文構造が好まれるかもしれない。
関係詞を使わない日本語の場合、連体修飾と連用修飾で、表現主体の移動が起き
ることを考慮してなんとか工夫をしたいもの。
〇明確に「殴られた[+]により/から/(の)で、男に復讐した」、「殴った[+]から
 /ので、女に復讐された」というような補完(判定詞)要素が必要なのだろう。

★そこで「寺村の活用表」に加筆追加して投稿する。
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〇「ブロック活用表」では、コプラ・繋辞の活用と規定ありなので、先行単語を名
 詞 ・名容詞と想定して加筆した。やはり、コプラ・繋辞の概念を超えるべきだ。
〇「寺村活用表」では、(繋辞でなく)判定詞:ダの活用だとの規定ありなので、先
 行単語の範囲を広げて、体言・用言・説明詞(形式名詞)が複合機能で連結すると
 想定して加筆した。

→活用表右端の判定詞:ダの[+]連結できる単語を大幅に拡大して体言・用言・説
 明詞(形式名詞など)としたのは当ブログの独断なのだが、寺村一覧表では、動
 詞・形容詞の活用表と判定詞:ダの活用表は別表になっている。
 (さらに残念なのは、寺村の判定詞活用原表には複合するための先行単語につ
 いては記述がない。体言:名詞、名容詞のみを想定しているらしい。他の助動詞
 活用も同様なムード仕分けによる個別的な活用表である)
→判定詞活用を拡大する理由は、「確言ムード」を受けて、連体修飾や連用修飾を
 構成させる場合の「理由付け」「説明付け」を簡単に実現している現行文法の方
 法を活用表に採り入れるべきだからだ。
例:体言に判定詞が複合連結するとき:もう師走[+]だ。と「だ」が直接連結する。
例:用言に連結する場合:書く[+]のだ。食べた[+]のだ。寒い[+]のだ。と「の」が
 間に入る。「の」は形式名詞で先行用言を事象概念化し説明付けの態勢にする。
例:殴った[+]ので、復讐された[+]のだ。 この表現方法が使えての日本語だ。
  殴られた[+]ので、復讐を考えた[+]のだ。 この表現方法が使える。
例:形式名詞を説明付けのために使う。(簡略のために[+]形式名詞を「」で示す)
 太郎は、あす大阪に行く「予定」だ。(太郎の予定を説明付け)
 次郎は、あす東京に行く「の」が予定だ。
 犬が嫌いな「の」に猫は知らんぷり。 犬が嫌う「はず」の猫は知らんぷり。
 今、出かける「ところ」だった。

 判定詞活用になじんでくると、~「の」だ構文を流用すると連体修飾になるのが
わかるはずだ。つまり、関係詞構文のように使うこともできる。
例:殴られた「理由」が今もって納得できない「なぞ」だ。

つづく

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