カテゴリー「日本語文法」の360件の記事

2021/05/09

述語律を記号で表す-3

述語律を記号で表す-3
2021年5月9日(日)
 名詞文は「名詞+判定詞」と解析しました。その名詞部分は「構文
主部に属する補語成分である」と分析したので、「述語律」の仕上げ
として対極にある「主部律(主語律より広義)記号」を規定しよう。
・西欧語の「主語律」は日本語には不向きな法則であり、日本語には
 もっと広い範囲の「主部律」がよいと思う。
 
<「主部律」の記号化>
・「主部律」=「主題「主語「客語「対象「補語「など、」の登場人
 ・物の相互関係を規律する文法則を意味するもので、記号は上記の
 ように、直列入れ子型のカギ括弧で主部範囲を表す方法です。
(うまく直列入れ子型カギ括弧を使える手順が規律です)
例:「この問題を→解く「+ のは」 : > たやすい「+(の)」:|です。:
・「太郎は「明日「大阪に→行く「+予定」:|です。:
・「太郎は「明日「大阪に→行く「+予定が「+変更」:|です。:
・「太郎は「明日「大阪に→行く「+予定に「+復活」:|です。:
「この問題を→解く「+コト」、「太郎が大阪に→行く「+コト」の
コト事象に対して「措定律」を利かせた「+のは」、「+予定」が当
てはめられ、「事象文「+措定名詞」が天秤の両側で平衡するような
名詞概念になります。
例:「国境の長いトンネルを」→抜けると、「(そこは)+雪国」:|であ
 った。:小説「雪国」冒頭文。
 抜けるの「述語律」は「主部:国境の長いトンネル:場所情報」が
 あるので意味を果たすことができる。つぎの名詞文は(そこは)省略
 を含む「+雪国」措定でしょう。
例:「女は↕なぐられた「男に」→復讐した。:正順文ではあるが、
 意味が揺らぐ。「女は「男に」↕なぐられて→復讐した、因果順。
・「女は→なぐった*「男に」→復讐した。:逆順文。「男が」→な
 ぐった場合なら、「女は「男が→なぐった「+ので」→復讐した、
 と正順文、因果順、にして発話するのがよいだろう。
 
 このように主客が対等な人間どうしの場合には、「主部1+述部1+
主部2」正順か、「主部1+述部2+主部2」逆順かが解釈に大きく影響
する。一方、主客が人間対無情物の場合には状況が変わる。
例:「昨日→買った「本は」もう一気に→読んだ。:「本」に対して
 買ったも読んだも「受律」を働かせた人間側の動作です。
 (買われた本とか、読まれた本とか言いません)
・「この記事の原稿は「2日前に」→書いた「+もの」:|です。:
 (記者の発話なら、書かれたものと言わず、書いたもの=「受律」
  を働かせて言うのが普通です) 
 事象文では「原稿が「2日前に」→書かれた「+コト」と客観的な
 表現となりうるが、記者本人ならば「原稿を「2日前に」→書いた
 「+コト」が「主部律」「述語律」に適合するからです。
_。

2021/02/14

述語律を記号で表す-2

  1. 述語律を記号で表す-2
    2021年2月14日(日)
     名詞文述語のはたらきを「3種類の述語律」で明らかにしましたが、
    名詞述語の構造、構成については明確な文法が利いていない実態が見
    えています。また、判定詞「です、だ」などは助動詞として独立的に
    使用する傾向もあります。これにも文法が明確でありません。
    <判定詞の性質>
     新手法でも意図的に3つの述語律に共通して多種判定詞を付属させ
    ています。共通した文法則があると感じるからです。独立させるにも
    文法則をしっかり定めてからのことにすべきです。
    判定詞は付属語であり独立文節の成立条件に適合しないので、付属語
    の定義に適合させる必要があります。
    1)判定詞は「助詞始まりの助動詞連結」ですから「先行語句が名詞
     もしくは名詞相当語句である」のが自然な膠着規則になります。
    2)「指定律:名付けする規律」では先行名詞が固有名詞、普通名詞、
     抽象名詞などに限定されるし、「推量・伝聞律」では「そう、よう、
     らしい」など限定的な形式名詞が使われるから、問題は生じないだ
     ろう。
    3)「措定律:当てはめ規律」では判定詞が付属する先行名詞、名詞相
     当語句が構文主部に補語として「当てはめられる」ことで構文の意味
     を確定させて報告文形式で判定表明します。
    例1:この問題を→解く + のは : > たやすい(の): | です:形容詞文当て。
    例2:この問題を→解く + のは + 簡単(なの): | です:先行名容詞。
    例3:この問題を→解く + 鍵は + 最初の補助線: | です:先行普通名詞。
    例4:これで問題が↔解ける + の: | です:動詞文当て形式名詞。
    例5:これが問題を→解く + 鍵: | です:連体当て普通名詞。
    例6:明日大阪に→行く + 予定: | です:連体当て普通名詞。
    例7:僕は +うなぎ: | だ:注文選びの当てはめ法、先行普通名詞。
    例8:あっしも うなぎを→頼みます(+の): | ぢゃ:先行動詞文当て。
    例9:太郎と二郎と三郎が + うなぎ: | です:先行普通名詞。
    例10:+ 春雨: | ぢゃ、→濡れて→参ろう:カラ当て普通名詞。
     
    「措定律:当てはめ律」は「甲は乙と何らかの関係性がある」と表現
    する判定法です。「当てはめ」文脈では「関係性」が潜在するので、
    発話の状況が限定されるなら、「僕」と「うなぎ」の名詞項目だけで
    関係性の説明になりますから判断表現できます。
    これが「指定律:名付け律」の「甲は乙と等価、同等である」の表現
    とは大きく異なります。両者の文型は似ていますが、関係性の裏付け
    を成す言明が有るかないかが識別要素です。この違いを明確に文法則
    に載せるべきです。
     
     判定詞だけ独立させる使い方は「事象報告型構文の結句」という
    用法になるが、「補述構文」のほうが広い応用範囲を想定できる。
    多様な判定詞を統合し続ける文法則としても「補述構文」が論理的
    です。日本語では主語だけでなく、主題も補語もあってもなくても
    「意味の関係性」と「述語律」に支えられて会話が成り立つ傾向が
    あります。
    _

 

2021/02/06

述語律を記号で表す-1

述語律を記号で表す-1
2021年2月6日(土)
 動詞述語のはたらきを態動詞のはたらきで説明してきました。
態の接辞:-ar-, -as-, -e-, を派生させて、「態の三系四態」ができます。
態動詞の数=3✕4=12通りの述語律が働きます。
「態」:「述語律」:「律記号」を一覧表示すると、
1)能動系・基本四態
①能動態:D[-/r]u:「自律/受律」動作:「→」
②可能態:D[-/r]e[r]u:「互律」:「 ↔ 」
③結果態:D[-/r]ar[-]u:「果律」:「↑」
④受動態:D[-/r]ar[-]e[r]u:「果互律」:「 ↕ 」
2)強制系四態:「・」+基本四態
⑤強制態:D[-/s]as[-]u:「律他」:「・→」
⑥強制可能態:D[-/s]as[-]e[r]u:「律他互律」:「・↔ 」
⑦強制結果態:D[-/s]as[-]ar[-]u:「律他果律」:「・↑」
⑧強制受動態:D[-/s]as[-]ar[-]e[r]u:「律他果互律」:「・↕」
3)使役系四態:「;」+基本四態
⑨使役態:D[-/s]as[-]e[r]u:「律他互律」:「;→ 」(=⑥「・↔ 」)
⑩使役可能態:D[-/s]as[-]e[r]e[r]u:「使役互律」:「;↔ 」
⑪使役結果態:D[-/s]as[-]e[r]ar[-]u:「使役果律」:「;↑」
⑫使役受動態:D[-/s]as[-]e[r]ar[-]e[r]u:「使役果互律」: 「;↕」
以上が動詞述語の「律記号」です。
例:昨日→買った+本は一気に→読んで→しまった:本は動作を受け
 るだけ、買った、読んだは「受律」として本と規制関係にある。
(連体修飾を受ける体言を「+体言」で識別する)
 
 次に形容詞述語の「律記号」を決める必要があります。
形容詞は一般形式で表記すると、形容詞語幹:K、挿入音素:[k]、を
使って、終止形:K[k]0i が表せます。述語律は2+1=3通り。
4)形容詞述語の「述語律」:「律記号」
①「感情律」:K[k]0i:「 :< 」実体が感情誘発させる規律。
②「属性律」:K[k]0i:「 :> 」実体の属性が示す規律。
③「感情属性律」:K[k]0i:「 :<> 」実体の属性と感情誘発の規律。
例:源さんは饅頭が :<> こわい:源さん=怖さを感じる、饅頭=怖い。
例:私はこの工具が :> 危ないと→思う:私=思う、工具=危ない。
 
 つぎに名詞・名容詞述語の「律記号」を決める。
名詞・名容詞の述語は一般形式で表記すると、名詞・名容詞単語:
M,My、複合膠着:[+]、(判定詞=)助詞[x]接辞語幹[ / ]接辞語幹・・・
を使って、M,My [+] 助詞 [X] 接辞語幹 [ / ]接辞語幹・・・で生成でき
る。新手法として提起する重要な点は、M、Myの単語部分は構文の
主部成分に加えて、後半の判定詞=助詞 [X] 接辞語幹 [ / ]接辞語幹、
が述部に相当することである。判定詞の述語律は3通り。
5)判定詞述語の「述語律」:「律記号」
①「指定律」:d(e[x])a(r[-]u), de([x]ar[i]ma)s[-]u, :「 = | 」
 +M=固有名詞、普通名詞、などに判定詞を付加する。
②「措定律」:d(e[x])a(r[-]u), de([x]ar[i]ma)s[-]u, :「 : | 」
 連体節+no, +M(普通名詞、形式名詞),+My+na[+]no, +no, の主部に
 後続して付属する。
③「推量・伝聞律」: d(e[x])a(r[-]u), de([x]ar[i]ma)s[-]u, :「 ; | 」
 終止節、+M(形式名詞、よう、そう)、+らしい、の主部に後続して
 付属する。
例:これは +ペン = | です。あれが+富士山 = | だね。
例:太郎は明日大阪に→行く+予定 : | です。
例:太郎は明日大阪に→行く+(のが)+予定(なの) : | です。
例:太郎は明日大阪に→行く+そう ; | です。
例:この問題は→解く+ のが + 簡単(なの) : | です。
例:本は→座って→読む+(のが)+ 規則 : | です。
 
 名詞述語の構造を再確認しておくと、
・+ 名詞類(固有名詞、普通名詞、形式名詞、名容詞、の、なの、
 らしい、よう、そう、はず、つもり、など構文主部に入る)+判定詞
 ( である、だ、であります、です、でございます、ではありません、
 でない、ぢゃない、ぢゃありません、ぢゃんか、など構文述部を構
 成する ) のように配置されます。
例文に示すように、名詞類述語の構成はその前半が主部要素に含まれ
て、後半が判定詞に相当し、それで主部構成を成否判定する。
逆に言うと判定詞「です類」がなくても文章の構造(登場人物の勢揃
い)設定は済んでることになります。問題は文法的に確立できていな
いことです。言語学者も学校文法の範囲に縛られていると、突飛な
解釈法を持ち出すことがあります。
例:太郎は明日大阪に行く予定です:「太郎は予定です」文型にしか
 解釈しないで、文の前半は動詞文、後半が名詞文の構造:人魚構文
 と名付けて世界の言語に類例を調べる大規模な研究をした人がいる
 ほどです。たしかに世界では20言語ほど人魚構文に類似する文型
 があるそうで、東南アジア地域に多いことが分かったそうです。
問題は人魚構文「太郎は予定です」の解釈方法の適否です。
新述語文法の新解釈では、「律記号」入り例文の通り
「半人半魚の構造が構文全体で起きるのではない」、
「名詞類述語の構造は前半の名詞類が主部所属の補語であり、
 後半の判定詞が述部所属の述語なのである」と解釈します。
つまり、「半補半述構文」=「補述構文」形式なのです。
つづく

2021/01/17

態派生のしくみ−3

態派生のしくみ−3
2021年1月17日(日)
 態派生のしくみを分析してきて、3回目になりました。
態の接辞:-ar-, -as-, -e-, のうち、-e- 接辞はなかなか理解しにくい、
説明しにくい特有の役目を持っているようです。
 まず、-e- 接辞の意味を整理します。
・接辞 -e- は動詞活用形の一つ、已然・実現形「動作を完遂する、
 尽力して成し遂げる、自然条件との折り合いをつけて成就する」
 という意味を発揮します。動作を完遂するという動作相・アスペ
 クトを持つ。
(形容詞、名詞の述語派生での已然は:〜けれ、〜であれ:実現
 想定形と解釈します)
 
<新述語文法の動詞活用形:五段/一段共通形式>
(動詞語幹:D、[挿入音素]、S1:否定系接辞語幹、S2:連用系接辞
 語幹、注釈記号:*1,*2,)
①D[a/-]S1 未然・否定形:*1 na[k]0i, z[-]u, mai,
②D[-/y]ou 将然・促進形:←積極的な意味を提起するため改称。
③D[i/-]S2 正然・連用形:*2 mas[-]u, te/de, ta[k]0i,
④D[-/r]u  事然・終止形:
⑤D[-/r]u- 係然・連体形:
⑥D[-/r]e- 已然・実現形:←積極的な意味を提起するため改称。
⑦D[-/r]e(yo)/(ey)o 命然・命令形:
注:動詞活用形は動作の進行局面を大まかに描写する動作然相:
 アスペクトと、意味の形名を並記します。
 近世になって用法が大きく変化した②将然、⑥已然については形名
 を改称することを提起します。
古語の②将然は、D[a/-]mu:書かむ、見む、食べむ、の未然枠で活用
していたが、近世では D[-/y]af[-]u:書かふ、見やふ、食べやふ、から
現在の D[-/y]ou:書こう、見よう、食べよう、になった。
古語の mu は心理的な意向、推量であったが、現在の [-/y]ou は -af-:
合う=やり合う、継続する=周囲条件との折り合いをつけて挑戦する
という積極的な意向、勧奨を表現する。これと呼応するのが、D[-/r]e
:書け−、見れ−、食べれ−、現在の⑥已然・実現形であり、周囲条件
と折り合いをつけて完遂するという積極的な動作相を表現する。
・特に已然・実現形が独立し、D[-/r]e[r]u:書ける、見れる、食べれ
 る、となれば実現形の実現度が高まる。可能動詞とみなされるのは
 その結果なのです。
・また、⑥已然・実現形の次段派生の幅が広く、*1、*2の接辞にも
 直結できます。つまり、新しく下一段活用動詞になったような使い
 方ができます。
・動作を完遂していけば、→可能態→結果態→受動態の「四態」に
 自然にたどりつく、という感性が生じるのは新述語文法だけでしょ
 うか。(いずれにしろ、已然・実現形を仮定形だけに限定する解釈
 をしていたら、近代日本語の積極的な言語感性が発揮できない)
 
<「態の三系四態」:12通りの「述語律」>
 動詞活用で態が変わって構文の主部と述部の規制関係が変化しま
す。どんな規制関係があるのかを「述語律」という概念で捉えること
が文法として重要です。
①兄がイチゴを売っている:述語律=自律(兄の自律動作)
①’イチゴが売っている:述語律=受律(無情の対象物が動作を受ける
 だけの状態を表すのに使われる。売られている、よりも頻繁に使う
 はずです)
②イチゴが売れている:述語律=互律(已然、兄とイチゴと周囲条件
 が相互によく働いて完遂できていることを表現する)
③イチゴが売らる:述語律=(結)果律(動作実行の結果がある描写)
④イチゴが売られている:述語律=果互律(動作結果が周囲に相互反
 応を現出する描写です。習慣的な状態をいうことも多い)
この5種:自律/受律、互律、果律、果互律、が果たす規制力が能動
系「四態」の「述語律」です。
・已然が示す「互律」は、単に可能であることだけでなく、
例:彼は英語が話せる、花子はピアノが弾けます:複主体構文が示す
 ように、主体と対象物とが相互に文章条件、音楽条件を満足させる
 達成状態であることを描写しています。(構文の読み手、聞き手も
 条件にどれほど適合してるのかに注目するはずです)
・受動が示す「果互律」は、動作結果が「互律」をする:「登場人・
 物と周囲条件との相互反応を現出する」表現です。
例:授業では英語が話されます:習慣的に行われてる動作と周囲条件
 との規律関係を描写します。hanas- が [-]ar[-]e[-]mas[-]u という感覚
 でしょうか。(自律/受律が実現してあれるという感覚)
紙幅の残りが少ないので、強制態と使役態の述語律について簡単に
記します。
・強制態:D[-/s]as[-]u が示す「律他」は主体が客体に指示・許可・
 命令して、客体が自律(服従・要請)動作をするという規制関係です。
・使役態:D[-/s]as[-]e[r]u が示す「律他互律」は主体が強制するだけ
 でなく実現するよう客体に助力、督励を継続する、客体は自律(服
 従・要請)で動作する規制関係です。
主体と客体の両方の「述語律」を考えるのは、強制、使役だけではな
く、能動系でも主体と客体・対象物との「述語律」を無意識に考えて
います。
・能動態:D[-/r]u が示す「自律/受律」は主体・自律、対象物・受律
 で平衡しますから、果律や果互律での「実績可能/受け身」も成り
 立ちます。


 

2021/01/12

態派生のしくみ−2

態派生のしくみ−2
2021年1月12日(火)
 態動詞の派生に関わる接辞:-ar-, -as-, -e-, のうち、接辞 -e- の機能が
国語文法によっては明快に解釈できないと感じる。
1)受動態に -ar-, 強制態に -as-, が使われることは明白だが、
 実際には受動態に -ar[-]e-, -are-, (強制)使役態に -as[-]e-, -ase-, の
 ように接辞 -e- は両方(-ar-, -as-)の態に組み合わせて使われる。
 この理由を国語文法は説明できない。
(-ar-, -as-, ともに下二、下一段活用の連用形で -are-, -ase-, になる
 との解釈で止まってしまい、根源まで分析していない)
2)態接辞は動詞の自他交替派生にも役目を果たすが、接辞 -e- には
 自他交替、他自交替のどちらにも寄与するので厄介である。
 (例:立つ tat[-]u/tat[-]e[r]u 立てる、割る war[-]u/war[-]e[r]u 割
 れる、のように自他両方に交替してしまう)
 この理由を国語文法は説明できず、お手上げ状態らしい。
 
<接辞 -e- の本当の役割、機能を見抜く>
 新述語文法としての解釈を記述します。
①態の接辞 -ar-, -as-, -e-, は「自他交替派生」や「態の三系四態」両方
 に使われて機能を発揮します。なかでも接辞 -e- は機能が明確に把
 握されないままで近世以降に大活躍しています。その理由を解明で
 きないのは国語文法の力不足ですから、それを補う解釈が必要です。
②接辞 -e- の根源的な機能は自他交替や態派生の役割ではなく、別の
 主要な機能があるのだと考えるべきでしょう。
③動詞活用形の一つ、已然・実現形のD[-/r]e- に使われる -e- 接辞が
 その機能の正体であると洞察します。
まず、動詞活用形の歴史的変化をたどってみる。(五段はほぼ不変)
④江戸期になり二段活用:D[i]-, D[e]-,が語幹化して、Di[r]u, De[r]u の
 一段活用化に収れんすると、大変革が起き始めた。
(これは一段動詞の正然・連用形の独立動詞化(起きる、食べる)に相
 当する)
⑤また、一段動詞の独立化で、その已然・実現形:Di[r]e-, De[r]e-, の
 形態は、五段の已然・実現形:D[-]e-, と共通一般形式で表記すれば、
 D[-/r]e-, となり同等に扱えます。(書け-, 起きれ-, 食べれ-,)
⑥さらにこの已然・実現形が独立化してD[-/r]e[r]u, (書ける、起きれる、
 食べれる)という発展形態に至ったのです。明治期以降、可能動詞と
 して大活躍できるようになったはずです。(国語学は迷っているが)
・已然・実現形が独立して現在時制:D[-/r]e[r]u を持つことの意義は
 とても大きい。現在時制ならこれから始める動作でもやれる!書け
 る!食べれる!できる!可能だ!と言えるからです。
⑦先史時代に遡って考えると、先人の知恵を頼もしく感じます。
 先人は已然・実現形を事然・終止形から直接的に生成できない動詞
 に対して、まず終止形に [r]u を連結し再独立:D[-]u[r]uとしたうえ
 で、已然・実現形 D[-]u[r]e- を生成する応急処理を施した。
 先人にとっては応急処理だった二段活用が江戸期までも続くとは、
 想定外だったかもしれません。国語文法はこの応急処理にも気づい
 ていないようです。( D[-]ur[-]u→-ur- 接辞だと認識しているらしい)
⑧以上の歴史から動詞活用形が新しい動詞として独立する形態を順次
 獲得してきた。これを整理すると、
・事然・終止形:D[-]u →D[-]u[r]u:係然・連体形へ独立、(先史二段)
・二段の正然・連用形:D[i]-, D[e]-,→ Di[r]u, De[r]u:一段の終止形、
 連体形へ母音末語幹で独立、(鎌倉期〜江戸期)
・ 五段、一段の事然・終止形、係然・連体形が D[-/r]u, になり、
 已然・実現形:D[-/r]e-, となって、つぎにこれも独立形:D[-/r]e[r]u
 を得て可能動詞、可能態となった。(明治期)
・現代国語では、已然・実現形を仮定形:D[-/r]e+ば、(書けば、見れ
 ば、食べれば、)の形態だけに限定したとらえ方で済ませている。
⑨以上、接辞-e- の歴史的な発展を調べたうえで、根源的な意味を見抜
 くには、動詞活用形の已然・実現形を掘り下げる必要があります。
次回は已然の-e-接辞に集中して解説します。
〜つづく


 

2021/01/08

態派生のしくみ−1

態派生のしくみ−1
2021年1月8日(金)
 本ブログの新述語文法では、述語が果たす「述語律」について解析
を続けています。特に態派生は「態の三系四態」といって3✕4=12
通りの態動詞がそれぞれに「述語律」を発揮します。
 態の接辞は、-ar-, -as-, -e-, の3つがあり、受動態、強制態、可能態
の機能を発揮する。なかでも接辞 -e- は不思議な機能であり、国語学
の解釈では「歯が立ち」ません。
 
 まず、能動系の「態の四態」をどうしたら解釈できるでしょうか。
<「態の四態」の根源的な構造を見抜く>
・「態の四態」を一行表記で解説すると、びっくりするほど簡単で、
 「原系態→(+e=)可能態→(+e=)結果態→(+e=)受動態」これ
 すなわち「態の四態」という等式にたどり着きます。
 ①原系態:D[-/r]u,(書く、見る、食べる)
   ↓+e 可能接辞を連結すると、(已然・実現形に活用)
 ②可能態:D[-/r]e[r]u,(書ける、見れる、食べれる)
   ↓+e 可能接辞を連結すると、(二重可能態=結果態= -ar-)
 ③結果態:D[-/r]ar[-]u←D[-/r]e[r]e[r]u=実現想定が実現=実績結果、
   ↓(注:書けれる?→書かる、同様に→見らる、食べらる)
   ↓+e 可能接辞を連結すると、(已然・実現形に活用)
 ④受動態:D[-/r]ar[-]e[r]u, (書かれる、見られる、食べられる)
のような動作相を含んだ構成で「態の四態」は作られている。
・今までは「態の双対環」とか「態の環状双対関係」と呼んだりして
 「四態」把握が大切だと思っていましたが、可能接辞 -e- を順次
 連結していけば一行書式で「態の四態」の概念を表現できるのだ。
 なんて不思議なんだろう。
接辞:-e- の呼称として、可能接辞とか、已然・実現形(五段活用)とか、
正然・連用形(下二、下一活用)とか、いろいろに呼び分けていますが、
すべて同じ-e-音が付属しており同じ意味に解釈するのが新手法です。
(接辞-e- の詳細は次回に記述します) 
 
 続いて「態の三系四態」を三系・四態の表形式で表現すると
態の全体像を見渡せます。(二重可能:-e[r]e[r]- ?= -ar- 実現結果の意味)
(規則動詞の語幹:D、[挿入音素]、態接辞語幹:-ar-, -as-, -e-,
 不規則動詞の語幹:来る=ko、する=s、)
<規則動詞の「態の三系四態」>
 態名称 \ 能動系    強制系     使役系(⑥と⑨は同義)
 ①原系態:D-、    ⑤D[-/s]as-、  ⑨D[-/s]as[-]e-、
 ②可能態:┣ [-/r]e-、  ⑥┣ [-]e-、     ⑩┣ [r]e-、
 ③結果態:┣ [-/r]ar-、  ⑦┣ [-]ar-、     ⑪┣ [r]ar-、
 ④受動態:┗ [-/r]ar[-]e-、⑧┗ [-]ar[-]e-、  ⑫┗ [r]ar[-]e-、
<不規則動詞の「態の三系四態」>
来る:到達点でのko[r]uから語幹に「ko」を適用。
 態名称 \ 能動系    強制系    使役系(⑥と⑨は同義)
 ①原系態:k(u[r]u)、  ⑤ko[s]as-、  ⑨ko[s]as[-]e-、
 ②可能態:ko[r]e-、   ⑥┣ [-]e-、   ⑩┣ [r]e-、
 ③結果態:┣ [r]ar-、    ⑦┣ [-]ar-、    ⑪┣ [r]ar-、
 ④受動態:┗ [r]ar[-]e-、 ⑧┗ [-]ar[-]e-、  ⑫┗ [r]ar[-]e-、
する:語幹に「s」を適用。
 態名称 \ 能動系    強制系    使役系(⑥と⑨は同義)
 ①原系態:s(u[r]u)、  ⑤ s[-]as-、  ⑨s[-]as[-]e-、
 ②可能態: s [-]e-、   ⑥┣ [-]e-、   ⑩┣ [r]e-、
 ③結果態:┣ [-]ar-、    ⑦┣ [-]ar-、    ⑪┣ [r]ar-、
 ④受動態:┗ [-]ar[-]e-、 ⑧┗ [-]ar[-]e-、  ⑫┗ [r]ar[-]e-、以上。
(注:「態の三系四態」表形式では、派生後の態語幹での形態で
 示してあります。後続の動詞活用形の分岐選択へ直結できます) 
この表形式に示す「四態」は三系相互で相似的な構成なので判りやす
い。日本語学習者にとっては憶えやすく感じるでしょう。
 すべての動作動詞が「三系四態」に則り、態の活用派生ができるの
で一覧したうえでじっくり演習してほしい。
〜つづく

 

2020/11/06

「述語律」が文法の謎を解く -5

「述語律」が文法の謎を解く -5
2020年11月6日(金)
 「述語律」が構文の謎を解くことにも威力を発揮します。
4.付属語コンビの述語文節が文末に膠着する
 単一構文の形式は通常、文末の述語要素の品詞から動詞文、形容詞
文、名詞・名容詞文と識別される。
また単一構文が途中で連体修飾句節の別構文を組み込まれることもあ
り、構文構造が複雑になりえます。
基本は単一構文での「述語律」を見極めることが出発点です。
今回は、名詞・名容詞文の「述語律」を中心に考察します。
 
●国語文法では、述語文節区切りの条件として、自立語+活用語(+
 助動詞)の連結を想定しています。
・動詞述語文節=動詞語幹+活用語尾+助動詞語幹+活用語尾、、、
・形容詞述語文節=形容詞語幹+活用語尾+助動詞語幹+活用語尾、、
・名詞述語文節=名詞単語+助詞+助動詞語幹+活用語尾、、、
このうち、名詞述語の活用形式が、動詞、形容詞と異なることに注目
しての構造解釈が必要だが、合理的な分析が出ていない。
・助詞+(助)動詞語幹+活用語尾ならば、(助)動詞文になり、先行の名
 詞+助詞は文の主部要素になるはずである。(それを斟酌すべき)
・実際は、助詞[x]助動詞語幹+活用語尾:d(e[x])a(r[-]u), de([x]ar[i]-
 ma)s[-]u, である、だ、であります、です、などのように、助詞を含
 む形態で述語を構成する。これを名詞+判定詞(断定詞)と解釈す
 る学説が有効に思われる。ただし、先行の名詞部分は述部要素では
 なく、構文の主部要素だと明確に定義しないでいる。
  
〇新述語文法では、上記の最後尾に書いたように、名詞+判定詞との
 構造解釈をおこない、名詞部分は構文の主部要素に組み入れて解釈
 することを推奨する。その名詞部分は「主語律・主部律」に相当す
 る役割を果たすと想定すれば、判定詞と連結しての「述語律」が決
 まるだろう。
・つまり、名詞・名容詞の述語文節は名詞:主部要素と、付属語コン
 ビの:助詞[x]接辞語幹[ / ]接辞語幹・・・:が、述部要素であると
 いう独特の組み合わせ構造なのである。
・名詞述語文の「述語律」は、先行名詞の種類で決まり3種類ある。
 ①指定律(名付け律):「固有名詞、普通名詞、抽象名詞」などが先
  行し判定詞が後続する構文の述語律。
 ②措定律(端折り律):「普通名詞、形式名詞(はず、つもり)、
  連体句節(〜なの、の)」などが先行し判定詞が後続する構文の述
  語律。(措定:事象と事象を関係付けすること)
 ③伝聞・推量律:連用・連体句節に「〜よう、そう、らしい」など
  が先行し判定詞が後続する構文の述語律。
・「判断詞」はまた、先行構文が表す事象の適否、合否を判断表明
  する述語なので、である、だ、です、でございます、であります、
  ではない、ぢゃない、ではありません、など、各種の縮約構造を
  判断発話者が選択して発話します。


<追記:2020/12/4:主部と述部の区切り記号を追加・修正しました>
動詞文・形容詞文の主部\述部、↘連用修飾、↖連体修飾、名詞文の
名詞|判定詞の区切り記号を導入しました>  
 新述語文法の立場で各種述語文を演習してみましょう。
・動詞文:これはペンと\呼びます。(注:主部\述部の区切り表示)
・名詞文:これはペン|です。(指定律・名付け律:名詞|判定詞)
・形容詞文:この本は\おもしろい。→形容詞の属性律と感情律の
 2面性を学ぶには、「私はこの本が\おもしろかった」複主型文を
 感得できるようにすると「面白い」を確実に理解できます。
・名詞文:象は(鼻が↖長い)動物|です。→形容詞長い:属性律
 しかないので「動物」を先行させた名詞文にすると安定します。
・動詞文:ぼくはウナギを\頼みます。(自律)
・名詞文:ぼくもウナギ|だ。(措定律・端折り律、文脈依存)
・名詞文:ぼくにウナギを\・・|です。(措定律)
・名詞文:僕はウナギが↖好きなの|です。(措定律)
・形容詞文:私はウナギが\こわかった。(属性律・感情律)
・動詞文:私は(ウナギが↘こわい)と\思っていた。(自律)
・名詞文:彼女は店の看板娘なの|です。(措定律)
・名詞文:昼食はウナギらしいの|だ。(推量律)
・名詞文:太郎は(明日大阪に↖行く)予定|です。
 (措定律:報告文)
・名詞文:太郎は(明日大阪に↖行く)予定なの|です。
 (措定律:説明文)
・名詞文:太郎は(明日大阪に↖行く)よう|です。(推量律)
・名詞文:彼は(父親が弁護士|だ)そう|です。(伝聞律)
・名詞文:彼は父親が弁護士(のはず)|です。(措定律)
・動詞文:直売所でイチゴが\売っている。(受律)
・名詞文:直売所で(イチゴが↖売ってる)の|だ。(措定律)
・動詞文:彼は自転車が\乗れる。(互律:物理法則との合致)
 
 以上の例文を比べてみると、名詞述語文節の名詞や形式名詞の部分
を構文の主部側に取り込むことが自然であり、合理的であることが分
かります。動詞文や形容詞文の構文主部と同等の名詞並びになるから
です。

 

2020/11/03

「述語律」が文法の謎を解く -4

「述語律」が文法の謎を解く -4
2020年11月3日(火)
3.「述語律」が日本語の歴史をつなぐ
 述語律を思い描きはじめてから先史時代の助動詞、消滅した助動詞
の顛末のこと、[挿入音素]の由来のことなどを考察してきました。
・[挿入音素]の由来→古語ユ語法、ク語法との関わりを「述語律」の
 視点から解明しました。
 [挿入音素]=[a/-],[i/-],[-/r],[-/s],[-/y],[-/k], 6種のうち、連結子音の4
 種=[-/r],[-/s],[-/y],[-/k], については態接辞:-ar-,-as-,-ay-,-ak-, に由来
 するのだろうと気づきました。
・古語ク語法は 「-ak- 接辞の用法」に付けられた呼び名であり、
 曰く iw[-]ak[-]u、願わくは negaw[-]ak[-]u[+]は、などと使います。
 古語ユ語法は「-ay- 接辞の用法」を当文法で類似命名したもので、
 いわゆる iw[-]ay[-]u[r]u、あらゆる ar[-]ay[-]u[r]u、などに残ります。
 
●国語文法では、-ay- 接辞を古語助動詞:「ゆ」ととらえて、自発・
 可能・受け身の単語派生に使ってきたと解釈しています。
 ・怯え:obi[-]y[-]e →obi[-]y[-]u[r]u 語幹識別が不確かですが、ユ語
  法に関わるもの。
 ・脅かす:obiy[-]ak[-]as[-]u →古くは、obi[y]as[i/-], obi[k]as[i/-],
  の両方の用例があるとの記載。
 上記の2単語は『岩波古語辞典補訂版』大野晋他2名に記述あり。
 ちょうど、ユ語法、ク語法の解釈に貴重な手掛かりになる。
→大野晋の古語ク語法の研究成果は同辞典の凡例・用語についてに詳
 しく載っていて出色の考察ですが、-ak- 接辞を「動詞を概念化する
 形式名詞」と断定したところに国語学への忖度と限界があったのか
 もしれません。(未然形連結の常識を打破するために名詞扱いにせ
 ざるを得なかったか)
 
〇 当述語文法では、古語のユ語法、ク語法が [挿入音素]の[-/y], [-/k],
 の形態でも生き延びていると考えます。
・-ay- 接辞=自発・可能・受け身(-ar- 接辞よりも、-e- 接辞に近い)
 の派生に使われ、先史時代の造語に寄与したのだろう。
 現代口語のD[-/y]o[-]u:書こう、食べよう(意思/勧奨)の変遷を通し
 ←D[-/y]af[-]u:書かふ、食べやふ(-af-:合え/敢え:完遂/継続/勧奨)、
 ←D[a/-]m[-]u:書かむ、食べむ(-mu-:意思/催促/勧奨/推量)、
 の流れが分かる。(mu という心理表現よりも afu という折衝行動
 に重きをおく表現に変わってきた)
・-ak- 接辞=動作(周辺)概念化する意味を持つが、述語接辞の機能と
 して「無律化」を果たすものである。
 *おびやす:obi[y]as[-]u →述語律=「主:律他+客:自発」では無責
  任な言い方になる。客体の自発おびえの程度を主が規律できない。
 *おびかす:obi[k]as[-]u →述語律?=おび?かす? 客自律を解消
  したい心理は汲み取れるが単語の意味が固定していない。
 ○おびやかす:obiy[-]ak[-]as[-]u →述語律=obiy-ak おびえること+
  主が自律で成す=自律(他動詞) として主の規律範囲でおこなう。
  同様な構造で、あまやかす:amay[-]ak[-]as[-]u →述語律=あまえ
  ること+主が自律で成す=自律・他動詞にして主の規律内の甘え
  に収める意図を表す。
 ・「無律化」が分かりやすい例をもう一つあげると、
 ○寝かす:ne[k]as[-]u →横にすること+主が自律で成す=物を当分
  しまっておく→「乳児を寝かす」主の責任でおこなう。
 *寝さす:ne[s]as[-]u →乳児の自律に任す律他は主の無責任になる。
 △寝せる:ne[s]e[r]u →乳児と主の互律ならば責任半々?で可か。
 
 このように先史時代から述語律をわきまえて動作規律の構造を明確
にしようと工夫してきたのです。無律化の意図を忘れずに、述語律を
しっかりと自覚して使っていきたい。
 

2020/10/31

「述語律」が文法の謎を解く -3

「述語律」が文法の謎を解く -3
2020年10月31日(土)
 前回の項目のつづき
2.e[r]u 接辞への無理解がつづく-つづき
 ●使役形には、例「立たす」よりも「立たせる」のほうがよい。
  立たしてよりも、立たせてのほうが清雅、上品であるから、、、
  国語文法ではこれ以上の精雅な説明はできていない。
 〇態接辞は先史時代よりこのかた、-ar-, -as-, -e-, の3種を使用して
  きた。文語時代では、受動:-ar[e]-, -ar[-]u,(連用,終止)、使役:
  -as[e]-,-as[-]u,(連用,終止)、のように二段活用されていた。
  ・ただし、自他交替接辞としても使われる-ar-, -as-, は四段活用動
   詞でも活用され、特に-as[-]uは強制動詞としても並行して用い
   られてきた。(任す:mak[-]as[-]u/任せ:mak[-]as[-]e,已然形) 
  ・江戸期に一段活用化が進むと、受動:-are-, -are[r]u、使役:
   -ase-, -ase[r]u, の構造での認識も増えるようになった。
  ・その結果、-as[-]e[r]u と -ase[r]u の同音・同義が定着し始めた。
(先史時代から現代口語まで根源的に連続する法則を組み上げる)
 〇当述語文法では、強制系と使役系の双方を併存させ、能動系と合
  わせて、「態の三系四態」により態の全体像を把握する。
  ・態三系四態の「述語律」も3✕4=12通りになるが、半分の
   6態に-e[r]u, が付属し、さらに使役には四態ともにはじめから
   -e[r]u, が付属するから、10個の-e[r]u, が使われるのです。
  ・これほど重要な-e[r]u, の「述語律」を正確に理解できていない
   のは残念なことです。
  ・強制系:D[-/s]as[-]u:立たす/食べさす:述語律は「律他」
   :主が他に命じて他を律する(動作は他が自律でなす)
   強制可能:D[-/s]as[-]e[r]u:立たせる/食べさせる:述語律は
   「律他互律」:律他+完遂へ相互協力。(主体動作も感じる)
   強制結果:D[-/s]as[-]ar[-]u:立たさる/食べささる:述語律は
   「律他果律」:律他の動作結果が他を律する(受け身)。
   強制受動:D[-/s]as[-]ar[-]e[r]u:立たされる/食べさされる:
    述語律は「律他果互律」:律他の動作結果が関与者相互に
   及ぼす規律を表現する。文章の主部には客体、対象がなり、
   強制主体は隠れることが多い。
  ・使役系:D[-/s]as[-]e[r]u:立たせる/食べさせる:述語律は
   「律他互律」:律他+完遂へ相互協力。(主体動作も感じる)
  (強制可能と同音・同義であり、簡略のため述語律=使役律と呼
   ぶ)主体が命じるだけでなく、完遂に向けて助力など行う。
  ・使役可能:D[-/s]as[-]e[r]e[r]u:立たせれる/食べさせれる:
   述語律は「使役互律=律他互互律」、主体が他にやらせて完遂
   させることができる、助力・助言もする。
  ・使役結果:D[-/s]as[-]e[r]ar[-]u:立たせらる/食べさせらる:
   述語律は「使役果律=律他互果律」、主体が他にやらせた結果
   事象が及ぼす規律を表現する。
  ・使役受動:D[-/s]as[-]e[r]ar[-]e[r]u:立たせられる/食べさせら
   れる:述語律は「使役果互律=律他互果互律」、使役動作の結
   果事象が関与者相互に及ぼす規律を表現する。文章の主部には
   主体、客体、対象の誰もがなれる。
 〇基本の態接辞に対する述語律を整理しておこう。
  ・能動系:D[-/r]u:述語律は「自律」、主体の自律的動作で規律
   する。自動詞、他動詞ともに「自律」であり、対象物にとって
   は動作を受けるだけの「受律」である。
  (「昨日買った本は一晩で読んだ:kaw[0i=Q]ta 本はyom[0i=N]
   da.」:本は「買う」「読む」の動作を受けるだけ。通常「受
   け身」表現にしないで済ませる。重要な文法則である)
  ・強制態接辞:-as[-]u:述語律は「律他」、主体が他に命じて
   他に「自律」動作をやらす。主は他を規律するのみ。
  ・結果態接辞:-ar[-]u:述語律は「(結)果律」、動作結果が有
   る、在る、出る、の意味で、結果事象からの視点で各関与者
   との規律関係を表現する。(自動詞も結果態、受動態を持つ)
  ・可能態接辞:-e[r]u:述語律は「互律」、動作を完遂するため
   に各関与者が相互に規律し協力し合う。
  ・使役態接辞:-as[-]e[r]u:述語律は「律他互律」、主は他を規
   律するだけでなく、相互に協力し完遂へ向ける。
  ・受動態接辞:-ar[-]e[r]u:述語律は「果互律」、動作結果が各
   関与者と如何なる相互規律関係であるかを表現する。
  (主部が、主体:動作実績、尊敬(隠れ話者)、客体・対象:受け
   身、など、関与者ごとに表現できる)
 先史時代からつづく基本の態接辞について、その意味、述語律を
明確に解説(発話連動)できる文法則に育てたい。
 

2020/10/28

「述語律」が文法の謎を解く -2

「述語律」が文法の謎を解く -2
2020年10月28日(水)
 現在の国語文法の問題点には「かな文字頼り」の分析による欠陥が
根源にあり、文法則に確信が持てないために広義の解釈に発展させる
ことができず、狭義の法則に押し止め、広がりを禁止法則にしてしま
う傾向がある。
・だから、余計な禁止法則に惑わされるな、という原則に立ち十分に
 禁止理由を吟味すべきである。
・「惑わされない原則」は「ローマ字つづり」で分析する新述語文法
 が示唆する「五段活用/一段活用」一般形式表記の原理:子音末・
 母音末動詞の区別なく「接辞の機能」が両方に働くのだと確信する
 こと。
 
1.余計な禁止文法則の例
 ●「(わけがあって)折戸を開けてある:ak[-]e[-]te[+]ar[-]u」他動詞
  なら良し、だが自動詞ではダメと禁止的に言及する。
 〇「(長いこと)折戸は開いてある:ak[0i=I]te[+]ar[-]u」自動詞でも
  OK。「(今日はもう)しっかり歩いてある:aruk[0i=I]te[+]ar[-]u」
  自動詞でもOK。
 ●「読める、書ける:yom[-/r]e[r]u, kak[-/r]e[r]u,」可能動詞だが、
  「見れる、食べれる:mi[-/r]e[r]u, tabe[-/r]e[r]u,」は可能動詞と
  認めず、「見られる、食べられる:mi[-/r]ar[-]e[r]u, tabe[-/r]ar-
  [-]e[r]u,」を無理強いする。国語文法の最弱点である。
 〇可能動詞の一般形式:D[-/r]e[r]u,に従い「見れる、食べれる」が
  当然ながら認められ、可能態として推奨されるべきである。
 (「ら抜き」概念自体が間違いで、国語文法の最弱点である)
 
2.e[r]u 接辞への無理解がつづく
 ●立つ:tat[-]u,→立てる:tat[-]e[r]u,:e[r]u付きで他動詞化する、
  割る:war[-]u,→割れる:war[-]e[r]u,:e[r]u付きで自動詞化する、
  国語文法の最弱点は、接辞 e[r]u の機能を説明できないからだ。
  あるときは他動詞化、またあるときは自動詞化になる e[r]u 接辞
  を持て余し、解釈しえないで世紀を過ごしている。
 〇立てる、割れるの一般形式:D[-/r]e[r]u, は可能動詞を表現する。
  同時に動作:Dを実行し「立つように、割るように」して完遂に
  達するという意味を表現するのが「立てる、割れる」なのであ
  る。(已然:D[-/r]e すでに動作している→D[-/r]e[r]u 完遂!)
  自他交替の接辞ではなく完遂状態に達すること表す接辞なのだ。
  ・つまり、e[r]u 接辞の根源は「動作完遂」を表す機能である。
  (已然形は完遂の仮定に通じるだけでなく、e[r]u 「る」の援軍
   が挿入されて、完遂状態に達する表現:完遂可能になるのだ)
  ・活用形の中でも已然形は典型的に動相と態変化に関わる派生形
   である。「述語律」も独特であり、主体と客体、対象物ともに
   動作条件を合わせながら互(いに協力し規)律し合うこと:
   「互律」を意味する。(自然・物理条件などとも折り合いを
   つける)
  ・「彼は納豆が食べれる:tabe[-/r]e[r]u 」互律だから複主型が可。
   「花子がピアノが弾ける:hik[-/r]e[r]u」互律だから複主型が可。

  国語文法の e[r]u 接辞の無理解の影響はまだまだあり、次回へ続く。

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