カテゴリー「態文法」の38件の記事

態文法:態・用言の派生を流れ図で一覧する

2017/06/22(木)

 日本語の用言:動詞、形状動詞、名詞・形容名詞の活用派生の方法を全体的に
一覧できるように「流れ図」形式で表現してみました。
〇「態の双対環」文法では、動詞語幹+[挿入音素]+機能接辞という基本から、さ
 らに一歩進める考え方で、
・汎用一般式=動詞語幹+[挿入音素]+機能接辞語幹+[挿入音素]+機能接辞
 語幹+・・・を提起するところまで来ました。
〇「流れ図」形式で動詞派生を説明しようと最初に試みたのは、
 国広哲弥:『日本語学を斬る』:研究社:2015年1月30日初版の後尾、あとがき前
 に、ささやかな流れ図:「tabe」一語のみの「動詞語尾の屈折体系」が載っている。

 これに興味を持ち、いつか全体の派生構造が一覧できる「流れ図」を作りたいと
思っていたので、御覧いただきたい。少しばかりくどい表現形式ですから、慣れ
るまでには、時間がかかるかもしれません。

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態文法:態の全体像を把握する3

2017/06/15(木)

 態の全体像を理解するために必要な考え方は、2つの着眼点で動作を識別する
ことです。
①動作の律仕方:自律動作であるのか/他を律する動作であるのか、の識別、
②動作の発着仕方:能動(発する状態)か/所動(受ける状態)か、の識別、
律仕方や発着仕方をそれぞれ二者択一の識別で把握するのが基本ですが、すでに
「態の双対環」では、基本の自律/律他のほか、互律、無律なども説明しています
から、広がりのある律仕方です。ただし、自動詞、他動詞の区別はしないで律仕方
だけに注目します。
また、発着仕方も基本は能動/所動の区別ですが、所動には受け身表現のほか、
可能態、結果態、自発態、進行状態描写、形状様態描写なども含まれます。
逆に能動の基本は態3系(能動系/強制系/使役系)の原形態だけですから、それ
以外の可能態、結果態、受動態などがすべて所動の性質を示します。
(動作主が主語になる構文でも、可能態、結果態、受動態の構造であれば、動作の
 辿り着く状態を示唆する意味になる。これは所動の状態です)

 動作の律仕方の基本:自律/律他については、次の研究書籍が分かりやすい。
〇今泉喜一:『日本語態構造の研究-日本語構造伝達文法 発展B-』:晃洋書房:
 2009年11月20日第一刷発行
〇今泉喜一:『日本語のしくみ(1)-日本語構造伝達文法 S-』:揺籃社:2015年
 12月24日 (入門書1の形式)
・今泉本の「日本語構造伝達文法」では、実体による動詞動作を「実体の属性」と見
 なす構造を想定する。
★自律動作はまさに実体の属性であり、実体が自律的な動作属性を行う。
★律他動作の構造には主実体と他実体を想定し、主体は他に命ずるだけ、他実体
 が命じられた動作属性を自律的に行う。そういう構造を伝達するのが日本語の
 描写文法だと説明する。(研究書籍の超簡略説明です)
〇清瀬本も今泉本も進歩的な日本語文法を研究した成果ですし、両著者ともに
 膠着語であるモンゴル語を研究テーマとされた経歴があり、ウラル・アルタイ
 諸語のなかの同類として日本語を位置づけることができたのでしょう。
 表音文字を使うモンゴル語の膠着語文法は単語派生の構造が明確で分析しやす
 いのではないでしょうか。
・しかしながら、どちらの研究書も派生連結が「連結子音/連結母音」+機能接辞
 に留まっています。
〇「態の双対環」文法では、動詞語幹+[挿入音素]+機能接辞と一歩進める考え方
 で、汎用一般式=動詞語幹+[挿入音素]+機能接辞語幹+[挿入音素]+機能接辞
 語幹+・・・を提起するところまで来ました。
・[挿入音素]の法則は、機能接辞の語頭音が母音始まりならば、[挿入音素:子音
 単音]であり、先行語幹の語尾音が子音なら[挿入音素:潜在化無発音]とし、語
 尾音が母音なら[挿入音素:顕在発音]する。
・機能接辞の語頭音が子音始まりならば、[挿入音素:母音単音]であり、先行語幹
 の語尾音が子音なら[挿入音素:顕在発音]し、語尾音が母音なら[挿入音素:潜
 在化無発音]とする。
★[挿入音素]の概念を導入することにより、動詞の機能派生を汎用的に一般化
 して把握できるのです。

 論旨が横道へそれますが、いま読書中の図書は『漢字が日本語をほろぼす』田中
克彦:角川SSC新書:2011年5月25日第1刷発行、です。この本の著者も研究経歴
に、モンゴル語があります。
日本語研究にはローマ字つづりによる音素解析が重要であると分りますが、日常
の日本語としても「視覚文字に頼らない/音による伝達」、世界に通じるローマ字
つづりの日本語をもっと自分の生活にも使って、便利さを実感すべきだなと感じ
はじめてきた。
★ローマ字(アルファベット26文字)は世界共通でも、発音に合せた文字組み合
 せ:つづり方は各国で異なります。ヘボン式ローマ字つづりは世界共通になり
 ませんし、日本語の五十音表の並びを乱す原因になります。
 訓令式では、第一表には五十音式つづりを載せて、第二表に少数のヘボン式つ
 づりを補追し慣例上の用法も残せるようになってはいる。一般使用では第二表
 を極力使わないようにすればよいのだろう。
・訓令式だけでは表現範囲がせまいのと、日本語の古典書物のローマ字化などに
 対応することを想定すると、田中舘式(日本式)が一番広範囲な五十音表に拡張、
 順応できるものと思う。
 国際標準規格でも訓令式、日本式の両論併記になっているらしい。
・日本式ローマ字つづりの国際標準規格:ISO-3602(1989年)をベースにして、
 日本語のローマ字つづり書籍を増やしていくことが最善策と思う。
 (日本行政は日本式を積極的には推進していないようだ。例えばパスポート用
 署名にはヘボン式に固執している。また、長母音文字のキー入力にもてこずる
 から、本格普及にはPC側の改善が必要なのだと思う)
・当座の措置としては、母音二重化で長音表示に当てるという99式(梅棹式)を
 部分限定で借用するか、、、

 本論へもどる間もなく余力なしになってしまった。
ここで一区切りします。

態文法:態の全体像を把握する2

2017/06/08(木)

 動詞、形状動詞などの「活用」は、本来の膠着語の文法則に従えば「接辞を追加
膠着させて機能を順次派生させること」に相当する。
・動詞「派生」には、以下のような段階があり、「派生」に「派生」が重なっていく。
①自他交替「派生」:動詞語幹に接辞を付加して自動詞、他動詞を派生する。
②態「派生」:動詞語幹に接辞を付加して動作、被動作の向い先(対向関係)を交替
 する派生をさせる。(①、②の動詞派生は、単語生成の機能です)
③相「派生」:動詞語幹に接辞を付加して動作の進捗描写(構文機能)を派生する。
④助動詞「派生」:動詞語幹もしくは「相派生の特定相」に接辞を付加して動作の進
 捗描写(構文機能)を補強派生する。
〇動詞(用言)は「活用する」のではなく、「機能接辞により派生する」のだ。
 (清瀬義三郎則府:『日本語文法新論-派生文法序説』:桜楓社:1989年、
 『日本語文法体系新論―派生文法の原理と動詞体系の歴史』:ひつじ書房:
 2013年、)
・清瀬本で提起された「文法新論-派生文法」の原理と、「ほぼ等価の派生方式」を
 当ブログの「態の双対環」態文法では提案しています。

〇まずはじめに、「態の双対環」態文法が有利な点をしめします。
・動詞(用言)の派生を汎用式で書き表わせます。[挿入音素]の概念が有利です。
 汎用式=動詞語幹+[挿入音素]+機能接辞語幹+[挿入音素]+機能接辞語幹・・・
・「態の双対環」文法では、上記の①自他交替派生、②態派生に使う機能接辞群を
 単語生成接辞と見なし、汎用式の初段階で使います。
 ③相派生、④助動詞派生に使う機能接辞群を構文機能接辞、助動詞接辞だと見
 なします。(どちらも派生の方法は汎用式に従い③、④の順に連結します)
★「態の双対環」を一般式で表記する。動詞語幹をDでしめす。
〇能動系の場合:D[r]u/D[r]e[r]u/D[r]ar[]u/D[r]ar[]e[r]u、
 動詞例:kak[r=0]u/kak[r=0]e[r]u、(書く/書ける、)
 /kak[r=0]ar[]u/kak[r=0]ar[]e[r]u、(/書かる/書かれる、)
 動詞例:mi[r]u/mi[r]e[r]u、(見る/見れる、)
 /mi[r]ar[]u/mi[r]ar[]e[r]u、(/見らる/見られる、)
〇D=kak:子音語幹/D=mi:母音語幹の両方に対して、共通一般式で概念表記
 できるのです。(書ける、見れる、が共に派生成立するのが公平です)
★機能接辞が真に強い有用性を持つならば、母子両語幹の動詞で区別なく機能を
 派生できることが公平な文法則と言えるのです。
 ([挿入音素]という公平な連結音素を導入したので、母子両語幹に公平になり
 ます)
〇「態の双対環」の強制系、使役系については、挿入音素:[s]をはさむ。
・強制系:
 D[s]as[]u/D[s]as[]e[r]u/D[s]as[]ar[]u/D[s]as[]ar[]e[r]u
・使役系:D[s]as[]e[r]u/D[s]as[]e[r]e[r]u/D[s]as[]e[r]ar[]u
 /D[s]as[]e[r]ar[]e[r]u
 (ここでは説明を割愛)

 つぎに、動詞文用法の派生について概観する。
★相派生:学校文法で動詞活用と呼ぶものを「相派生」だと見なします。
 動詞構文を作るための基本形式が、未然・連用・終止・連体・仮定(已然)・命令で
 しめせる。(動詞単語生成でなく、その動詞を使って動作進捗を描写します)
・一般式:D[a]na[k=0]i/D[i]mas[]u/D[r]u/D[r]u-/D[r]eba/D[r] (e/o)
 動詞例:kak[a]nai/kak[i]masu/kak[r=0]u(書かない/書きます/書く)
 /kak[r=0]eba/kak[r=0]e、(書けば/書け、)
 動詞例:mi[a=0]nai/mi[i=0]masu/mi[r]u(見ない/見ます/見る)
 /mi[r]eba/mi[r]o(見れば/見ろ)
〇命令:D[r]e/o:書け/見ろ、のほか、母子両語幹ともに「書け/見れ」という
 形態がありえます。一般式はそのことにも対応できる。

・相派生の一般式としては、現実的にもう一つの形態があります。
 文語体の時代で「態の双対環」が確立していれば、条件接辞:aba:未然、/eba:
 已然が使われて、未然:D[a]baではなく、未然:D[r]abaとなったはず。
★一般式:未然:D[r]aba/已然:D[r]eba、が現在まで形を残したかもしれない。
 打消し条件では、D[a]na[k=0]iに後付けて、
★D[a]na[k]ar[]aba:書かなからば/見なからば、(打消し未然条件)
★D[a]na[k]ereba:書かなければ/見なければ、(事前打消し已然条件)
 が現在でも理論上は使えるはずです。
また、naiを派生させるのは形状動詞の派生と同じですから、
★形状動詞の条件法一般式:形容詞語幹:Kとして、
 K[k]araba:美しからば、早からば、強からば、寒からば(未然仮定条件)
 K[k]ereba:美しければ、早ければ、強ければ、寒ければ(已然確定条件)
と応用できる。
・形状動詞の相派生を一般式で表すと、
★K[k]ar[y=0]oo/K[k]u・/K[k=0]i/K[k]ereba、
 形状動詞例:早かろう/早く・ない、・ても、/早い、早い・時間/早ければ、
 となる。
 語幹と接辞の間には、必ず挿入音素をはさむという原則を[k]で果します。

 前回の古語ク語法接辞:-ak-:は平安期以降の使用例が少ないようだが、誤用
例も多いらしい。
★当時に[挿入音素]の概念があったならば、
・一般式:D[r]ak[]u、であるから、[挿入音素]の顕在/潜在を正確にすると、
 例:曰く:iw[r=0]ak[]u/老いらく:oyur/oir[r=0]ak[]u
 /願わく:negaw[r=0]ak[]u、など正しい発話操作ができるが、
・古き時代では、「く/らく」を未然、連体などに付加するという法則に留まって
 いたから、
 誤用例:×望むらく:nozom[r]ak[]u→〇望まく:nozom[r=0]ak[]u、
 ×惜しむらく:osim[r]ak[]u→〇惜しまく:osim[r=0]ak[]u、
 ×疑うらく:utagaw[r]ak[]u→〇疑わく:utagaw[r=0]ak[]u、
 など誤用(連体形に[r]ak-付加の誤用)が広がり、逆に〇印の正解用法(子音語
 幹+[r=0]+ak-付加が正解)がなじまなかったのだろう。

 [挿入音素]の概念が現代でも広まっていないのは残念です。
真に必要な機能接辞ならば、母子両語幹に公平に派生するべきで、[挿入音素]は
そのための鍵になります。なんとか早く普及したいものです。
(つづく)

態文法:態の全体像を把握する

2017/06/03(土)

 さて、「態の双対環」文法で提起した「態の全体像」を把握し直してみよう。
->当ブログ既出の[挿入音素]を引用再掲すると、
★態の機能接辞と[挿入音素]との対応関係が同源的に完全一致する。
①結果態接辞:-ar-:  ・・・・  挿入音素:[r]:自律動作(自他動詞ともに適用)
②強制態接辞:-as-:  ・・・・  挿入音素:[s]:律他動作(強制、使役に適用)
③古語可能接辞:-ay-: ・・・  挿入音素:[y]:互律動作(前望、意向に適用)
③現代可能態接辞:-e-:意味的に互律(挿入音素は[r]自律が多い)
④古語ク語法接辞:-ak-: ・・ 挿入音素:[k]:無律概念(形状動詞、無律動詞)
 (形状動詞:[k]ar-、動詞:-ak・as[]u:無律概念+強制で自律他動詞化)
〇他に母音[挿入音素]には[a]、[i]があり、[i]音便表記の[I][Q][N][¥]を定
 義した。
<-引用おわり。

 動作の律しかたを識別することは、態を精確に識別することにも通じるので、
整理しておこう。
★動作主体から見た「能動・律しかた」を①~④で示してある。
 (まず基本として動作主体の能動・律しかたを解説する。受け身側の所動・律し
 かたは後段で述べる)
★子音挿入音素が顕在化するのは、母音語幹の動詞に①~④の機能接辞が連結す
 るときだけです。(挿入音素[r]、[s]は分かりやすいが、[y]、[k]には馴染がな
 いでしょうね。)

・③の[y]は、例:見[y]oo、はじめ[y]oo、届け[y]ooなど自律的な前望、意向と
 同時に、聞き手を含めてお互に自律的同調的な行動呼びかけの動作として使わ
 れることを考慮した「互律」概念を表すものです。
・③現代可能態接辞:-e-:誕生経緯は諸説あるが、書k[i]ari→書k・eri(已然)
 →書k[]e[r]u:(子音語幹動詞)の変遷が理解しやすい。
 母音語幹動詞では、見[r]e[r]u、はじめ[r]e[r]u、届け[r]e[r]uとなるべきと
 当ブログでは新論提起している。
(可能態は必須機能だから挿入音素[r]を挟んで、全動詞と連結すべきです。
 一般式:動詞語幹+[r]+e[r]uにより、書ける、見れる、が派生できます)
・③「互律動作」とは、自律・同調的動作であり、「人と物との互律動作」も含む。
 例:割る(人の自律動作)→割れる(人と物の互律動作)→人:割るをなす状態、
 物:自然に割れる(自発)、割るになる状態を表す。
 (割れる:状態動詞に近づき、所動相とみてよい)

・④無律接辞:-ak-、挿入音素:[k]については、珍しい提起ですから、くわしく
 解説する。(挿入音素:[k]の形式で提起するのは今の所、独自説です)
★古代より、自律、律他の動作識別に対して敏感な感性があったと推測できる。
・自律他動詞:自律動作として対他に動作を加える。(書く、読む:直接行為)
・律他(自他)動詞:対他に自律動作をするように仕向ける。動作内容は他の自律
 動作により左右される。(書かす、読ます:動作内容は相手次第)
★律他自律転換他動詞:動作を無律化したうえで他動詞化する(無律他動詞)方法
 が考案されていたのです。
・対他の自律動作に任せた仕向けでは、動作内容が保証できないので、無律化動
 作として内容概念を固定化してそれを他動詞化すると、明確な動作指示ができ
 る。
例:散る:自律自動詞(花が散る)、散らす:tir[]as[]u:律他他動詞(風が花を散ら
 す)、散らく:tir[]ak[]u:散るという情景概念、散り重なった状態概念。
 ・散らかす:tir[]ak[]as[]u:自律他動詞(部屋を、オモチャを、散らかす)。
 (普通なら散らすでは、「部屋を散らす」と言えない)
 ・散らかる:tir[]ak[]ar[]u:所動・自動詞(部屋が、オモチャが、散らかる)。
例:おびえる:自律自動詞、おびえらす?おびえさす?対他の自律動作でおびえる
 とは、おびえの様態が不鮮明だ。おびやく:obiy[]ak[]u:おびえる概念化。
 ・おびやかす:obiy[]ak[]as[]u:自律他動詞(彼を、経営を、おびやかす)
 (おびやく概念の感じ方を説明しにくいが、おびやかす:他動詞化になると明確
 に感じられる)
〇同類に、あまえる→あまやく→あまやかす、など思いつく。また、変形類似には
 ・寝さす:ne[s]as[]u→寝かす:ne[k]as[]u、
 ・だます:?dam[]as[]u→だまかす:?dam[]ak[]as[]u、?dama[k]as[]u、
 などが実在する。

★④無律接辞は上記のように、強制接辞と連結することで律他性を無効にし、
 (直接行為の)自律の他動詞化する用法が多いようです。
・無律化の用途は限定的なので、特定動詞を生成するだけに利用されてきたのだ
 ろう。生成した動詞も単純に他動詞(または自動詞)として解釈できるから、特
 別な派生系統として区別しなくてよい。
〇従来の研究では「ク語法派生による名詞化」を拾い上げて解釈することが多か
 った。ここでは一歩踏み込んで、名詞化=無律化、状態概念化の仕掛けに態接辞
 を後続させた「動詞化派生」をくわしく説明した。
・また既に、形状動詞の挿入音素:[k]への利用(無律状態の利用)をすでに提起し
 ている。

 (次回へつづく)能動/所動の律仕方一覧を作成したい。

態文法:繋辞、断定辞に[挿入音素]なし

2017/05/29(月)

 さて、「態の双対環」文法で提起した[挿入音素]を全部並べてみよう。
->当ブログ既出の[挿入音素]を引用再掲すると、
★動詞、形状動詞に対応する[挿入音素]が機能接辞と同源的完全一致するのを
 見出せます。
・結果態接辞:-ar-:  ・・・・  挿入音素:[r]:自律動作(自他動詞ともに適用)
・強制態接辞:-as-:  ・・・・  挿入音素:[s]:律他動作(強制、使役に適用)
・古語可能接辞:-ay-: ・・・  挿入音素:[y]:互律動作(前望、意向に適用)
・古語ク語法接辞:-ak-: ・・ 挿入音素:[k]:無律様態(形状動詞、無律動詞)
〇他に母音[挿入音素]には[a]、[i]があり、[i]音便表記の[I][Q][N][¥]を定
 義した。
<-引用おわり。

★形容名詞:KM、名詞:Mは母音語幹であり、[挿入音素]は新たに必要としない。
・(形容)名詞単語に「格助辞+機能接辞(繋辞・断定辞)」が付属する形式で派生し
 て構文化する。両者共にほぼ同様の形態で表される。
・形容名詞用法:KM:(代入例:きれい、元気、愉快)と併行して
・名詞用法:M:(代入例:学校、地震、夢)を共通式で派生させことができる。
〇共通一般式表記:
 KM/M[]d(e=Ø)ar[]ou←きれい/学校・だろう、
 KM/M[]de,ni,d(e=Ø)a(r=[Q])ta←きれい/学校・で、に、だった。
・KM[]n(i=Ø)a(r=Ø),←きれい・な:【形容名詞の連体形】
・M[]no,←学校・の:【名詞の連体形様】、後続に名詞が必要となる。
★KM/M[]nano・da,nano・ga←きれい/学校・なのだ、なのが、(なの=形式
 名詞化する。つまり、「なの」形式では、KM/M共通となる)
(動詞:D、形状動詞:Kも連体形:D[r]u,K[k=Ø]iに直接noda付加して、
 走る・のだ、速い・のだ、と断定文を作れる)
 KM/M[]de・areba,n(i=Ø)areba←きれい/学校・であれば、なれば、
 KM/M[]de・na[k=Ø]i←きれい/学校・でない、
 KM/M[]des[]u,-des[i]ta,-des・[y]ou.←きれい/学校・です、でした、
 でしょう、
〇以上のように、形容名詞と名詞の用法には共通性があり、連体形に差があるの
 みです。

 さて、繋辞・断定辞について整理しておこう。
〇「です・ます調」とか「常体・敬体」とかの名称ではなく、
①断定調詞:~(の)だ、(なの)だ、(の)だった、、、
②説明調詞:~です、(の)です、(なの)です、(なの)でした、、、
③率先調詞:~(し)ます、(~にし)ます、(~にし)ました、、、(動作動詞系)
と少し軽い気持で区別すると、若者の発話意図を誘導できるのでは?
 それで、構文形式:動詞文・形状動詞文・形容名詞文・名詞文のどれにでも、
①~③の調詞を付けて発話することが多いのですから。
〇ついでに将来を遠謀深慮するつもりで、日本語の構文が10年、20年先に
 どんな変化をしているか考えます。
一つ目の予測は、「構文はすべて終止形止めで終るだけ」か、
二つ目の予測は、「構文はすべて①~③のどれかを付加して終る」か、
三つ目の予測は、「構文は、終止形止めか、①~③調詞付けで終るかの混在」か、
(現在は、三つ目の予測と似た状況にいる)
★書く・だ/書く・のです/書き・ます:20年後には広まっているかな。
★早い・だ/早い・です/早く・します:20年後には広まっているかな。
★元気・だ/元気・なのです/元気・にします:現在進行中。
★ウナギ・だ/ウナギ・なのです/ウナギ・にします:現在進行中。

 繋辞は「甲が乙だ」と甲乙を等価な物として表現するわけではない。
関係のある側面を説明するだけで、嘘もあれば、本当もある。繋辞には等価にす
る力もないし、発話の中で甲乙の対向構文を断定・措定するだけなのです。
つまり、繋辞の機能は断定調詞、説明調詞に包含されるものと解釈してよい。
〇「太郎は、明日大阪へ行く予定だ」の意味が、「太郎は(100%)、予定だ」と分析
 する人はいないだろう。太郎を構成する僅か1%が「予定」かもしれない。
 大阪の関係者にとっては「太郎は予定」が70%かもしれない。
 しかし、「太郎が予定そのものである」とは誰も考えない。(だが誤解する言語学
 者も少数は存在する。繋辞が等価能力に満ち溢れている?と見るのか?)
〇普通人には「~予定がある」「~予定にします」「~予定なのだ」などの調詞語彙
 には調子を合せて「断定/説明/率先/有無」を見分ける理解力があります。
 「象は鼻が長い」→「象は長い鼻だ」、「象は鼻だ」、文脈を辿れば皆同じ意味だ。
〇「太郎は予定が明日大阪へ行くだ」、「次、君は名前が何というのかね」、「ぼくは
 ウナギにするよ」、「彼は母親が教師です」、「日本語は会話が意外に簡単です」、
・これらの例で「~は~が」で切って、「~は~だ」とした構文が会話の場では頻繁
 に現れる。「太郎は予定だ」、「君は名前だ」、「ぼくはウナギだ」、「彼は母親だ」、
 「日本語は会話だ」のような簡略構文が現れても、居合せている人には十分理解
 できる。
★「~だ」:断定調詞は、「~は~」を一括りの構文だと「断定する」機能を果す。
 会話の場で既に繰り返し語られる主要部分を省略しても支障がない。
 場の文脈に依存する形式となるが、日本語の構文法はそれを許容します。
・もちろん、会話の場に登場していない部分を抜き落し、いきなり簡略構文を発
 話するのはご法度で、聞き手には何も思い浮ばず、理解できないでしょう。

態文法:「ク語法」を現代的に解釈する

2017/05/20(土)

 さて、「態の双対環」文法で考察した「ク語法」の意味・解釈の方法を詳細に説明
しよう。
->まず前回の肝心部分を再掲する、
★機能接辞と挿入音素との同源的完全一致の姿を発見できたのです。
・結果態接辞:-ar-:  ・・・・  挿入音素:[r]:自律動作(自他動詞ともに適用)
・強制態接辞:-as-:  ・・・・  挿入音素:[s]:律他動作(強制、使役に適用)
・古語可能接辞:-ay-: ・・・  挿入音素:[y]:互律動作(前望、意向に適用)
・古語ク語法接辞:-ak-: ・・ 挿入音素:[k]:無律様態(形状動詞、無律動詞)
〇D[y]oo:書こう、見よう:主体相互に自律動作を呼びかける用途に適する。
〇K[k]a(r=[Q])ta:美しかった、強かった:無律(意思なし)の動詞化。
〇D[r]ak[]u:曰く、すべからく、老いらく:無律無意思での動作様態。
 ・笑わす:他が意識して笑うように仕向ける。に対して無律状態を想定した上
 ・笑かす:wara・k・asu←waraw・ak・asu:無意識の笑いを仕掛ける。
 ・たぶらかす:←tabur・ak・asu←tabur・aku←taburu:たぶるを無律化。
 ・思惑:←omow・aku←omou:思うを無律化。
<-引用おわり。

 今回は、古語ク語法接辞(以下=無律接辞と呼称する):-ak-と挿入音素:[k]
に絞り込んで考察を述べる。
★まず、自律・律他・互律・無律という言葉を聞き分けることができますか。
・「律他」は「他を律する」の意味で造語したもので、精確には「他が自律動作とし
 て指示された動作をする」という意味を表します。
・「互律動作」はお互に自律動作を勧める表現、動作意思を起させる表現の意味で
 造語しました。
・「無律」は、自律・律他・互律などの動作意図から離れた「動作事象・形態性状」を
 「(用言を)体言化した概念」として表現する意味で造語しました。
つまり、動作の意図、意思が自分にあるのか、他にあるのか、何処にもないのかを
表現する概念を、この四種類の「律」で表すものです。
〇当ブログ「態の双対環」文法では、自律(能動)・律他(強制)の概念を基礎にして
 さらに互律(使役、可能)・無律(形状、所動)の概念もその延長線上に並べること
 も考えてきました。

★解りやすく単語例で検討すると、
例:笑う:warau←自、他(自律)
 笑わす:waraw[]as[]u←他(強制:律他):主体は仕向ける、他が自律で笑う。
 (つまり、笑うのは他の自律意識・判断により成否が決る)
 笑わく:waraw[]ak[]u←(体言化:無律):笑いの概念化。
 笑わかす:waraw[]ak[]as[]u←他動詞:対他に(無意識での)笑いを引き出す。
 笑かす:wara・k・as[]u←省略化他動詞:対他に(無意識での)笑いを引き出す。
 (つまり、連結した接辞:-ak・as-は、無律(無制御・無情化)+律他=自律(他動
  詞)に相当することになる)

例:×赤ちゃんを寝さす、と言わず、〇赤ちゃんを寝かすと言う。
 寝る:neru:自(自律)
 寝さす:ne[s]as[]u:←他(強制:律他)主体は仕向ける、他が自律で寝る。
 寝かす:ne[k]as[]u:←他動詞(自律)主体が対他に眠るように行動する。
 (つまり、[k]asuは、無律(無情化・無制御)+律他=自律(他動詞)となる)
・寝さす:赤ちゃんが自律行為で寝るように仕向ける。(主体は仕向けるだけ)
・寝かす:主体が赤ちゃんに寝る行為を与える、誘導する。自律他動詞化。
・寝かせる:ne[k]as[]e[r]u:←無律+律他+已然状態=互律に近い他動詞。
 (可能態接辞:e[r]uは「寝る」から「眠る」に掛る事象進行を内包しますので、
 主体と赤ちゃんが協同動作として寝る状態を為していると解釈します)
脇道に逸れるが、可能表現が「互律」に近い意味合いを含むことを補足する。
・寝させる:ne[s]as[]e[r]u:←寝さす:強制律他の動作に可能態接辞:e[r]u
 が付加すると、その進行状態(已然状態)に主体が関わる意味が加わり、他と
 主体との「互律動作」の意味合いを感じさせます。
 (強制態よりも使役態のほうが柔らかな表現に感じるのは互律的意味合いに
 よるものと思う)

例:「だまされる」と「だまかされる」とで被害者後悔意識が強いのはどっち?
・だます:damas[]u:←他動詞(能動・主体自律):dam[]as[]uが見え隠れ。
 (dam[]asuの意味が涌いて来るので被害者の自律行為が邪推される)
・だまかす:dama・k・as[]u、dama[s→k]as[]u、damas[]ak・as[]u。
 (dam[]ak・as[]uなら被害者の自律性がなく、主体の自律的だまし行為)
被害者が「だまされた」と感じるほうが後悔感や自責の念が強い。
「だまかされた」と感じるとき、後悔感よりも(犯人憎し?)の感じが強い。
〇本来、「だます」は能動他動詞であるから、主体が対他に直接動作する意味
 だが、dam[]asuの-as-が強制態を想起させるので、対他がdam-動作を
 自律的に行うという「誤誘導」があるのだろう。その誤誘導を避ける手立てが
 「だまかす」なのです。この意味合いの違いを「だまかされなければ」免許皆伝
 でしょう。

態文法:発見!挿入音素と機能接辞の同源性

2017/05/17(水)

 もう一つ大きな発見ができました。
最近、態文法:形状動詞の派生と挿入音素、で記述したように、
挿入音素の考え方を整理しています。
〇そこで、発見しました。簡略的に記載する。
->記事引用:態文法:形状動詞の派生と挿入音素、(下地を記述)
 「態の双対環」文法で、子音の[挿入音素]に採用したものは、
  [r]:自律動作を意味する動作接辞に前置させる。(自他動詞ともに適用)
  [s]:律他動作を意味する動作接辞に前置させる。(強制、使役に適用)
  [y]:自分他人ともに動作を促す接辞に前置させる。(前望、意向に適用)
  [k]:有情他者に対し忖度しない動作表現にするため接辞に前置させる。
  (例:寝[k]as[]u/騙す・騙[k]as[]u/笑わす・笑[k]as[]u/はぐる・はぐら
   す・はぐら[k]as[]u/散らす・散ら[k]as[]u・散ら[k]ar[]u、など結果状
   態のみを求める如きの動作)などがある。
  他に音便表記の[I][Q][N][¥]、母音の[a][i]の[挿入音素]を定義した。
<-引用おわり

★機能接辞と挿入音素との同源的完全一致の姿を発見できたのです。
・結果態接辞:-ar-:  ・・・・  挿入音素:[r]:自律動作(自他動詞ともに適用)
・強制態接辞:-as-:  ・・・・  挿入音素:[s]:律他動作(強制、使役に適用)
・古語可能接辞:-ay-: ・・・  挿入音素:[y]:互律動作(前望、意向に適用)
・古語ク語法接辞:-ak-: ・・ 挿入音素:[k]:無律様態(形状動詞、無律動詞)
〇D[y]oo:書こう、見よう:主体相互に自律動作を呼びかける用途に適する。
〇K[k]a(r=[Q])ta:美しかった、強かった:無律(意思なし)の動詞化。
〇D[r]ak[]u:曰く、すべからく、老いらく:無律無意思での動作様態。
 ・笑わす:他が意識して笑うように仕向ける。に対して無律状態を想定した上
 ・笑かす:wara・k・asu←waraw・ak・asu:無意識の笑いを仕掛ける。
 ・たぶらかす:←tabur・ak・asu←tabur・aku←taburu:たぶるを無律化。
 ・思惑:←omow・aku←omou:思うを無律化。

★現代では、挿入音素:[y]は[y]ooの形態でしか使われないようだが、
 ・探そう:sagas[yØ]oo、渡そう:watas[yØ]oo、写そう:utus[yØ]oo、
 ・例外で、でしょう:des[y]oo、ましょう:mas[y]oo、に対しては発音識別が
  優先されている。(出そう、増そうと区別できる)
★挿入音素:[k]には、形状動詞化(ク活用)や動名詞化(ク語法)の機能接辞とし
 て古来より研究対象になっていたが、明解な解釈ができないでいた。
〇当ブログ「態の双対環」文法では、すべての用言が接辞で派生すると徹底して
 考えた。しかも、基本方程式に「語幹+[挿入音素]+接辞」を据えたので、適切な
 挿入音素を設定すれば一般式(子音語幹/母音語幹どちらにも対応する式)表現
 が可能となります。
〇形状動詞の一般式=「形容詞語幹+[k]+接辞」となるはずだと考えて、思考実
 験した。その上で、挿入音素:[k]とク語法接辞:-ak-の意味が深層でつながっ
 ているのだと見通すことができた。
★用言を使い動作などを表現する際に、動作の意図や対向方向を組み入れた発話
 であると理解しやすい。
 ・子音語幹用言では、[子音の挿入音素]を発話しないから機能接辞のみにより
  動作の律仕方を感じとることになる。
 ・母音語幹用言では、[挿入音素:r/s/y/k]の一つが発話で選択され、機能接
  辞と組み合されて動作の律仕方を感じとる。
〇律仕方とは、
 ・[r]:自律動作→動作主体自身が意図し制御する動作。自動詞と他動詞。
 ・[s]:律他動作→主体が対他へ自律動作を指示する行為。対物なら主体の他動詞。
 ・[y]:互律動作→主体または対他に共に自律動作を呼びかける行為。
 ・[k]:無律動作→動作制御のない事象状態(形容詞動詞化など)を派生する。
  特に、D[k]as[]uの形式で「対他の自律を無律化する」意図を含んだ誘導他動
  詞が派生できる。
  (笑かす:wara[k]asu←waraw・ak・asu←waraw・asu←warau)
〇機能接辞や[挿入音素]で動作・行為の律仕方を表現する言語は世界中に各種存
 在するのではないだろうか。日本語もそういう機能を持った言語である。

態文法:可能態の謎が解けた!?

2017/05/04(木)

 「態の双対環」文法と名付けて思考実験を続けてきました。少し整理します。
2年前に今泉喜一『日本語構造伝達文法』の自主研究会に飛入り参加して、実験状
況を披露する機会をいただいた。
態文法に限定した仮説的な思考結果を数回にわたり発表できましたが、研究会員
に対して新文法の優位性を論証するだけの力量がありませんでした。
先生からは「仮説思考を全体まで進めたら、逆に全体から思考検証し直して見る
ことが大切です」との示唆をいただいた。
 この示唆は「二分合体思考法」に通じるものですから、その後の一年間は態全体
に考察を進めて、昨年秋に『日本語動詞 態文法を再生する』にまとめあげ出版す
ることができました。
今年になってからは、「逆に全体から思考検証し直して見る」ことが多くなりま
した。折返し点と言うか検証期と言うか、思考の端緒が「演繹的視点」になって来
たかもしれません。

1.帰納的視点か? 演繹的視点か?

  拙著『態文法を再生する』で問題点として上げた用語例では、
〇「す」語尾の動詞のあつかい:他動詞と使役態動詞を峻別できるか?
 という設問で思考実験している。
例:動詞の終止形によって判断しているだけでよいのか?
・動かす:対物自律動作、 ・動かせる:対物自律可能態
・任す:対他自律動作、  ・任せる:対他委譲動作、
・償わす:対他強制動作、 ・償わせる:対他交渉動作、
・果す:対事自律動作、  ・果せる:対事自律可能態、
・輝かす:対物自律動作、 ・輝かせる:対物自律可能態?
・なびかす:対他物強制動作、・なびかせる:対他物誘導動作、
以上のような例を考察したあと、結論的には自己の自律動作を明確にするなら、
「す」動詞を使い、「せる」動詞での表現は控えたほうがよいとした。
〇上例では、根源動詞:Dに接辞:as[]uが付加され、D[]as[]uとなった動詞に、
 さらに、機能接辞:e[r]uが付加してD[]ase[r]uと派生した動詞です。
・この機能接辞を可能態接辞:e[r]uと命名して、自他交替、可能態、自発態の機
 能を発揮する動詞へ派生するものと定義した。
★この種類の動詞発話に関して、さらにその用法で設問したことは、
・発話「責任を果して、、、」をTV画面の字幕では「責任を果せて、、、」に代わる
 ことが多い。こと。
・「目を輝かして、、、」も「目を輝かせて、、、」で表現することが多い。
〇「果せて」、「輝かせて」は、他動・可能動詞の「連用形用法」だと解釈するしか
 ない現状では、単純他動詞の「果して」、「輝かして」を使用するほうがよいと
 割り切った考え方を記述していた。
(可能態使用を提起する立場からすると逆説になるが、発話者の感覚を尊重し、
 相当苦労して可能にさせたのだと連想できるなら、可能態を使うのがよいとい
 う判断です)

2.可能態:e[r]uを演繹的に考える

 前項の設問は、「任す/任せる」などの強制態:as[]uと使役態:ase[r]uの使い
分けに関わることではあるが、問題の根本には已然形に関連する多くの要素が潜
在する。
・現在の学校文法でも動詞已然形の概念を「仮定形」としてしか表現しない。
★当ブログは2017年1月、態文法カテゴリーを立てました。
・それ以前は日本語文法カテゴリーで、2014年9月日本語文法:可能態の謎を解く
 の中で、正に直感的な感性で可能態の謎を正しく解いていたわけですが、確信
 的に論証しきるほどの力量にありませんでした。
 今年になって、態文法:動詞活用形はアスペクト並び、に図表を載せて、
・動詞活用形式:未然・連用・終止・連体・仮定(已然)・命令の並び順が動作相:アス
 ペクトの基本構造を表現するのだと提起した。

★アスペクト並びと見做す利点は十分にあるのだが、仮説の「仮定形=已然形」
が条件提示のみで文構造に届かない。(仮定形の已然力が弱いのに気づいた)
〇「イチゴを売る」構文で思考実験:売る=ur[]u、D=ur。
・イチゴを売る:他動詞終止形、(×イチゴが売る)、 一般式:D[r]u、
・イチゴを売れば、:仮定形、 (×イチゴが売れば)、一般式:D[r]eba、
・イチゴを/が売れて、:可能・自発連用形、 一般式:D[r]e[r=Ø]te、
・イチゴを/が売れる :可能自発終止形、 一般式:D[r]e[r]u、
・イチゴを/が売れれば、:可能自発仮定形、一般式:D[r]e[r]eba、
・イチゴを/が売れた :可能自発完了形、 一般式:D[r]e[r=Ø]ta、
★仮定接辞:ebaは、「e」音を持つから暗黙のうちに已然を想定したが、已然を
 言い切るまでの力はなく、すこぶる弱い確定条件だと判明しました。
・それに比べ、可能接辞:e[r]u、これを基にした已然連用形:ete、完了形:eta、
 可能仮定形:e[r]eba、には「態を替える」力量があるわけです。
・別に蛇足ですが、
 イチゴを/が売っている:他動詞連用形+アスペクト助動詞:いる、
 のように助動詞でアスペクト構文にする方法もあります。
〇「イチゴを食べる」構文で母音語幹を実験:食べる=tabe[r]u、D=tabe。
・イチゴを食べて、:連用形、 (×イチゴが食べて)、一般式:D[i=Ø]te、
・イチゴを食べれば、:仮定形、 (×イチゴが食べれば)、一般式:D[r]eba、
・イチゴを/が食べれて、:可能連用形、 一般式:D[r]e[r=Ø]te、
・イチゴを/が食べれれば、:可能仮定形、一般式:D[r]e[r]eba、
・イチゴを/が食べれた :可能完了形、 一般式:D[r]e[r=Ø]ta、
★やはり、瞬間動作に仮定接辞:ebaを付加するだけでは、已然感が非常に弱い。
〇だが、吟味して欲しいことは、動詞(子音語幹、母音語幹)に可能態接辞を付加
 する表現方法は、何らの語幹による差や不安定要素もないし、早く正式文法に
 組み入れるべきものだということです。

★可能態接辞:e[r]u、または、-e-と記す文法書もありますが、意味は何か。
 何故、「強い已然力」を発揮するのでしょう。
・可能態接辞:e[r]uを付加した一般式:D[r]e[r]uの意味は、能動已然の働きで
 動作:Dの「ように成る」または「ように為す」の同時二義を有しているが、発話
 の文脈がどちらか一義に決める。
・売れる:(彼でも)売ることが可能/物が売れる(性状)の択一。
・食べれる:(好物なら)食べることが可能/栄養があり食べれる(性状)の択一。
(動作としても可能で、性状としても可能の意味を包含しているので、強い已然
 力を発揮するのだろう)

態文法:[挿入音素]が語幹・接辞の連結役

2017/04/15(土)

1.派生文法と「態の双対環」文法の見比べ

 前4回にわたり派生文法(清瀬本)の考え方と「態の双対環」文法(当ブログ)とを
見比べてきました。(挿入音素の役目を述べて全体の補足とします)

〇派生文法:動詞語幹+「連結子音/連結母音」+派生接尾辞、を原則におく。
 ・子音語幹+(連結母音)・子音語頭派生接辞、(母音語幹+子音語頭派生接辞)
 ・母音語幹+(連結子音)・母音語頭派生接辞、(子音語幹+母音語頭派生接辞)
 常に(連結音)と子音語幹、母音語幹を並べて考察する必要がある。
〇「態の双対環」文法:動詞語幹+[挿入音素]+機能接辞、を原則におく。
・[挿入音素]=「連結子音/連結母音」と見なせば、考え方は同一です。

 さらに、[挿入音素]概念には大きな利点があります。
★動詞派生一般式:動詞語幹(子音/母音:両方対応可能)→Dと表記:
 =D+[挿入音素:1個の音素]+機能接辞、で派生機能を説明可能となります。
  この一般式:D[挿入音素]機能接辞の形式ですべてを考察できます。
・例:可能動詞の一般式:
 =D[r]e[r]u←動詞語幹:D、挿入音素:[r]、可能接辞語幹:e、挿入音素:[r]、
  終止接辞:u、という派生が簡単に表せます。
・実例:書ける←kak[r=Ø]e[r]u、 食べれる←tabe[r]e[r]u、
 (本来、可能動詞は子音、母音語幹で派生できる:見れる、来れる、変えれる、、)
・挿入音素:kak[r=Ø]e[r]uでは、kak[r:無音化]e[r:有音化]uして発話し
 ます。実例表記では、kak[]e[r]uのように無音化を[]で表せばよい。これで
 語幹の区切りも明示できます。
★派生を一般式で表すことに慣れると、語幹(子音/母音)両方を平等に考察でき
 ます。
・機能接辞が本質的に必要な機能ならば、子音・母音語幹の両動詞に接続して
 「意味を生成させる」べきもので、それに対して「挿入音素」が役目を果します。
・[挿入音素]を度外視するような片側語幹だけの派生考察に対しては、違和感を
 感じるようになります。

・前々回、態文法:形状動詞の派生と挿入音素、で記述したように、
★「態の双対環」文法:形状動詞でも、[挿入音素]が必要なはずと考察して、
 派生一般式=K:形状動詞語幹(母音多し)+[挿入音素]+機能接辞、と徹底。
  =K[k=Ø]i/K[k]a(r=[Q])ta/K[k]ar[]oo、
・実例:高い:taka[k=Ø]i/高かった:taka[k]a(r=[Q])ta
  /高かろう:taka[k]ar[]oo、
・実例:高し:taka[s]i、強し:tuyo[s]i、早し:haya[s]i、など動きや変化を言う
 場合の挿入音素は[s]だろう。が、「高さった、高さろう」などの派生はない。
〇形状動詞の挿入音素:[k]は、動きでなく「状態・様態」に対する意味付けであり、
 「動き・変化」の意味付けの挿入音素:[s]と区別できる。
★挿入音素[k]は、動作動詞でも使用することがあり、[s]、[r]と違い、「動きの
 意図を無にした状態を出現させるために挟み込む」ものです。
・例:寝かす:ne[k]asu←ne[s]asu、笑かす:wara[k]asu←waraw[]asu、
 だまかす:dama[k]asu←damasu、など、相手の「意図を越えた状態」を出現
 させるため、[k]を挿入しているのでしょう。

2.挿入音素の特長:

 六動詞形を一般式で表現すると、通常、未然形[a]、連用形[i]の挿入音素がつく。
★D[a]nai、D[i]masu、D[r]u、D[r]u-、D[r]eba、D[r]e/o
 だが、母音語頭の機能接辞:abaを未然条件で使用する場合、
・D[r]aba→住まば:sum[]aba、見らば:mi[r]aba、出らば:de[r]aba、
 のように、挿入音素[r]もあり得ることです。
・連用形は、挿入音素:[i]-だけでも使用するほど強い動作相ですね。
 (おそらく母音語頭の連用機能接辞がないのでしょう)
〇学校文法で言う動詞五段活用表の「活用語尾:あいううえ」の「あ」「い」は挿入
 音素[a]、[i]であり、「う」「え」は機能接辞の語頭音です。
★「態の双対環」文法として、「六動詞形派生表は基本アスペクト一覧表である」
 と捉えて、
・一般式:D[a]nai、D[i]masu、D[r]u、D[r]u-、D[r]eba、D[r]e/o、に加え
・第2一般式:D[r]aba、D[i]masu、D[r]u、D[r]u-、D[r]eba、D[r]e/o、の
 条件接尾辞の未然形・已然形の揃いを示すと、未然形の挿入音素:[a]音、接尾辞
 の「あ」音の位置付けが明確になり、誤解が避けられるはず。
★態動詞派生の一般式:態の接辞が「as/ar/e[r]/ase[r]/are[r]」と母音
 語頭であるから、母音語幹動詞には挿入音素:[s]、[r]の子音挿入音素を挟み込
 む。
・「態の双対環」は「態の基本アスペクト一覧表」だと見なせます。
〇能動系:動詞語幹:D(子音語幹ならD[]、母音語幹なら[r]を挿入)
 ・原形態:D[r]u→可能態:D[r]e[r]u、(事象→已然)
   ↘結果態:D[r]ar[]u→受動態:D[r]are[r]u。(結果事象→已然)
〇強制系:D[s]as:(まず強制接辞を付加し)これを新たなDで表す。(子音語幹)
 ・原形態:D[]u→可能態:D[]e[r]u、(事象→已然)
   ↘結果態:D[]ar[]u→受動態:D[]are[r]u。(結果事象→已然)
〇使役系:D[s]ase:(まず使役接辞を付加して)新たなDで表す。(母音語幹)
 ・原形態:D[r]u→可能態:D[r]e[r]u、(事象→已然)
   ↘結果態:D[r]ar[]u→受動態:D[r]are[r]u。(結果事象→已然)
★可能態接辞:e[r]u、は、自他交替、他自交替、可能発話など多機能ですが、さら
 に態動詞の已然形としての機能が内包されています。
・作例:
 生きる:事象叙述、→生きれる:体験叙述、→生きれた:体験述懐。
  ↘生きらる:結果事象、→生きられる:経験叙述、→生きられた:実績述懐。

3.[挿入音素]の制約:

 [挿入音素]は、単一音素で挟み込むのが原則です。

・子音語幹動詞には[a]、[i]の挿入音素を説明した。発話に際して、「未然・連用」
 に対する表現の予告標識音になります。
〇[i]te、[i]taの連用形接辞では、イ音便として[I]、[Q]、[N]、[¥]を挿入音素
 表記に定義した。

・母音語幹動詞には[r]、[s]、[y]、[k]を挿入音素として定義した。
 この形態の挿入音素は、動作意図や動作制御に対する明確な意味付けが含まれ
 ている。
 [r]:自律動作(動作主体自身が動作を律する:自動詞、他動詞とも)
 [s]:律他動作(他者が自律的動作をするように仕向ける)
 [y]:自他勧奨(主体、他者も動作推進するように仕向ける)
 [k]:誘導動作、形状叙述(他者意図を斟酌せずに結果へ誘導する。形状表出)
・特に[k]は、子音語幹動詞に対しても語末音を切り落して母音語末化してまで
 も挿入音素[k]を付加する。
 :だます:damas[]u/だまかす:dama[k]as[]u、
 :散らす:tiras[]u/散らかす:tira[k]as[]u/散らかる:tira[k]ar[]u 。
 (そのうち、電話詐欺で「だまかされる」ことを、「だまかる」などというかもしれ
 ない)

以上。

態文法:動詞形(未然/已然)と挿入音素

2017/04/12(水)

1.四動詞形の概念:(清瀬本:派生文法)
 派生文法では膠着語である日本語は動詞が活用するのではなく、接尾辞が連結
して派生するのだと見做す。
->自立語には「動詞/非動詞」の別あり、従属語には「接尾辞/助辞」の別あり。
->動詞には「動作動詞/形状動詞」の別があり、四動詞形「終止形・連体形・連用
  形・命令形」が構文上の形態種別と見做す。
  (学校文法の活用語尾概念は捨て、未然形、仮定形は連用形に包含する。)
->接尾辞には「名詞接尾辞:格接尾辞と繋辞/動詞接尾辞:文法接尾辞と派生接
  尾辞」の別がある。
-?>命令形は、子音語幹に-e-接尾辞が付き、母音語幹に-ro-接尾辞が付き、
  特定の動詞形:結果態の「なさる、いらっしゃる、おっしゃる」などは語尾(r)
  に-i-接尾辞が付いて「なさ(r=Ø)i、いらっしゃい、おっしゃい」となる。
  禁止の命令形は、-(r)una-接尾辞が子音、母音語幹に付く。
-?>前望態の否定を意味する-mai-接尾辞は、-(u)mai-と連結母音(u)を付
  けて、「話すまい:hanas-umai」、「食べまい:tabe-mai」を派生する。
-?>「書くと、すぐ分かった」OK、「書いたと、すぐ分かった」NGであり、
  「見ると、すぐ分かった」OK、「見たと、すぐ分かった」NGである。
  (文法的にNGの理由を十分に説明していない。自分の見聞き動作で分かった
   のか、他人の動作だと分かったのかという意味の違い?)
-?>別例で派生接尾辞と助辞を比べた箇所がある。
 ・「ここに残ろうと:(y)ooto-残るまいと:(u)maito-好きにするがよい」
  (両方とも派生接尾辞とみる)
 ・「泥棒は逃げよう:(y)oo-とした」(この「と」は引用の助辞であり、別構造)
<-
 
〇ここで、-?>の疑問に対する当方の考察を以下に記述する。
★命令形:全国の方言を推測すると、母音語幹でも「見れ、食べれ」形態がある?
 から、最適な[挿入音素:r]を付けた「書け:kak[rØ]e、食べれ:tabe[r]e/
 食べろ:tabe[r]o」が派生できるだろう。
〇つまり命令形一般式=D[r]e/o、を推奨できる。
 禁止命令形一般式=D[r]una、は、そのまま推奨できる。
★否定前望態は、「話さまい/話すまい」、「食べまい/食べるまい」のように、2つ
 以上の形態があるはずです。(浜松の「やらまいか精神」の言葉が思い浮ぶ)
・否定前望態の派生一般式=D[a]mai、の通常派生形態と、
・連体形との連結派生一般式=D[r]u・mai←D[r]u・[a]mai、の連体派生形態の
 二通りの派生方法を採用すべきだろう。
★清瀬本:「書くと:kak(r)uto」の-(r)utoは開放条件の派生接辞と定義あり。
 「書いたと:kak(i)ta・to」の-(i)tato:は何も定義なし。なぜ扱いが異なるのか。
〇「(r)uto」を派生接尾辞に含めるなら、完了態:(i)tato、前望態:(y)ootoも
 当然、派生接尾辞に含めるべきです。
・その反面、「と」を派生接尾辞に限定してしまい、共通形態である「引用の接続助
 辞:と」の機能を切り離すのは不利益が多いだろう。
・やはり、連体形の後続連結(連体形修飾)に対する文法則を働かせるほうが最善
 策でしょう。

 さて、四動詞形に絞り込むことには反論したい。学校文法の動詞活用には大き
な錯誤があるが、よい部分は汲み上げて残したい。

2.六動詞形と挿入音素:(「態の双対環」文法)

->当ブログの態文法では、学校文法にある「六動詞形:未然形・連用形・終止形・
  連体形・仮定形(已然形)・命令形」を一応の基礎にする。
★「六動詞形の並び順」に込められた「動作事象の生起局面の順」を感得できる
 から、並び順自体が大切な法則です。つまり、動詞のアスペクト感が明瞭です。
->江戸期(本居春庭?)に工夫があり、大局的な動作事象のアスペクトを目に見
 えるように企画して、「六動詞形の並び順」を規定したのだと推察する。
・自立的な語形を持たない「未然形、仮定形」だからと言って、連用形の部類に入
 れてしまうのは勿体ないです。

★もしも昔に戻れたら提起したい「未然形/已然形」の条件接辞がある。
 条件接辞に未然形:-aba、已然形:-ebaを 復活させたい。
 また、否定の仮定接辞に未然形:-naba、已然形:-nebaでは、問題があるので
 再考してみた。(5月8日修正投稿)
〇既に古語辞典に載っているのは、
 -naba:完了の「ぬ」由来で、「冬来たりなば春遠からじ」の例あり。不都合。
 -neba:打消し「ず」の已然形+接辞「ば」で、これは合う。
〇また、-aba、-ebaは、まったく古語辞典のなかに記載がない。

 再思考してみよう。
〇現代語の打消し「ない」の用法では、「ない」は形状動詞に準ずるから、
 -naba、-nebaでは用が足りなくなり、少々、重たくなっても
★D[a]na[k]ar[]aba:売らなからば/食べなからば、(打消し未然条件)
★D[a]na[k]ereba:売らなければ/食べなければ、(事前打消し已然条件)
 と表現するのが文法的用法となるだろう。
★D[r]aba:売らば/食べらば、(-aba:未然の仮定条件表現)
★D[r]eba:売れば/食べれば、(-eba:已然既然の仮定条件表現)
〇以上の再思考実験による新しい仮定接辞なら古語との混同がなく、口語の
 仮定形とも矛盾しない。
〇形状動詞の場合:(念のため確認しておこう) 形状動詞語幹:K。
★K[k]ar[]aba:美しからば/楽しからば、(-aba:未然の仮定条件表現)
★K[k]ereba:美しければ/楽しければ、(-ereba:已然既然の仮定条件表現)
 打消しの場合:(K[k]u[・]na[k=Ø]i:「美しく・ない」の連結と見なした)
★K[k]u[・]na[k]ar[]aba:美しくなからば/楽しくなからば、
  (-na[k]ar[]aba:打消し未然条件)
★K[k]u[・]na[k]ereba:美しくなければ/楽しくなければ、
  (-na[k]ereba:事前打消し已然条件)
以上のように、有意の機能接辞として仮定条件接辞を定義し、子音語幹、母音語
幹ともに連結可能な文法則を構成することができる。
これは、常に派生一般式:動詞語幹+[挿入音素]+接辞語幹+[挿入音素]・・・
の構文形式(日本語が膠着語であるから)で思考実験することが大事だというこ
とを示しています。

〇最後に、強制動詞、使役動詞についても仮定形を確認しておこう。
 強制・使役では母音語頭の接辞に対して挿入音素は[s]になるのが通例です。
(挿入音素:[s]は他者を律する動作を暗示する。[S]as[]uの[S]です)
・強制前提条件:D[s]as[]aba→書かさば/食べささば:tabe[s]as[]aba、
・強制確定条件:D[s]as[]eba→書かせば/食べさせば:tabe[s]as[]eba、
・使役前提条件:D[s]ase[r]aba→
  →書かせらば/食べさせらば:tabe[s]ase[r]aba、
・使役確定条件:D[s]ase[r]eba→
  →書かせれば/食べさせれば:tabe[s]ase[r]eba、
・否定強制前提:D[s]as[a]na[k]ar[]aba→
  →書かさなからば/食べささなからば、
・否定強制確定:D[s]as[a]na[k]ereba→
  →書かさなければ/食べささなければ、
・否定使役前提:D[s]ase[]na[k]ar[]aba→
  →書かせなからば/食べさせなからば、
・否定使役確定:D[s]ase[]na[k]ereba→
  →書かせなければ/食べさせなければ、

 複雑な派生連結になっても、一般式表現のローマ字つづりを見直せば理解でき
るだろう。また、日本語学習者にも一緒に一般式を見直させれば、確実な指導が
できると思う。(5月8日修正投稿終わり)


★今、提起するのは、既然・已然形:-e[r]u(可能態)を定着すべしということ。
 已然形→可能態:D[r]e[r]u→書ける:kak[]eru/食べれる:tabe[r]eru 。
(なお、結果態:D[r]ar[]u→書かる:kak[]aru/食べらる:tabe[r]aru、
 の -ar-接辞は「動作結果が:ある、在る、有る」の意味であり、未然ではない)
〇文語文法では、D[r]e[r]]uの一般式:挿入音素の概念が不足していた。

・日本語の動詞は機能接辞を付ければ、派生変身して可能態動詞のように巣立っ
 てしまうのが当り前です。だから、未然形、已然形に自立形態がなくても意味
 機能に未然、已然があれば十分でしょう。
・また逆に、巣立ってしまった可能動詞に已然形・既然形の深層構造を感じとる
 感性も日本人にはまだ残っています。大事な感性です。
 (「a」音に未然、「e」音に已然・既然、の感覚を呼び起すのは、六動詞形の一覧表
  に慣れ親しんできたからなのか、下一段化に「e」音が果した深層構造が利いて
  いるのだろうか)

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