カテゴリー「態文法」の48件の記事

態文法:解説3:一般式で汎用派生する

2017/08/20(日)

 膠着語である日本語の動詞(などの用言)は、動詞「語幹」に「機能接尾辞」を順次
「連結していく」ことで新しい意味を「派生」する。
〇「派生一般式」は、解説1で示したごとく、動詞語幹+[挿入音素]+機能接辞語幹
 +、、、、+[挿入音素]+統語接辞で表現した。
〇「一般式をさらに汎用式にする」にはどうしたらよいのか。
・「さらに記号化」して脳みそに負担をかけても仕方ないので、
 動詞派生の汎用式=動詞語幹+[挿入音素]+機能接辞語幹+、、、と理解し、
 それぞれの項目を状況にあわせて的確に「一般式組立」ができるように練習し
 ておくことが望ましい。
・そこで練習の目安として「派生一般式の[挿入音素]+接辞の傾向」を覚えておこう。
→自他交替派生、態派生では、挿入音素:[直結・/連結子音]+母音語頭の接辞、
 の連結が多く、原動詞は子音末語幹が多いので直結に適した構成である。
→動詞・助動詞派生の未然形、連用形では、挿入音素:[連結母音/・直結]+子音語
 頭の接辞、の連結が多い。(終止・連体形以降は母音語頭の接辞になる)
 また、助動詞では、[挿入音素]でなく、連用形、連体形での修飾による複合[+]
 連結もある。
★前回の「動詞活用表」を再度、一般式で表すと、(四段活用、一段活用を共通化)
・D[a/・]nai,D[i/・]masu,D[・/r]u,,D[・/r]eba,D[・/r]e/o, または、
・D[・/r]aba,D[i/・]nagara,D[・/r]u,,D[・/r]eba,D[・/r]e/o,と変形す
 ることもできる。
★上記2行の一般式を「動詞派生表」と命名し、「活用表」と区別する。
 未然形は[a/・]nai、[・/r]abaの連結で「あ」音が付加され、連用形と区別しや
 すい利点がある。が、口語文法では、未然形に[・/y]oo枠を併設して五段活用
 表とした。未然相でくくるならば命令形:[・/r]e/oも未然枠に入れる論理が
 成立つ。
〇「動詞派生表」を動作相:アスペクトの表現形式と見なす立場で言えば、未然形
 に繋がる接辞の意味が「未然相」に相当するなら、上例のように[挿入音素]が
 [a/・]、[・/r]、[・/y]、でも認めるべきだろう。
★「動詞派生表で動作相:アスペクトを明示する」一例(能動系)を縦順に示す。
①未然相:(打消、禁止、命令、意思・勧奨):
 D([a/・]nai、 [・/r]una、 [・/r]e/o、 [・/y]oo、)
②実行相:(テ形、希望、連用形):
 D([i/・]te[+]~、 [i/・]tai、 [i/・]Ø、 [i/・]Ø[+]~、)
③事象相:(終止形):D[・/r]u、(←態に見立てれば原形態)
④事象修飾相:(連体形):D[・/r]u[+]~、
⑤既然相:(仮定形、可能態):D[・/r]eba、 D[・/r]e[r]u(←已然概念)
⑥完了相:(終点形、完了形):D([i-音便]ta/da、 [・/r]e[・]ta)
⑦結果相:(結果態、受動態):D([・/r]ar[]u、 [・/r]are[r]u)
〇強制系、使役系の派生表は省略するが、「派生表の作り方」は動詞語幹:Dを、
→強制系動詞語幹=D[・/s]as:強制態接辞付きに直し、これを上記の①~⑦の
 Dへ代入すればよい。
→使役系動詞語幹=D[・/s]ase:使役態接辞付きに直し、これを上記の①~⑦の
 Dへ代入すればよい。
(この派生表は初出の発案であり、各項目の名称がいくぶん奇異に感じられる。
 原初の学校文法の活用表でアスペクト表示に見立てるには不足する概念を補完
 する必要があり、態動詞のアスペクト概念を組込んだ)
★「態の双対環」の概念は、派生表の項目から拾い上げると、
 事象相(原形態)-既然相(可能態)-結果相(結果態)-結果相+既然相(受動態)
 という構成だ。「双対環」の場合は主客の態構文が主眼となり、原形態-受動態
 の対向関係と可能態-結果態の対向関係の2組の対向関係で動作事態を把握す
 る。 (「双対環」の詳細は後述稿で説明予定である)
〇「動詞派生表:全動作相」と「態の双対環:態全網羅」とが重なり合う部分を持つ
 のは当然のことだろう。(現行文法では実行相での複合[+]連結のアスペクト:
 ~書き[+]はじめ、書いて[+]いる、ある、おく、みる、くる、などを重用しすぎ
 ており、可能態、結果態などをアスペクトにも態の範疇にも組入れていない)

〇「イ音便」について解説を再掲する。(タ形のイ音便を一般式で表示)
 実行相(連用形)のテ形派生の際には、文語体:書きて、を口語体:書いて、とな
 じませる。動詞語幹の末尾音との音便法則ができているので、再掲記事を元に
 一般式での表現を加えて一覧する。
例:まず、全用法を書き並べる。(完了形:D[i/・]taの場合)
①母音語幹:→D[i/・]ta→D[・]ta、で音便なし。
  :考えた←考え[・]ta←考え(0*[i])ta←考え[i]ta。
②語末子音(S):→D[i]ta、で音便なし。
  :話した←話(S+[i])ta←話S[i/・]ta。
★①②は通常通りの派生用法です。
③語末子音(K/G):→D(K/G=[I])ta/da
  :書いた←書([i])ta←書(K=[i])ta←書K[i]ta。
  :泳いだ←泳([i])da←およ(G=[i])da←泳G[i]ta。
★これをイ音便という:簡略表記→[I]で示す。(一音素分のイ音)
④特例、一例のみ:行(K)の場合:「行[I]た」ではなく、
  :行った←行([Q])た←行(K=[Q])ta←行K[i]ta。
★これを促音便という:簡略表記→[Q]で示す。(一音素分の詰った声、促音)
⑤語末子音(T/R/W):→D(T/R/W=[Q])ta
  :立った←立([Q])た←立(T=[Q])ta←立T[i]ta。
  :止った←とま([Q])た←とま(R=[Q])ta←とまR[i]ta。
  :言った←言([Q])た←言(W=[Q])た←言W[i]ta。
★これを促音便という:簡略表記→[Q]で示す。(一音素分の詰った声、促音)
⑥語末子音(B/M/N):→D(B/M/N=[N])ta/da
  :結んだ←むす([N])だ←むす(B=[N])da←むすB[i]ta。
  :読んだ←よ([N])だ←よ(M=[N])da←読M[i])ta。
  :死んだ←死([N])だ←死(N=[N])da←死N[i]ta。
★これを撥音便という:簡略表記→[N]で示す。(一音素分のn鼻音、撥音)
〇「イ音便」全体を、D([¥])ta/te、D([¥])da/de、として簡略表記するのも
 勧めたい。(D[¥]ta/teよりも、D([¥])ta/te、のほうが特殊性を示せる)

態文法:解説2:学校文法最大の欠陥点

2017/08/14(月)

 膠着語である日本語の動詞(などの用言)は、動詞「語幹」に「機能接尾辞」を順次
「連結していく」ことで新しい意味を「派生」する。
〇「学校文法最大の欠陥点」は、「ひらがな解析」で動詞派生を不精確に解釈する
 から、その中でも、最大の悪影響が「態の接辞連結」の解釈において発生する。
実例1:受動態一般式:D[・/r]are[r]u、が精確な連結解釈である。
 読まれる:YOM[]are[r]u、見られる:MI[r]are[r]u、両者ともに接辞-are-
 が正しく解釈できる。
実例1:学校文法では、未然形に受動の助動詞を連結する、と解釈して、
 読ま+れる:よま・れる、:-a:未然形にあてる/reru:助動詞で残る。
 見+られる:み・られる、:-rareru:助動詞で残る。
 (当然、助動詞としての原意は不問になるが、受身、可能、自発、尊敬の用法だけ
 を説明する。同一意味の助動詞が2つの形態:異形態となるのは不自然だ)
実例2:使役態一般式:D[・/s]ase[r]u、が精確な連結解釈である。
 読ませる:YOM[]ase[r]u、見させる:MI[s]ase[r]u、両者ともに接辞-ase-
 が正しく解釈できる。
実例2:学校文法では、未然形に使役の助動詞を連結する、と解釈して、
 読ま+せる:よま・せる、:-a:未然形にあてる/seru:助動詞で残る。
 見+させる:み・させる、:-saseru:助動詞で残る。
 (当然、助動詞としての原意は不問になるが、使役の用法だけを説明する。
  同一意味の助動詞が2つの形態:異形態となるのは不自然だ)
実例3:可能態一般式:D[・/r」e[r]u、が精確な連結解釈である。
 読める:YOM[]e[r]u、見れる:MI[r]e[r]u、両者ともに接辞-e-が正しく
 解釈できる。(本来、可能態は子音末/母音末語幹の両動詞で派生可能だ)
実例3:学校文法では、-e-音の助動詞を「未然形に連結と言えない」から、可能
 態として扱えなかった。
 読+める/読め+る:区切りもできず、一括で「読める:可能動詞」と見なした。
 見+れる:区切りが的確にできるのに、なぜか態動詞と見なさなかった。
 (学校文法では-e-、-e[r]u-の接辞を説明できないでいる。文語時代では、
 -e-音を已然形にあてて使いこなしたから、下二段、下一段の動詞派生ができ
 たはずだと推測する)

〇「学校文法の欠陥点」でも、機能接辞の語頭が「子音始まり」であれば、悪影響が
 現れない。
実例4:打消派生の一般式:D[a/・]na[k=0]i、
 読まない:YOM[a]na[k=0]i、見ない:MI[・]na[k=0]i、両者ともに
 接辞-nai-が正しく解釈できる。
実例4:学校文法の「ひらがな解析」は、子音始まり接辞を分断した解釈にならな
 いので、接辞の異形態が生じない。(未然形の付加音[a/・]が暗黙に作用する)
 読ま+ない:よま・ない、見+ない:み・ない、(「ない」同一形態で意味も分かる)
実例5:希望派生の一般式:D[i/・]ta[k=0]i、
 読みたい:YOM[i]ta[k=0]i、見たい:MI[・]ta[k=0]i、両者ともに
 接辞-tai-が正しく解釈できる。
実例5:学校文法の「ひらがな解析」は、子音始まり接辞を分断した解釈にならな
 いので、接辞の異形態が生じない。(連用形の付加音[i/・]が暗黙に作用する)
 読み+たい:よみ・たい、見+たい:み・たい、(「たい」同一形態で意味も分かる)

〇「学校文法の派生法則の功罪」
 学校文法の「ひらがな解析」は不精確であるが、実例4、5のような動詞派生の場
 合では結果的に悪影響を生じない。
実例6:学校文法で用いる「動詞活用表」を詳しく調べる。
 動詞派生を(精確な)一般式で表記する。(未然・連用・終止連体・仮定・命令)
★D[a/・]nai,D[i/・]masu,D[・/r]u,,D[・/r]eba,D[・/r]e/o,
  ↑[挿入音素]+接辞の形式で記述してあるので、子音・母音語幹の両動詞に
 対応した「活用表」である。(つまり、四段活用も一段活用もこれ1行で示せる)
・学校文法では、「あ-い-う、う-え-」の並びに注目させる。本来、注目すべきは
 「[挿入音素]の並び」のほうである。
→[a/・]-[i/・]-[・/r]-[・/r]-[・/r]-[・/r]:子音接辞と母音接辞との連
 結では様相が違うことに気づくべきだった。(「あ・い・う・え並び」は錯覚だ)

〇文語文法では、「住まば都、住めば都」の対句があった。
 未然形前提条件:住まば→SUM[・/r]aba、と今ならば解釈できる。
 已然形確定条件:住めば→SUM[・/r]eba、と今ならば解釈できる。
 当時は、住まば→SU[Ma]ba、住めば→SU[Me]ba、と解釈していたから、
 一段活用動詞には適用できないでいたのだろう。
つまり、未然形でも母音接辞に対しては、[挿入音素]を[・/r]で対応すべきなの
だ。([・/r]のほか、[・/s]、[・/y]、[・/k]、などもある。別稿で記す予定)
〇「態接辞はすべて母音始まり」だから、[挿入音素]は必ず[・/r]、[・/s]、、で
 ある、と法則化するだけで「学校文法の欠陥修復」が直ちにできるだろう。
 もちろん、「ローマ字つづり解析」を基礎に整理しなおすべきなのは自明である。

態文法:解説1:派生一般式

2017/08/13(日)

 膠着語である日本語の動詞(などの用言)は、動詞「語幹」に「機能接尾辞」を順次
「連結していく」ことで新しい意味を「派生」する。
〇「派生」の実態を模式的に表現すると、
 動詞語幹:D+[挿入音素]+機能接辞語幹+[挿入音素]+機能接辞語幹+[挿入
 音素]+文法統語接辞、というように一次派生、二次派生と連続派生することも
 多い。
以下の実例で[挿入音素]と「接辞」が必ず同数で対応していることを示す。
([挿入音素]の解説は後述するが、まず、各語幹の間に[挿入音素]や無音[]挿入
音素が必ず配置されるのを確認してほしい)
実例:「立たされる」→正確に音素把握するため「ローマ字つづり」で表記する。
 TAT[]as[]ar[]e[r]u. :[挿入音素]4つと、機能接辞:as/ar/e/u の4つ
 が、動詞語幹:D→TATに連結した構造だ。
実例:「立たせられる」→TAT[]as[]e[r]ar[]e[r]u :[挿入音素]が5つ、接辞が
 5つ、連結している。
実例:「見させる」→MI[s]as[]e[r]u :[挿入音素]3つ、接辞が3つの連結構造だ。

 もう一つ、別の構文接続として、助動詞との文法的な結合がある。
〇「複合」による連結もある(たとえば連用・連体修飾)。[+]で表記する。
実例:「飲みたくない」→NOM[i]ta[k]u[+]na[k=0]i :[挿入音素]3つ、[+]
 「複合」が1つ、接辞が4つ、 の連結構造だ。
 (飲みたく[+]ない:連用修飾を[+]で表記し、「複合」と命名する。無音で調音
 効力なしだが、文法的結合力の強い連結子とみる)
実例:「飲まないらしかった」→NOM[a]na[k=0]i[+]rasi[k]a(r=0[Q])ta.
 :[挿入音素]4つ、[+]1つ、接辞5つ、の連結構造。
(らしかった:rasi[k]a(r=0[Q])ta←[k]ar[i]taのイ音便表現に相当する。
 イ音便については別途説明する予定)

〇[挿入音素]の役割は、前段語幹の末尾音素と後段接辞の語頭音素が衝突(子音
 +子音や、母音+母音)しないように、子音[挿入音素:母音]子音、母音[挿入音
 素:子音]母音のように補完挿入し発音しやすくする。
・通常、後続の機能接辞の語頭音が母音であるか、子音であるかにより、[挿入音
 素:子音であるか/母音であるか]の必要性が確定する。
・また、前段語幹が子音末であるか、母音末であるかにより、[挿入音素:母音か/
 子音か]が必要の場合と、無音[]形態で直接連結できる場合とが半々でおきる。
〇[挿入音素]の「一般式」表記として、[左:連結母音/右:連結子音]形式を定め
 ておき、[i/・]、[a/・]、[・/r]、[・/s]、のように片方が必ず無音[・]で直結す
 ることを定義しておく。
実例:動詞派生の一般式:動詞語幹:D+[挿入音素]+機能接辞
 強制受動態:D[・/s]as[]ar[]e[r]u←D[・/s]as[・]ar[・]e[r]u.
・TAT[・/s]as[]ar[]e[r]u. :立たされる。[挿入音素:・]
・MI[・/s]as[]ar[]e[r]u. :見さされる。[挿入音素:s]
(学校文法で説く解釈:未然形に「される/さされる」が接続する、は見当違い。
あくまでも、動詞語幹に+[]asareru/+[s]asareru、が接続する構造である)
 助動詞「たい」派生:D[i/・]ta[k=0]i, D[i/・]ta[k]ar[・/y]oo.
・NOM[i/・]ta[k=0]i. :飲みたい。[挿入音素:i]、最後の-i-は統語接辞。
・TABE[i/・]ta[k]ar[・/y]oo. :食べたかろう。[2回とも挿入音素:・]

〇[挿入音素:k]を簡単に説明する。
・動詞に付く例:寝かせる→NE[k]ase[r]u,笑かす→WARA[k]as[]uなど
 相手の自律動作を期待せず(無律化)、主体が自律他動詞として相手に動作を生
 じさせる。(動作の律仕方:自律、律他、互律、果律、無律など別稿で解説予定)
・形容詞に[挿入音素:k]が付いて形状動詞を派生する:
 名詞や動詞由来の形容詞に対して、[挿入音素:k]を接辞に先行前置することで
 (無律化)動作意図を消し去り、性状などの属性表現の派生にあてる。
〇形状動詞の派生一般式:形容詞語幹:K+[挿入音素:k]+ar系接辞。
 形容詞や助動詞:ない、たい、らしい、などの派生にも[挿入音素]を規定すると
 膠着語の派生原則に適うからである。
・助動詞派生一般式:D[i/・]na[k=0]i,D[i/・]ta[k=0]i,[+]rasi[k=0]i.
・形状動詞の基本形派生一般式:K[k=0]i, :接辞-i-で終止形、連体形を表す。
〇一般式の[k=0]iの部分は、助動詞、形状動詞とも同一形態で変化する。
 [k]u:未然連用、[k]ereba:仮定、[k]a(r=0[Q])ta:完了形、[k]ar[]oo:
 前望形。
・形容詞の語幹は、つよ、はや、たか、のぞまし、などすべて母音終わりだから、
 [挿入音素]に[・/k]でなく、[k]を表記するだけでよい。 もし後続の接辞が
 子音始まりなら、[]や[・/k]の表記が必要だが、接辞も母音始まりである。

〇「派生一般式」の利点は、用言の語幹と機能接辞の語幹を連結するために、必ず
 [挿入音素]を前置挿入しなければならない、という法則を目に見える形式で示
 せることだ。また、語幹の末尾や接辞語頭の音素形態を正確に明示できる。
・学校文法での「ひらがな解析」では、語幹区切りや接辞語頭区切りが「不正確」な
 表記だから、接辞の意味解釈にも歯切れが悪く、精彩がない。(正確さもない)
(学校文法が不正確なため、その悪影響が日常の言語生活に支障を来たすとすれ
ば、「ら抜き言葉、さ入れ言葉、れ足す言葉」など態動詞派生での言い間違い、聞き
間違い、解釈間違いの混乱である。態動詞については稿を改めて述べる)

態文法:動作を律する全法則

2017/08/05(土)

 7月の投稿:態文法:動作を律する法則を含めて、動作意図の在り方、律仕方を考察
してきたが、やはり肝心な部分の説明に不足を感じる。
不足項目を箇条書に掲げてから補完説明したい。
①受動態の律仕方を明記すること。
②「動作を律する全法則」の概念は日本語文法の基幹
③動詞に各種接辞を付け替えて意味の違いを吟味する

(1)受動態の律仕方(:結果律、果律)を明記すること
 受動態の動作概念を的確に表現したいと青年時代から思ってきた。
受動態を使うと関係する主体、客体、対象体の誰でもが主格主語になった構文が
可能になる。 この受動態動詞の動作に対する律仕方をどう表現すべきか。
日本語の受動態は、受身表現だけの態ではないから、概念を命名するに工夫が必
要になる。
★受動態の派生一般式=D[r]are[r]u←D[r]ar[]e[r]u:書かれる、食べられる、
 結果態接辞-ar-に可能態接辞-e-が結合した動詞であり、文語体では結果態
 が受動表現を担っていたから、基本的には結果態の働きが意味を形成する。
〇結果態動詞の派生一般式=D[r]ar[]u、:書かる、食べらる。
 これから、結果態の律仕方は、動作結果(事象)が関係する登場人・物:実体を律
 すると見て、結果律(果律)と命名するのが的確だろう。
・果律:動作結果が「ある」:書くある/食べるある、が原初的な派生形態なのだ。
〇受動態動詞は上記★行のように、結果態と可能態の結合で派生するから、
 受動態の律仕方は、結果律+互律(可能態の一側面)、または結果律+已然の意味
 と解釈するのがよいだろう。
★受動態構文で「主語」と「事象・動作結果」との関わり方で意味が決る。
構文例:動作主+受動態=実績・習慣的可能、 客体主語+受動態=(間接)受身、
 対象主語+受動態=直接受身、 事象主語+受動態=自発(主語、動詞は限定的)
 別話者「動作主+受動態」=尊敬表現、 という意味構造である。
〇受動態は「動作結果」に対する各実体の関わり方を表現する役割だから、自・他
 動詞に関係なく、両方の動詞で派生可能なのです。
 ここが西欧語の受身概念と異なる。((英語では動詞を過去分詞とし、動詞の律仕
 方を他動詞・受身限定に絞り込んだ「直接受身律」概念に留まる)

 根源的に自動詞・他動詞の区別なく、律仕方(動作意図)に注目すると、
①能動態動作の律仕方:自律動作(動作主体の自律的動作)をする。
②強制態動作の律仕方:律他動作(主体が他者に自律動作をやらす)をする。
③使役態動作の律仕方:律他・互律動作(主体が他者に自律動作をやらせる)を
 する。(主体が手助け、介助することも含む)
④可能態動作の律仕方:互律動作(主体と対象との相互自律動作)をする。
 (対象が持つ動作規則をうまく働かせて、主体が自律手助けする)
⑤結果態動作の律仕方:果律動作(動作結果に各実体がどう関わるか)を表出する。
⑥受動態動作の律仕方:果律・互律動作(動作結果に各実体がどう関わるか)を
 表出する。(口語では結果態でなく、通常、受動態が使われる)
以上のような律仕方が基本となる。
(強制・可能態は使役態動詞と同形だし、強制・受動態、使役・受動態など二次派生
、三次派生法も日常的に誰もが経験・使用している。)

(2)「動作を律する全法則」の概念は日本語文法の基幹
 残念ながら、現状の日本語文法では、態動詞、動詞全般の動作の律仕方を根源的
な見方で解説する書籍がないようです。
★先に進む前に、律仕方の⑦を載せます。
⑦律変換用の無律化接辞:-ak-、(一般式=D[r]ak[]u→名詞化、無律概念化)
例:笑う(自律)→笑わく(概念化)→笑わかす(自律他動詞)→簡略されて→笑かす。
(笑わす:他者が自律で笑うようにさす。笑かす:他者が思わず笑うようにさす)
 WARAW[・/r]ak[]as[]u→WARA(W[・/r]a)k[]as[]u、
 →WARA[・/k]as[]u:(接辞-ak-のk音が[挿入音素:k]になった)
例:寝る(自律)→寝す(他動:不安定)→寝せる(互律:安定)→寝さす(律他:大人
 安定)→寝かす(無律・他動詞:幼児無律)→寝かせる(互律:幼児安定)
 NE[・/k]as[]u、 NE[・/k]ase[r]u、のように[挿入音素:k]は定着してい
 ると判断する。
★形容詞の動詞化、つまり形状動詞も
⑧無律化[k音]を[挿入音素:k]に使い、動作意図を消して形状属性に特化する。
 形状動詞の派生一般式=形容詞語幹:K+[挿入音素:k]+ar接辞、で構成する。
 (派生には[挿入音素]が必須法則であり、形状動詞も例外ではありません)
例:TAKA[k=0]i/TAKA[k]u[+]na[k=0]i/TAKA[k]a(r=0[Q])ta、
  (高い/高くない/高かった)。
例:YOROKOB[]as[i]Ø[k=0]i/YOROKOB[]as[i]Ø[k]u[+]na[k=0]i、
  /YOROKOB[]as[i]Ø[k]a(r=0[Q])ta、
  (喜ばしい/喜ばしくない/喜ばしかった)。
〇以上、律仕方:①~⑧までが態動詞、自・他動詞、形状動詞(用言)での基本法則
 です。
★動詞派生のように、語幹と接尾辞が連結するとき、両者の間に[挿入音素]を挟
 み込むのが大原則です。 この大原則を忘れて「可能動詞は子音語幹動詞だけ」
 としたことで、「ら抜き言葉」が長い年月にわたり冷遇されています。
例:可能態の派生一般式=D[r]e[r]u、:KAK[]e[r]u/TABE[r]e[r]u、
  書ける/食べれる、と正当な派生と認められるべきです。
〇可能態の動作可能は、動作する際の可能意思・可能意気込みを表現します。
 書けた/食べれた、完了形でも「動作した際の可能」を述懐する表現です。
〇受動態の結果可能は、動作結果(を見通して)の可能であり、「実績や習慣・規則
 としての可能」も表現します。
〇公式の会議では、個人的な「動作した際の可能」よりも、「実績や規則に関わる
 可能」を議論することが多くなるのは当然です。両方の可能を使い分けること
 が必要なだけで、日常の場でも区別しつつ共存できる言葉です。

(3)動詞に各種接辞を付け替えて意味の違いを吟味する
 「態の双対環」で態動詞のすべて(能動系、強制系、使役系の原形態/可能態/結
 果態/受動態)を派生させたり、「双対環」では派生できない動詞が見つかると
 その理由を調べたり、することで「動作の律仕方」を思考実験してきました。
 派生の一般式が成立し、接尾辞の律仕方の意味が納得できるか、などを拠り所
 にまとめています。
例:見える、は、見る/見れる/見らる/見られる、からの派生ではない。
 見る→見す→見せる、と、見さす/見させる、との違いは?
 寝る→寝す→寝せる→寝さす→寝させる→寝かす→寝かせる、の意味の違いは?
 などを思考実験した結果です。

以上。

態文法:動詞強制形由来の形容詞語幹

2017/07/31(月)

 前回の投稿、形状動詞に[挿入音素]が必要か?の中で、形容詞語幹の説明に不足
したところがあり、今回は不足の3項目を掲げて補完説明したい。
①形容詞語幹と形状動詞語幹
②動詞強制形由来の形容詞語幹
③動詞受動形由来の形容詞?

(1)形容詞語幹と形状動詞語幹
 ローマ字つづり解析で語幹を求める現代式の方法に則り、かつ、派生の一般式
を求める方法から語幹を検証します。
★形状動詞の派生一般式=形容詞語幹:K+[挿入音素:k]+接辞語幹+(二次派生
 へ)
例:形容詞語幹:はや、かわい、つよ、さむ、たのし、うれし、おかし、くるし、のぞ
 まし、なつかし、などを形容詞語幹と見なす。
★形状動詞の派生一般式で導かれる形状動詞語幹は、各種の派生結果で拡散する
 が、基本の終止形・辞書形は次のようになる。
例:形状動詞基本語幹:haya[k=0]i、kawai[k=0]i、tuyo[k=0]i、
 samu[k=0]i、tanosi[k=0]i、uresi[k=0]i、okasi[k=0]i、kurusi[k=0]i、
 nozom・as[i]0・[k=0]i、natuk・as[i]0・[k=0]i、などの形態となる。
〇この解釈でク活用/シク活用を統合した解釈ができ、[挿入音素:k]で共通語
 幹を定義できる。

(2)動詞強制形由来の形容詞語幹
 動詞由来の形容詞のうち、強制動作をさせる動詞からの形容詞を考察する。
例:望む→望ます→望まし:nozom[]as[i]Ø、強制態連用中止形で動名詞化。
 なつく→懐かす→懐かし:natuk[]as[i]Ø、強制態連用中止形で動名詞化。
事象や自然物が人に望ます/懐かすと言うことを描写する意味だが、自然物を
主格に立てないで、形容詞に変換してよく使う。
★このため、動詞強制形由来の形容詞語幹は、
例:望まし:nozom[]as[i]Ø、懐かし:natuk[]as[i]Ø、などの他、
 疑わし:utagaw[]as[i]Ø、痛まし:itam[]as[i]Ø、、、つらい現実に対応する
 語幹も多い。

(3)動詞受動形由来の形容詞?はない
 動詞由来ならば受動態からの形容詞があるのか。
・望まれ:nozom[]are、×望まり:nozom[]ar[i]Ø、
・懐かれ:natuk[]are、×懐かり:natuk[]ar[i]Ø、
・偲ばれ:sinob[]are、×偲ばり:sinob[]ar[i]Ø、×偲ばし:sinob[]as[i]Ø、
抽象的な事象や自然物を主格主語にする受動態は違和感があり、個人対個人の
受身行為に適用なら意味を理解しやすい。その場合でも、形容詞でなく動詞受動
態の表現で通用する。
〇また、(1)で示したように、形容詞語幹末は~a,i,o,uのどれかであり、~e音の
 単語はないのが、実態らしい。

以上。

態文法:形状動詞にも[挿入音素]が必要か?

2017/07/29(土)

 前回に提唱した「動詞派生の一般法則」や態・用言派生流れ図(完成版)のなかには
従来文法と異なる考え方の文法則がいくつかあります。
その中の1つ、
〇形状動詞の派生にも[挿入音素]を挟み込むべきだ、という法則について検証
 しておきたい。
★形状動詞の派生一般式=形容詞語幹:K+[挿入音素:k]+機能接辞、を用いる
 ことが妥当であるのか。
・口語体:K[k]u/K[k=0]i/K[k]ereba/K[k]a(r=0[Q])ta、
例:HAYAく/HAYAい/HAYAければ/HAYAかった、
例:TANOSIく/TANOSIい/TANOSIければ/TANOSIかった。
〇口語では終止・連体形が同形となり、過去形も異形がなくなったので、
 [挿入音素]も[k]音にまとめやすい。文法的には一般式表現が通用するほうが
 学習しやすい言語となる。

 一方、文語体の形状動詞では、終止・連体が異形であり、過去形でも異形である。
・語幹の捉え方にも混乱があり、TANOSIを語幹とせず、TANOを語幹とする
 見方が根強かった。ク活用/シク活用の二流があった。
〇一覧のため、語幹と活用語尾に分けて表記すると、
 HAYA[]ku/K[]si/K[]ki/過去:K[]karisi/K[]kariki、
 TANO[]siku/K[]si/K[]siki/過去:K[]sikarisi/K[]sikariki。
・仮に、TANOSIを語幹としたなら、
 TANOSI[]ku/K[]0/K[]ki/過去:K[]karisi/K[]kariki、となる。
 両方が母音語幹であり、ク活用とシク活用の差は本来ないに等しいのだが、
 K[]si/K[]0にだけに差異が現れる。
・また仮に、TANOS-と子音語幹に見立てると、(一般式表現で)
 TANOS/HAYA[i/・]ku/K[・/s]i/K[i/・]ki、
 過去:TANOS/HAYA[i/・]kar[i]si/K[i/・]kar[i]ki、のように
 [挿入音素]をはさんで共通接辞と連結できる。

★さて、共通接辞と見なすべき、-ku/-ki/-karisi/-kariki、の形態を検証
 すると、kを除いた-u/-i/-arisi/-ariki、は動詞の派生接辞であり、形容詞
 を動詞化する機能を果すものと規定できる。
・k音は、文語体、口語体ともに形容詞語幹と派生接辞の間に[挿入音素:k]とし
 て配置されると法則化したい。
 特に口語体では、[挿入音素]に指定しやすい配置にあり、語幹と動詞化接辞を
 取り持つ位置付けが明白である。
・形状動詞の一般式では、(子音語幹、母音語幹に対応することを想定すると、)
 K[・/k]u/K[・/k=0]i/K[・/k]ereba/K[・/k]a(r=0[Q])ta、となる。
 口語では、形容詞は母音語幹のみなので、挿入音素:[k]の形式で簡略表記して
 も紛れない。
★[挿入音素:k]は、動詞派生接辞と連結することになっても、動作動詞ではなく
 「事象の性状、形容表現であることを示すための標識音である」と推察できる。
①古語:~き、~ki、過去を表す助動詞。(記憶にある状態の表現に重きがある)
②無律化接辞-ak-の変身形=[挿入音素:k]が使われている。
 動作意図を表現するのではなく、動作結果状態の概念を表すため、[挿入音素:
 k]をはさみこむ。この可能性が高いと推測するが、確証はない。

 少し無律化について考察記述することで論証してみたい。
〇例:望む:動詞/望ましい:形容詞/望まくは:文語副詞句・・・
 NOZOM[・/r]u/NOZOM[・/r]as[i](k=0)i/NOZOM[・/r]ak[]u wa
・望ましく:NOZOM・as・i・ku:強制形:望まs・i+kuという一般式で示した。
 疑わしく:UTAGAW・as・i・ku、願わしく:NEGAW・as・i・ku、
 羨ましく:URAYAM・as・i・ku、などを思いつく。 強制形:-as-を用いる理由
 は、修飾句にすると判明する。
 (望ましき解決策、疑わしき状況、願わしい回復、羨ましい限り:修飾の名詞事象
 が望ましたり、疑わしたりの強制力を醸し出しているわけだ)
・「疑わしきは罰せず」の文語的法律用語の例のごとく、誰の動作意図であるのか
 でなく、疑わす状態概念だけでは罰を課さないという意味である。
・辞典では、望むらく:NOZOMu・[r]ak[]u、を採録するが、正しくは、望まく:
 NOZOM[・/r]ak[]u、とすべきだが、正誤の記述がない。
・願わくは、疑わくは、羨まくは、これらも言葉の使い勝手に向き不向きがある。
 汎用的に使うような意味の接辞ではない。
・肝心の論証:・i・[k]u、-ak-のk音が派生の際に動詞性を中和し、無律(動作意図
 を抹消する)化する機能があることを述べた。

〇さて、論証の最後になっても確証でなく、状況証拠のような事例を述べる。
例:『大言海』に見つけた単語の自他交替。
 だまる:黙る/だます:黙す、の対応が自他交替だという。
 だます:騙す、でなく「黙らす」:他を黙るようにするという意味で「だます」と言
 っていたらしい。
・「泣く子をだます」の例文が、黙るようにする、の解釈で載っている。
・他人が自律動作で「騒ぐ」のを「だます」動詞では中々止められない。
 「騒ぐ子を黙らす」の勢いが必要になるだろう。
・また、「黙らす」でなく、騙す動作を明確にするためには、と推測すると、
 DAM[・/r]ak[・/s]as[]u:だまかす、を派生したのか、
 (DAM[]ar[]u/DAM[]as[]uの自他交替→原動詞:DAM-か)
 または、DAMA[k]as[]u:だまかす、と派生したのか、
 ([k]を本来的に無律[挿入音素]と見なして派生造語する例か)
〇つまり、[k]as[]uには、他者に動作の意志もない状態(無律)で、主体が自律
 他動詞として「他者が絡む事象を動かす」という意味がある。

★口語体になって形状動詞の用法が整理されたことにより、k音を[挿入音素]と
 見做しやすい単語構造に変った。一般化法則を適用して、形状動詞および動詞
 でも用法がある[挿入音素:k]を共通の無律化機能として認定したい。

以上
(次回に続く:動詞強制形が由来の形容詞:NOZOM・as[i]Øが二次派生語幹に)

追記:だまる/だますの語源問題:
大槻文彦:『新編 大言海』:冨山房:1982年2月新編初版
 だます:だまるの他動、①黙るようにする、すかす、②転じて、あざむく、だまか
 す、と解釈。
藤堂明保、清水秀晃:『日本語語源辞典-日本語の誕生』:現代出版:1984年7月初版
 だまる:だますからの派生。だましておきながらだまっていること。
〇両者は相反する語源説だが、動詞意味が明確なのは「黙る」であり、「だます」が
 不安定で「騙す/黙す」の二義を思わせる。だから「だまかす」が必要になったの
 だろう。

態文法:動詞派生の一般法則

2017/07/22(土)

 当ブログで提唱する「動詞派生の一般法則」の概要を解説する。
まず、派生の流れ図→ >態・用言派生流れ図(完成版)、を確認してから、
以下の説明を御覧ください。

1.基本法則
 国語文法、学校文法の「ひらがな解釈」でなく、「ローマ字表記による音素解釈」
を採用して、「動詞語幹や機能接尾辞などの形態素」を正確に識別する方法を用
いる。 膠着語である日本語の構文解析には、連続する文字列から機能ごとの形
態素を切り出すことが第一に重要なことだからだ。
(説明文でのローマ字表記は単語解釈部分に限定する)

2.派生法則と複合(修飾)法則
 従来文法では「動詞活用、助動詞(機能接辞)活用」などと表現するが、膠着語は
活用で変化するのではなく、動詞に機能接辞が密結合することで「意味が派生し
ていく」のが本来の姿である。
★派生法則:動詞語幹+[挿入音素]+機能接辞語幹+[挿入音素]+統語接辞→新
 機能を持った動詞の造語である。(実際に多段の接辞が続く派生操作もある)
〇動詞、形状動詞での造語派生は、例外なしに[挿入音素]を伴って接辞と連結す
 る。(従来文法では、命令形派生、可能態派生、形状動詞派生などに対しては[挿入
 音素]概念が見落されていた。挿入音素が浸透すれば、言語運用が安定する)
★複合法則:派生動詞が統語機能、いわゆる連用形や連体形の機能を持つとき、
 [挿入音素]が不必要な結合、緩やかな結合が認められる。
 その場合の挿入音素を表記するために、[+]、[+no+]、[+nano+]などを用い
 て複合法則の存在を示す。
・特に連用・連体の複合結合は文法的な修飾関係節を構成するので、[挿入音素]
 が[~連用形/連体形+後続語句]と、がっちり前後の連結を果すのだと理解し
 たい。

3.[挿入音素]の表記:一般法則化を目指す
 本来、膠着語形式の言語は、動詞の語幹末が子音/母音の両方に対応できる派
生方法を備えているはずだから、それを新形式の[挿入音素]で表現する。
★[挿入音素]→[子音末への連結音素:母音/母音末への連結音素:子音]の両面
 表現を採用する。
 実際には、接尾辞側の語頭音が母音始まりならば、[無音・/連結子音]であり、
 接尾辞側が子音始まりならば、[連結母音/・無音]で両面表現ができる。
〇動詞派生の一般式表現(動詞語幹の一般表現を「D」とする)
例:可能態動詞の派生:D[・/r]e[r]u。(子音母音両語幹動詞が可能態になる)
 書ける:KAK[・/r]e[r]u→KAK[・]e[r]u、
 食べれる:TABE[・/r]e[r]u→TABE[r]e[r]u。(必然の派生である)
例:命令形の派生:D[・/r]e/o。(両語幹動詞が一般式で命令形を派生する)
 書け:KAK[・/r]e→KAK[・]e、
 食べろ:TABE[・/r]e/o→TABE[r]e、TABE[r]o。
例:強制態動詞の派生:D[・/s]as[・]u。(両語幹動詞が一般式で強制態に派生)
 書かす:KAK[・/s]as[・]u→KAK[・]as[・]u、
 食べさす:TABE[・/s]as[・]u→TABE[s]as[・]u。

4.[挿入音素]の種類と機能接辞の種類
★[挿入音素]:一般式形態で示す。動作の律仕方も付記する。
①[・/r]:自律動作(自・他とも)を意味する態接辞など連結するときに選ぶ。
②[・/s]:律他動作(他に自律動作をやらせる)を意味する態接辞に連結する。
③[・/y]:互律動作(自他に動作を勧奨誘導する)を促す前望形に連結する。
④[・/k]:無律化(動作意図を無効化)する。形容詞に付加し形状動詞化する。
 口語体では、形容詞はすべて母音末語幹なので挿入音素:[k]で表示可能。
★態接辞の種類:-接辞語幹-で示す。接辞の意味も略記する。
①-e-:可能態接辞:動作が既に始まっている(已然概念)、互律動作(主・客が
 動作による変化、状態になる/なす)の意味を併せ持つ。
②-ar-:結果態接辞:動作が完遂した状態、結果を意味する。(文語:受動態)
③-are-:受動態接辞:動作結果が在る、有る状態(已然概念)。
④-as-:強制態接辞:律他指示し他に自律動作をやらす。(文語:使役態)
⑤-ase-:使役態接辞:他に自律動作をやらせる。(互律、已然概念、が加わる)
〇強制系態④、使役系態⑤には、態接辞①~③が連結して強制受動態や使役受動
 態などが派生できる。(二重連結で意味が破綻しないように注意すること)
★動詞文派生の[挿入音素]と助動詞接辞の連結:一般式形態で示す。
①D[a/・]na[k=0]i:動作打消し表現:
 :書かない→KAK[a]na[]i、食べない→TABE[・]na[]i。
②D[i/・]ta[k=0]i:動作願望の表現:
 :書きたい→KAK[i]ta[]i、食べたい→TABE[・]ta[]i。
③D[i/・]Ø、-te/de、:連用形、テ形/デ形:(イ音便規則あり)
 :KAK[i]Ø、KA(K=0[I])te、TABE[・]Ø、TABE[・]te[+]na[]i。
④D[i/・]soo[+]da、D[・/r]u[+]soo[+]da:動作推量、事象伝聞。
 :KAK[i]soo-、KAK[・]u[+]soo-、TABE[・]soo-、TABE[r]u[+]soo-。
⑤D[・/r]ak[]u、D[・/r]ak[・]as[]u、D[・/r]ak[・]ar[]u:無律接辞-ak-
 (古語ク語法の接辞で、動詞を無律名詞化へ派生する、それを無意図の他動詞や
 自動詞に再派生するのに使われる)
例:散る→:TIR[・]ak[・]as-、TIR[・]ak[・]ar-、散らかす、散らかる。
 :笑わすは律他動作。他が無意識で笑うようにする→:WARAW[・]ak[・]as-、
 笑わかす→笑かす:WARA([k]←W[・]ak)[・]as-:WARA[・/k]as-。
 :寝さす→:無意図化して、赤児の自律動作でなく主体の単純他動詞とするため
 寝かす:NE[・/k]as-→NE[k]as-と派生する。さらにNE[k]ase[r]uと互律
 化すれば、発話主体の忖度程度が高くなる。
★形状動詞文派生の[挿入音素]と機能接辞:一般形式で示す。
 口語体での形容詞語幹:Kは、すべて母音末だから、挿入音素:[・/k]を[k]で
 一般化しても支障がない。([k]は無律接辞-ak-を短縮化したk音を挿入音素
 に採用したもので、従来ならば、k音を活用語尾に含めていた)
①K[k=0]i:終止・連体形、K[k]u/K[k]ute:連用形/テ形、K[k]ereba:仮定
例:URESI[k=0]i、URESI[k]u[+]na[k]ereba、
②K[k]a(r=0):九州弁、K[k]a(r=0[Q])ta:完了形、K[k]ar[・/y]oo:前望
例:URESI[k]a、URESI[k]a[Q]ta、URESI[k]ar[・]oo.([Q]促音記号)

 動詞派生、形状動詞派生までの流れ図の詳細説明が済みました。
(動詞での[k]音を不思議に感じていましたが、無律接辞-ak-、挿入音素[k]の
 意味、役割に気づいたのは、今年の春です。動詞・形容詞の両方に機能発揮して
 います。無律の説明部分は前回投稿の記事と重なりました)
残りの名詞文・形容名詞文の派生一般式については説明を割愛します。

以上。

態文法:動作を律する法則

2017/08/5(土)
追加投稿で補完しましたので、ご一読ください。
態文法:動作を律する全法則

2017/07/14(金)

 (態文法:発見!挿入音素と機能接辞の同源性で記述した肝心点を詳述する)
 動作事象をどのように把握して態動詞を派生するのか、考え方を整理した。
1. 態動詞の派生一般式=動詞語幹:D+[挿入音素]+態接辞(+[r]u)
〇能動系「態の双対環」での律仕方:
①原形態:D[r]u    :挿入音素:[r]:自律動作の意(自・他動詞での自律動作)
②可能態:D[r]e[r]u :可能接辞:-e-:互律動作の意(なる/なす両義、已然)
③結果態:D[r]ar[]u :結果接辞:-ar-自律・受動の両義(動作結果ありの意)
④受動態:D[r]are[r]u:受動接辞:-are-自律・受動・互律の意(已然感あり)
〇強制系「態の双対環」での律仕方:
⑤強制態:D[s]as[]u:挿入音素:[s]:律他動作の意(他動詞:[S]uruに由来)
 →強制接辞:-as-動作を他者にやらすの意(他者の自律動作としてやらす)
・強制可能態:D[s]ase[r]u、強制結果態:D[s]as[]ar[]u、強制受動態:D[s]as
 []are[r]u、:律他動作に互律、受動、の意が連結される。
〇使役系「態の双対環」での律仕方:
⑥使役態:D[s]ase[r]u:使役接辞:-are-律他・互律(自律)の意(他者にやらせ
 、気も使う。介助的互律なら、律他・自律の意となる)
・使役可能態:D[s]ase[r]e[r]u、使役結果態:D[s]ase[r]ar[]u、
 使役受動態:D[s]ase[r]ar[]e[r]u、:律他・互律・受動の意が連結される。

★互律動作の概念を整理する。
〇互律動作(自律動作との連結:複主語構文ができる)
 已然の概念を持つ可能接辞:-e-は、自律動作が進行する状態を呼び起こす
 から、主体の動作進行と同時に事象の進行(客体の進行)の両面を描写すること
 になる。(複主語構文は動作の互律だけでなく、対象の属性、状態の説明のため
 の形式「~は~が~だ構文」として多種類のものがある)
例:彼は英語が話せる。彼は旅行が行けるようになった。
  (互律動作だから、複主語構文が可能になる)
例:彼は納豆が食べれない。(彼は納豆が食べない、とは言えない)
〇互律動作(律他動作との連結:自律動作の付加と見なす)
 律他動作に已然が連結しても他者の已然でなく、主体自身の已然に見立てられる。
例:彼は生徒に英語を話させれる。
 (可能なのは彼であり、生徒にも英語にも態表現を変えるほどの手助けが届か
 ない)

2. その他の態接辞や[挿入音素]から派生する動詞
〇互律動作に近い意味を持つ:
・前望態:D[y]oo :挿入音素:[y]:あえて互律動作に立てる(呼掛け誘導効果)
 →古語可能接辞:-ay-の名残り(行こう、見よう、など相互に自律呼掛けでき
 る。動詞活用枠を拡大して「未然形」と捉える立場もある)

〇無律化するための接辞、挿入音素を導入する動詞
①形状動詞の一般式=形容詞語幹:K+[挿入音素:k]+ar形式接辞で派生する。
・終止形:K[k=0]i:haya[k=0]i/tanosi[k=0]i:無律の性状陳述。
 →挿入音素[k]は当ブログで提起した。律する動作でなく性状・事象の概念化。
・未然、連用形:K[k]u、K[k]ute、:haya[k]u・na[k=0]i(速く・ない)
・仮定形:K[k]ereba:haya[k]ereba、tanosi[k]ereba、
・現在形(九州弁):K[k]a(r=0):早かぁ、楽しかぁ、(共通語:終止形)
・完了形:K[k]a(r=0[Q])ta:早かった、楽しかった、
・前望形:K[k]ar[・/y]oo:早かろう、楽しかろう。
②動詞の無律化名詞の一般式=D[r]ak[]u。(古語から廃れて久しいが、、、)
・曰く:iw[]ak[]u、老いらく:oyu[r]ak[]u、
③動作を無律化したのち再動詞化して律仕方を変化させる。
・無律他動詞化の一般式=D[r]ak[]as[]u(現在でも使われる)
・無律事象動詞化の一般式=D[r]ak[]ar[]u(現在でも使われる)
・散る→ちらく→散らかす:tir[]ak[]as[]u、(無律の他動詞化→自律他動詞)
・→散らかる:tir[]ak[]ar[]u、(無律の出来事陳述化)
・笑う→わらわく→笑わかす:waraw[]ak[]as[]、
・→笑かす:wara(w[]ak[])as[]→wara[k]as[]u、
 (省略が働き、-ak-が[k]に転換した)
・寝さす→寝かす:ne[k]as[]u(赤児には無律他動詞で寝かせるのが妥当だ)。

以上。

態文法:「ずる・ずらく・ずらかる」の派生

2017/07/07(金)

 次の投稿に構想していた『「ある」と「なる」、「する」と「なす」』を考察中に、ふと、
4年前に投稿済みの日本語文法:「する」と「やる」の区別のことを思い出した。
「aru/naru」と、「suru/nasu」と、「suru/yaru」と、ローマ字つづりで見てい
ると、妄想が浮んできた。 [y]aruであれば、互律[y]の意味合いがぴったり適
合するかもしれないと思ってにんまり。しかし、これは無茶な論理ですね。

 まじめな話にもどすと、国語辞典で「する」から「ずる:zuru」に目を移して気が
ついた。「ずらかる」もある。
ずる:(名)ずるいこと、人。
ずるい:(形)おうちゃくだ。こすい。
ずるける:(下一自)なまける。おうちゃくする。(古語辞典:怠ける、ものが腐る)
ずらかる:(五段自)(俗)さぼって、にげ出す。悪者が高飛びする。
(ずらす):(五段他)ずり動かす。すべらす。
・「ずらかる:zur[・/r]ak[]ar[]u」という派生流れがあるのではと感じた。
 ずらく:ずるをすること。ずるの概念。これは辞典に載ってない。
★「ずる」のク語法で「ずらかる」が生まれたのなら、ちゃっかり、ずるして、さぼ
 って、姿を消してしまう、抜け出すの意味にぴったりの造語です。
 
〇古語辞典では、「ずる」自体が載っておらず、
・「す」のク語法として「すらく:su[r]aku:すること、なすこと」で載っている。
 しかし、「ずる、ずらく、ずらかる」はない。

〇国語辞典に「ずる」があると言うことは、
・明治期に俗語として「ずらかる:zur[・]ak[]ar[]u」が造語されて姿を現した
 らしい。そのころまでは「ク語法」も少しは実用の範囲にあったのだろう。
 やはり、無律接辞:-ak-、無律[挿入音素:k]は思わぬところで機能するもの。
・「ずらく:zur[・]ak[]u」の意味は、動作意図からの「ずる」ではなく、ずるの概念
 だけを示すわけです。
・「ずらかる:zur[・]ak[]ar[]u」、ずるの概念・出来事が「ある」「あらす」と言っ
 ておいて、自分は姿を消してしまうとは、なかなか明治人もしゃれている。
 明治の善童、悪童は「ずらく」な行為を見極めていたのかな。
〇現代国語辞典で、こんなふうに「ずらかる」を解明してくれる日がくるとよい
 ですね。

 機能接辞と[挿入音素]の関係については、次回の投稿内容にも関わりますが、
背景説明は態文法:発見!挿入音素と機能接辞の同源性に示したことが
導入になります。

今回はここまでにします。

態文法:已然の-e-と可能の-e[r]u-

2017/07/03(月)

 文語文法で動詞の已然形と呼ばれた形態が、口語文法では仮定形と命名されて
残っている。
平安期~江戸期に日本語の変化がひろがり、動詞活用も大きく変化して、
・下二段から下一段化へ、
・終止形、連体形の一体化、
などが多発連動的に変化が起り、文法の簡略化にもつながるものであった。
 ただ、「已然形」の概念が弱まり、仮定条件の概念も強化にはなっていない?
あえて欲目で仮定条件を整理してみると、
・未然仮定:D[r]aba:書かば/食べらば/帰らば/変えらば、
  打消未然仮定:D[a]na[k]eraba:書かなけらば/食べなけらば
  /帰らなけらば/変えなけらば、
・已然仮定:D[r]eba:書けば/食べれば/帰れば/変えれば、
  打消已然仮定:D[a]na[k]ereba:書かなければ/食べなければ
  /帰らなければ/変えなければ、
  已然打消仮定:D[r]e[]na[k]ereba:書けなければ/食べれなければ
  /帰れなければ/変えれなければ、のようになります。
★しかし、未然の仮定形は文法化されず、現在ではなじみがない。
 さいわい、已然の方は、仮定形の名称・形態で口語文法、学校文法にも残りました。

 せっかく残った「已然の仮定形」ですから、「已然」の概念をじっくり考えてみた
い。 そもそもの始まりは?
〇已然形の特長は-e-音にあります。
・子音語幹動詞から已然形が発生した? 推定で一つの発生源を述べると、
 書き・あり:kak[i]・ari→kak・eri:書けり(書きつつあり:進行形)
 書く→書けり(進行相、すでに書いている:已然)の意味があります。
・こんな言い方は母音語幹:「食べる」ではできません。
 食べ・あり:tabe[?]ari→tabe[r]ari:食べらり?(事象:食べるがあり)。
 無茶な比較です。 kak[i/?]ari/tabe[?/r]ari、こんな[挿入音素]での派生
 比較は、他の機能接辞ではあり得ません。 間違いです。
・しかし、書ける:可能動詞と平衡するのは、食べらる:受動動詞で釣り合うはず
 だと、長い間思われてきました。ところが、本当は別の考察通路があります。
〇実際には、已然形は母音語幹動詞にもあり、もう一つの共通の発生源です。
・已然仮定形では、書けば/食べれば/帰れば/変えれば のように、子音・母音
 ともに共通接辞がつながり、已然形を形成します。
・つまり、仮定接辞:ebaにより、共通一般式:D[r]ebaで派生できます。
★だから、接辞:ebaを已然動詞化接辞:e[r]uに替えれば、共通した已然態動詞
 が誕生します。(D[r]e[r]u:書ける/食べれる/帰れる/変えれる、が誕生)
〇下二段の動詞:受け・受け・受く・受くる・受くれ・受けよ、の未然・連用の-e-音
 は、深層の意味が已然に通じるものだが、下一段化と終止・連体一体化の変化で
 受け・受け・受ける・受ける・受けれ・受けろ、となった。
・已然概念の1本軸が通った「受ける」動詞の誕生で、「受ければ」の-eba-を
 -e[r]u-に替えて「受けれる」と派生させる流れも起きたのだろう。
★書ける/食べれる/帰れる/変えれる、已然概念を持つ態動詞で、一般式は
 :D[r]e[r]uです。つまり、子音/母音語幹に共通で派生できるのです。
・派生の結果は、已然態動詞語幹:D[r]e+[挿入音素:r]+原形接辞:u、なので、
 (D[r]e)は新しい語幹になり(D[r]e)→Dですから、母音語幹系のD[r]uの動
 詞系を生み出します。つまり、
★(書け)る/(食べれ)る/(帰れ)る/(変えれ)る の( )内が新母音語幹動詞の
 扱いとなります。(已然態動詞が誕生しました)

〇なぜ、已然形の態動詞が「可能、できる」を意味するのでしょうか。
 それは、動詞基本形、動詞終止形の語尾:[r]uの力によるものです。
・動詞基本形、動詞終止形は、時制としては「現在、未来」の動作を意味します。
 已然形は「すでにやりかかった動作、進行中の動作」を意味しますから、連結・合
 成すると、「現在・未来に、やりはじめている、または、進行中となる動作である」こと
 を表出する。これが、已然態動詞が可能表現になる必然的な理由です。

 文語文法から口語文法の変化(大衆の言語活用行動がひきおこした歴史的変遷)
です。 動詞活用の方法が大きく変化する中で、可能態が已然形だけから誕生したとい
う説明は独断的な考察になるでしょうが、
・ただ、口語文法にわずかに引き継がれた已然形の概念:仮定形に残る已然概念
 の目に見える小片-e-を考察に活かしたいと思っています。
 学校文法則のなかで、已然の-e-を両語幹共通に示せるのは、仮定形しかない
 のですから。
・また、可能接辞-e[r]u-については、その素性を特定の単語に求める方法もあ
 ります。たとえば、「書き得る」のように可能を「得る」と提起する人もあります
 が、あまりにも「的を射すぎた」接辞となり、応用範囲が狭くなりすぎて同意は
 できません。
・応用範囲の広さ(自他交替接辞として自他両用されたり、受動、使役の後段接辞
 になったり、)が特徴的だが、(可能動詞が動詞活用の変化移行期の試行錯誤か
 ら生まれたがゆえに、)可能態そのものにしぼった検証が遅れたのではないか。
 已然概念で包み込まれた可能態接辞であるから、自・他動詞にも、使役・受動動
 詞にも、どんな動作動詞にも連結して意味を発揮できるのであろう。
・子音語幹の「書ける」には、前述したように、已然誕生の道が2つ(「書き・あり/
 書けば」)あり、残念ながら「書けり」の新道に迷い込み、母音語幹の仮定已然と
 出会えない状態が続いています。(迷い込んだ人は「ら抜き」に憤慨します)
・いまや現代口語文法やローマ字音素解析が進んだ日本語文法で、早く迷路から
 日本語自体を引き上げてほしいですね。

 蛇足を一つ、
・「書ける」は(書け)を母音語幹とする態動詞に派生したものだが、この動詞を
 再度、可能態派生してはいけません。二重可能態となり意味を混乱させます。
 だから、「書ける」、「行ける」、「歩ける」、「読める」、「飲める」などは、再派生に
 向かない所動性(性能、状態だけの描写)の動詞です。一回性の態動詞です。
・通常、どの態動詞も一回性の扱いですが、特に已然仮定形は正しい使い方に
 なっているから、仮定形に乗りすぎて二回可能態にしてしまうことが、誤用に
 おちいりやすい理由です。
・「書ければ」はOKで、「書けれる」は二回可能態へ飛んだことで、ダメ判定です。
・「かけれる」をPCで漢字変換すると、掛けれる、賭けれる、架けれる、駆けれる、
 懸けれる、などが出てきます。
同様に、「食べれれば」はOKですが、「食べれれる」は二重可能態でダメ判定。
・理由を思考実験すると、仮定形は:書け(るとす)れば、:書け(るのであ)れば、
 のように、仮定には隠れた「する」、「ある」が意味を支えていると思う。
・二重可能:「書け(るをするとす)」れば」→「書け(るをするとす)る」=「書けれる」?
 はダメでしょ。 (事象が存在しない) 単純に「書ける」で十分です。
 同様に「書けれた」「行けれた」「飲めれた」「食べれれた」はダメ判定です。
(二段階に強制指示する二段強制、二段使役などは事象としてありえますから、
 事象に即した使い方をしてよいわけです)

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