カテゴリー「態文法」の86件の記事

態文法:動詞活用形から巣立つ独立動詞3

2018/06/30(土)

 かな分析を元に文法を組み立てる学校文法や国語学、国語辞典が最も不得意な
説明分野は何だろうか。日常の言語運用でも個人個人が不具合な言回しに困惑し
たり、辞典を引いても意味の違いがはっきりしない経験をするのは、態動詞や態
文法の月並な意味説明に出会うときではなかろうか。

3.音素分析なら、動詞の態派生について正確で清雅な説明をすべきだ。
 ローマ字つづりで音素単位の分析ができると、動詞語幹に連結する機能接辞が
正確に識別・切出しできる。 この正確な切出し効果を生かすべきで、音素分析の
役割であると思う。

★音素分析が果すべき役割と順序:
 学者や辞典編者でなく、一般人としての希望を記述する。
①音素分析で正確な機能接辞を切り出すこと。
 結果態接辞:ar-、(自他交替接辞:ar-との異同を示す)
 強制態接辞:as-、(自他交替接辞:as-との異同を示す)
 可能態接辞:e-、(自他交替接辞:er-との異同を示す)
 受動態接辞:are-、(結果態:arに可能態:eが連結するとの異同を示す)
 使役態接辞:ase-、(強制態:asに可能態:eが連結するとの異同を示す)

②態派生の一般形式を理解し、接辞が汎用的に使えることを確認する。
・態派生の一般形式:動詞語幹:D[挿入音素]態接辞語幹[挿入音素]統語接辞。
例:受動態の一般形式:D[・/r]ar[・/r]e[・/r]u→D[・/r]ar[・]e[r]u
  →D[・/r]are[r]u。(書く:書かれる、考える:考えられる)
 同様に使役態の一般形式:D[・/s]as[・/r]e[・/r]u→D[・/s]as[・]e[r]u
  →D[・/s]ase[r]u。(書く:書かせる、考える:考えさせる)
〇ここまでは、音素分析を提唱する方々がほぼ異議なしで通過できるかと思いき
 や、可能態に異議が飛ぶ。(かな分析・国語学の呪縛から抜け切れないでいる)
・可能態の一般形式:D[・/r]e[・/r]u→D[・/r]e[r]u。(書ける、考えれる)
 書かれる、書けるの両方が必要な可能(意味の差がある)表現だ。
 考えられる、考えれるの両方が必要な可能(意味の差がある)表現だ。
★話が横道にそれるが、一言付け加えておきたい。
 書かれる(態:動作結果が律する)、と同じような表現に、「書けてる」(相:動作
 完遂完了)を当てることができる。同様に書かれてる(態相:動作結果完了相)も
 解釈可能である。
〇しかし、可能(の意味)動詞の仮定形独立やその命令形は意味不明となり、活用
 適用外とする。
 (動作完遂の仮定・仮想に「る」が直結すると、仮想の尽力が現実事象と見做され
 、可能態動作と位置づけられる。 それに再度の仮想を重ねると尽力事象に尽力
 の二段重ね事象という不可思議な事態になる)
 ◎D[・/r]e[r]u:書ける、→再度、可能化するのはダメである。
  →×D[・/r]e[r]e[r]u:×書けれる、×書けれろ、×書けれてる、
 〇D[・/r]are[r]u:書かれる、→再度、可能化するのはダメである。
  →×D[・/r]are[r]e[r]u:×書かれれる、×書かれれろ、×書かれれてる、
 ◎D[・/r]e[r]u:考えれる、→再度、可能化するのはダメである。
  →×D[・/r]e[r]e[r]u:×考えれれる、×考えれれろ、×考えれれてる、
 〇D[・/r]are[r]u:考えられる、→再度、可能化するのはダメである。
  →×D[・/r]are[r]e[r]u:×考えられれる、×考えられれろ、×考えられれてる。
・蛇足ながら、◎D[・/r]e[r]u、と〇D[・/r]are[r]u、を比べて判るように、国
 語文法で◎「ら抜き言葉」という呼び方は見当違いで、本来は〇「ar」を連結して
 結果の視点を表すか、◎e[r]u、により動作完遂の可能を言うのか、の違いなの
 だ。 ◎e[r]u、を四段動詞にだけ認めて、一段動詞で禁止するのは国語学の完
 全な思考停止である。(四段も一段も可能態を認めてよい)
 (考える:語尾のe[r]uは、一段活用の完遂への尽力動作を表す。古語に遡れば
 考ふ:kamuk[]af[]u→kang[]af[]e[r]u→kangae[r]u、と変化してきた
 動作動詞で「考ふ:くり返し問う」の意味で、可能の意味はない。だから、
 考えれる:kang[]af[]e[r]e[r]u、ではじめて、動作完遂可能を表す)

③汎用的に使える機能接辞(自他交替接辞、態接辞、活用形から巣立独立した接
 辞など)の統一的・深層的な意味を探り出す。
★受動態接辞は、受け身、可能、自発、尊敬の意味があると一般的に言われている
 が、一つの接辞は一つの深層意義があり、深層意義は二つ、三つではない。
★可能態接辞は、自他交替の機能(しかも自→他、他→自、の両側交替をする)や
 動作可能、自発、已然形巣立独立動詞、など多義的な機能であるが、一つの接辞
 は一つの深層意義があり、深層意義は二つ、三つではない。
★他の接辞も多義的な機能であるが、一つの接辞は一つの深層意義があり、深層
 意義は二つ、三つではない。
〇現在の国語学、学校文法、国語辞典は、「接辞の切出しができない」、「一つの接
 辞の多義性に注目するが、共通の一つの深層意義」を感じ取れないでいる。
〇音素分析の立場でも「共通の一つの深層意義」を探し求める必要性に気づかな
 ければ、新しい文法は生まれない。
(態接辞の深層意義を解説した図表が、態文法:日本語を研究するための道具3続
にある)
・一般人の希望はこの位置で止り。 夢や仮定想定を語れるが、語らえる時代は
 未だか。

 以上、ここで連載回を打ち止めにする。

態文法:動詞活用形から巣立つ独立動詞2

2018/06/24(日)

 前回では二段活用において派生する独立動詞を説明した。
・終止形+「る」→連体形の派生、(連体・已然・に限定して使用した)
・連用形+「る」→母音語幹動詞、(iru型/eru型母音語幹動詞:巣立てる)
・已然形+「る」→可能態動詞、(eru型母音語幹動詞:巣立てる)
〇巣立てる連用形由来の母音語幹動詞は、一段活用形を生み出す効果を発揮
 した。(二段活用動詞に対する古代人の窮余の初期対処法がすばらしい)
〇また、巣立てる已然形由来の母音語幹動詞は、可能態動詞を生み出す効果を
 発揮するが、二段動詞経由の可能態動詞を「ら抜き」扱いする風潮が100年
 続いてる。
この風潮は日本語の発展を著しく妨げるものだから、中途半端な理解でなく、
意味を完全に体感してから自身の文法に組み入れてほしい。
以上が前回の要旨。

2.「活用形は動作相:アスペクトを表す」と説明すべき
 大多数の動詞活用形を考察するのに都合のよい「規則活用:四段/一段」表を
参照しながら説明する。

_fnuhix0

〇当態文法では、「動詞活用形が動作相:アスペクトを表す」と説明する。
 ・連用形:→動作進行相(中止法は進行相の一部)として使用することが多い。
 ・已然仮定形:→動作完遂相(動作成就に尽力)として使用することが多い。
(二段活用では、不活発な動詞終止形を無理やり活用させるために「i音:連用、
 e音:已然」を付加して連用形を作り出した)
〇未然形には、2つの顔があり、正面向き(アスペクト)の顔が、
 ・未然形:→「あ音」は動作相を連想させない唯一の音として古代から扱うが、
  未然の名にふさわしい動作相:→打消:D[a/・]nai、意向推量:D[・/y]oo
  だけを配置する。
  (古語での意向推量は、D[a/・]mu、読まむ、起きむ、「あ」音付きだった)
〇未然形のもう一つの顔は、比喩で言うと舞台向き(態・ボイス)の顔で、
→・未然巣立ち形:舞台上で、演者、道具、観客が動作機能を繰り出し合うように
 「自他交替動詞、態動詞、新造語などを派生させ」原動詞に新しい接辞の機能を
 付加させる、という文法空間の巣箱である。
〇未然巣立ち形:自他交替、態動詞、新造語にも「あ」音を当てる傾向がある。
  (古代より意図も偶然もあって「あ」音を当てたのかもしれない)
★音素分析で「動詞語幹」に接辞を連結すると表現できるが、かな分析国文法で
 は「語幹」の表現ができない。(語幹と活用語尾を区切れず、一体表現する)
例:新造語:一般形式。(古代では未然形を狙い、「あ」音を接辞語頭に置いたが、
 強いて言うなら、未然巣立形である)
 D[・/r]af-:住まふ、語らふ、戦かふ、散らふ、/老い痴らふ、:af-反復、継続
  の接尾語。
 D[・/r]ak-:曰く、願わく、望まく、/老いらく、甘やかす、脅かす、:ak-名詞
  概念化、無律:ak(他動詞:as)化。(ク語法)
例:態動詞:接辞語頭「あ」音なので未然形に勘違い。未然巣立形とすべき。
 D[・/r]ar-:書かる、飲まる、/見らる、食べらる、:ar-動作結果を表す接辞。
 D[・/s]as-:書かす、飲ます、/見さす、食べさす、:as-動作強制を表す接辞。
(D[・/r]e-:書ける、飲める、/見れる、食べれる、 :e-已然巣立・動作完遂の
接辞。完遂のため相互に助け合う、自然が適合するのが条件。可能態である。
可能態だけが「あ」音始まりでないから、国学文法では正当な評価ができない?)
 D[・/r]are-:書かれる、飲まれる/見られる、食べられる:are-受動接辞。
  動作結果との相互・自然の関与態応の状態を表す接辞。
 D[・/s]ase-:書かせる、飲ませる/見させる、食べさせる:ase-使役接辞。
  動作強制し、完遂のため必要なら相互に助け合うことを表す接辞。
例:自他交替:接辞語頭「あ」音以外も加わり、自動詞-他動詞の対向関係が強い。
 日本語の動詞は自他交替を原動詞:Dから接辞交替で行う。12通りの交替形が
 ある。簡略的に「動詞語幹:Dと接辞だけ」で自/他を表示すると、次の通り。
 ①Dar/Du:②Dar/Der:③Du/Der:④Der/Du:
 ⑤Der/Das:⑥Drer/Dsu:⑦Du/Das:⑧Dir/Das:
 ⑨Dir/Dos:⑩Dru/Dsu:⑪Dru/Dser:⑫Der/Day:
・原動詞語根が母音末だと、接辞が子音語頭である。⑥、⑩、⑪、が母音末語根
 動詞だと判る。
・自他交替形で一番多いのが②形式で、始まる/始める、決まる/決める、変わる
 /変える、伝わる/伝える、曲がる/曲げる、など、結果態と可能態の対向配置
 で自他交替を感じてるわけだ。
・国語文法では、未然形、未然巣立形の区別に無関心であり、活用語尾で「あ」音の
 もぎ取り、接辞の異形態(る/らる、す/さす、など)に対する無関心、方便の正
 当化が続いてる。 音素分析ならば、無関心のまま見過すことはない。

 今回のまとめを記述する。
〇動詞活用形の並び方は動作相:アスペクトを反映した構成である。
→現代口語の(四段/一段)規則活用では、已然形が仮定形の名称に変ったから、
 已然形の意味合いを可能態のなかに込めておきたい。
★未然形には、打消、推量勧奨の活用形(通常の未然形)のほかに、未然巣立形が
 ある。音素分析では、「語幹」形と言い表せるが、かな分析の国語学では「語幹」
 を言い表せず、(四段)母音交替前の語根、(一段)接辞添加前の語根、の形態を
 →未然(巣立)形と(仮称)する。自他交替接辞や態派生接辞が連結する形だ。
★禁止事項がある。已然仮定形で、動作成就・完遂を仮定し想像する機能を使っ
 たうえで、「る」音付加して事象化や独立動詞化してはいけない。
例:可能:行ける、の先を仮定し想定する場合:→行けれ・ば、の表現はOKだが、
 ×仮定形+「る」:→行けれ「る」、はダメ。二重可能の「れ足し」間違いになる。
 「行ければ、、、行ける」、「行ければ、行く」でよい。
 (つまり、仮定事項に軽々しく「る」付加して事象化、独立化すると、「できるをで
 かす」ような気がして、解釈が混乱するばかりで、ダメということなのだ。
 可能態では「するを尽力できる」が正直な論理展開なのだから)
〇見れる、食べれる、来れる、などの可能態は、問題なくOKだと、高校生くらい
 なら考えれるはず。「考えれる:尽力動作」と「考えられる:結果対応」の意味の差
 も十分に解釈できるはずだと期待する。
・二重可能の禁止事項と「ら抜き言葉」の関係は、次回の態派生で触れる。
(つづく)


態文法:動詞活用形から巣立つ独立動詞1

2018/06/21(木)

 動詞活用形の概念は、国語文法(学校文法、音節・かな分析)の伝統的な動詞分析
方法であり、簡明な文法法則で動詞構造や意味を説明できる。
だが、動詞構造を「かな単位」でしか分析しない簡易な文法では、動詞語幹の切出
しも便宜的・方便的な工夫により変則的な動詞活用表を編み出すしかなかった。
(問題は便宜的、方便的、変則的な文法に満足するばかりで、不満だと誰も感じ
ない状態に陥ってること)
 正確な音素構造に分解する方法は、動詞活用形を「ローマ字つづり」で書き下せ
ば、最小の「音素単位」で分析できる時代なのだから、それにふさわしい文法則を
工夫して国語文法を補強していくべきだろう。
(問題は「音素分析」による新法則で学校文法の何を補強するのかに懸っている)

<音素分析:当ブログ態文法>
 学校文法に欠落する視点に対して、音素分析で見つけた新法則で補強すべき項
目を列挙する。
①動詞活用形から巣立って独立動詞になる仕組み、機序について説明すべき。
②「活用形は動作相:アスペクトを表す」と正確に説明すべき。
③動詞の態派生について正確で清雅な説明をすべき。
という、抽象的な表現ではあるが、日本語の動詞活用の根幹に関わる法則を提起
したい。
 この3項目については思考実験の形式でブログ記事に投稿してきたが、今後は
きちんと整理した態文法の基本にしたい。古語時代と現代を何度も往復し、文法
を平準化するという感覚で、先行研究の国語文法と音素文法を相互補完させたい
と思う。

1. 動詞活用形から巣立つ独立動詞

_fiquqmy

 動詞活用形について記述する。(動詞活用変遷の図表参照)
動詞の活用には、古代より四段活用、(三段活用、)二段活用、一段活用があって、
〇四段活用:動詞語幹が子音末であり、古代から現代まで安定な形式を保つ。
 かな分析:活用語尾音が「あ、い、う、う、え、え」と母音交替する型式という。
 音素分析:「a、i、」は[挿入音素]、「u、e、」は機能接辞である。安定な形式。
・終止形、連体形を中心に連用形(進行相)と已然形(完遂相)が母音交替で実現。
(三段活用:現在では「来る、する」の不規則動詞2つ程度。ここでは省略)
〇二段活用:語幹は子音末だが、特定の母音交替しか通用せず、語幹に、i音また
 は、e音を付加した音節形態にして活用する。
・連体形は終止形に「る」を付加して独立した動詞形を派生し、已然形にも適用さ
 せる。独特な形態だが、古語時代から始まる法則で、簡略動詞:サボ「る」、けち
 「る」、ググ「る」などの生成原理につながるもの。
・近世に近づき終止形が連体形と同一化し始めると、連用形に「る」付加した独立
 動詞形を終止形にする動きが始まる。

〇一段活用:二段動詞の語幹にi音、e音を組み入れた母音語幹動詞が急速に定着
 して一段活用化が進んだ。
・最下段の規則活用表に四段/一段を共通形式で示す。[挿入音素]で段差を吸収
 するから、已然形、命令形(省略音あり)まで、段差なしの同じ接辞形態になる。
・一段活用では、終止形以後に[r]が挿入されるのは母音語幹に「る」付加で独立
 動詞化するからだ。
 (かな分析:終止形以後「る」を付加する並び形式を接辞添加の型式という)
・また、已然形に「る」付加で独立動詞化するのが「可能動詞」であり、四段/一段
 ともに本質的に正当な可能動詞、可能態である。
 (国語文法は四段動詞の可能態しか認めない。100年の遅れ?)
・已然形は、「すでに然る、つまり完遂努力を(想定)すること」が基本の意義だか
 ら、書け「る」、落ちれ「る」、投げれ「る」の意味は「動作を完遂できる」であり、
 何も異議が出るはずがない。一段活用動詞も可能態、可能動詞になる。
(現代口語では已然形を仮定形と呼ぶが、基本原理は何も変っていない。
 古語時代からの已然概念を見失ってはもったいない)

〇規則活用の已然形:D[・/r]e[r]uの接辞:e=可能態接辞:e-である。
 次の動詞はすべて接辞:e-を含み、深層で「動作を完遂する」という共通の意味
 ・機能を持っている。
例:集める、かぶせる、受ける、立てる、割れる、逃げる、倒れる、通れる、通せる
 、見れる、見せる、着れる、着せる、乗れる、乗せる、任せる、果せる、寝れる、寝
 せる、、、
・「立てる、割れる」など自他交替で自→他/他→自の両反転があり不思議に感じ
 る時期を早く通過してほしい。共通の「動作を完遂する」を経由しての自他交替
 があるだけだと強く感じてほしい。
・可能態動詞の動作律仕方を「互律動作」と命名する理由は、動作を完遂する途上
 で主体と他者、対象との相互間で動作共有の瞬間・兆しが生じるからである。
(原形が古語の、集む、受く、逃ぐ、などもあるから、それを考慮に入れると分か
りやすい。古代から日本人は動作共有の瞬間を共感しながら已然形を使ってきた
はずだ。だから、対人他動詞の可能態:見せる、着せる、乗せる、任せる、寝せる、
などをじっくり吟味すると他者との動作共有の感じを体得できるだろう)

(つづく)

態文法:「なぜ日本は強いと思われますか」

2018/06/15(金)

 <引用:スポーツ報知のネット記事:06/08 01:33>
   ロシアW杯に臨むFIFAランク61位の日本は8日、同6位のスイスと
  同国・ルガノで親善試合を行う。7日は試合会場で前日会見が行われ、
  西野朗監督が出席した。
   地元メディアからは「なぜ日本は強いと①思われますか」と珍質問が
  飛びだし、指揮官は「誰に②思われているんですか。質問された方が
  ③思われているのですか」と戸惑いながらも「日本はW杯に連続して出場
  している現実はある。アジアのサッカーを牽引しているので自信を持っ
  てW杯に出場したい。ただ、これがW杯でチャレンジしてもある程度で
  拒まれている歴史も認めないといけない。W杯の中では十分には実力を
  発揮できず、なかなか認めてもらえない現実もあるのも事実」と冷静に
  答えていた。
 <引用おわり:①②③印は当ブログで付記す>

→(感想)
 珍質問ではなく、「日本は強いと思われる理由はなんでしょうか」という
 生な質問を、日本語らしく「なぜ日本は強いと思われますか」と表現した
 のだろう。日本人でなくてこの表現ができたのだからびっくりします。
 (日本チームが調子を上げていれば、西野監督も戸惑うことなく応答でき
 たはずだ)
→まず、記者会見の受動態:「思われる」の使い方、解釈について、文章上
で考察しておきたい。
①思われ(ますか):通常の会見で質問文形式であれば、受動の尊敬表現の
 「あなたが(思考結果として)思われ・て・るのか」を意味します。
 (思われますか:動作事象・基本相で質問する点も正当手順である)
②誰に「思われ・ている・のか」:受け身の表現と解釈すると、誰に思われ
 るのかを詮索し出すか? (~ている:動作進行相で質問を感じたらしい)
③質問者が「思われ・ている・のか」:質問者に対しての尊敬表現では
 なく、質問者を②誰のうちの一人として想定した言い方で、「質問者に
 思われて」という受け身表現も兼ねたものなのだろう。
戸惑いながらも、受動態の意味するところを冷静に分析しながら、正しい
表現・思考結果を披歴する応答を行った。その点は論理的な判断ができる
人だろう。

 では、当ブログ態文法を活用して、受動態の本質を解明してみよう。
<音素分析:構造>
 当ブログ態文法での、受動態生成の方法を説明する。
〇態の派生原理は、動詞語幹:Dに[挿入音素]をはさんで態接辞を連結する。
 語幹の子音末/母音末の差を[挿入音素:連結母音/連結子音]で調音し
 態接辞の子音語頭/母音語頭に順応する構造である。
〇受動態の一般形式:D[・/r]ar[・/r]e[・/r]u→D[・/r]ar[・]e[r]u。
 子音幹 思う→思われる:omow[・]ar[・]e[r]u→omowareru、
 母音幹 考える→考えられる:kangae[r]ar[・]e[r]u→kangaerareru。
〇受動態接辞:are-の構造は、上に示すように結果態:ar、に可能態接辞:e-
 が連結した二段階の派生である。

<音素分析:意味>
 態の接辞を異形態でなく同一形態で示せるので、意味も統一して明示できる。
〇可能態接辞:e-は、動作完遂への動作相を表し、完遂に必要なら相互に助力し
 合うことを意味する。(動作律仕方を「互律動作」と定義する)
〇結果態接辞:ar-は、古語、文語での受動態を意味する接辞であり、文字通り
 動作の「結果がある」という状態を表す。 「ある」→ある、生る、在る、有る、の
 すべてを内包する意味であり、「過去、現在、未来の動作結果」に対しても有効
 である。(動作結果は主体・客体・対象に対し等距離の関係で態応を律するから
 、律仕方を「果律動作」と定義する。動作結果からの視点なのだ)
〇受動態接辞:are-は、古語、文語でも(結果態の)連用形として使い込まれ
 た形態で、意味は動作結果の完遂に必要なら助力することを意味する。
 単純に、動作結果の完遂による誘発事態に振り回されることも意味する。
 (受動態の律仕方は「果互律動作」と定義する。動作結果からの視点なのだ)

→態動詞の動作律仕方の定義を記述した。(態には三系四態がある)
 三系四態=12態動詞の深層核心の意味を正確に覚えるために、「律仕方」の
 概念を考えたものです。参考の補完に三系原形態3つを追加しておこう。
①能動系・能動態:一般形式:D[・/r]u、
 自律動作→自己の意図で動作する。(自他動詞ともに)
②強制系・強制態:一般形式:D[・/s]as[・]u、
 律他動作→動作を指示し、他者に服従・自律動作をやらす。
③使役系・使役態:一般形式:D[・/s]as[・]e[r]u、
 律他互律動作→律他動作を指示し、完遂に必要ならば手助けする。
〇この3律仕方と上段の可能/結果/受動の3律仕方を組み合せれば、
 すべての態動詞の律仕方が区別して完全理解できると思われる。

態文法:派生/複合?:継続助動詞:afu

2018/06/05(火)

 古語辞典に継続の助動詞:あふ、afu←合うの原意、が付録一覧表に載る。
(掲載の助動詞形態は:ふ、であり、未然形に連結するとある)
造語例は上代にあり、住まふ、語らふ、戦ふ(叩く+合う)、散らふ、など、継続し
た動作を意味する単語(四段活用)が見つかる。
動詞:あう(合う、会う、逢う、和う、敢う、饗う、の原意)は、自立動詞(四段活用、
下二段活用)でもあるから、通常の機能接辞とは違いがある。
 では、この助動詞をかな分析/音素分析で詳しく調べてみよう。

<かな分析>
四段動詞:住む、語る、たたく、散る、の動作継続を表現するのか、くり返し動作
の事象としての表現なのかで接続様式が異なる。
・動作継続:連用形(住み、語り、たたき、散り、)[+]あふ、の連結(複合の単語)、
 →連用形「住み合う、語り合う、たたき合う、散り合う、」、動作のくり返し。
・事象継続:終止形(住む、語る、たたく、散る、)[・]あふ、の連結(派生、造語)、
 →終止形との連結では語尾:う音と接辞語頭:あ音が母音直結する結果、調合さ
  れ、う音が落ちて、「住まふ、語らふ、戦ふ、散らふ、」という新概念の動詞にな
  る。
(未然形(住ま、語ら、たたか、散ら、)[・]ふ、と解説する辞典も多いが、この説明
は、二段活用(、一段活用)動詞に適用できないし、その造語例もないから不適当
で、発展性もない。この接辞:afuは特定の動詞語幹と連結して継続意味の新造語
を作るのに使われたもので、接辞の役割は済んでいるようだ)

<音素分析>
 古語辞典に継続・繰り返しの助動詞:ふ、とあるから、普通に検証すると、
〇助動詞:ふ、未然形を認めて連結するならば、
・一般形式=動詞語幹[a/・]機能接辞、で表せる。
 子音幹:D[a]fu→住まふ、語らふ、戦ふ、散らふ、
 →子音幹動詞・未然形の条件なら成立する。新造語である。
 母音幹:D[・]fu→?見ふ、?食べふ、?似ふ、
 →母音幹動詞では意味をなさない。 (接辞形態が「ふ」ではダメ)
〇接辞を:afu、あふ、と見直し、母音語頭の接辞に対応すると、
・一般形式=動詞語幹[・/r]afu、で表すのが通例の派生形式だ。
 子音幹:D[・]afu →住まふ、語らふ、戦ふ、散らふ、
 →子音幹で未然形を考慮しなくても新造語が成り立つ。
 母音幹:D[r]afu →?見らふ、?食べらふ、?似らふ、
 →しかし、母音幹動詞で意味が成立しないので、別の考察が必要だ。
〇接辞:afu、あふ、を、自立語:合う、会う、と見なして、
 (子音幹)派生/(母音幹)複合、の変則的な連結様式と考えると自由度が益す。
・一般形式=動詞語幹[・/+]afu、という文法的無音の[挿入音素]を想定する。
 子音幹:D[・]afu →住まふ、語らふ、戦ふ、散らふ、
 →子音幹で新造語が成り立つ。(未然形を考慮しなくてよい)
 母音幹:D[+]afu →見合ふ、食べ合ふ、似合ふ、
 →動作連用の意味合いで、見合い、食べ合う、似合うなどの複合語を生成した。
(古語での造語用例で助動詞扱いであったが、現代口語では接辞として常用は
していない)
〇念のため、連用形で接辞:afu:(自立動詞)との複合を想定し一般化すると、
・一般形式=D[i/・]Ø[+]afu、で考察できるから、
 子音幹:D[i]Ø[+]afu、→住み合う、語り合う、たたき合う、散り合う、
 →動作状態の継続、交互くり返しの描写ができる。
 母音幹:D[・]Ø[+]afu、→見合ふ、食べ合ふ、似合ふ、
 →同様に動作状態の継続、交互くり返しの描写ができる。
(古語での造語用例で助動詞扱いであったが、現代口語では接辞として常用は
していない)

 以上のように、かな分析と音素分析の比較検証を細かく展開すれば、音素分析
の方法が有利だとわかるはず。 特に、動詞派生の場合には、一般形式の表現を採
用することで子音幹・母音幹の両動詞を一度に検証できるから、接辞の汎用性の
有りか、無しかも自分で確実に感じとれる。
また、古語や現代語に対して一貫した音素分析の方法が適用できるから、文法の
効力も実感できる。

態文法:改訂版構想メモへ

2018/05/29(火)

 初版で未解決と感じてた部分も古語文法を現代視点から解釈すれば事の次第が
見えてくると確信できた。そこで改訂版を準備したいと考えて構成を検討し始める。
ホームページに態文法改訂構想、の形で思考メモを載せた。(随時更新する予定)

 この構想メモの「まえがき☆駒」二枚目に記すように、
・日本語は、文字の面からも発音の面からも文法の面からも「二つの面」を並行し
 て持つ、いわゆる「並行世界:パラレルワールド」を体現した言語体系なのだと
 実感した。
(時枝誠記「国語学言論」の「詞/辞=客観/主観」の記述を読んで、一瞬、並行世界
が脳裏に浮んだが、汎用化した具体構図の概念に固定できず悔しい思いが残った)
〇かな/漢字の併存、漢字音読み/訓読みの併存、文語文法/口語文法の併存、
 かな音節分析/ローマ字音素分析の併存などが、ほとんど非協力的に並行併存
 してるのが現状だ。(発展のためには協力的な併存を進めるべきだ)
・たとえば、「かな」は、表音体系だが音節単位の「かな」表現であり、「ローマ字」の
 ような音素単位の「kana」表現へと深めることができない。

〇文法研究では、形態変化する用言の解析に限ってでもよいので、ローマ字音素
 解析をしておくという並行感覚が必要であろう。(望遠鏡:「かな」分析のままで
 、顕微鏡の役目を果そうにも「kana」発見は無理なのだ)
〇宇宙の実体を解き明かすのに、時空の相対論・重力論と極限の量子論が協力的
 に併存(統一)する必要があると言われる。
・日本語の発展のためには、「かな」と「kana」の協力的併存を成し遂げる必要が
 ある。これを目指した改訂版を心がけよう。

態文法:日本語を研究するための道具4

2018/05/03(木)

 日本語の研究道具連載を締めくくるための補足的道具について記述する。
前回、任す/任せる、の意味・機能を対比しての独自の考察を記したので、世間の
用法と合っているのか、違っているか、ネット情報を検索してみた。
 中でもすぐに目に付いたのは、
〇松下電器創業者・松下幸之助の名言「任せて任さず」・・・(独自考察と合致例)
という検索情報が複数件ある。
また、この名言を引用しての個人記事の検索事例も多くあり、
〇検索事例:「任せて任せず」、「任せっぱなしはダメ」、「任して任さず」・・・など、
名言をうろ覚えなのか、任す/任せるの違いが判らないのか、どちらだろう?
〇国語辞典の「任す、任せる」の説明:ほとんど他動詞的な例文が多い。強制、使役
 の意味付けがなく、「相手に任して放任する」のが「任す、任せる」だという印象
 を持ってしまう。(任す=放任ではない。命令服従・任用服務・指示工夫・許可裁量)
→せっかくの名言:「任せて任さず」の深層心理や深い意味を理解するのは、今の
 ところ少数派らしい。

 実際の言語活動で短い一言の深層心理を理解するには、基本の道具①~道具③
を使いこなす「頭の回転力」が必要で、それが補助的道具④だと言えるだろう。
(1)日本語動詞の活用は、古代から現代への変化・変遷があるものの、比較的連続
  性が保たれてる。 「係り結びや、候文、奉る文」は消滅していったが、残った形
  態素に連続性を見出すことが重要だ。 動詞の四段活用などは古代から現代ま
  で基本的に不変である。 (不変の四段活用に対して、二段から一段へ変化を
  した必然性を感じ取れるだろうか)
(2)動詞活用は、動詞語幹に機能接辞(接辞や助動詞)が密結合して派生・造語さ
  れる。造語法則を身につけ、単語内の機能接辞を見つけ出せることを目指す。
(3)見つけ出した機能接辞を意図的に特長を強調して(他と区別して)意味付け
  する。(接辞発見の練習には自他交替接辞、態接辞を抜き出すのが効果あり)
(4)国語辞典では、任す/任せる、の意味の違いを説明するものは少ない。どちら
  かを説明し、他方の見出し語では既出の説明を参照させる印を付す。
  mak[]as[]u/mak[]as[]e[r]u、で接辞:as、e、as‐e、などの形態素に対す
  る意味付けの注意喚起がない。 個人の知識に任してしまう。
(5)要するに、道具①~③までを上手に使う道具④を働かせなさいということ。
  (接辞の連結を見つけ出す道具①~③を使えるように、まず練習が必要だが)
  学校文法や国語辞典には規定概念のしがらみが多いし、専門家には道具④の
  働き方は規定概念に長く浸かってるので、知識の再整理をした後を期待した
  い。

→★松下電器創業者・松下幸之助の格言「任せて任さず」・・・道具④を意識して、
 深層心理を解読しよう。
〇「任せて」は、2通りの発生源がある。
・任す:①任さず、任し、任す、任す、②任せて、任せ、の五段活用已然・仮定形、
・任せる:③任せず、④任せて、任せる、任せる、任せれて、任せろ、の一段連用形
★当然、②任せて(任すの已然)、④任せて(任せるの連用)は形態も意味も同じ。
 また、打消の①任さず、は(任すの打消)が発生源であり、他にない。
 つまり、松下名言は「②④任せて①任さず」という構文である。
〇②mak[]as[]e[]te、④mak[]as‐e[]te、:任せて、には接辞:asと:eの2つが
 連結してるから、「律他互律」の動作である。
〇①mak[]as[a/・]zu:任さず、には接辞:asと:zuの2つが連結してるから、
 「律他・打消」の動作である。
→②④任せて:律他互律:上司が部下に(任務を)指示して、部下は指示に則り
 自律動作(で任務を)する(←律他:as)。 (互律:e→)完遂(成就可能にする)の
 ため必要なら上司は部下を手助け(改善、助言)する。
→①任さず:律他打消:指示して他者に服従自律動作をさす(←律他:as)、ことを
 (打消:zu→)しないでいる。
★名言「②④任せて(律他互律)①任さず(律他打消)」は、律他が打消されて互律
 だけが残る:完遂に向けて互に助け合いなさい、(経営者は部下に任しっぱなし
 ではなく、常々注目して手を抜かないことが大事)ということ。
・因みに、「④任せて(律他互律)③任せず(律他互律打消)」句では、同一の「任せ」
 が打消されて何も残らない無意味な構文だと分る。
 (「任して任さず」無意味な文、「任して任せず」→互律打消が残り最悪な格言)

→★任す/任せるの例:「す」語尾の動詞に対する考察:
・他動詞/使役、強制/使役の関係になる動詞は、接辞:e‐、e[r]uが連結して
 ②D[・/s]as[]e[]te、④D[・/s]as‐e[]te、のような活用が使われる。
 両動詞ともに「互律」:動作完遂をめざす意味を含む能動性を示す。だから、連用
 形として、「任せ・っぱなし、任せ・ながら」の用法が辛うじて成立する。
〇特に強制/使役を派生する動詞は、「任して/任せて」形式で使われることが多
 いので、「揺れのある表現」である。
★任すの連用形で「任し・っぱなし、任し・ながら」というのは正当な用法で清雅
 な表現である。避けたい言い方:「任しっぱなし」なのに、完遂したら「任せてた
 から」と言うのは見苦しい。
・果す/果せるの例:他動詞/他動詞可能態で、動詞自体が完遂動作を意味するの
 だが、「果せ・っぱなし、果せ・ながら」は不自然な表現となり、次に述べる一般
 的な可能動詞と同様の扱いとなる。
〇「行ける、書ける」の可能態(所動性)の接辞:e‐、e[r]uは「互律」の意味を持つ
 が、この連用形:「行け・っぱなし、書け・ながら」の表現には抵抗感がわく。
 (自動詞の自律・連用「行き・っぱなし、書き・ながら」が自然な用法)
〇抵抗感が生じる同様の例:走れ・ながら、歩け・っぱなし、見れ・ながら、食べれ
 ・っぱなし、渡せ・ながら、泳げ・っぱなし:可能態・可能動詞は能動性が減じて、
 動作完遂相の表現に近づくから、進行相(~ながら、~っぱなし)に戻ると抵抗
 感が強くなる。(互律=動作完遂に向かう意欲+相互介助・好条件整備)
〇また、「折れる、割れる」の自発態にも接辞:e‐、e[r]uがつき、「互律」の意味を
 持つが、物理法則との互律だから、連用形で「折れ・っぱなし、割れ・ながら」も
 自然な用法に感じる。(動作相・アスペクト変化も生じてる)
 (折り・っぱなし、割り・ながら、も他動詞の自律・連用で自然である)

 態の接辞の一つ一つを識別し、律仕方を接辞一つ一つに対応させる考え方を
採用したので、接辞が連続した文章を読むときに誰でも動詞の接辞を分解できる
ようになり、接辞が違えば意味解釈に差がつくことを理解しやすくなるだろう、
と期待している。
完遂。

態文法:日本語を研究するための道具3続

2018/04/30(月)

 今回は、道具③の後半部分:
〇日本語研究の道具③:態動詞の派生を[挿入音素]を用いて一般形式表記する。
済:(能動系、強制系、使役系の三系四態動詞を相似的共通形式で見える化する)
後半:(三系四態の態接辞がそれぞれ持つ独自の機能、意味を見える化する)
の道具を記述したい。
→★態接辞の機能と意味を再検証する:態表現とは、動作事象に関わる登場人・
 物が如何に動作を律するのかを示すこと。態接辞がその表現道具である。
_fdoilyx_2

→★態接辞と動作律仕方の双対関係:表裏一体。
_fecabgl

→態表現は、動作事象に態応して登場人・物が如何なる律仕方をするかを叙述す
 るから、文脈の中の登場人物を思い浮べる習慣が必要である。
〇自律動作:主体自らの意思、意図で動作する。(自動詞、他動詞で区別せず)
〇律他動作:主体自らは指示し、他者に服従自律動作をさす。(指示の強弱:強要
 ・許可・容認・放任、服従の強弱:服命・下請け・要請・要望、などは文脈判断)
〇使役動作:律他動作と同時に(可能・互律)完遂のため必要なら手助けする。
★なお、強制態の強制可能態は一般形式:D[・/s]as[・]e[r]uであり、使役態と
 同一形態:D[・/s]as‐e[r]u、になる。両者は機能・意味が同じである。
〇互律動作(状態動詞):主体・客体・自然界が矛盾せずに完遂・成就できる動作で
 あること。(動作完遂を目指すので、当事者の力だけでなく物理法則、自然法則
 、事理・人理に則った行動であることが互律動作の必要条件である)
例:「花子はピアノが弾ける」→花子もピアノも音楽法則の適った動作ができる。
 「これは難しくて読めないね」→読み手と文体との不適合の動作だ。
★なお、「読む:自律/読める:互律」の対応関係は、可能態・可能動詞の文法問題
 に関わることで、上記の「強制可能態=使役態」とも同根の現象だ。
 (考察は後段で行うこととする。「双対環」を見慣れてくると、問題解決も早い
 はずだと感じる)
〇果律動作(状態動詞):動作の結果(状態、成果物)が生じる事象を表す。
〇果互律動作(状態動詞):動作結果が在る(有る、生る、ある)事態が主体・客体
 ・対象・各種法則に関わる様子を表す。(未来洞察で動作結果があるも含める)
模式的な例:動作の律仕方を明示すると、おのずから態動作が判るはず。
 ・主体@果互律=実行実績ありの可能、・第三者発話なら主体への尊敬対話。
 ・客体@果互律=受身(直接、間接)、・対象@果互律=受身、自発、習慣。
 ・主体@律他果互律=指示実績の可能、・第三者発話なら主体への尊敬対話。
 ・客体@律他果互律=服従自律の受け実績あり、・対象@律他果互律=受身。

→★最後に〇使役動作、〇互律動作の説明記述のなかで、文法問題として残した
 事項について考察する。
〇可能態の成立ちと扱い方の認知度、文法解釈が学問的にも分散化してる。
・現状の動詞活用:(未然、命令を除き、)連用・終止・連体・已然仮定を並べる。
 動詞活用:書いて、書く、書く、書けて/食べて、食べる、食べる、食べれて、
 一般形式表記:D[i/・]te、D[・/r]u、D[・/r]u、D[・/r]e[・]te、
→★已然仮定の「書けて、食べれて」から独立動詞化して、可能動詞:「書ける、
 食べれる」が派生したと推測する。 五段(四段)動詞、一段動詞からも同時に
 新しい可能動詞(一段)が生まれる。 可能動詞は所動・状態動詞に変化する。
・連用形「書いて、食べて」は動作進行相を表し、已然形「書けて、食べれて」は動作
 完遂相を表す。
〇一方、律他系の動詞の場合:任す(律他性強い)、渡す(律他性弱い、他動詞)
 動詞活用:任して、任す、任す、任せて/渡して、渡す、渡す、渡せて、
 一般形式表記:D[i/・]te、D[・/r]u、D[・/r]u、D[・/r]e[・]te、
→★任して/任せて、を比較しても可能表現を感じない、律他・律他手助けの意
 味合いがつよい。(所動・状態動詞に変化しない)
 渡して/渡せて、の比較では、「渡せて」に可能の意味合いが十分感じられる。
 「任せる」、「渡せる」と独立動詞化したとき、「任せる」は使役動詞的に活用し、
 「渡せる」は可能動詞的に活用される。
・この差は、原動詞:任す、が表す動作構造が律他的:指示し相手に自律動作を求
 める、であり、一方の原動詞:渡す、が他動詞であり:対象を移動さす、だけで完
 結する動作だからだ。
★文法学の諸説では、可能態を五段活用動詞でしか認めないのが主流だ。本来、
 必須の機能ならば、五段・一段とも並行して派生するのが常道だが、明解な理由
 付けの学説がない。 また、連用と已然の解釈学説も明確でない。 「任して」の
 表現には精雅さがないから、「任せて」表現が望ましい的な感覚論をいう風潮が
 ある。 ほとんど(帰納と演繹の合同演習が収れんしない)論理的な学説がない
 ようだ。
 「任せて」を使う場合には、任しただけでなく、完遂のために手助けをした論拠
 を示せるような語り口であってほしい。
 やはり、なにを以て統一的な判断道具するのかが大きな課題だ。

態文法:日本語を研究するための道具3

2018/04/25(水)

 今回は、道具③:態動詞の派生に対する道具を記述したい。
3つ目の道具を加え、すべて並べると次のようになる。
①日本語研究の道具①:音素分析に「ローマ字解析」を用いる。(音素の見える化)
②日本語研究の道具②:動詞派生を[挿入音素:連結母音/連結子音]を用いて
  一般形式表記する。(四段活用・一段活用を共通形式で見える化する)
③日本語研究の道具③:態動詞の派生を[挿入音素]を用いて一般形式表記する。
  (能動系、強制系、使役系の三系四態動詞を相似的共通形式で見える化する)
  (また、三系四態の態接辞がそれぞれ持つ独自の機能、意味を見える化する)

→★まず、道具③の三系四態の態派生を一般形式で一覧してみよう。
_fsllq0b

→★態派生の道具③:原動詞と受動態の対向関係と、可能態と結果態の対向関係
 を直交させた「態の双対環」構成で三系四態の態動詞を相似表記できる。
<「態の双対環」表記:三系四態の図>
_fwvguzj

〇態派生の一般形式:能動・強制・使役の各系が四態を持つように構成してあるの
 で、系相互間での行って来いの派生連結が少なくなる。 まれではあるが、実際
 に飛び移り例文を見た記憶がある。 例:「滝に打たれ・させられる」では、
〇ut[・]ar‐e:能動受動→→[・/s]as‐e[r]ar‐e[r]u:使役受動へと飛び移って
 でき上がる形態だ。
〇不規則動詞の来る/する、は、古語の終止形:く/す、に直接[r]uを付加して
 連体形:くる/する、の独立動詞化した歴史をそのまま残して、現代の終止形
 になってるのだと再確認した。 ただし、態派生の場合、来る:の語幹=Ko、
 する:の語幹=S、と見なした扱い方が態派生に最適な形態になる。
★態接辞は助動詞の一種であるが、[挿入音素]を挟んで動詞語幹と密結合して
 機能を発揮する。(動詞未然形に連結するのではない)
→★態接辞の基本種別:接辞ごとに特定固有の機能・意味合いがある。
 可能態接辞:‐e‐:「動作の順当な成就、完遂」を表す:自他交替、実行可能、自発。
 結果態接辞:‐ar‐:「動作による結果事象」を表す:文語での結果態、受動態。
 受動態接辞:‐ar‐e‐:「動作による結果事態」を表す:実績、受身、自発、尊敬。
 強制態接辞:‐as‐:「動作を指示し他者にやらす」を表す:強制、許可、放任。
  (文語での使役態、尊敬、などを表す)
 使役態接辞:‐as‐e‐:「動作を他者にやらせ、必要なら介助する」:使役、許容。
〇文語時代での可能接辞:‐e‐:や、結果接辞:‐ar‐:、強制接辞:‐as‐:、は、自他交替
 接辞としても活用された。
例:休む→yasum[]e[r]u、D[]ar[]u、D[]as[]u。
・おわる:ow[]ar[]u、D[]e[r]u、D[]ar[]as[]u、D[]e[s]as[]u。
 (自他交替と態とが交錯するところもあります)
(つづく:接辞ごとの特定固有の機能・意味合いの説明を次回します)

態文法:日本語を研究するための道具2

2018/04/20(金)

 当ブログは2017年、新たに「態文法カテゴリー」を立てて、動詞活用を一般形式
(ローマ字つづり)で表記し始めた。
(実際は、その2、3年前から[挿入音素]形式を試行してるが)
★日本語研究の道具2:「ローマ字解析」による「派生文法:連結音素」の手法。
〇前回の道具①:ローマ字解析、を上手に使いこなすために、
〇道具②:派生文法(動詞語幹+連結母音/連結子音+機能接辞)を取り入れる。
 動詞語幹と接辞を連結する際の音節調整に「単母音/単子音」を挟み込む方法を
 文法規則化するべきだ、と提起する下記の研究書籍に感銘を受けた。
・清瀬義三郎則府が1969年『連結子音と連結母音と~日本語動詞無活用論~』
 (PDF入手可能か)を講演した。米国。
・『日本語文法新論-派生文法序説』:清瀬義三郎則府:桜楓社:1989年
・『日本語文法体系新論―派生文法の原理と動詞体系の歴史』:清瀬義三郎則府
 :ひつじ書房:2013年12月
→★当ブログでは、清瀬原案を汎用化するため「一般形式化」する工夫を採用し
 た。
・一般形式:語幹末尾音+[挿入音素:連結母音/連結子音]+接辞語頭音の連結状
 態を明確に選択しやすく表示し、汎用的に意味のある派生ができる、という法
 則性を感得できるようにした。
★動詞語幹:D(=子音末、母音末)+[挿入音素(=連結母音/連結子音)]+機能接
 辞(=子音頭接辞/母音頭接辞)、が規則動詞の表記に適用できる。
実例:動詞活用の大部分は規則的で、次の①、②の一般形式で表せる。
 四段・一段を共用の一般形式で示す。 (語例:書く、話す、見る、食べる)
①一般形式:(未然、連用、終止・連体、已然仮定、命令)の表示。
 D[a/・]na‐i、D[i/・]mas‐u、D[・/r]u、D[・/r]u、D[・/r]e+ba、
 D[・/r]e【[y]o】(=四段活用)/D[・/r]【e[y]】o(=一段活用)。
また、古語、文語での二段活用の一般形式(上/下共用)を表記すれば、
(語例:落つ:ot-、投ぐ:nag-を思い浮べて一般形式を確認してください)
②(上/下)二段活用:D[(i/e)]z‐u、D[(i/e)]te、D[(・/・)]u、
 D[・/・]u[r/r]u、D[・/・]u[r/r]e+ba、D[(i/e)]+yo、で示せる。

→★態文法:二段活用から一段活用へで一般形式を二段活用表現に適用して
 大きな発見をしたことに触れた。
〇二段活用の「連体形」は、終止形に「る」を付加して再動詞概念化したもの。
 (例:D[・/・]u+[r/r]u→おつ+る/なぐ+る、で口語動詞的になる)
〇二段活用の「連用形」に「る」を付加して動詞概念化すると一段活用へ移行可。
 (例:D[(i/e)]+[r]u→おち+る/なげ+る、など母音語幹動詞になる)
→★つぎに、今回また発見したことは、
〇古語の完了・過去表現の助動詞「つ」は、口語のおち+た/なげ+た、の「た」語源
 で二段活用すると、「て、て、つ、つる、つれ、てよ」と古語辞典に記述がある。
・現代の学習現場では、「た形、て形の活用」と見なした扱いが行われるが、
〇四段・一段でも使える完了接辞:teを一般形式で示すと、(語例:話す、見る)
 D[i/・]te[+]na‐i、 D[i/・]te[+]mas‐u、D[i/・]te[r]u、D[i/・]te[r]u、
 D[i/・]te[r]e+ba、D[i/・]te[r]【e[y]】o、という形式が一部では使われて
 いる。(二段活用から一段活用への変遷の流れに乗ったと推定した)
〇つまり、完了接辞:teの連用形、D[i/・]teに「る」を付加して動詞概念化する
 という文法則を応用することが論理的で、便利であるし、理屈を言える。
★整理して述べると、現代の「て形」助動詞は下一段活用形で使われているはず
 だから、「て、て、てる、てる、てれ、てろ」という形態が存在するだろう。
・「二段活用から一段活用へ移行するのに、2、3世紀遅れてきただけです」
 (話してる、見てる、書いてる、読んでる、話してろ、見てろ、書いてれば、
 読んでれば、など自然な使い心地だし、正当化する理屈も立つ)
 
★前回の道具1で紹介した
『複数の日本語~方言からはじめる言語学~』:工藤真由美、八亀裕美:講談社
選書メチエ:2008年11月10日
のなかで、動作進行形/完了形の区別表現が西日本の方言では可能だが、標準
語ではできない(進行相と結果相が同形)、という記述がある。

→★当ブログは出来立ての論理によって、標準語の結果相を新提案したい。
実例:方言と標準語のアスペクト相の違い:動作進行形と動作完遂結果。
・愛媛宇和島:--完成----進行相-----------結果相-----
 非過去:----する---しよる:s[i](y)oru----しとる:s[i]t【e】oru
  過去:----した---しよった:s[i](y)otta---しとった:s[i]t【e】otta
標準語:関東:-完成----進行相(結果相)-----★結果相(新提案)--
 非過去:---する----している:s[i]te‐iru---★してる:s[i]te‐ru
  過去:----した---していた:s[i]te‐ita----★してた:s[i]te‐ta

→★標準語の「結果相(新提案)」の中身について説明する。
 (無意識に使う言葉で、動作済の状態を表現する)
〇D[i/・]te[r]u:二段活用の連用形に「る」を付加して独立動詞化する手法で、
 話してる、見てる、書いてる、読んでる、閉ってる、立ってる、開いてる、怒って
 る、笑ってる、落ちてる、曲ってる、食べてる、考えてる、などと汎用的に動作完
 遂の状態を表現できる。(動作が完遂して結果状態にあることを表現)
〇四段・一段活用の已然形:D[・/r]e、に「る」を付加して独立動詞化する手法が
 、話せる、見れる、書ける、読める、閉める、立てる、開ける、怒れる、笑える、落
 ちれる、曲れる、食べれる、考えれる、などの可能動詞(自他交替もある)を生み
 出した。(これと同じ論理で完了接辞:[i/・]teを独立動詞化してるわけだ)
★現代の日本語学者は、上記二項の独立動詞化の手法を認めないか、気づいてい
 ないか、反対するか、の反応を示す。残念ながら賛成者はいないようだ。
 (しかし、多くの人は日常的に使うはずだ。「そんなこと俺だって考えてたよ」、
 「心配ないよ、毎日しっかり食べてるから、」、「何話してたんだい?」)
〇古語から現代語への変遷で、二段活用から一段活用へ移行する重要な転換法則
 を忘れずに、あるいは無頓着にならないように常に思い起したい。
・古語二段活用の連体形は、終止形:D[・]uに[r]uを直結して独立動詞化した。
・古語二段活用の連用形:D[(i/e)]に[r]uを直結して独立動詞化して一段活用
 へ向かった。
・現代でも、短縮語の語尾に「る」を直結して独立動詞化する方法が意識的に使わ
 れるのは、この転換法則に由来するかもしれない。
・いずれにしろ一段活用が二段活用に先祖返りすることはないから、一段活用化
 を済ませた独立動詞に対しては十分な存在権、生存権を認めるべきだろう。

より以前の記事一覧

最近のトラックバック

無料ブログはココログ