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2012年4月

2012/04/25

日本語文の構図:盆栽型から熊手型へ

2012/04/22(日)、23(月)
○「日本語に主語はいらない」講談社選書メチエ:金谷武洋:とか、
○「日本語文法の謎を解く」ちくま新書:金谷武洋:のなかに素晴らしい研究成果が述べられてある。

その内容の中から文構造の部分をわたし流に哲学練習しました。
(1)日本語文は盆栽型構造:
 まず、両書籍の研究成果を要約すると、
○欧米諸語では、主語+述語+補語(ツリー型構造)の文型が基本。
○日本語文では、補語(主語不問)+述語(盆栽型構造)が基本。
○日本語では、修飾語句を先行配置する基礎的な文法がありますので、補語+補語+述語→補語+補語+述語のような構造が普通に使われます。
補語自身が盆栽型の文で修飾されて次の述語の補語となるわけです。
○原著では、基本文型の構造説明が主体であり、文章のなかで関係詞句(修飾語句)になることの説明が多くは語られていません。

(2)「単文構造」と「複文構造」
 わたしが提案したい項目は、二つあります。
①盆栽型文形は、「単文構造」で言い切る文章を説明するのに便利です。
②日本語の場合、関係(代名)詞句などを使わず、直接、盆栽文で後続の補語を修飾する使い方で「複文構造」を作り出します。
③ですから「単文構造」でも「複文構造」でも共通に想像できる「型名称」を見つけたい。
④「熊手型」や「干草フォーク型」のような「後につなげるための把手のある串刺し構造」に思案が向いています。
 仮称「熊手型」としておきます。

(3)「単語の役割を接尾記号」で表現すると文章構成がはっきりする:
もう一つは
⑤文章中の単語に「接尾記号」を付加して「文章の構成」を説明できるようにすること。
 現在の思考案:
・主題記号◎ :「~は」に◎を付ける。
・補語記号+ :「~が、~に、など」に+を付ける。
・完結述語記号○ :「~ある。~する。(終止形の述語)」に○を付ける。
・修飾述語記号→ :「~ある、~する(連体形の述語)」に→を付ける。
・連続述語(・文)記号~ :「書いては~消し~など(連用形の述語、文)の連続」に~を付ける。

(4)接尾記号の使い方:
 実際の文章例で接尾記号の使い方を確認してください。
①譲治が+家で+パンを+焼いている。○
②警察官は◎必死で+逃げる→万引犯を+追いかけた。○
③太郎は◎こどもたちに+いじめられている→亀を+救けました。○
④太郎は◎かめが+こどもたちに+いじめられている→のを+みて~いそいで~救けました。○
⑤きのう+図書館から+借りて~来た→この本は◎タイトルに+惹かれた→ん+だよ。○ すぐ+読んだが~面白かった。○
⑥「北海道から+母が+来た→ん+です。○」

 「接尾記号の+方法」は◎思いついた→ばかり+です。○
記号の選択や+種類などに+ついて~使い込んで~検証する→必要が+あるでしょう。○

2012/04/25(水)
日本語文の構造を接尾記号で分析してみる:

 自分で+文章を+書いて~、接尾記号が+適切か+どうかを+検証する。○
・上記「書いて~」の用例に+問題ありか?○
・「単文構造」が+単純に+コンマつなぎで(述語でない?)+並べられる→文構造の場合でも+「~記号」を+使用して~表現できる。○
・とすると~、「~記号」の定義は◎連続述語記号でなく+連続述語・文記号と+位置づける→方が+よい。○

2012/04/26(木)
 『すっきり!わかりやすい!文章が書ける』:すばる舎:高橋俊一

 この本を+本屋の書架で+ちらっと+見掛けた→のだが~、装丁表紙の一文を+見て~考えはじめた。○
「警察官は必死になって逃げる万引き犯を追いかけた」という文章に、・必死になったのは、警察官?、それとも万引き犯?ですか。という質問がついてある。

 「必死になって追いかけた」ではなく、「必死になって逃げる」だから万引き犯でしょう。
答えは簡単なのだが、別のところに注意が向いて、「逃げる万引き犯」という文章構造のことを考えはじめたのです。

①警察官は◎必死に+なって~逃げる→万引き犯を+追いかけた。○
②警察官は◎万引き犯が+必死に+なって~逃げる→のを+追いかけた。○
③踊る→阿呆に+、見る→阿呆+、同じ+阿呆なら~、踊らにゃ~損~損。○
この③のように~、短く+対比的な+補語を+並べ~合せると~、視点が+均等に+振り向けられて~、平衡感覚が+高まる。○
 また、①「逃げる万引き犯」と+聞くと~、万引き犯が+逃げ切って~しまう~ようにも+感じてしまう。○
②「逃げる→のを」と+表現すると~、印象として+「逃げるのを~」と+単文構造に+見せかける→効果が+ありそうだ。○

2012/04/23

日本語文法カテゴリーを開設準備:

2012/04/23(月)
 日本語の文法に関して哲学練習を進めてみたい。
日本語文の構造:「盆栽型」に共感したうえで、新しい提案を次回に試してみたいです。

 今までにホームページやブログで記述してきた哲学練習の状況をリンク貼り付けしておきます。
2010/12/03:日本語に主語は要ぬ
2010/07/06:梅棹忠夫訃報
2010/04/04:日本語は亡びない
2008/07/14:大野晋 逝く
日本語の文法:演習
日本語の文法
日本語表記にカンマ、ピリオド!?
「日本語文法の謎を解く」を読んで

2012/04/17

人・組織を導く:万有資源が育つ

2012/04/16(月)
 前回の「人・組織を測る」で述べた内容はご理解いただけたでしょうか。
普段の生活で「測る」という感覚を使い慣れていないと、自分のエゴ(欲望、自己憐憫・過大評価、独断)を身につけてしまいます。
①相手の立場で考えれば「公平に測る」第一歩になります。
②公平思考で自分のエゴを切り落せれば大成功です。
③「公平に考えて自分に課題を課す」ことができれば見事!あっぱれでしょう。
○良い実例:JRが実行している「新幹線の安全運行を絶対に守り抜く」という努力課題です。
○悪い実例:東京電力(原発事業者)が実行している「想定内で安全ならばそれ以上は考えなくてよい」という狂信社訓です。「それ以上を測るための公平な天秤を備える」社風もないらしい。
(原子力村には原始的村八分が横行しており、自由な考察論議が封殺されている。改革宣言はいまだにない)

(1)組織人?:
 余談になりますが、今朝、ネット検索していて「組織人・仕事人」という対比用語があることに気づきました。
この対比方法でわたしの性向を分類すると、わたしは仕事人の要素がつよく、組織人ではありません。
元来わたしが想定する「組織」は「自己組織」だけではなく「関連する(各企業)組織相互間を見通す」もの、すなわち万有資源の組織です。
 所属する企業・組織が別々であっても、共通目的の作業遂行のために垣根を越えて協力し合う自他の組織を「万有資源での組織」と想定しています。
この「組織論」を用いればどんな問題にも応用できると思います。

 逆に自社内だけに通用する「組織人」という考え方は、極めていけば結局「組織エゴのかたまり人になっていく」と思えばよいでしょう。

(2)人・組織を導く:
 「万有資源での組織複合体」で作業遂行しているとき、組織相互間の意志疎通や協議確認をしっかり行うことが重要です。

 大規模修繕工事の例でいえば、
○発注者:①団地管理組合・住民、②修繕委員会
○仕様設計・施工監理:③建築設計社(契約)
○施工者:④施工業者(元請)・下請 その他
などの組織が、連携して適時にそれぞれの最適の作業をして竣工させるわけです。

 半年、1年という期間にわたり協議をしていけば、相手側の得手不得手もわかってきます。
実際に作業手順や作業結果に不具合指摘して改善させることもあります。
○本来なら指摘に至った理由を深く検討していけば、各組織の次の成長につながります。
○しかし、掘り下げた反省の協議をする場を設ける習慣がありません。

 一般論として、「万有資源での組織複合体」の反省会(打上げ式でなく)をやる習慣があるのかどうかわかりませんが、お互いが成長するための相互指導がほしいところ。

わたしの哲学練習帖4:12/03/15

2012/04/03

人・組織を測る:万有資源が強くなる

2012/04/03(火)
 わたしの哲学練習帖4:12/03/15
 一般論で言えば、ある事業、活動を有意義に進行させるためには、それを構成する人・組織が有効に活動すればよい。
前回の人・組織を活かす:万有資源が活きるでは、具体資料を「調べて発言する」ことを主題にしました。

①今回の主題は、「人・組織を測る」ということです。
人・組織が自律的に強くなるには、常に客観的な物差しで「測り・測られても及第点をとれる」ようにすることです。
具体例に哲学練習帖4の記述にある「組織ボケ」にツッコミを!入れるにはのなかで触れた(してはいけない禁じ手技)を「組織ボケ」と呼ぶと、どうやってまず「組織ボケ」予防の方法を確立するかが課題だと記したわけです。

②「測る」とは文字どおり、「人・組織が発する意見、計画、行動」を「客観的な天秤に乗せて軽重・適否を測る」ことです。
 つまり、対立する事件・要件はどんな場合も、どちらか一方が「完全勝ち」で決着しては真の解決にならない。 あるいは組織エゴのように片方だけが利益を得る計画では禍根を残してしまうでしょう。
また、本来の組織目的として遂行しなければならない要件を黙殺したり、他に押しつけたりする行為も「天秤で測れば一目瞭然」で不適切とわかるでしょう。

③「客観的な天秤」とは:
まず「組織ボケ」予防の方法を述べたなかで、要件適否判定の説明根拠として
(1)利害・得失の根拠
(2)現場競合の根拠
(3)物理法則の根拠 の3つをあげた。
 今回は、さらに
(4)人理法則の根拠 を加えたい。
 人理とは人間社会の理論的規範を示す法則という意味で(物理という造語に習った)新造語です。

 人理法則の具体例には、社是や家訓、信念、修身、人生訓、文明、宗教、憲法など様々あります。 個人的な物差しとしては、信念、修身、人生訓レベルまでの考え方で「客観的な天秤」をしっかり作り上げることが望ましい。

④「客観的な天秤」の測り方:
 現在の社会事件を見ていると、あきれたり、腹の立つことが多い。
検察が証拠捏造するとか、AIJ投資顧問が年金基金を自転車操業してしまうとか、驚くばかりに「天秤がひっくり返る」情景が起きている。
これら事件を「客観的な天秤」に乗せて思考するとき、その反対側の天秤皿には何が乗るべきでしょう。
 また、一般論としても、要件判定の根拠には無意識のうちに「天秤思考」が働くかもしれない。
無意識のうちに組織エゴ・自己保身が働いた状態(最初から自分の重量を重くして)で「天秤思考」を働かせていることも日常茶飯事でしょう。

⑤人理法則、物理法則の「天秤」が大事
 物理法則の根拠を身近に具体表現できるプロも多くはないし、ましてや人理法則を根拠に説得することは相当に難しい時代になった。
自己保身、自己擁護の重量分を抱え込んで、利害・得失の天秤に乗ろうとする風潮があふれている。

何が大事か考え抜くとき。
組織の上に立つ者が明確に掲げる社是方針や家訓、信念があってこそ、「客観的な天秤」に重要な相対皿(カウンターパート)を備えつけることができる。 自分自身の厳しい信念・責任感が重要な基準皿になるだろう。 「天秤」を働かせることが大事です。 また相手皿の上に立って自分の主張を「天秤」に掛けて見てほしいですね。

・大規模修繕委員会での実例:
○年末に施工業者を内定して新年早々に臨時総会開催の段取りとなった。 委員会として忘年会ができなかったから、新年会をやろう(費用は管理組合持ちで)との発案があった。委員間のメールやりとりでは賛成多数。(一部負担案もあり)
わたしの天秤:反対、自己負担でやるべき。(本来、委員報酬が予算化されているので、飲食費用を要求しなくてよいはず)
結局全額組合負担で開催。当方不参加。
○修繕工期(1)が天候不順もあり押し気味。施工監理委託の建築設計社の検査OKで施主検査を中止して工期(2)足場作りを早めたいと発案あり。
委員間メールでは、多数委員が中止に賛成し、しかも今後の施主検査についても重要部分以外は建築設計者に監理検査してもらえばよいとまで言及。
わたしの天秤:住民代表として施主検査をする責任がある。工期入れ替え期の中止措置はやむを得ないが、工期(2)の施主検査は順次やるべきだ。(無責任に他人信頼するは責任放棄になる)
結局:1回中止。工期(2)の施主検査は順次実施。(契約行為だから施工業者、施工監理社だって理由なく中止できないはず)

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