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2012年10月

2012/10/22

日本語の動詞:受身形と使役形の考察

2014/06/10(火)
 態の双対多重環の図をリンク追記しました。
日本語動詞:「態の双対多重環」図

2013/10/29(火)
 日本語の自・他動詞ともに態(ボイス)は「自発能動系統/動作強制系統」が鏡像関係、双対性があるとの考察に思い至りました。
どうぞ、日本語文法:ら抜き・さ入れ言葉の存在証明日本語動詞:態の双対図表(後半)日本語動詞:態の双対図表 をご参照してください。

○「動詞の態双対環」模式表記:(思考実験の結論として追記挿入)

    能動態   ・・・・・   強制態     ・・・・・・・   二重強制態
   /   \         /   \(使役態)   二重 /   \二重
 結果態  可能態  強制結果態 強制可能態    強制結果態 強制可能態
   \   /         \   /             \   /
    受動態   ・・・・・  強制受動態   ・・・・・・   二重強制受動態

2012/10/21(日)
 今回読了した書籍:
『日本人のための日本語文法入門』原沢伊都夫:講談社現代新書:2012年9月20日
を読み終りました。
日本語文の表現形式:ボイス(態)、アスペクト(相)、テンス(時制)、ムード(心情)などを平明に解説されている。終章では複文にふれている。
これで日本語表現の全体像を簡潔に解説した構成です。
アスペクト(相)の解説には力がはいっています。

(1)「受身形」と「使役形」

 前回の「ら抜き」「さ入れ」言葉も、原沢本のボイス(態)により触発されたものでした。
○原沢本でも、「~れる」可能表現(終止形語幹+eru)の形式を考察している。これが論理的でもあり、他と紛れもなく統一的に扱える利点があるとの見解ですね。

(本来はもっと明確に、動詞:子音語幹には+eru、母音語幹には+(r/s)eruを付加すると説明するところまでいくと教育的指導になるのでしょう。母音語幹の動詞にr・ar・eru:ら・れるが付加される場合、可能態でなく受動態になってしまいます。)

○使役形の「さ入れ言葉」については、論理的な正当性を挙られないが、心情的な「ていねいさ」を表現できるかもしれないとの見解です。
○原沢本:受身形と使役形の分析で、それぞれ二通りの使われ方があるという。
・出来事からの影響→受身形で表現する/出来事への関与→使役形で表現する。
・受身形:直接受身形/間接受身形の二種あり。
・使役形:積極的関与/消極的関与の二種あり。
○無対自動詞を使役活用して他動詞化したり、反対に無対他動詞を受身活用して自動詞化したり、という文法則があります。
○原沢著書:「使役形」を「関与の動作の程度を測る」だけのような認識・解説であって、情緒的な関与の差を解説したもの。使役動詞を理解するには、話者の動作に注目し直接的だの間接的だのと認識しているだけでは甘すぎる。
○話者が指示して使役される人物が、どのような動作をするかに注目しなければならない。
 残念ながら、原沢本の内容からは指示者/受命者/対象者に関わる出来事だという提起が読み取れない。

当方の思考実験として
○この文法則を日本語動詞全体に統一的に適用できると図表にしたのが「能動/受動の双対性」です。
○「双対性」図表のなかで能動「使役形」を3種に区分した。
○「使役形」出来事の場における:話者/受命者/対格者の三者関係を表現する仕組があるはずだとの提起も含む。
○使役動詞形=3種:「強要・介助動詞」/「使役動詞」/「介助使役動詞」という提案です。

(2)「する/させる/ささせる」の定着!?

 不規則動詞:「する」の場合、
○二者間使役:『何があっても君にそんなことを(僕は)させないから、安心してくれ』
○三者間使役:『誰がなんと言おうと君にそんなことを(僕は)ささせないから、安心してくれ』
という使い分けができているのではないだろうか。

○ネット上で「使役」関連を調べてみると、
・「使役形動詞で表現されるのは:<服務>の場合と<服務><担当>の場合がある」
と記述する文法サイトがわずか一つ見つかった。
○二者間使役:服務=強要・介助に相当し、
○三者間使役:服務/担当=指令者・受命者・対格者の関係性を想定したものになると思考実験の結果と結びつけられる。

○関西弁の例をあげるサイトもあり、
・させない→させん/させへん
・ささせない→ささせん/ささへん/(ささん?)
という記述を見つけた。

(3)使役動詞?他動詞?

 「見せる/着せる」は「見る/着る」とは全く別の他動詞だろうか?
思考実験では「見る/着る」動詞の「強要・介助形」だと考えた。
○見る(一者動詞)/見せる(二者間動詞)/見させる(三者間動詞)という構造なのだと結論した。
(動詞連続線:能動/受動双対性に「見せる」を単独他動詞として載せていくと意味論的に破綻してしまいます)
日本語の動詞:能動形・受動形の双対性 

2012/10/13

日本語の動詞:「ら抜き/さ入れ」言葉の考察

2016/12/13(火):改訂

 当ブログの考察が進展して、下記本文の記述に矛盾を感じる部分が出ています。
本文を書き直す代わりに表題の「ら抜き/さ入れ」言葉について解釈し直します。
・「ら抜き:られるのら抜き」の名称自体が間違いで、正しくは「rareruの[ar抜き]:r()eru」とでも名付けると、
 「意味の見抜き」ができます。「ある:aru」は存在を表す接辞で、古語、文語体で「書かる、見らる」と受動態を表した
 から、現代の「書かれる、見られる」から「ar抜き:」すると、(動作結果がでる前の状態)「書ける、見れる」という
 (動作前の意気込み明示)表現になるのです。すべての原動詞(子音語幹、母音語幹[+r]にeru付加)で成立します。
・「さ入れ:あ(さ)せるの(さ)余分」は二重使役態に相当しますから、「読ませる、食べさせる」でよい場合に、「読まさ
 せる、食べささせる」というと「さ入れ言葉」になってしまう。
 「読m・as(as)eru、食べ[s]as(as)eru」の(as)が余分になっているからです。
 二重使役態の正しい使い方:医師が母親に子どもを安静に休まさせるように診断・指示した。
 (子どもを休ますように母親を通して指示する)
・原沢本の受動態、使役態の考え方は学校文法の範囲に留まり、正誤の判断が不問です。

*新記事参照:2013/01/19(土)
日本語の動詞「さ入れ言葉」の正しい理解法

2012/10/17(水)
 下記の内容を再考して、わたしの文法認識が思考実験の段階である点を明示しておくべきと反省しました。
本文の図表を削除して、思考実験図表と差し替えしました。(本文も少々修正)

2012/10/12(金)
 今回参考にした書籍:
『日本人のための日本語文法入門』原沢伊都夫:講談社現代新書:2012年9月20日
です。
平明な解説で、日本語表現の全体像を説明してあり、特に動詞に関する文法説明は素晴らしいですね。

(1)「ら抜き言葉」と「さ入れ言葉」
 まず、原沢本により触発されて考察したことを述べます。
○「ら抜き言葉」も「さ入れ言葉」も日本語の正しい表現であるはずだと気がつきました。
○原沢本では、動詞の受身形「~られる」を可能の意味に流用し、場合により「~れる」と「ら抜き」で「可能形」表現されると考えているわけですね:

○そうではなく、正しくは動詞能動形の語幹に「~(r/s)eru」接辞を活用させて、「可能形」を派生させるのが規則と考えれば、五段活用(子音語幹)/上・下一段活用(母音語幹)の動詞についても統一化できます。(子音語幹には~eru、母音語幹には~reruかseruを付加して可能形を派生できます)「ら無し言葉」が正しい可能表現と考える根拠となります。
○読める(可能形)/読まれる(受動態)では意味が違うように、食べれる(可能態)/食べられる(受動態)では意味が違います。学校文法で間違えて、母音語幹の動詞には「られる」で可能を表すとしたことが、長く混乱をひきおこしている原因です。

○ただし、「可能形」をさらに「可能形+可能形」にしてしまう用法:「れ入れ言葉」は間違いですね。
 例:「歩いても行け(れ)ます」はダメ。「行ける」がすでに可能形ですから。

○つぎに、「さ入れ言葉」の考察でも「使役動詞」の正しい表現の把握に関わることに気づきました。
○「使役形態」には3種類あると提案しました。(後述の図表)
①「強要・介助動詞」=話者(主格)が相手(対格)に動作をさせる。
②「使役動詞」=話者は第3者(共格)に指示して相手を動かすよう行動させる。
③「介助使役動詞」=話者は第3者に指示して相手が動作するのを介助させる。
 (高齢化社会に必要になる表現ですね)
○「強要・介助動詞」=(~せる/~させる)で表現する。
○「使役動詞」=(~させる)で表現する。
○「介助使役動詞」=(~[さ]せさせる?)連結で表現する。

 原沢本の例では、
・:書く/書かせる/書かさせる、:読む/読ませる/読まさせる :「さ入れ型」は記載して、
・:見る/(見せる)/見させる、:寝る/(寝せる)/寝させる :「さ抜き型」の指摘がない。
 不規則動詞では、なじみがうすいけれども
・:来る/(来せる?)/来させる :「さ抜き型」の指摘がない。
・:する/させる/(ささせる?) :「さ入れ型」の指摘がない。
(指摘していない部分は、文法に反則しているからですが)という比較をしている。

○しかし、形式上の比較をするならば、
 書かせる:見せる、書かさせる:見させる
 読ませる:寝せる、読まさせる:寝させる
と完全な双対表現ができます。 相互に的確に対応している。
また、「使役の言葉」を使う場面では、
○登場人物が、話者/相手の二者間のほか、話者/使者/相手の三者関係となるから、
 「使役形」としても、「二者間用の強要・介助形」、「三者間用の使役形」がほしいという潜在的な要望があると考える。

提案:日本語の動詞:受動形・使役形:思考実験 図表にして記述しました。

Photo

○書かせる/書かさせる、読ませる/読まさせる、という二段重ねの「使役形態」を使いたい会話の場が存在するわけです。
○二者間での対話で、「明日、休ま(さ)せていただきます」という「さ入れ表現」(使役動詞)はダメですね。(この場合、強要・介助動詞:「休ませて」の表現がよい)
○使役表現は三者間を想定するものだから、
 母親が我子を休ませるために学校へ「明日、○○を休まさせてください」と連絡する
 場面でなら的確な表現でしょう。
(この文:「ください表現」があるので、「学校=指示・容認者」、「母親=受命・申告者」、「子=対格者」という構造にさせてくださいという意味になるのでしょう)
*新記事参照:
日本語の動詞「さ入れ言葉」の正しい理解法

○今回、図表では使役形態の2段階までで力尽きて停止しています。2段階でも定着するには長期間の淘汰が必要です。「~ささせる/~させさせる」構造では使役形態3つ目は全く遠い話でしょうね。

(2)日本語の自動詞/他動詞
 原沢本によりもう一つ触発されたのは、自動詞/他動詞の把握の仕方が明快だということです。
○日本語の動詞は
①自/他双対動詞=開く/開ける 等
②無対自動詞=茂る/(代用他動詞:茂らせる:強要・介助動詞) 等
③無対他動詞=(代用自動詞:読まれる)/読む 等
④自他両用動詞=(~が)実現する/(~を)実現する 等
の4種類に区分けできる。

○動詞4区分の明快さに感銘を受けたのと、代用他動詞と代用自動詞を使うという知恵がおもしろい。
○代用他動詞:能動使役形を流用するが、おそらく優先順位は「強要・介助動詞」>「使役動詞」>「介助使役動詞」で活用されるのだろうか?
(元来、他動詞不要の動詞だから用例比べは意味がないか!)
○代用自動詞:受身形を流用するが、すべての動詞が受身形になれるから、優先順位の実態は調べてみないとわからない。
(元来、自動詞不要の動詞だから用例比べは意味がないか!)

 現在、原沢本の半分程度を通読したところなので、後半を楽しみに読了したい。

2012/10/11

万有資源4理法則:大規模修繕例

2012/10/11(木)
(1)組織資源の構造:長期修繕例
・①団地管理組合←団地住民
 ↓↓↓
 ↓↓ ↘・②長期修繕委員会(維持保全委員会)
 ↓↓
 ↓↓(契約:管理組合総会)
 ↓ ↘・③建築設計業者(修繕設計仕様/施工監理)
 ↓
 ↓(契約:管理組合総会)
  ↘・④施工業者(元請業者)
     ↓(工事期間中:現場事務所)
     ↓(業者間契約)
      ↘・⑤下請業者(複数)

この組織資源(人的資源の集合とも重なる)が修繕工事を目的に活動するとき、「4理法則」すべてにかかわる問題が起こりうる。

(2)組織資源と組織「倫理」
 構造から生じる問題点だけに着目し、「倫理法則」の考察を目指すので、すこし厳しい推測になるかもしれません。
・団地住民の視点では、④(元請業者)+⑤(下請業者)の機能関係と同じようなものとして、②(委員会)と③(設計業者)の関係を類推してとらえている。
・②(委員会)視点でも、③(設計業者)に修繕仕様作成/施工監理を任せるが、②(委員会)、③(設計業者)の任務達成の評価尺度について双方に合意がない。
・②(委員会)内部での要望形成が不十分のまま、③(設計業者)を過度に依存していないか。
・③(設計・監理業者)が②(委員会)への説明を遅らせ続けると、意図的に④(元請業者)へ設計図面を隠れて売る行為をするのではないかと憶測させる。
(別建屋、外溝部の追加工事など)
・②③④三者会議(総合定例打合:3週ごと)での意志疎通が浅くて上滑りになる。
・④(元請)が中途半端な理解で、下請設計に図面を描かせて打合に提出する。誰も図面上の「的外れ」に気づかない。
・②(委員会)が詳細内容を質問しても、④(元請)が応答をきらい、「お任せください」を言う。
・④(元請)⑤(下請)追加工事の見積明細、作業手順、工程確認など、③(設計・監理業者)が厳しく調査し、②(委員会)に助言するケースはほとんどない。
・④(元請)が⑤(下請)に丸投げして、詳細工程を指示していない。
・これを反面教師ととらえるなら、②(委員会)が③(設計業者)や④(元請)に対して、適時に的確な詳細指示を繰返し出さなければならない。

 共同作業する組織数が多ければ多いほど、相互関係が複雑になります。
各組織が得意とする部分と不得手な部分があり、他の組織から見ていても意外によく分ります。
(ただ、共通の評価尺度がないうえ、「倫理法則」を泥縄方式で組み上げるわけにもいきません)

(3)物的資源と「物理法則」
 修繕工事で使用した建材や外灯柱の移設などでも、組織間で「物理法則」が驚くほど食い違う。

・⑤(下請業者):「渡り板」をネジ1本で固定した:施主検査。
「物理法則:ネジ1本では物体が回ってしまい固定されない」
残念ながら、立ち会った②、④、⑤の誰もが「法則に合点しなかった」気づかなかった。

・③(設計業者)は、集会所玄関前のアプローチや小さく急勾配な階段を改修設計した。しかし②(委員会)の要望が無視され、階段照明の外灯柱を階段上部脇に配置した。
「物理法則:階段正面を照らすには、階段下(の脇)に外灯柱を立てる」(←従前の状態)
残念ながら、③(設計業者)から謝りも言訳もなかった。
補修で階段勾配をゆるくしたので、段差影が出ても辛うじて許容できる状況だった。

 本来ならば専門組織のほうが、建材や設備の扱いに、また「物理法則」に長じているはずだが、不思議なことだ。
○「思考の硬直化」、「責任の硬直化」がすべての硬直化を招いてしまう。
○これを解消するには、「思考し続けること」、「責任を果し続けること」が一番手っ取り早い。
○万有資源の4資源には論理的法則があるとの概念だけでも思い出してほしい。

2012/10/07

万有資源4理法則

2012/10/06(土)
 前回、「万有資源」と「創造資源」では、ドラッカーの「目標の8領域」に対して、『組織資源』を加えて「9領域」を提起しました。
○「目標の9領域」=『万有資源:4つの現有資源』+『創造資源:5つの創出資源』
に区分したことが新しい思考です。

(1)万有資源と創造資源の両面を最適化する

 ドラッカー流に言うと、「経営管理とは、現有する万有資源と創出する創造資源の2種類の資源を継続して最適化することである」と「至言」化できるかな?
「現在の目標だけでなく将来の目標も同時に管理するべきだ」というドラッカーの視点にも合致する『具体行動サイクル』を実現できるだろう。
○企業にとって、(20代の)新規採用者は、万有資源に組み入れられないので、まだ「創造資源」としての扱いになります。
○業務上の知識にも「暗黙知」で対応することはできないから、「形式知」(口頭や文面資料)で修得させるのが基本でしょう。
○「形式知」の中でも「業務上の智恵」に相当するのが「万有資源4理法則」だと思います。
(秘伝の虎の巻があるなら、わたしも見てみたい)

(2)「万有資源4理法則」とは:
 概念は、
①人理=人的資源の義務・責任・公平を果すための法則:
②物理=物的資源(部材、製品、設計)の物性を曲げずに活かす法則、物理法則:
③事理=資金資源(経理、事務処理)の適正法則:
④倫理=組織資源の社内外連携の適正法則、広義に解釈すれば社会倫理につながる:
 と定義しておきたい。
当然ながら、各企業の業種・部門で通用する「法則の細部項目」に違いがあるだろう。
「法則の主要項目」が共同作業者の相互で通じ合えれば、円滑に行くことになる。
○現在、「私案として記述できる法則の要素」は、すでにホームページ上に公開したものしかない。
参照:「組織ボケ」と呼ぶとわたしの哲学練習帖4:12/03/15
○追加したい項目がいくつかあるが、私の経験はあまりにも狭い範囲のものだと改めて感じる。
○「4理法則」概念がない場合、「組織ボケ」が蔓延してしまう例を示したわけです。

 そこで、「組織ボケ」を防ぐにはどうしたらよいだろう。
○推測での感想だが、「稲盛式アメーバ経営方式」が独立採算可能な小チーム単位で運用するので、必ず人理、物理、事理、倫理に関わる(あるいは関心が深い)人員の構成となるのではないか。
○そのチーム構成なら「4理法則」をバランスよく決めていける。

(3)「伝達」=「話し手→伝える!」+「達する?→聞き手」

 「組織ボケ」と呼ぶと状態にあるとき、話し手が正しいことを伝えても、聞き手の心には達しない。
結果的に錯誤が起っても、聞き手は別の視点で原因を探し出す。
チーム管理者としては、チーム内での会議・要望などの「伝達」が円滑に実効浸透しているか、注意深く、公平に常に見極める努力が必要だ。

(4)高校教育、大学教育での履修課程に組み入れる:

 高等教育の課程で、「万有資源4理法則:人理、物理、事理、倫理を統合的に理解・活用する」概念を学生に教育してから卒業させてほしいですね。
基本は、超高速回転PDCAサイクル:万有資源活用
の最後行に記述した
○***「思考し続けること」、「責任を果し続けること」が一番手っ取り早い。***
を各個人が行うべきだが、、、
高等教育課程で方向付けができれば、相当強力なインフラ・パワーが発揮されてくるだろう。

2012/10/05

経営資源=「万有資源」と「創造資源」

2012/10/05(金)
 今回参考にしている藤屋本:
『20代から身につけたいドラッカーの思考法』:中経出版:2010年7月17日
の第1章まとめの前ページには、

(1)『ドラッカー思考の全体像』解説図
 著者力作の解説が図解法で載っています。

○(失礼ながら)それを文字で現すと、
**********************
『ドラッカー思考の全体像』
   ↓:↓
 『経営理念・使命』
   ↓
 『経営方針』:
(市場細分化、市場位置付)
   ↓
 『経営戦略』:
(前提:目的、経営環境、自社の強み)
(戦略型選択:)、
(範囲:市場、商品、流通ルート)
   ↓
 『目標の8領域』:
・マーケティング・イノベーション・生産性
・人的資源・物的資源・資金・社会的責任
・売上、利益(必要最小限がよい)
**********************
と略記できます。
○残念ながら全体像の提示がこの範囲で終っています。
第2章から、順次各項目に付いてドラッカーの思考法が解説されていきます。

(2)『目標の8領域』止りでは、思考停止と言われてしまう。

 経営管理者レベルの読者には、この全体像の図解でも困ることはないかもしれません。
でも、20代の若者が企業現場で力強く働き、将来に向けて育っていくための指針とするにはもの足りません。
 だから、『目標』だけに終始する企業体に未来はないでしょう。
○ドラッカー自身は膨大な著書のなかで、目標を具体行動へ落し込む思考法を述べていて、藤屋本に盛り込まれていないだけかもしれません。
○あえて、私見思案を以下に記します。

(3)『万有資源活用の思考法』

 箇条書形式で『目標』以降を思考してみましょう。
(私案の万有資源活用法を当てはめてみます)
***********************
(『経営戦略』の次へ)
      ↓
 『目標の9領域』:(現在の目標と将来の目標)
(現在の目標:『万有資源』)
・人的資源・物的資源・資金資源・組織資源(自己組織、協業する他社組織・チーム)
(将来の目標:『創造資源』)
・マーケティング・イノベーション・生産性・社会的責任
・売上、利益(必要最小限がよい)
     ↓
 『具体行動サイクル』:
(行動規範:人理、物理、事理、倫理の4理法則を体得する)
・「Plan」:
 万有資源の手配準備、工程策定
・「Do」:
 現物現場調査、契約確認、部材、人材手配、協業連係、製作、監理

(行動規範:万有資源4理法則に照応して反省、新たに創造する)
・「Check」:
 失敗、錯誤を謝罪、反省。
 不具合や改善を思考、提案する。
・「Act」:
 企業コンプライアンス向上。
 各種の研究、改善の実行。
 万有資源4理法則の洗練化。
***********************
 以上で『全体像』が把握できるのではないかと思う。
(万有資源の4理法則:後日詳述したい)

(4)『万有資源』と『創造資源』
 具体行動サイクルの位置づけ:
・Plan/Do=表舞台
(暗黙知が必要:4理法則を暗記、無意識に活用できる)
・Check/Act=舞台裏
(形式知が必要:新たに掘り起す創作物。提案文、周知文が必要)

○小さなチームで『具体行動サイクル』を超高速回転させる方式の一つが、『稲盛式アメーバ経営』だと最近になって感じました。
○20代から『万有資源/創造資源』に気づき、『具体行動サイクル』の考え方を始めてみようという人が輩出してくることを望みます。

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