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2013/01/07

日本語の動詞:使役/受動の接尾辞

2013/10/29(火)
 日本語の自・他動詞ともに態(ボイス)は「自発能動系統/動作強制系統」が鏡像関係、双対性があるとの考察に思い至りました。
どうぞ、日本語文法:ら抜き・さ入れ言葉の存在証明日本語動詞:態の双対図表(後半)日本語動詞:態の双対図表 をご参照してください。

○「動詞の態双対環」模式表記:(思考実験の結論として追記挿入)

    能動態   ・・・・・   強制態     ・・・・・・・   二重強制態
   /   \         /   \(使役態)   二重 /   \二重
 結果態  可能態  強制結果態 強制可能態    強制結果態 強制可能態
   \   /         \   /             \   /
    受動態   ・・・・・  強制受動態   ・・・・・・   二重強制受動態

2013/01/07(月)
 (1)使役動詞の受身形:「打たされる」

 すべての動詞が受身形を派生できると広言したので、使役動詞も受身派生させようと、前回に思考実験してみました。

 実験して発見したことは、
○動詞の文語体使役形から派生させて、それを口語体受動形に派生させると「スマートな使役受動形」になる。ということ。
○文語体使役形:「打たす」から
 文語体使役受動形:「打たさる」をへて
 口語体使役受動形:「打たされる」に到達できる。
○なんの違和感もなく、聞いたり使ったりしていたが、すごいことですね。

○口語体使役形:「打たせる」から直接の派生で、
 口語体使役受動形:「打たせられる」を
 使ってもよいのだが、なんとなく「うさんくささ」がある。
○「打たされる」/「打たせられる」:どちらも同じ状況を表現しているのだが、
 「打たせられる」には「打たせる者」の心理が透けて見えそうな感じがある。

(2)また、中島本に助けられました。(動詞の文語体との関係)

 「日本語の構造-英語との対比-」:中島文雄:岩波新書:1987年
を見直すと、動詞の文語体、口語体の使役、受動の接尾辞についてていねいな説明が記述されてあります。
○中島本では、使役、受身の接尾辞(助動詞)を別々に説明してあります。
○「使役受動」と連結した接尾辞については記述がありません。
○下図に中島本の記述説明を図表化しました。(使役受動の接尾辞を試行追加してあります)

Photo

(3)日本語の動詞:中島本

 自他動詞の連続性や能動形/受動形の双対性など思考実験していくうえで、これからも中島本を参考にしたいですね。

(4)「打たされる」「立たされる」「書かされる」の定着度

 ネット上を検索してみると、日本語学習者のなかでも
○「立たせられる」---OK、 「立たされる」---NG
○「食べさせられる」---OK、「食べさされる」---NG
という意見が多いようです。
ただ、「使役受動形」の必要性や存在自体への異議はないようなので、
日本語感性はしっかり定着しているわけですね。
 日本語教師など、律儀な方ほど「食べさされる」には拒否反応があるようですが、
「立たされる」にも耳が慣れていないのでしょうか?
○わたしとしては、「立たされる」が十分定着していて、言語活用法則(文法則)にもかなっていると思います。
 ちょっと「考えさされてしまいます」

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