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2013/05/24

組織の力の働かせ方

2013/05/23(木)

(1)日本の製造業の場合

 『NHKスペシャル:メイドインジャパン 逆襲のシナリオⅡ
  (1)ニッポンの会社をこう変えろ』:5月11日(土)放送、
 『NHKスペシャル:メイドインジャパン 逆襲のシナリオⅡ
  (2)新成長戦略 国家の攻防』:5月12日(日)放送
を2夜連続で視聴しました。
(前回シリーズは部分的に見たかもしれない。NHKオンラインの過去資料ページを見て、前回シリーズの概説を理解しました)

 日本の製造業が再び立上がり逆襲するために何をどうすればよいのか?
○昭和の経済成長時代の成功体験はすでに形骸化してしまい、核心を引き継ぐ者がいなかった。
○その時代の「勤勉、改善、TQC、系列業者連携、愛社精神」などが自然消滅してしまった。
○また政策的な「落ちこぼれ金融対策:護送船団方式」や「次世代半導体開発:超LSI技術研究組合」に象徴される官民一体型経営が大きな成果をあげた反面、「日本株式会社」、「エコノミックアニマル」との反感や攻撃を外国から受けることになった。
○だが本来、経済成長の基本は「最先端技術集団方式」や「改善・系列集団方式」、「改善・護送船団方式」など各種の組織形態が公正な工夫を凝らして前進すればよいはずです。
○グローバル化した経済市場のなかで組織も社会倫理も改善しながら「日本+外国」に通用するように構成すればよいだけだろう。
○停滞した組織は変化を見逃し、現状が継続する方向しか見えていない。
○新たな視点で創造資源の活用をめざすべきだろう。

(2)60年代の米国「アポロ計画」の場合

 『CosmicFront:モンスターテクノロジーを支配せよ
  ~アポロ計画 知られざる成功の鍵~』:1月17日BSプレミアム 放送。
個人録画を残してあったので、思い出して再度見直しました。

 日本の経済成長期に重なっているが、米国が国威をかけた先駆的巨大事業でした。
○アポロ計画:60年代中に有人月面探査を実行し安全に帰還させること。
・NASAアポロ計画本部:(ワシントンDC)
・初代責任者:ブレナード・ホームズ
・開発規模:総予算240億ドル、技術関係者40万人。
・宇宙機材部品:1500万点
・開発3拠点:マーシャル宇宙飛行センター(推進ロケット:アラバマ)、
 有人宇宙船センター(テキサス)、打上運用センター(フロリダ)
○開発目標の策定が大まかに決っても、実行はほとんど進まず。
 責任者を1年9カ月で解任。
・NASA長官は、全米から公募し民間の専門家を任命。
2代目責任者:ジョージ・E・ミラー:優れた改革を行い開発の道筋を作り上げ、完遂に導いた。

(3)巨大プロジェクト成功の鍵

 1960年代、マイクロエレクトロニクス技術の幕開けの前でのアポロ計画・有人月面着陸プロジェクトは大きな賭けであり、課題を的確に把握して解決策を提案・実行しなければ成功しない。
 2代目責任者が着眼した改革要点は3つ。
①コミュニケーション改革:開発3拠点の相互意志疎通の確立、相互課題交流・克服法の検討。進捗度の洞察。(専任情報管に空軍将校から50名選抜・NASA本部と各拠点部門を情報仲介させる。各拠点部門間ホットライン敷設:従前の閉塞状態を打破)
②オールアップ方式:全部品類の(99.9999%)高信頼性追求。全部を一気に打上げて検査できるような短期効率開発体制。(ステップ・バイ・ステップ開発では時間の無駄、信頼度確保が無理)
③コンピュータ革命:アタッシュケースサイズに収まる宇宙船操縦装置の開発(真空管コンピュータ時代での大改革:MIT委託開発:初期 IC回路素子改良、コアメモリー高容量化)

 ジョージ・ミラー責任者が就任後の早い時点から、成功への鍵を確実に把握して論理的に思考し抜いたから成し遂げられた改革だった。

 いかに高い開発目標だったか、1970年代半ばでの自分の経験を思い出すとよくわかった。
○当時、自己設計でLSI回路を多用した「シーケンスコントローラ」を制作した。制御記憶にはダイオードマトリクスを半田ごてで手作りという状態だった。
(市販マイコン基板が出始めた頃で、内心では自分の出遅れ感を感じていたが、)
○基板用のLED発光素子を米国モンサント社へ注文したら、驚くほど数量超過で到着した。LED光軸が曲った不良品も含まれており、良品を選ぶとほぼ希望数になる。
(当時の米国企業の検品管理の雑なことに驚いた)
という時代背景だった。

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