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2013年7月

2013/07/28

まず「悉皆考察」が大切です

2013/07/28(日)

 前回の投稿日本語の文型:「補語述語演算型」をきっかけに、この投稿から三つのカテゴリー共通で書込みます。
(SD手帳/万有資源活用/日本語文法の3カテゴリー)

(1)「補語:登場人・物をよく観察して、述語:行為の意味をよく考える」

 これが日本語の構文解釈で肝心なことだと日本語文法カテゴリーで記述しました。
言語活動する上の基本的な法則ですが、日常生活の応用場面ではたくさんの行数の文章が行き交います。
重要なことがらをこころに留めておかなければなりません。

○万有資源活用では:会社業務や団地大規模修繕活動での活動例を思考実験しました。
○経営資源は人、物、金、組織の4つと考える。
○経営理念は人理・物理・事理・倫理の4法則に適うよう努力すること。
○それを万有資源と言い、
○資源活用法はPDCA(計画・実行・反省・改革)の4項目を高速回転させること。
○「登場人・物をよく観察して、行為の意味をよく考える」の繰返し実践そのものですね。

○SD手帳(システムダイアリー手帳)では:要件ごとに記録を集積保存できるように「件名リフィル」を特注作成しました。
○「件名リフィル」の構成は
・最上端部:件名記入欄
・各行部:日付/主題/内容。
○「件名リフィル」の記入法:
・件名欄:要件名(年月日)
・各行部:日付/主題(登場人物)/内容(調査、実行、連絡、段取り、評価)
・継続記入:(他の要件を混在させず)行数不足なら同一件名でリフィルを追加する。
○「登場人・物をよく観察して、行為の意味をよく考える」の繰返し実践そのものですね。

 ただし、今回、カテゴリー共通思考をやって、わたしの「件名リフィル」記入法に弱点があることに気づきました。

(2)「考察視点」を確実に広げるために

 万有資源では、人・物・金だけでなく、組織を含めて資源活用を考えます。(組織との連携を考えると格段に視野が広がります)
○考察対象の項目を略号化して、
・資源=人物金組織
・理念=人物事倫
・活動=PDCA
・矜持=役割・責任
と記述します。
○要件を実行するときに、必ず
(人物金組/人物事倫/PDCA/役割・責任)の視点に立って正しい対応策を見つけ出すとか、行動を反省するとかを行う。

 「件名リフィル」記入法で、この「考察視点の拡大」を習慣づけるために、考察項目の略号記載が効果的かもしれない。
○各行部(記事記入部):
・日付/主題(誰が・何が)/内容(どうする)
の他、主題部分に(4文字略語を書き)例:P(D)CAとか、(物理)とか(役割)とかを記しておく。
○例:(大規模修繕委員のとき)
・日付/下請業者(物理×)/渡り板をネジ1本で固定したという。(ネジ1本では回転してしまう。ダメ出しするも理解なし!)
・日付/現場所長(役割×)/修繕委員が設計図の説明を求めたが、「その点も考慮してありますから、お任せください」で終らせた。
○上記の例での新規な点は、(物理×)や(役割×)の記号を記入すること。
つまり、物理法則に反していることや組織と組織の果すべき役割を放棄したような言動をきちんと考察できるように訓練していきたいものだ。
○当然ながら、現役時代で自分が担当する仕事でならば、(物理×)や(役割×)の問題点には、議論をして修正させてきた。
今の現役主役世代が主導する仕事ぶりには落胆すると同時に、訓練されない風潮を改善できればと思う。

(3)誰でも皆考えている

 そこで「悉皆考察」です。
考える視点を格段に広げる手段として、「人物金」だけでなく、組織:「協同作業する関連部署、外部業者、顧客」への働きかけ視点を追加しましょう。
○上記例の下請業者も元請現場所長も考えて仕事をしているはずですが、物事の考え方、判断評価法が未成熟のまま育ってしまった(同様の失点を何度か繰り返した)人達です。
○考察項目:万有資源活用法では
・資源=人物金組織
・理念=人物事倫
・活動=PDCA
・矜持=役割・責任
を提起し、それぞれが考察・反省するべきときの判断演算子だと思います。
○地図もない「広く深い未知の森を抜ける」ための判断演算子です。

(以下次回へ)

2013/07/26

日本語の文型:「補語述語演算型」

2013/07/25(木)

(1)日本語の構文は「題述関係型」

 日本語の構文を分析すると、
○「盆栽型」:金谷武洋とか
○「日の丸盆栽型」:金谷武洋とか
○「題述関係型」とか
で文型の構造を説明できる。
○述語に助動詞活用を付加して、使役、受身、複文構造にも変身できたりする。

 一方、印欧語の構文は、
○「主述関係型」で説かれる。
主語と述語の関係が緊密で、助動詞による述語修飾がほとんどできない。

 日本語構文の特徴は、必要な補語に(てにをは)役割助詞を付けて順次並べて最後に串を挿すように述語+助動詞活用で束ねるようなもの。
○「串刺し型」とも言える。
(前回の投稿で、横書による態表現図がまさに串刺し型になっている)
○完成文を「串刺し型」と見るならよいが、推敲中の文章を「串刺し」するのは自由性がなく気が滅入る。
○そこで、日本語構文は「なべ料理型」なのだと考えた。
①提題部=「なべのフタ」に主題明示。
②必要補語=「なべのなか」へ具材各種切って入れる。登場人物の投入。
③述語=「味付け」:述語活用+助動詞活用で全体の意味付け。
と類推できるのではないか。
○「なべ構造」だから、「なべ」のなかに「なべ」がいくつか入った「多重なべ構造:複文、連体修飾節」でもよいだろう。
○また、反対に簡単な方向へも変身できる。
○「なべ構造」だから「味付けの汁だけ構文」:述語+助動詞活用だけでも文章が成立つのは普通のこと。
○「天丼型」や「カツ丼型」、「親子丼型」なども似ている。食べ物型にこだわりすぎですね。

(2)日本語の「補語述語演算法」

 日本語の構文はコンピュータ開発言語のスタック処理型の手順機能に類似している。
○ヒューレットパッカード社の電卓の演算方式:
・キー入力の順序:
 3(に) 4(を) +(加算する)。
 と日本語風に入力する。
・補語(数値3)に 補語(数値4)を 述語(加算)する。
・電卓の表示窓には 7が光る。
○日本語の構文:
・母が(担任教師に)子を 休+まさ+せて+ください と、(担任教師に)連絡する。
・休む(自動詞)→休ます(他動詞化)→休まさ+せる(被使役化・二重使役化)→休まさせて+ください(許可要請)
というような、述語内部(述語+助動詞連結による)での演算もある。
・残念ながら、この(二重使役の)述語の内部演算が一部の日本人には複雑過ぎて理解されないらしい。
別の言い方:担任教師が直接に
・母が(担任教師に)子を 休ま+せて+ください と、(担任教師に)連絡がきた。
と聞いたら、
・教師は自分が子を休ませる行為を要請されたと解釈し、すぐに周辺を見回し、子を探しはじめるだろう。

日本語の構文:事態の収まり、授受:
・遅刻したときの言訳に、
 「母が 北海道から 出てきたんです」と「~んです」を付加する心理は、
・「母が 北海道から でてきました」で終ると、補語述語演算がすっきり完了します。
電卓の表示窓になにも残っていない感じがします。
・「~んです」を付加すると、「母が北海道から出て来た」の説明が「話者、聞手の心の電卓の表示窓」には消えずに残るように感じられる。
・これは日本人の言語演算の感性なのでしょう。

(3)日本語の文型:「題補述演算型」

 文型の構造を上記(1)「題述関係型」で考察し、文型の機能の側面を(2)「補語述語演算法」で考察した。
○その両側面を合せたものを「題補述演算型」としよう。
○日本語話者は自然のうちに、「題補述演算型」を身につけて、日本語流の「構文演算法」を使って暮しているだろう。
・・・
○組織活動や会議活動、思考実験を効果的に進めるためには、参加者の「演算法」に対して「一定の規則を共有させて志向ベクトルを揃える」ことが有効だろう。
○「共有すべき規則」とはなにか?が大きな問題です。
○「人類哲学序説」:梅原猛に続くこれからの「人類哲学」の成果が解き明かす道になるかもしれない。
○稲盛和夫の「アメーバ経営方式」が具体的規則の見本かもしれない。
○わたしのなかでは、「万有資源活用法」や「SD特注リフィル:件名リフィルの活用」で思考している方法が「共有すべき規則」の小さなひとつと思っている。

(以下次回)

2013/07/23

日本語の文型:述語の態(ボイス)表現図

2013/07/23(火)

(1)態(ボイス)の多段活用

  日本語の文型:盆栽型述語の多層活用日本語の文型:多段使役の意味の思考実験で、
述語の多段活用を考察しました。
多段活用を目で見て把握しやすいように図形(文字記号)で表現してみよう。
以前考察した日本語文の構図:文型記号を再考する
で提案した文字記号を思い出して応用する。

 思考実験の文例:二重使役の例
①母が子にねこにえさを食べさせさせる。(=食べささせる)

盆栽型の分析方法で、文の構造を見直す。「登場人・物」ごとに述語を吟味する。
・母が 食べ>:させ>:させる>:。(略式表現:母->>>)
・>:子が 食べ>:させ>:(させ>:られ<:)る。(略式表現:>子->>(><))
(>子-は、自発行為でなく誘発行為・被使役行為をあらわす)
(また(><)は使役受身の表現です。子の登場役割が主役でなければ相殺してよい)
・>:ねこが 食べ>:(させ>:られ<:)る。(略式表現:>ねこ->(><))
・えさが (食べ>:られる<:)。(略式表現:えさ-(><))
○登場人物を略式表現でつなぎ合せると、
・母->>>/>子->>(><)/>ねこ->(><)/えさ-(><)。
という情景になる。
○母->>>/>子->>の関係では、>数が同数で相殺される。
○子->>/>ねこ->の関係では、>数が同数で相殺される。
○ねこ->/えさ-(><)の関係では、>数は同数で相殺されるが、<(受身形)が残る。つまり餌は食べられてしまうわけです。
○母/子/ねこ段階での述語関係に整合性があり、二重使役形が正しい用法であると思います。
○母-使役→子-使役→ねこの二段階使役が正しく表現されている。
○そこで最初の文例にもどって、略式表現の助けを借りてみる。
①=母が-子に-ねこに-えさを-食べ>させ>させる>。
①変種=母が-子に-ねこに-えさを-食べ>させ>なさい>と言う>。
(させる=~しなさいと言う)

(2)盆栽型述語の多段活用の姿

 以上、各登場人物ごとの述語活用の分析をしてみた。
表面上は、
①母が-子に-ねこに-えさを-食べ>させ>させる>。
と「母」からの視点だけで記述された文章でも、全登場人物の行為を漏れなく言い表しているわけです。
態(ボイス)表現が「助動詞活用」により簡単にできるという日本語文法の大きな利点ですね。

 思考実験の文例:二重使役の例
②母が子を休まさせてくださいと担任教師に連絡する。
○「登場人・物」ごとに述語を吟味する。
・母が 休>:まさ>:せ>:て}:ください<:と連絡する>:。
(略式表現:母->>>}<、>)
・>:子が 休む>:。
(略式表現:>子->)
・>:担任教師が 連絡>:される<:。
(略式表現:>担任教師-><)
○登場人物を略式表現でつなぎ合せると、
・母->>>}<、>/>子->/>担任教師-><。
または、
・母->>(>子->)>}<、>/>担任教師-><。
○(さ)せ+て+ください を >}< で表現したが、再帰的な使役表現なのだろう。
日本語的再帰表現といえるかもしれない。(代行使役、下請け使役にもつながる)
・許可をいただければ、使役行為そのものは自分がやります:
・(拡大解釈して、)みなさんがOKならば、行為をやらせていただきます:
もちろん、むやみに代行使役や下請け使役の表現が増えるのは困りますが。

(3)二段使役形がなければ

 この場合、もしも一段使役形でしか言えないならば
③母が子を休ま>:せ>:たい>:と担任教師に連絡する>:。
のような、一方的な母親の願望を表明する表現になってしまいます。
○「登場人・物」ごとに述語を吟味すると、
・母->>>、>。
・>子->。
・担任教師-><。
○つなぎ合せると、
・母->>(>子->)>、>/担任教師-><。
(母と担任教師の間に使役・許可・要請関係が表現できない)
○だから
③母が子を休ま>:せ>:たい>:と担任教師に「お願い電話をする」。
と明示的に許可要請を表現するほうが安定で安心な文章になる。

(4)登場人物と述語の活用図式

 述語の活用図式として、文字記号を使用したり、登場人・物と述語の関係を並列的に並べたりする方法は、以前にも投稿してきました。
今回、ボイスにしぼりこんで考察したことで、新しい発見、新しい思考の切口になりました。
自分では意識していなかった「共通思考法」に気がつきました。

(以下次回)

2013/07/10

『人類哲学序説』梅原猛を読んで-2

2013/07/09(火)

 読了しての思考実験を続けます。

(1)仏教の宇宙観

 「宇宙まるごと、地球まるごと、環境まるごと悉皆成仏」を考えるには、どういう宇宙観を持つべきかをはっきりさせる必要がありそうです。

○久しぶりにネット上で仏教に説かれる世界観、宇宙観を調べた。
○ヒンディ教や、釈迦仏教の基底にも、大きな数量、長大な時間、広大な空間を言い表す概念がいろいろと教典にでてくる。やはり、宇宙の姿を表すには無量無辺の数値システムが必要となるのでしょう。
○重要な宇宙観として次の二つの事柄が説かれている。
①一つの宇宙世界の生滅期間
・成劫(じょうこう)・・・宇宙が形成されていく期間。
・住劫(じゅうこう)・・・その宇宙が持続される期間。
・壊劫(えこう)・・・宇宙が消滅していく期間。
・空劫(くうこう)・・・何もなくなった状態が継続される期間。
この4つを合せて一大劫(四劫)という。
②多数宇宙の広がり/全宇宙の広大さ/如来寿命の長さ
・例えば、太陽系もしくは銀河系を一つの宇宙(三千大千世界?)と考える。
・もし人ありて銀河系を一点に集めて全部すりつぶし砂粒にしたとする。東方へ一宇宙飛ぶごとに一粒の砂粒を落す。砂粒がなくなったところで、また、それまで通過した宇宙全部を集めてすりつぶす。その全砂粒の総数を「無量無辺百千万億阿僧祇」と呼ぶ。
・「無量無辺百千万億阿僧祇×劫」という長い時間の久遠の過去に釈迦は悟りを開いた。それ以来ずっと衆生に法を説いてきたと法華経にある。
○以上の宇宙観の概念は、莫大な数字を定義した上で、空間の広大さと時間の長大さをはっきりと想起させるものです。
○すでに多重宇宙の生滅四劫が無量無辺回も行われたはずだと想起させる。
○西洋流の宇宙観にはほとんど真実味を感じないが、仏教の多重宇宙観ならば現代科学が説き明かすであろう「宇宙の終り」にも対応できるかもしれない。

(2)火星移住計画?

 最近の報道では、火星に行ったきりになる「火星移住計画」が怪しげに進展をしているようだ。
従前から、夢物語として「火星移住」の話は身近な人も語っていたが、まったく本気にはしていなかった。

○太陽系のなかで火星は地球に一番近い外側を回る惑星であり、岩石の表面層を持つ地球型の星で、何億年前には生命体がいたかもしれない。
○火星探査機「好奇心」による火星地表上からの情報が届いているが、現状の火星は人間が生存し続けられる環境ではない。

 一方、地球上の国々でも、
○国土が砂漠化して困っているところや、岩山ばかりで緑の植生が見当らない環境の国もある。
○日本のように山河草木生き物にあふれる環境は「住劫」の長大な時間をへて形成されてきたのだろう。
○日本人の感性としては、自然環境の姿を「枯山水の庭」や「盆栽」のなかに見つけ出すことを好んでいる。小さな構成で大きな自然風景を再現することが好きだ。
○こういう感性を「砂漠地緑化改善」や「岩山緑化改善」に向けていく努力が「悉皆成仏」へつながるだろう。
○反対に、不完全な原子力発電設備を再稼働させたり、国政の柱にして輸出攻勢をかけたりすることは許されない。

(以下次回へ)

2013/07/03

『人類哲学序説』梅原猛を読んで-1

2013/07/03(水)

 『人類哲学序説』:梅原猛:岩波新書:2013年4月19日
を読み終えた。

 哲学書ですが、講義口調の文体で分かりやすいです。
 梅原は西洋哲学の原理:「人間中心主義」に疑問を感じて、40歳ごろ、研究対象を主として日本文化に変更したという。

(1)日本文化の原理:「草木国土悉皆成仏」という思想

 梅原本は、日本文化の中核的な思想として「草木国土悉皆成仏」という天台本覚思想を指摘しましたと記述する。
人類哲学の基底になる思想だということです。
この基底になる思想は、同時に世界の原初的文化の狩猟採取・漁労採取文化の共通の思想ではないか。
現在の西洋文化の思想、哲学がどうして基底思想から離れていったのか?
 梅原本では、もう一つの基本思想として稲作農業が広がった弥生時代以降の「太陽と水の神仏崇拝」の思想をあげている。
つまり、「太陽、水、草木、国土という自然環境」そのものに対して崇拝の念を持ち、打揃って悉皆成仏するのだという哲学原理なのだろう。

(2)「人間中心主義」では立ち行かない

 思考実験の態勢は未完ですが、現時点での当方の考察を始めたい。
○人類哲学の基底思想:「草木国土悉皆成仏」の概念を正しく理解すべきだ。
○人間中心主義を捨て去り、「草木国土悉皆成仏」と同列に「人間動物生き物悉皆成仏」を同等に扱う思想が必要になっている。
○有情の人間、生き物が成仏するのは当然で、無情の草木国土も成仏できるのだと序列で考えてしまっては、西洋哲学と変らない。
○人類哲学の基底思想には、「草木国土人間動物生き物悉皆成仏」を据えるべきだろう。
・一度は「宇宙まるごと悉皆成仏」を頭に描きあげて、人類哲学の基底思想をしっかり根づかせるとよいのではなかろうか。
○また、「無情の草木国土が成仏できる」という事態は、「何も為さずに自然に成仏できる」ことを意味していない。
・一度は「地球まるごと、環境まるごと悉皆成仏」を頭に描きあげて、人類哲学の基底思想をしっかり根づかせるとよいだろう。

(3)「悉皆成仏」を得るには?

 「悉皆仏性」であることと、実際に「悉皆成仏」することとは同一ではないだろう。
○人類が「成仏する哲学」とは何か?
○「解脱して悟りを得るもの」なのか、死を前にして「極楽行の証しを得るもの」なのか。
・日本文化の原理:インド→中国→日本に伝わった「大乗仏教」が風土に定着するなかで日本流に解釈され、神社思想も加わりつつ編み出されたのが、「悉皆成仏」思想なのではないか。

 「悉皆成仏」を得るには、二つの悟りが必要になるのではないか。
①この世に存在するものすべてが「生存するその環境で生態学的に共存循環、相互依存、相互利他の関係にあることを深く悟り、実践し合うこと」
②諸行無常の世にあって、「共生互助の悟り」が消えかけるときがあっても、「他に道なしと悟りを保持し続けること」

 この二つの悟りを実践することが肝要だが、人類が産み出している具体的実践方法を意図的に整理、解釈して広めていくことが哲学の役目だろう。(宗教の役目でもあるが)

(以下次回へ)

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