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2013年12月

2013/12/28

二分合体思考法の効用:動詞の態双対環

2013/12/28(土)

 日本語動詞の態(ヴォイス)について、昨年8月以来、思考してきました。
専門書を本格的に調査したのではなく、市販の新書判文法書を読んで触発されて、内容吟味から思考実験するという方法です。
(二分合体思考法の要領で考察しました)
最初の問題提起は、つぎの2冊を読んでの反論的な思考を記述しました。
①2012/08/10(金)日本語の動詞:能動形・受動形の双対性 
 『日本語に主語はいらない』金谷武洋:講談社選書メチエ:2002年1月10日
 (金谷本モデル:受動・自動詞・他動詞・使役の連続線。自然の勢いと人為的行為の強さが連続軸。)
 思考実験で反論:受動と使役が連続線の両極では、「使役受動態」を説明できない(二分合体思考に反する)。
 提起:能動系(自・他・使役の動詞)に必ず受動系が併存するから「能動態・受動態の双対の2本線軸」。
 また「使役には3種あり:強制、使役、多段強制」を思案。
②2012/10/17(水)日本語の動詞「ら抜き/さ入れ」言葉の考察
 『日本人のための日本語文法入門』原沢伊都夫:講談社現代新書:2012年9月20日
 (世論:「ら抜き・さ入れ」言葉に非難あり。文法家:「ら抜き」には許容的)
 思考実験で反論:「ら抜き・さ入れ」どちらも正しいはずだ。三者間使役を考慮すべき。
(大衆は愚にして賢なり:二者の言い分を合体(:共存理由を探る)したところに正解はあるのではないか)

○2012年時点は、「動詞の態」を考えはじめた段階でしたから、反論の根拠は薄弱でした。
特に「使役に3種あり」で作り出した単語例は、強制/使役、文語/口語が混在した間違いだらけのものでした。
しかし、最終結論:「動詞態の双対多重環」に考察が到達した今、ふりかえってみると初期の反論趣旨が案外に的を得たものだったと感じます。
(実験開始の時点で「使役に3種あり」と仮説を立てたことが、新鮮で、大胆でした)

③2013/10/06(日)日本語文法:動詞の態(ボイス)は多軸構成
 この時点でも、まだ核心をつかんではいなかった。
④2013/10/18(金)日本語動詞:態の双対図表(後半)
 双対図表の後半の書き終りのあとで、強制態にも強制結果態/可能態の双対があることを明示すべきだと気づきました。
 そのとき、2013/10/25:①記事に村岡先生からコメント投稿をいただいた。(自動詞の受身:迷惑の受動態のご指摘あり)
 さすがに「発端の問題提起の記述内容」に言及していただいたのでほんとうに感激しました。

⑤2013/11/17(日)日本語動詞:受動・使役「態の双対」で解決
 思考実験のまとめ:「態の双対」を図で描いて明示しようと工夫したことで「思考の中身を本当に理解合点」できたと感じた。
○能動←→受動:二分合体思考に適う双対形。結果←→可能:二分合体思考に適う双対形。能動から可能/結果が生じ、受動は結果と可能の合体である:「二分合体思考に適う双対環状の図」ができ上がった。
○強制系統、二重強制系統も同様の「態双対環」が描ける。
○能動系態双対環/強制系態双対環/二重強制系態双対環の「3つの双対多重環」は共通の動詞語幹でつながるものだが、それぞれ隣接・独立した態双対環なのだと理解することができた。
⑥2013/12/09(月)日本語動詞:関西語の動詞態と比較
 強制系の表現が今でも定着している関西語と、共通語の責任を担う東京語と、二分合体思考法から導かれた「態双対多重環」の3者比較を試みた。
○関西語:能動態-結果態-受動態-強制態-強制受動態を重用。使役態・可能態も適宜使用あり。
○東京・共通語:能動態-受動態-使役態-使役受動態を重用。強制態・結果態・可能態を軽んじている。
○態双対環:能動態双対環(能動態-結果態-可能態-受動態)、強制態双対環(強制態-強制結果態-強制可能態-強制受動態)、二重強制態双対環(二重強制態-二重強制結果態-二重強制可能態-二重強制受動態)を重用。

 態接辞は、動詞語幹に接辞できる性質があるから、接辞法則の流儀を東京風や関西風に別々に決めてしまうと、、まるで別々の態生成文法ができてしまいます。
○動詞生成や態生成の根源を身につけるには、結果態・可能態・受動態(結果態+可能態)・強制態・強制可能態(使役態)・強制受動態などの態接辞を正確に学習することが大切です。(態双対多重環が役立つはず)
○社会生活のなかで、祖父母・親・子どもの3世代/先生・保護者・児童/施主・元請・下請/部長・課長・平社員など三層構造の生活環境に暮しています。だから暮しのなかで「三者間使役の表現」、「二重強制態」が必要なのです。
 保護者が先生に「子どもを休ま・さ・せてください」と連絡するのは正しい言い方です。
二者間使役の表現で「休ませてください」と言うと、(先生に「保護者自身が休みたい」と連絡している)意味になってしまいます。
○「態双対多重環」のコツが分れば、「さ入れ/ささ入れ/さささ入れ」言葉の時代が来ても困りはしないでしょう。

2013/12/24

日本語動詞:受動態の多面性-2

2013/12/24(火)

(1)受動態と可能態が同形の場合

自動詞・他動詞の双対生成の例:曲がる/曲げる を模式表記で表すと、

    能動態   ・・・・・   能動態   ・・・・・・・  能動態
    曲ぐ:文語       曲がる:自動詞      曲げる:他動詞
   /   \         /  \          /   \
 結果態  可能態   結果態   可能態    結果態  可能態
 曲がる   曲げる   曲がらる  曲がれる   曲げらる  曲げれる
   \   /         \   /         \   /
    受動態   ・・・・・   受動態   ・・・・・・   受動態
    曲がれる        曲がられる        曲げられる

○文語:曲ぐ→受動態:曲がれる と、
口語:曲がる→可能態:曲がれる   が同形になります。
○これが受動態に「可能」のニュアンスが含まれる下地になっているかもしれません。
○模式表記の3つの可能態:
・曲げる/曲がれる/曲げれる
のうち、「可能」の意味が明白なのは、曲がれる/曲げれるです。
・一方、曲げる:は、「動作」を意味する感じがつよいですね。
・別例:立つ→可能態:立てるの場合、「可能:立てるようになった」、「動作:門松を立てる」のように両面を持ちます。
・動作:立てる→可能態:立てれる となれば、「可能」の意味がつよくなります。
○文語動詞から口語動詞への変換で、可能接辞:eruが「動作」の意味で使われている。
・流る→流れる/離る→離れる/乱る→乱れる/こぼる→こぼれる
(流るる、離るる、乱るる、こぼるる から転換してきた)

(2)受動態と結果態との関係

文語受動態=口語結果態である。
もっとも、思考実験のなかで「結果態」と命名しただけなので、知名度は低いでしょう。
○結果態:「動作・変化が行われた結果の状態」を表す述語と定義した。
・文語では「受動・受身」の意味合いですが、思考のなかの「結果態」としては「結果」に重点があり、「受動・受身」は付属的なものと考える。
・口語での「受動態」は「結果態+可能態接辞:eru」の合成によるもの。

会話のなかで結果態が単独で使われる機会は少ないですね。
(ただし電車内放送で車掌さんが「ドアが閉まります」とアナウンスする発想は、「動作」を言わず「結果の表現」を好む日本語流の言語方式ですから、必ずしも結果態が見過ごされているというわけではない)
○口語動詞の生成段階では遺伝子的な作用で、
・曲ぐ→曲がる/曲げる、つなぐ→つながる/つなげる、休む→休まる/休める、上ぐ→上がる/上げる など自動詞/他動詞の双対生成に使われている。
(休まる:休んだ結果の効果状態を意味する)

(3)単文での結果表現

では、会話のなかで結果表現はどうするのか?
○通常は動詞・能動態の完了形で表すことが多い。
・「この町にも高層マンションが建ちましたねぇ」:×建てられましたねぇ。
・「謎が解けたぞ」:×解かれたぞ。
・「鍵が見つかった」:×見つけられた。 (見つかる:見つk・aru=結果態かも)
・「アワビ 獲ったどォ」
○日本語の特徴的な一面が出ています。
・「ものごと」自体の動作・変化の状態を言い表すときには、能動態で表現する方法をとる。
・補語「登場人・物」が「ものごと」だけで済むからでしょう。
・受動態での表現にすると、「行為者」が誰なのか詮索したくなります。

(4)複文での受動態・使役態表現

ものごとの因果関係を説明するのに補語(登場人・物)が必要になり、行為のやりとりが受動態や使役態で表現される。
・「高層マンションに建たれてしまったから、遠くの眺めがきかなくなったね」:×建てられてしまった。
・「女はなぐられた男に復讐した」:×女はなぐった男に復讐した。
・「青年は瞳を輝かせて入ってきた」:×瞳が輝いて入ってきた。
・きのう買った本はおもしろかった。:×買われた本。(行為者の視点で:買った本でよい)
・「先生、こどもを休まさせてください、インフルエンザだと医者に言われました」:×休ませてください。
(二重強制:先生が保護者にこどもを休まさせる:×休ませさせる)

2013/12/21

日本語動詞:受動態の多面性-1

2013/12/21(土)

(1)受動態の生立ち

日本語に限らず各種言語でも、受動表現には多面的な意味合いがあるようです。
まず、受動態の多義性を調べる前に、受動態の生立ちを簡単に確認しておきます。
思考実験中の態双対環を元にして解釈を進めます。
○学校文法の受動態接辞:
・れる/られる:ひらがなでは音素解析には不向きな表記です。
○思考実験では受動態接辞:
・+(r/s)ar・eru:動詞語幹に接続する接辞。
・+(r/s)の意味は、母音語幹にはrかsかが挿入され、子音語幹にはr/s不要で直接+ar・eruが接辞する。
(基本的には、動詞未然形+れる:五段/られる:一段 が接辞するのと同形ではある。しかし)
○思考実験では、受動態を単一接辞ではなく、
・結果態接辞:+aru(:ある)と
可能態接辞:+eru(:得る)と
の合成でできたものと考える。
○国語辞典後尾付録の文語助動詞一覧表をみると、
・文語受動態:る/らる:→:+(r/s)aru であり、ついでに
・文語使役態:す/さす:→:+(r/s)asu と記載がある。
・口語使役態:せる/させる:→+(r/s)as・eru となり、
○思考実験では、使役態を単一接辞ではなく、
・強制態接辞:+asu(:さす)と
可能態接辞:+eru(:得る)と
の合成でできたものと考える。

以上の考察をもとに動詞の態全体を見直しましょう。
○「動詞の態双対環」模式表記:

    能動態   ・・・・・   強制態     ・・・・・・・   二重強制態
   /   \         /   \(使役態)   二重 /   \二重
 結果態  可能態  強制結果態 強制可能態    強制結果態 強制可能態
   \   /         \   /             \   /
    受動態   ・・・・・  強制受動態   ・・・・・・   二重強制受動態

○模式表記の最後の二重強制態とは、
・二重強制態接辞:さす/ささす:→:+(r/s)as・asu です。
(二重強制くらいまでは必要な世の中になっていると感じています)

受動態の構造上の生立ちを分析しました。 受動態、強制受動態、二重強制受動態という3種類の受動態を提起しましたが、その基本構造は「結果態接辞+可能態接辞」ですから、以後の考察では「受動態」を中心に分析します。
「受動態」には多面的な意味合いがありますが、受動態接辞(構造)は一つです。
○あえて言うなら、受動態の根源的な意味も一つです。

(2)受動態の意味は何種類?

○文法書では、受動態の意味合いを分類して
①私は父に叱られた(受動・受身)
②この魚は生で食べられる(可能)
③母の苦労がしのばれる(自発)
④社長はまもなく来られます(尊敬)
⑤雨に降られる/母に死なれる(迷惑・困惑)
などが例示される。
○一方、思考実験でいろいろ考察した結果は、
①父に叱られた/雨に降られる/母に死なれる(受身・困惑)
②母の苦労がしのばれる/この魚は生で食べられる(自発・規範)
③社長はまもなく来られます(尊敬)
の3種類に解釈するのが合理的と考えたいです。

○受動態述語の根源的な意味合いは、
・動作・変化が行われた結果状態を受け取る。
ということです。
○受動態述語と補語(格助詞付き)との統語的関係で意味が分かれてくるのでしょう。
補語(登場人・物)と受動態述語との関係が、
①「被行為者が」、「行為者による」 受動態述語関係となる→受身・迷惑・困惑を意味する。
②「ものごとが」、「被行為者に」あるいは「世間一般に」受動態述語関係を与える→自発・規範・世間常識を意味する。
③「目上の行為者が」、「被行為者に」あるいは「世間一般に」受動態述語関係を与える→尊敬を意味する。
○受身表現は、相手の他動詞動作から発生するだけではなく、相手の自動詞動作からでも発生すると考察すれば、迷惑も困惑も「受身」としてまとめられます。
○自発・規範表現は、「ものごとが」自然に、あるいは普遍的に「人間の感情や理性に」行為想念を起させることを意味します。
・「この魚は」生で食べられる(規範・世間常識)
・わたしは「この魚を」生で食べれます(可能態:可能態は「ら抜き」ではなく「ら無し:ar無し」でよい)
○つまり、可能表現を受動態で代用しないで、可能態そのものを使うほうがよい。
○世間常識として可能なこと、許可できることを表現する場合のみに規範受動態表現を使うという整理が必要です。

○整理のため、可能態の意味と受動態の可能表現の意味の違いを際立たせましょう。
・可能態表現とは「動作(開始すること)が可能だ」ということを表します。
 (読める/書ける/開けれる/傾けれる:可能だから行為をしますの意味)
・受動態で表す可能表現は、本来「動作し終って結果が出た段階で異常なく無事に達成できる」ことを意味します。
 「くり返しおこなっても問題ありません」という規範・世間常識として「可能です」の意味です。
・「おれはこの魚を食べれるよ」は個人の食事開始の言葉です。
・「この魚は(汚染がない、食用魚だから)食べられます」は行政のお墨付・規範として発表する言葉です。
・受動態=結果+可能の原意があり、結果を得たうえでの可能判断の意味だからです。
○もっと可能態(動作開始が可能)をひんぱんに使うべきですね。
 もちろん、受動態での結果可能判断も尊重しながら、峻別して使い分けるとよいですね。

○行かない/行けない/行かれない ○飲まない/飲めない/飲まれない
 の「行けない/飲めない」が可能態(可能否定)です。
・一方、受動態の「行かれない/飲まれない」が表現する意味は、何でしょう。
考察するに、規範・常識として「行かれる/飲まれる」はずなのに、それを不可能にする条件が出来したのだという意味なのでしょう。
本来なら「できるはずのこと」が不本意ながら「できない状態になった」というニュアンスです。

2013/12/09

日本語動詞:関西語の動詞態と比較

2013/12/09(月)

(1)関西人の智恵:

 関西語の知識をネット上の
<典Bのホームページ> 私の母語関西語 
の文法編を閲覧して獲得できました。
詳細な関西語の語感の理解はできていませんが、助動詞:動詞の態にしぼりこんで読みました。
 典B氏の関西語の文法解説は、簡潔ながら共通語(東京語)との的確な比較をおこなって、関西語の特徴を記述してあります。
当方が理解したところを図解してみます。

図1:関西語の動詞態(実験作図)
図2:東京語(共通語)の動詞態(実験作図)
図3:態双対環の世界(思考実験)
の3つを比較して図解しました。
(図挿入)
3

○図1:関西語の動詞態
・関西語のほうが強制態「す/さす」を常用する。(東京語が「す/さす」を古語扱いしているとの指摘あり)
・関西語では受動態「れる/られる」に尊敬の意味はほとんどない。「なはる/はる/~てはる」という融通の利く「尊敬の助動詞」があるから。
・可能態の「ら抜きことば」は認めてもよい。
・逆に可能否定表現には「ら抜き態」を避けるようです。
例:関西語「熱うて飲まれへん」では、飲めへん/飲まへんを避けて、受動態「飲まれる」の否定形「飲まれへん」を使います。
(自分の意志行為で飲まないのではなく、自然条件が厳しいから結果的に飲めないのだという言語感覚なのでしょう)
・受動態の生成には複数の順路があります。
例:能動態→受動態/強制態→強制受動態/使役態→使役受動態/(可能派生能動態?→可能受動態?)
・強制受動態と使役受動態の貸し借りが関西語と東京語の間で起きているという図解をしてみました。
(使役受動態には、「飲ませ(:強制含意)+られる(:能動含意)」という相反含意が一語のなかに混合しています。日本語文法の深階層では法則違反となるものでしょう)

(2)東京人の智恵:

○図2:東京語の動詞態
・動詞態の文法概念として、能動態/受動態/使役態の3つが中心。
・可能態の認知度や支持率が低目なのが意外です。学校文法をかたくなに守る姿勢がマスメディアに目立ちます。
(「ら抜き言葉」と間違った形容表現をしていること自体が否文明的です。正しい「ら抜き」は正しい)
・学校文法寄りの立場は、受動態や使役態の使い方にも現れています。生成遺伝子である「組み合せ接辞」の可能態・結果態・強制態をほとんど注目していません。
孤立的な扱いですから応用力が利きません。
(生成遺伝子を手掛りにしないと、思考実験も始まらない)
・強制受動態と使役受動態の貸し借りが関西語と東京語の間で起きているという認識も薄いようです。
(文法学者の認識も低いです)
(東京語の使役受動態には、「飲ませ(:強制含意)+られる(:能動含意)」という相反含意が一語のなかに混合しています。日本語文法の深階層では法則違反となるものでしょう)

・強制受動態を容認できる人がどれほどいるのでしょうか。
・さらに二重強制態への理解度はどのくらいあるのでしょうか?

(3)態双対環の世界:

○図3:動詞態の双対環方式
・関西語には、行為意志を目立たせる「強制態」を重用する反面、「飲まれへん」のように行為意志を目立たせないように「受動態」表現を使うという配慮も自然に根づいています。
・東京語は共通語役割が強く、文法制約があって、なかなか智恵が働きません。
・文法の制約を文法的に切り開くためには、動詞を生成する遺伝子を確実に働かせてみるのが一番です。
・それが図3の態双対環の構造です。双対環の構造の意味合いは、
①能動態と受動態は必ず双対で存在します。
②能動動作は動作可能状態と動作結果状態を生み出します。
③つまり、結果態と可能態もまた必ず双対で存在します。
④結果態(←文語受動態)と可能態が合成されて「受動態接辞」ができ上がります。
⑤強制態、二重強制態も相似の態の双対環で表現できます。
⑥つまり、能動態双対環/強制態双対環/二重強制態双対環はひとつの動詞語幹からの派生ですが、それぞれ独立した多重環のようなものです。
この考え方を適用すれば、どんな動詞に対してもその語幹を双対環に挿入して「態の生成」を試せます。

・もちろん、態双対環の修得ですべてが解決するわけではありませんが、「ら抜き/さ入れ」言葉の正しい派生由来が理解できるでしょう。
・東京人には「熱くて飲まれない」と表現するのには、まだまだハードルがあります。
 ただ、幼い頃には「行かない/行けない/行かれない」などと区別して気持を表していたかもしれません。
・万能の「尊敬態」:なはる/はる/~てはる とか
「行為否定の助動詞」:(せん→へん)の持っている独特の機能とか、解明できれば応用したいもの。

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