日本語文法:形容詞語幹と活用接辞
追記:2017年に思考実験の進展あり。
態文法:形状動詞の派生と挿入音素、態文法:派生文法と「態の双対環」文法、
を優先的にお読みください。
2014/07/06(日)
(1)形容詞語幹と活用接辞
(図表挿入)
形容詞の語幹を思考実験してみましょう。
○形容詞は(い形容詞)と(な形容詞)に大別します。
・い-形容詞は語幹と活用語尾がある通常の形容詞です。
・な-形容詞は一般に形容動詞と呼ばれる品詞ですが、語全体が語幹で、名詞に似たような構文活用になります。
○形容詞の語幹と活用接辞の音韻的接合原則は、動詞の場合よりもずっと簡単そうです。
○活用接辞も辞書形につく+[i]は母音接辞ですが、それ以外は子音接辞です。
○特に「な-形容詞」は語全体が語幹であり、語尾変化しないから、音韻接合の概念に相当しないわけですね。
(2)形容詞に「~です/~でした」?
図表の後段にある動作形でも、(い)形容詞と(な)形容詞の違いが現れています。
○(い形)楽しいです/楽しかったです に対して
(な形)きれいです/きれいでした を示しました。
○通常(い形)楽しいでした と言わないで、楽しかったですと言うのが普通です。
○(な形)きれいでした/きれいだったです どちらも言えそうです。
○「楽しいでした」と言わない理由は、助動詞:「です/でした」が2つの意味を持っていて、片方の意味が邪魔をするからです。
①動作叙述の助動詞:~をするのです という意味と、
②判断の判定詞:「AがBだ/です/でした」 という意味・構文で使われる。通常「Bでした」の「B」は名詞であることが多いでしょう。
○(い)形容詞は感覚反応を表す形容の言葉が多く、それに判定詞がつくことに違和感があるのでしょう。
○(な)形容詞の「きれいでした」 は、機能上では(な)型名詞ですから違和感がほとんどないわけですね。
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