日本語文法:構文図略式表記
2014/08/04(月)
(1)読書2冊
『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』金谷武洋:飛鳥新社:2014年6月25日、
『還元文法構文論ー再検討・三上文法』山口光:めいけい出版:2001年7月15日 の2冊通読。
金谷新刊本は日本語が持つ言語感覚を深く理解して公平な視点、共通方向の視点を活かして行けば穏やかな世界になると説く。梅原猛の「人類哲学序説」につながるような感覚になる。
金谷流の文法書としての目新しさはまったくない。今までの集大成。
山口本は三上章文法を正に引き継ぐものだが、整理された対立項目のポイント解説的な表現になっており、難解です。
なかに、構文図の記述があり、思考実験のテーマに選んでみました。
(2)盆栽型構文図略式表記(熊手型構文も略記できる):山口本の構文図法則とはちがうものです。
以前の日本語文の構図:文型記号を再考する に、今回あらたに再度提案し若干の修正をし直したい。
日本語の動詞は能動/受動の活用が大きな特徴だから区別できる双対記号を準備することと、複文構成にも対応できるように係り・係り先を照応表記できるように工夫した。
構文略式記号:
①主題記号「~は」: →:
②補語記号「~格助詞」: → 、係り(飛び)→①、→②、
③述語完結記号:
能動 ) 受動 ( 、 係り先:①)、②(、
④述語修飾記号:
能動 >→ 受動 <→、
⑤述語連節記号:
能動 }→ 受動 {→、
係り・係り先の用例:
多義文の例:構文図を一行内で書き連ねるための便法として、修飾の飛び先を①、②などで明示する。
○刑事は→:必死に逃げる>→賊を→追いかけた。)
○刑事は→:必死に→①、逃げる賊を→追いかけた。①)
以下に構文略式記号の検証用例を示します。
例文1:山口本に記載の例文を略式表記してみたもの。(話の論理が空回りのようだ、、、)
○灘五郷の銘酒さえ→最上品は→東京に→とられてしまって{→本場に→残る>→のは→
次の品>→とかいう→話もきく>→程で→
何によらず→東京は→最上品の→集中場で→あろうが>→①
しかし→①又→①東京へ→行ってから}→いろいろに→混合される<→らしい→最上酒よりも→①
地元に残された<→その→次の品に→①かえって→①
純粋な酒の味が→ある①>→
ように→②
大阪には→大阪の美人が→いるに>→②
ちがいない②>→
と思う>→のだが→③
それならばと→ひらきなおって}→何処に→いますかと>→問い返されると<→③
こちらが→当惑する。③)
例文2:
○つねは→:
夫が→まだ→棟梁として→幅をきかして→いた>→時分に→①
ふいに→後家に→なった>→妹のやすが→子がなかった>→ので→
下宿の権利を→売って}→田舎に→引っこむ>→という→のを→止めて}→①
その権利を→条件付きで→買い取った。①)
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