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2015/08/02

日本語動詞の態拡張4

追記はじめ-
★★→投稿本人注:2015/11/16:動詞基幹の名称概念を廃止します。態接辞にしか通用せず、動詞活用接辞、助動詞接辞などを含めて通用する概念としては、「動詞語幹+挿入音素+機能接辞」の全体構成から「動詞語幹+挿入音素」の部分を「機能接辞」と接続するという解釈がよい。(一般化した「動詞語幹+挿入音素」は子音終わりの基幹形態にならない場合もあるから)
追記終わり-

2015/08/02(日)

(9)「態の双対環」の使い方:

★基本事項:
①動詞原形態幹:(新定義)←名称を「動詞基幹」に変更します。以下、原文で置換処理します。(10月)
 態動詞の派生段階では、「動詞辞書形の末尾子音までを動詞基幹」として扱い、これに態接辞を接続して態動詞を生み出します。
例:動詞基幹:
・歩k-、探s-、立t-、読m-、通r-、(「う型」動詞)
・食べ.r-、見.r-、着.r-、来.r-、(「る型」動詞:能動動詞の識別子音「r」が付く)
〇動詞基幹を採用する理由:
・古い文法:「動詞の未然形に態接辞を接続する」の間違いを根本から訂正できる。
・つまり、態接辞は原初から子音終わりの動詞原辞に結合して自他交替による動詞派生の機能を果したはずで、
 この動詞基幹を採用すれば、すべて「子音語尾形態による態幹と態接辞の接続法」として態動詞派生を扱える。
・結果的に「歩ける、立てる、食べれる、見れる、来れる」などの「ar抜き可能態」も順当に扱える。
 (未然形に関わらない可能動詞も「う型」、「る型」ともに態幹方式で解決できる)
・「動詞語幹と態接辞の接合」は「動詞語尾側の形成処理」が最善策であり、「(r/s)接頭子音を態接辞に付加する」のは次善策なのだと考察している。

②態系の三種類:
 能動系:動作主が「みずから為す」動詞(自動詞、他動詞)による態派生の表現。
 強制系:動作主の意図により「他者に為させる」動詞(いくぶん文語体的)による態派生の表現。
 使役系:動作主の意図により「他者に為させる」動詞(現代口語体的)による態派生の表現。

③各態系の態接辞:(双対環を構成する態接辞)
〇能動系:接辞なし(原形基幹)
 ・原形態:原形基幹+u
 ・可能態:原形基幹+e.r・u
 ・結果態:原形基幹+ar・u
 ・受動態:原形基幹+ar・e.r・u
〇強制系:接辞+as-(原形基幹+as-:強制基幹)
 ・強制原形態:強制基幹+u
 ・強制可能態:強制基幹+e.r・u
 ・強制結果態:強制基幹+ar・u
 ・強制受動態:強制基幹+ar・e.r・u
〇使役系:接辞+ase.r-(原形基幹+ase.r-:使役基幹)
 ・使役原形態:使役基幹+u
 ・使役可能態:使役基幹+e.r・u
 ・使役結果態:使役基幹+ar・u
 ・使役受動態:使役基幹+ar・e.r・u

④動詞基幹のr/s交替:
 動詞基幹を「食べ.r-」「見.r-」「着.r-」「来.r-」と表した子音語尾は、強制系、使役系の態動詞へ移る時に「食べ.s-」「見.s-」「着.s-」「来.s-」と交替させる。
例:「食べ.s・asu」「見.s・asu」「着.s・ase.ru」「来.s・ase.ru」

★「態の双対環」演習用台紙:
 基本事項に適合する態派生の演習用台紙を作成して掲示すると学習効果が高まると想定する。
(例:「態の双対環」演習台紙)
Photo
〇能動系、強制系、使役系の「態の双対環」を一式にして2組以上準備しておけば、自他交替の動詞態を対比して検討するとか、問題と解答の対比とかに使用できるようにしたものです。
〇能動系「態の双対環」内の態動詞が必要に応じて、「強制系や使役系の双対環」へ移動連結する場合もあります。
例:滝に(受動態→)打たれ(使役受動態→)させられた。
〇また、下請け、孫請け動作を表現するために二重使役系を使う場合にも演習できるでしょう。
(態接辞だけを連結組合せするよりも「双対環」構造によれば正確に記憶を整理できる)

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