日本語動詞:「態の双対環」語感調査
2015/09/04(金)
(1)「態の双対環」演習に代えて:「回答例」記述しました:09/08(火)
「態の双対環」の効用を予測するために、まず語感調査を実行したい。調査では、
〇例文を読んだときの感覚で判定してください。
〇現在は〇印や×印、追記などを示していませんが、後日回答例を付加記入しようと思います。
以下調査内容です。
調査事項:
可能動詞による可能表現と受動態による可能表現を併行して読み比べた場合、両者に意味の差を感じるか/差を感じないか、について調査したい。
〇文例に「可能動詞を使う表現」文と「受動態による可能表現」文とを並行に組み合せて提示します。
〇読み比べて「意味の不自然さ」や「何らかの意味の差」を感じるか、などの意味認識の感覚差が存在するのか どうかを調査したい。
(調査範囲を上記に限定するため、いわゆる「ら抜き可能言葉」や受動態での「受身許容的表現」を文例に用いないように留意します)
調査方法:
〇文例番号の前に回答記入欄(自然/差有り)がありますので、例文ごとに読後感として回答を「〇印、×印」で(自然/差:の項目に印付け)記入してください。
〇上下の例文比較で「意味の差」について特にご意見があれば、3行目の空白部分に記入してください。
〇例文番号に添え字:kを付してある例文は、可能動詞の文です。受動態の可能文には添え字:jを付しました。
〇3行目は例文番号に添え字:追記>を付してご意見記入欄をもうけました。
調査用文章:09/08(火)当方の「回答例」を記述しました。
(自然/〇差有り)1k:今度の発表会に行けるので、楽しみだ。
(〇自然/〇差有り)1j:今度の発表会に行かれるので、楽しみだ。
(↑〇×回答↑)(1追記>:1jには発表会に行き体感する感じ、臨場感がより強く表われる)
(×自然/〇差有り)2k:それが今回の事故原因だと思えます。
(〇自然/〇差有り)2j:それが今回の事故原因だと思われます。
(↑〇×回答↑)(2追記>:2kは思考継続みたい。2jで「思考結果の表出」があり、論理的だ)
(自然/〇差有り)3k:高学年生ならこの本を読めるでしょう。
(自然/〇差有り)3j:高学年生ならこの本を読まれるでしょう。
(↑〇×回答↑)(3追記>:3k:生徒の能力に注目、3j:本の閲覧頻度に注目、多数回の可能性)
(×自然/〇差有り)4k:(成句変形)泣くに泣けぬ気持だった/言うに言えぬ苦しみを・・・
(〇自然/〇差有り)4j:(成句原形)泣くに泣かれぬ気持だった/言うに言われぬ苦しみを・・・
(↑〇×回答↑)(4追記>:4k:感情を制御できる状態、4j:感情結果や制御を超えた過酷な状態)
(〇自然/×差有り)5k:この路地は狭いけど、ぼくでも通れるよ。
(〇自然/×差有り)5j:この路地は狭いけど、ぼくでも通られるよ。
(↑〇×回答↑)(5追記>:5jのほうが通り抜けた実績があるように感じられる。が、大差はない)
(〇自然/〇差有り)6k:針穴に糸を通せるよ。
(×自然/〇差有り)6j:針穴に糸を通されるよ。
(↑〇×回答↑)(6追記>:6jでは受身?尊敬表現?と感じられ、自己の可能表現には不適です)
以上で調査文を終了します。
この調査用紙を作成中に、「可能動詞誕生のいきさつ」を想像・実感することができました。
(別稿に記述予定)
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