日本語動詞:新解釈「態の文法」を求めて2
2016/01/30(土)
「態の双対環」:新しい態文法を整理して提起します。
★態動詞の生成法則:(態生成の仕組:語尾子音化+機能接辞)
①日本語で態動詞を生成する仕組は「自他交替機能の接辞を再利用する」ことです。
②例:動く(自動詞)→動かす(他動詞):
原動詞語幹:ugok-に自他交替機能接辞:-asuを付加して他動詞化する。
また、機能接辞:-eruを付加して「動ける:ugokeru」を生成する。
また、機能接辞:-ar・eruを付加して「動かれる:ugokareru」を
生成する。
③原動詞語幹が母音の場合、潜在的な文法則が働いて母音語幹には「・rか・sを」
付加した形態で機能接辞と結合します。(態生成の仕組:語尾子音化+機能接辞)
例:食べるの原動詞語幹:tabeに・r(自律動作)か・s(他を律する動作)を挿入音素と
して付加した形態で機能接辞と結合します。
:「食べれる:tabe・r-eru」、「食べさせる:tabe・s-as・eru」
④「態生成の仕組」実例を示す。(子音語幹、母音語幹を統一的に扱う仕組です)
例:切る:切れる/切らる/切られる、/切らす/切らされる、/切らせる/切らせられる
:着る:着れる/着らる/着られる、/着さす/着さされる、/着させる/着させられる
:帰る:帰れる/帰らる/帰られる、/帰らす/帰らされる、/帰らせる/帰らせられる
:変える:変えれる/変えらる/変えられる、/変えさす/変えさされる、/変えさせる
/変えさせられる
(母音語幹も r/s音素を挿入し語尾を子音化させることで、態動詞が生成できるのです)
★態の接辞:(自他交替文法での主要な機能接辞が再利用されています)
①自他交替で使われている機能接辞ですから、日常使いの動詞のなかに接辞が入っています。
例:働かす→働k+asu:強制態接辞:-asu:(他者に)他律動作をさせる表現。
:動ける→動k+eru:可能態接辞:-eru:意思としての動作可能を表現。
:休まる→休m+aru:結果態接辞:-aru:動作結果で実現する状態を表現。
②態接辞として複合化してできた接辞:(文語体から口語体への移行)
:使役態接辞:-aseru←(強制態+可能態:-as・eru):他者に他律動作をさせる。
:受動態接辞:-areru←(結果態+可能態:-ar・eru):動作結果での事態。
(強制態:asuは文語体での使役表現に使われていた接辞、結果態:aruは文語体での
受動表現に使われていた接辞。ともに重要な役割を今でも果しています)
③態接辞の連続接続:(詳細は次節「態の双対環」方式で記述)
:受動態+使役受動態:滝に打たれさせられる。
(打t+are・s+ase・r+areru)
:強制使役受動態:行かさせられる。(行k+as+ase・r+areru)
(注:二重受動態や二重可能態は意味不明となり禁じ手です)
★「態の双対環」方式:(「双対環」に3系統あり:能動系、強制系、使役系)
基本の態接辞を確実に修得するために、文字列表記と図形の二つの形式で態接辞を組み合せ
ました。
①能動系「態の双対環」:文字列表記
例:原形態・u/可能態・eru/結果態・aru/受動態・areru
:歩く/歩k・eru/歩k・aru/歩k・areru
:起きる/起きr・eru/起きr・aru/起きr・areru
:来る/こr・eru/こr・aru/こr・areru
:する/s・eru/s・aru/s・areru
②強制系「態の双対環」:文字列表記
例:強制態(原形+as)・u/+可能態・eru/+結果態・aru/+受動態・areru
:読m・asu/読まs・eru/読まs・aru/読まs・areru
:考えs・asu/考えさs・eru/考えさs・aru/考えさs・areru
:来s・asu/こさs・eru/こさs・aru/こさs・areru
:s・asu/さs・eru/さs・aru/さs・areru
③使役系「態の双対環」:文字列表記
例:使役態(強制可能:+aser)・u/+可能態・eru/+結果態・aru/+受動態・areru
:たおs・aseru/倒させr・eru/倒させr・aru/倒させr・areru
:集めs・aseru/集めさせr・eru/集めさせr・aru/集めさせr・areru
:来s・aseru/来させr・eru/来させr・aru/来させr・areru
:s・aseru/させr・eru/させr・aru/させr・areru
★「態の双対環」の演習図形:
分量が過ぎているので、図形については以前に作成した演習図形を参照してください。
「態の双対環」演習台紙
以下次回へ