日本語:態動詞生成の方程式
2016/07/03(日)
「態の双対環」方式による態文法を書き上げたはずが、日々追記したり、新しい考察が浮んできたりで、なかなか落ち着けません。
HP参照:日本語:態文法を再生する。
〇態生成の方程式=「【動詞語幹+挿入音素】+態接辞」の一覧表をHPから再掲します。
(語幹側に挿入音素を付加するので、態接辞は単一形態になり言い間違いが起きません)
方程式に当てはめる態接辞は「eru/aru/areru/asu/aseru」で、すべて母音始まりですから、子音語幹動詞ならば挿入音素[]なし、母音語幹動詞ならば挿入音素[r]付加して態接辞につなぎます。
〇ところが、強制系、使役系の母音語幹動詞には[r]挿入では不都合です。
例:見さす、食べさせる、調べさす、などは、
・「見[r・uことをs]asu」、「食べ[r・uことをs]aseru」、「調べ[r・uことをs]asu」を一語に統合する工夫が生まれたのだろう。
・「見[r→s]asu」、「食べ[r→s]aseru」、「調べ[r→s]asu」、という「r/s」交替の法則が暗黙的にできたのではないだろうか。
・見・さす、食べ・させる、調べ・させる、など二語連結のようにも思えるが、一語統合との違和感がない。
〇[r]は母音語幹動詞の原形語末側の音素であり、[s]は「する」動詞の強制・使役系の単音語幹音素ですから、共に位置付けとして【動詞語幹+挿入音素】の音素に配置できる性質を持っている。
★この「r→s」交替の暗黙の文法に気づき、挿入音素は動詞語幹側に付加すべきだという考察の根拠が強くなりました。
★また、「r/s」の対向関係は、
・r:自動詞、s:他動詞の対向性やr:自律動作、s:律他動作の対向関係を表している。
前々回の日本語文法の論理10 の最後に記した「駄じゃれ」ネタは落語のネタになったりしていないだろうか。
「やーい、猫にサンマを食べられた!」
「なーに、猫にサンマを食べさせた、だけだい」
という「r→s」交替ネタ:態のどんでん返しなんだが、、、
(こんなことを考えているうちに、二語連結→一語統合へたどり着いたのかもしれません)
〇基本的に態接辞をつなげるということは、二語連結、三語連結であり、
・受動態:動作+「ある、あれる」の二語連結であり、
・使役態:動作+「さす、させる」の二語連結であり、
・使役受動態:動作+「さす、させる」+「ある、あれる」の三語連結であり、
それぞれ、一語統合する能力、感性を習得してきたのだろう。
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