態文法:態文法を組み上げる1
2017/11/05(日)
昨日4日(土)夜、今泉研究会に参加して、持込み演題の動詞派生の一般形式表記
法について説明した。 論点の中心は態派生時の[挿入音素]を一般形式:[連結母
音/無音]、[無音/連結子音]で表記することにより、現状文法の「可能態」、「命
令形」での子音幹/母音幹・動詞での異形態発生(解釈)がなくなり安定派生が見
込めるということ、更に応用して、動詞、形容詞の相派生(未然・連用・終止・・・)に
ついても一般形式[挿入音素]を用いれば統一的に派生が理解できる。・・・
(説明図表は補追して後日投稿する)
先生からは指摘と質問が山ほどあったが、要点を記しておく。
古語、文語、口語とのつながりで論証できるか?
独自用語をしっかり定義して説明してほしい。
相派生の表中に完了形も含まれているが、時制(テンス)と相(アスペクト)が混
在するのは誤解の元になるが、相を新しくどう定義したのか?
形状動詞はシ活用・シク活用とカリ活用とが文語時代から併存しており、その流
れからすると、挿入音素:[・/k]はなじまないのでは。また、動詞派生での[k]も
特定語に限るものではないと言えるのか?
[挿入音素]の連結子音:[・/r]、[・/s]、[・/y]、[・/k]は意味合いと関係付け
があるというが、連結母音:[a/・]、[i/・]の音に意味があるか?
→これに対する我流の答えは当然に不十分であり、確かに新しい概念に明確な定
義をなさずに論を進める手抜き状態であることは感じている。
→動詞活用表(未然・・・命令)の6形態のうち、「態の助動詞すべて」を未然に連結
するのではないと新定義しているので、活用表は純粋に相派生の一覧表になる
はずだ。 相派生に終止形(未完了形)しか考えないのはおかしいので、完了形態
が並ぶのが当然であり混在ではない。
(詳細な相活用は連用形に複合する形式で:~ている、てある、ておく、てくる、
~しはじめる、しおわる、などの補助動詞を付加して生成する)
→完了形は、文法的にもテンス・アスペクト・ムードのどれに属するのか議論が分
れている。 動詞連用形の一般形式で:D[イ音便/・]ta:(書イ・た/食べ・た)と
表記するように、完了形の出自は連用形からしか生成できない形態である。
→現代文法で未然形の枠に「読もう/食べよう」のD[・/y]ooを組み入れて五段
活用表にしたのも、未然のアスペクト補強になっている。
(文語では「読ま・む」が意思の未然形で使われたとの示唆あり。「食べ・む」もあ
りか:D[a/・]m・uと一般化していたか)
補強の実を上るため(命令・仮定の次枠に)「完了形」枠も組み入れるべきだろう。
最後に私から質問した。
→助動詞の使い方に2通りあり、動詞語幹と接辞語幹とが密結合する「派生」のほ
かに、修飾関係や語並べ的な緩い結合:「複合」がある。区別や識別を設けるべき
ではなかろうか?
先生は悠然として回答された。
・助動詞の定義はなんですか。そうです、付属語であり・活用する語・辞は、すべて
助動詞と品詞分類している。
→「そう/よう/らしい」は先行語に対しても後続語に対しても「複合」で連結す
る。「そう+だ/よう+だ/らしい+のだ」は複合した形態で「緩い断定詞」各種の
扱いにするのは、どうですか?
・(慣用度が高い形態なら)「~~基」という扱い方ができるでしょう。
という助言をいただいて、今回1回限りの参加を終えた。
今後、「態文法を組み上げる」の考察を通して、助動詞の使い方を整理した一覧表
を作成したい。
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