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2018/10/06

態文法:態文法を再生する練習要領:はじめ

2018/10/06(土)

 態文法を再生するための練習要領、用語の新定義を順に書き起します。
広く練習体験につながることを願っています。(再生の要領集、定義集録)

 1.「態文法を再生する」とは
  日本語動詞の活用形態をローマ字つづりで書き出して、態接尾辞
  などを正確に切り出すことにより、接辞の文法機能を解き明かし
  て、現状の国語学、学校文法の説明不足を補完すること。

 2.動詞の活用とは:その1
  動詞:用言などは、自立語であり活用する語と定義されてるが、
  動詞語幹そのものは変化しないので、これに助動詞:接尾辞(以下、
  接辞と呼ぶ)が連結して接辞固有の意味を追加するのが動詞活用
  である。(本来は動詞派生と呼ぶのがふさわしい)
 〇動詞語幹に1つ以上の接辞が連結して派生形態を生み出す。

 3.動詞の派生形態とは
 〇動詞派生形態=動詞語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]接辞語幹
  ・・という繰り返しの派生が多い。
 〇接辞自体も活用:二次派生するので、接辞語幹に[挿入音素]を配
  置して次の接辞と連結する。
 例:読まれてる→yom[]ar[]e[]te[r]u (動詞語幹[]接辞語幹[]接
  辞語幹・・、[挿入音素]:[]無音、[r]単子音、詳細は後述する)
 〇上例を見て分かるように、語幹を正確に切り出し、接辞の語幹を
  正確に把握するには、一度はローマ字つづりで書き出しする練習
  が必要となる。(詳細は後述)

 国語学、学校文法で上例を分析すると、
例:読まれてる→読ま・れ・て(・い)る:と区切ってしまうので、動詞語幹も接辞
 もずたずたにこま切れにされてしまう。(かな分析の宿命とも言える)
・動詞語幹は「よ:yo」で切られる。語幹末尾音と接辞語頭音の結合で「ま:m‐a」
 となり、これを『活用語尾』と呼ぶ。 通常、『動詞語幹相当と活用語尾を連結』
 した形態を『活用形』と称する。 (よま→「読ま」で『未然形』と呼称する)
・読ま・れ、の切り残りの「れ」が受動態の接辞だと言い張るのが学校文法です。
・『活用形』に「切れ残り接辞」をつなぐ、という巧みな方便的手法で活用形態の
 説明を乗り切ります。 方便は真実を現わさない。
 (学校文法の『活用形』には、『 』で囲んで注意喚起の表記にします)

 4.挿入音素とは:その1
  動詞語幹と接辞語幹の密な音素連結でも滑らかに発声できるように
 〇動詞語幹が子音末なら、母音語頭の接辞と[挿入音素:無音]で連結、
  子音語頭の接辞とは[挿入音素:単母音]を介在させて連結する。
 〇動詞語幹が母音末なら、母音語頭の接辞と[挿入音素:単子音]を介
  在させて連結、子音語頭の接辞とは[挿入音素:無音]で連結する。
 ★以上の2つが密な音素結合の全条件を表現してるので、一般形式に
  仕立上げることができます。
 〇[挿入音素:一般形式]表記として、[無音/挿入子音]、[挿入母音/
  無音]を使い分ける。

 5.動詞派生を一般形式で表記する:その1
 〇動詞語幹を一般形式化して、D記号で示す。 (慣れるまでは、
  DにはDs(子音末)とDb(母音末)が含まれるから、Ds/bと想定し
  てもよい)
 〇[挿入音素一般形式]:[無音/挿入子音]、[挿入母音/無音]を
  使い分ける。(後続の接辞語頭音素が母音か/子音かで決る)
 例:読まれてる→yom[]ar[]e[]te[r]u を[挿入音素:一般形式]で
  表記すると、yom[・/r]ar[・/r]e[i/・]te[・/r]u となる。
 ・Ds/b→D[・/r]ar[・/r]e[i/・]te[・/r]u から、動詞:食べるは
  食べられてる→tabe[r]ar[]e[]te[r]u の派生形態で表される。
 〇動詞語幹や接辞の語頭・語末の違いが[挿入音素の有音・無音]で調整
  されている。([挿入音素]の母音、子音の種類については後述する)
 〇読む、食べるの語幹をD表記すると、最初に連結する機能接辞との
  [挿入音素]形式を何にするか、その選択を求められる。
 ・能動系の態派生では、D[・/r]ar[]e[]te、:読まれて、食べられて、
 ・強制系の態派生では、D[・/s]as[]e[]te、:読ませて、食べさせて、
  の挿入音素:[・/r]、[・/s]、を選ぶ。
 ([挿入音素]の母音、子音の種類については後述する)

 日本語は膠着語であるが、語幹と語幹が密結合する際に、子音・子音の連続や
母音の連続する発声方法を避ける傾向も顕著にあり、回避の仕方は結合の間に
[挿入音素]を挟み込む言語体系なのです。
もし、子音連続をいとわない言語だったら、ローマ字つづり方式の言語形式にな
っていただろう。でも、[挿入音素]のお蔭で「かな方式言語」で発展し続けて来ら
れたわけだから、少なくとも文法研究の場では動詞派生を[挿入音素]・ローマ字
つづりで解釈するという「道具の使い方」をするべきなのだと思う。

 6.挿入音素の一般形式は何種類?
  詳細な解説は後回しにして、[挿入音素]の形態だけを示します。
  〇[a/・]、[i/・]、[・/r]、[・/s]、[・/y]、[・/k]、の6種類です。
  これですべてです。

(つづく:再生の要領集、定義集録)

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